櫻井龍子(さくらい・りゅうこ)

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 最高裁判事 在任期間
  2008年9月11日 ~ 2017年1月15日

 

エピソード

 
 最高裁判事としては、史上初めての戦後生まれ。

 また、史上3人目の女性最高裁判事でもある。

 大学時代はマンドリン部の活動に夢中になった。 卒業を控えて、弁護士になろうと司法試験に挑戦したこともあったが、福岡から上京し、労働省(現:厚生労働省)へ。

 働く女性にはまだまだ厳しい時代に、勤労者福祉部長や女性局長などを歴任し、育児休業法(現:育児・介護休業法)の制定にも携わった。 労働者と雇用主との妥協点を探り、難産の末に、あらたな法律を誕生させたという。

 「育児休暇をとる親御さんや、育てられている子どもたちが、私にとっては子どもや孫のように思えて嬉しくなる」「どの法律も、条文の裏には担当者の汗と涙が隠れている。人間味のある条文解釈に努めたい」と話す。

 また、出向先の大阪府で阪神大震災(1995年)に直面し、生活文化部長として災害対策に当たった。

 労働省を退官後、委員を務めた内閣府情報公開審査会では、C型肝炎ウイルスに汚染された血液製剤「フィブリノゲン」の納入先機関を公表すべきだと厚生労働省に迫った。
 「医療機関にとって不利益になる」と反発する、古巣の厚生労働省を相手に、あくまで「国民の生命には代えられない」と押し切ったのである。

 

プライベートの横顔

 

 趣味は、30年続けているスキーや、教室に通い始めて10年以上になる陶芸。 自宅で使う茶わんや皿はすべて自分で作った。 ろくろを回すときは無心になれるという。 夫と、友人の拾ってきた猫と暮らす。

 

最高裁判事 就任のあいさつ

  

 「人を裁くというのは初めての経験で、重大な責任を感じている。これからの時代、司法が果たす役割は非常に重要になる。国民の社会常識に合った判断、結論が一番大事だ。世の中の大きな流れを把握し、人々の意見や要望を丁寧に吸い上げ、判決に生かさなければならない」

 「行政の第一線で働き、特に雇用の分野で仕事をしてきた。大阪府庁にも出向経験がある。現場の経験を十分に生かしながら仕事をしていきたい。内部の事情が分かっているから(行政側に)かえって厳しい、ということもあるでしょう」

 

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裁判員制度について

 
 今までの刑事司法は裁判官、検察官、弁護士という専門家にお任せする形だった。世の中が変わり、国民の意識が多様化しているので、国民参加型の司 法というのは必要。国民が司法に親しんでもらうのに裁判員制度は最も有効な方法だと思う。裁判が分かりやすくなれば非常にいい効果が上がるのではないか。

 国民の理解は進んでいるとは思うが、もっと努力が必要だ。公判前整理手続きで争点を整理し、効率的に審理を進めるために法曹三者が一生懸命、準備しているので、迅速な裁判が実現するはずだ。

 ただ、司法の方々は、行政と違って、国民の方々に法律や制度をPRすることがあまり得意でなかったように思う。
 私が専門にしていた労働分野では、労使の協力がなければ進まないところがあるので、法律とか制度とか新しいものを作ったときに、PRに全国の組織を挙げて取り組む。
 司法でもやられているとは思うけれども、一市民として私のところまでパンフレットなどが来なかったことを考えても、もう少しそうした努力は必要ではないかと思う。
 
 

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櫻井判事の おもな個別意見


 
 特になし。

 

そのほかの判断
(櫻井判事が裁判長として関与・小法廷で全員一致の意見)

 
 
2009年7月2日
 ゴルフ場のキャディー25名が、運営会社から一方的に、正社員から契約社員へ身分変更させられたのは不当だとして、賃金減額分の返還を求めた訴訟 → 

2009年7月1日
 長野市の繁華街で起きた3件の連続放火事件(1人が死亡)の犯人に、懲役17年を言いわたした判決を支持。

2009年6月2日
 飲酒運転でタクシーと衝突し、乗客ら4人を死亡させた危険運転致死傷事件で、被告人に懲役18年を言いわたした判決を支持。

2009年4月13日
 御殿場市(静岡)で、当時15歳の女子を集団で乱暴しようとしたとして、強姦未遂罪に問われるも、一貫して無罪を主張していた元少年(当時16~17歳)に対し、懲役1年6カ月の実刑を言いわたした判決を支持。

2009年3月10日
 阪南市(大阪)で、同居していた女の長男(19歳)を暴行・餓死させ、殺人や保護責任者遺棄致死などの罪に問われた無職の男に対し、懲役20年を言いわたした判決を確定させる。

2009年2月26日
 知人に暴行したとして逮捕され、病院の「あごの亀裂骨折など四カ月のけが」との診断を基に、傷害罪で起訴されたが、その診断が、病院の誤診だったことがわかったため、起訴は不当だったとして、国家賠償を求めた訴訟。 → × (「起訴には違法性がなかった。検察官の過失も認められない」とする理由を支持)。

2009年2月10日
 会社員になりすまして、社会保険事務所にウソの届け出をして、健康保険証をだまし取り、狭心症の治療費など221万円の支払いを免れ、詐欺罪に問われた市議会議員に対し、懲役2年(3年間の執行猶予)の判決を確定させる。

2008年12月22日
 元国鉄の組合員(民営化に反対していたメンバー)を、運転士資格があるのに運転士に登用しなかったのは、JR東日本の不当労働行為だと訴えた訴訟。→ 

2008年12月18日
 地方議会議員の選挙で、得票が同数となり、クジ引きで落選してしまった候補が、クジ引きで当たった候補の当選無効などを求めた訴訟。→  (被告については、氏名以外の文字を書いた「他事記載」による無効票が1票あったと認定したため、得票が1つ減り、原告が逆転当選)

 
 

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コメント

この方ってもしかしてあの「御殿場事件」で有罪判決を下した人ですか?

投稿: Liam | 2009年8月22日 (土) 22時09分

今回はいい機会だ。冤罪は他人ごとではない。ぜひとも多くの人が、しっかりと調べ、考えて投票してしてくれたらと思う。

投稿: teri | 2009年8月23日 (日) 22時24分

>Liamさま

そうですね。2009年4月13日のぶんは、いわゆる「御殿場事件」の上告審判断です。

投稿: みそしる | 2009年8月24日 (月) 02時39分

この人が裁判長として、証拠の審査もろくにしないままに上告を棄却したために、冤罪が生まれたと思われます。
彼女は単にフェミニストなだけで、最高裁判所の裁判官としてはおよそふさわしくなく、行政によりすぎていて司法の独立性を担保できる器ではないと思います。

是非、罷免されたし。

投稿: 御殿場 | 2009年8月27日 (木) 00時44分

以前、テレ朝の番組で御殿場事件を特集していて自分のブログにも書いたんですが( http://hitoshiro.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01 )、その時に櫻井裁判官のことを知りました。その時に「選挙の時に最高裁判事の審査ってあったよなあ」ということを思い出して、いよいよその時がきたって言う感じです。

分かりやすく整理してくださって助かりました。素晴らしいと思います。

投稿: captain | 2009年8月27日 (木) 21時53分

私はテレ朝特集の放送をあまり信じていないので、御殿場事件では判断しかねます。
理由はわかりませんが、あの特集には違和感を感じました。

投稿: aaaa | 2009年8月28日 (金) 03時16分

テレ朝を信じてないなら、裁判記録とか調べりゃあいいじゃない?

投稿: darth | 2009年8月30日 (日) 10時28分

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