2009年7月 5日 (日)

「ぐっとくる条例」洗い出し作業【宮城県★前編】

○宮城県 ふるさと宮城の水循環保全条例
平成十六年六月二十二日
宮城県条例第四十二号
<前文>
水は、あらゆる生物にとって命の糧であり、人間が社会生活を営む上で欠くことのできない資源である。
しかし、近年、社会経済活動の効率化、高度化や都市化の進展に伴い、森林の保水能力の低下や河川水量の減少等による公共用水域における水質の悪化等、健全な水循環に対する弊害が顕著となってきており、水を取り巻く自然の生態系にも深刻な事態が生じている。
このような中で、自然の生態系に悪影響を与える負荷行為を抑制し、健全な水循環を保全することが強く求められている。
よって、宮城県のもつ恵まれた水環境を次代へ引き継ぎ、現在及び将来の県民が豊かな水の恩恵を享受し、快適な社会生活を営むことができるよう、この条例を制定する。

 

○宮城県 かきの処理に関する取締条例
昭和二十九年七月二日
宮城県条例第四十三号
〔かき処理業取締条例〕をここに公布する。
かきの処理に関する取締条例
(昭三二条例三九・改称)
第一条 この条例は、かきにより発生する虞のある食品衛生上の危害を防止し、公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
第二条 この条例で「かき」とは、食用の目的で販売の用に供する海産の生かきをいう。
2 この条例で「処理」とは、かきをむき身にし、洗滌し又は詰合せることをいい、「処理場」とは、処理を行う施設をいい、「処理業者」とは、処理を業とする者をいう。
第三条 かきの処理は、処理場で行なわなければならない。ただし、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十一条の規定により政令で定める営業を営む者がその営業の目的として処理(むき身にすることを除く。)する場合は、この限りでない。
(平一五条例八三・一部改正)
 (※以下略)

 

○宮城県 みやぎ海とさかなの県民条例
平成十五年三月二十日
宮城県条例第四十八号
<前文>
宮城の海は、世界有数の三陸沖漁場の南方に広がり、金華山の沖合には季節ごとに行き交う黒潮、親潮が豊富な海の幸を運んでくる。古来から沿岸で暮らしてきた私たちの先人は、厳しい自然の中で幾多の困難を乗り越え、沿岸から遠洋まで豊穣の海を拓き、その恵みを授かってきた。
海洋生物資源を活用する漁業は、湖沼、河川の恵まれた水域を持つ内陸での営みとあわせ、貴重な食料として多様な水産物を供給し、地域社会を支える水産業として発展してきた。
また、水産業は豊かな食と生活を実現しながら、固有の風土や文化も育んでおり、今や本県は、全国屈指の水産県として国民への水産物の安定供給に大きく貢献している。
一方、自然との共生の中で守られてきた漁村や海浜、河川流域などの自然環境は、生産の場としてだけでなく訪れた人々を癒す貴重な空間として、大変重要な役割を果たしている。
しかし近年、水産業を取り巻く環境は厳しく、漁場環境の悪化、漁業生産量の減少、漁業就業者の減少、輸入水産物との競合などにより、その将来に不安が生じている。
地球人口の増加による食料危機も危惧され、食料としての水産物確保のために、国際的な協調のもと、持続的な生産体制の確立を図っていく必要がある。さらに、県民の健全な食生活を実現するため、情報化社会に対応した生産、加工、流通、販売体制の整備も求められており、生産から消費に至る透明性の確保が必要となっている。
私たちは、水産業が果たすべき役割と豊かな自然環境を次代に引き継ぎ、健康で潤いのある県民生活を築きあげなければならない。
ここに、県、県民、水産業者等が互いに連携しながら、それぞれの責務と役割において、本県の水産業の振興に努めることを宣言し、その方策を明らかにするためにこの条例を制定する。
(目的)
第一条 この条例は、水産業の振興について、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めることにより、水産業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって水産業の健全な発展及び県民生活の安定向上を図ることを目的とする。
 (※以下略)

 

○石巻市 マンガアイランド条例
平成17年4月1日
条例第21号
(設置)
第1条 田代島の豊かな自然環境と文化に親しみ、マンガとふれあう場を設けることにより、市民の自然と文化への理解を深め、その心身の健康を増進するとともに、住民と来訪者との交流による田代島の活性化を図るため、石巻市マンガアイランド(以下「マンガアイランド」という。)を石巻市田代浜字敷島24番地に設置する。
(施設)
第2条 マンガアイランドを構成する施設(以下「施設」という。)は、次のとおりとする。
(1) センターハウス
(2) ロッジ
(3) テントサイト
(4) 炊事場
(5) その他維持管理施設
(開設期間)
第3条 マンガアイランドの開設期間は、4月1日から10月31日までとする。
(休業日)
第4条 マンガアイランドの休業日は、火曜日(火曜日が国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日に当たるときは、その翌日)とする。ただし、4月29日から5月5日までの期間及び7月1日から8月31日までの期間は、除くものとする。
2 市長は、マンガアイランドの管理上必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、休業日を変更することができる。
 (※以下略)

 
 

○石巻市 石ノ森萬画館条例
平成17年4月1日
条例第245号
(設置)
第1条 マンガ文化及び地域文化を発信することにより、市内外の人々の交流の促進を図り、もって市における文化の発展と地域経済の振興に寄与するため、石ノ森萬画館(以下「萬画館」という。)を石巻市中瀬2番7号に設置する。
(指定管理者による管理)
第1条の2 市長は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定により、萬画館の管理を指定管理者(同項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)に行わせるものとする。
2 前項の規定により当該指定管理者が行う業務は、次のとおりとする。
(1) 利用の許可に関すること。
(2) 萬画館の施設、設備等の維持管理に関すること。
(3) 次条に規定する事業の実施に関すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認めること。
(事業)
第2条 萬画館は、次に掲げる事業を行う。
(1) 石ノ森章太郎氏の作品の原画並びにマンガ及びアニメーションに関する文献等の資料の収集、保管、展示等
(2) マンガ及びアニメーションに関する企画展、講演会、講習会、研究会等の開催
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事業
(開館時間及び休館日)
第3条 萬画館の開館時間は、午前9時から午後9時までとする。
2 常設展示室(常設展示室の観覧に伴う映像ホールでの映写の観覧を含む。)及び企画展示室の観覧時間は、3月から11月までの期間においては午前9時から午後6時までとし、1月、2月及び12月の期間においては午前9時から午後5時までとする。
 (※以下略)

 
 

○白石市 新婚家庭へのプレゼント要綱
平成11年9月30日
告示第58号
白石市新婚家庭へのプレゼント保険要綱(昭和62年白石市告示第15号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この要綱は、白石市が婚姻届を受理した家庭に対し、新婚プレゼントを贈り、前途を祝福するとともに定住の一助とすることを目的とする。
(贈呈要件)
第2条 新婚プレゼントは、白石市に住所を有し、次のいずれかに該当する家庭に贈呈する。ただし、新婚プレゼントを受けた者が離婚し、同一人物と再婚した場合は、再贈呈は行わない。
(1) 白石市に婚姻届を提出し受理された家庭
(2) 他市区町村に婚姻届を提出し受理され、白石市に送付された家庭
(新婚プレゼント)
第3条 新婚プレゼントは、予算の範囲内で市長が定める。
(交付台帳の整備)
第4条 市長は、新婚プレゼントの贈呈等の状況を明確にするため贈呈台帳(別記様式)を整備するものとする。
(委任)
第5条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が定める。
附 則
この告示は、平成11年10月1日から施行する。
附 則(平成19年3月13日告示第17号)
この告示は、平成19年4月1日から施行する。

○名取市 農業先駆者援助条例
昭和39年4月1日
名取市条例第14号
(目的)
第1条 この条例は、農業構造を改善するため、さきがけて農業経営の近代化を行う農業先駆者(以下「先駆者」という。)の経営上の困難を打開援助し、農業近代化の促進に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 先駆者とは、農業近代化の線にそって、先駆的な経営を行い、将来農業のパイロットとなり得る個人又は団体をいう。
(先駆者の認定)
第3条 先駆者の認定を受けようとする者は、別に定める審査規則(以下「審査規則」という。)により、その認定を受けなければならない。
(適用の要件)
第4条 先駆者の認定を受けた者が更に第7条の規定の適用を受けるには、審査委員会の審査を受けなければならない。
(適用の認定)
第5条 前条の規定による審査を受けようとする者は、審査規則に定める所定の手続きを経なければならない。
(審査委員会の設置)
第6条 第3条及び第4条の規定による認定を行うため、審査委員会を設置する。
(援助)
第7条 市長は、審査委員会の審査により援助の対象となる先駆者に対して経営指導を行い、かつ、予算の範囲内で助成金を交付する。
(委任の規定)
第8条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定める。

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2009年7月 3日 (金)

裁判官だって、テレビでドキュメンタリー番組を観るのだ、の巻

【 裁判傍聴録 】
 東京簡易裁判所
 6月**日   罪名:窃盗 

 

 被告人の男は、住居不定無職の47歳。

 ギャンブルで作った借金を、家族の協力も得て完済したところ、生活が立ちゆかなくなったことをきっかけに、10年以上もホームレスを続けているという。

 そして、自販機荒らしの常連でもあり、過去にも窃盗罪で検挙されたことがある。結局は不起訴になったそうだが。

 今回も、路上に設置されている自動販売機の釣り銭(約2万円)を盗んだとして逮捕・
起訴された。 初めての法廷に、要領を得ない感じ。

 

 弁護人は、住むところがない被告人を、更生保護施設に収容する手配をしており、そこを足場にしながら、じっくりと腰を据えて仕事を探していく支援をしたいと主張。

 「ガマンができない自分の性格を直す努力をしますね」と、被告人に質問を投げかけ、意識改革の様子を確認した。

 検察官は、職を失って仕方なく、という事情もなく、10年以上もダラダラとホームレス生活を続けてきた被告人に「ガマンができないんですね。堪え性がないというか」と責め立てる。

 さらに、「あなたが裁判所に来たという意味はわかりますか? これから罰を受けるという意味なんですよ」と、口を酸っぱくして注意を喚起した。

 

 この裁判は、即決裁判手続きで行われていたため、法律上、被告人に言いわたされる懲役刑には必ず執行猶予が付く。

 そのため、被告人が自らの犯行を甘く見ないよう、厳しく叱責して、今後の更生をうながしていく、検察官としての“親心”もあるのかもしれない。

 

 そして、江波戸直行判事による補充質問。

 この方は、いつも「自分の言葉」で、被告人に話を投げかけようと努力しておられるので、質問手続きというより、ほとんど助言か説教のような時間となる。

 

裁判官 「私も、テレビでドキュメンタリー番組とか観ていると、ホームレスになった人々の特集なんかやっててね、私も詳しい事情はわからないんだけれども、自分をいったんホームレスだと認めちゃうと、そこから抜け出せなくなってしまう、というようなことを言ってましたが」

被告人 「はい」 

裁判官 「あなたも、そういうふうにホームレス生活から抜け出せなくなったうちの、ひとりなんですか?」 

被告人 「いえ、抜け出せなくなってしまうのは、年齢的な事情もあると思います」

裁判官 「そうですか、あなたは47歳で、まだ若いですが、もっと年上の人が、抜け出せなくなるということですか」 

被告人 「そうだと思います。 60歳とか、そういう人たちです」

裁判官 「あなたの周りにも、そういうお年寄りのホームレスがいたりしたんですか?」 

被告人 「はい」

裁判官 「しかし、あなたもね、今まで10年以上もホームレスを続けてきたんだから、何か居心地がよかったりしたんではないですか?」 

被告人 「そんなことはありません」 

裁判官
 「10年前は、今ほど職を探すのは難しくなかったでしょう」 

被告人 「……はい」

裁判官 「今までできなかったことが、これから、ちゃんとできるんですか?」 

被告人 「はい、こうして裁判を受けて、目が覚めました。これからは心を入れ替えて頑張ります」

 

 結審して5分後、被告人には懲役1年6カ月(3年間の執行猶予)が言いわたされた。

 江波戸裁判官は最後に「さきほど言ったことを守って、生き方を立て直してくださいね」
と説諭した。

 

 私の気のせいかもしれないが、窃盗に関する刑事裁判の半分近くは、被告人が「住居不定無職」だ。

 そして、ホームレスの「ベテラン」が、「新入り」に対して、盗みをそそのかすような話も聞く。

 ホームレスにもコミュニティがあって、その中でも、要領や力関係の差というのが如実に出ていたり、そうしたコミュニティのわずらわしさを嫌って、今回の被告人のような「一匹狼型」のホームレスが周辺にいたりする。

 やはり人間社会の縮図のような思惑が渦巻いているのかもしれない。

 

(※ 以上、メールマガジン「ウィークリーながみね」今週号に掲載した記事に、加筆してエントリしました)

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2009年7月 2日 (木)

腹が減っては、強盗できぬ?

>>> 牛丼特盛り食べて「金を出せ」 吉野家“強盗”男を逮捕

 神奈川県警厚木署は1日、強盗容疑で、住所不定の無職、青木朝容疑者(31)を逮捕した。

 同署の調べによると、青木容疑者は6月30日午前3時25分ごろ、厚木市妻田東の牛丼チェーン「吉野家」に押し入り、牛丼特盛とみそ汁(計680円)を食べた後、店員の男性(21)に包丁を突きつけ「金を出せ」と脅迫。レジにあった現金約9万円を奪って逃走した疑いが持たれている。

 同署によると、青木容疑者は静岡から歩いて東京に仕事を探しに行く途中だった。青木容疑者は「お金もなくなってお腹が減って強盗に入った」と供述しているという。盗んだ金はパチンコで使い果たし、1日に警視庁新宿署の交番に出頭した。(産経Web 2009.7.1)



 午前3時半というド深夜なのに、レジに9万円も入れている時点で、けっこう不用心ですけれども、もちろん、無計画にお金を盗っちゃうほうが何十倍も悪いわけですよね。

 最初から「腹ごしらえをした後に強盗」と計画していたのかもしれません。

 が、店には入ってみたものの、犯行に躊躇して(ほかに客がいたりして?)、いったん牛丼を頼んでしまったのかもしれませんね。

 

 ちなみに、本件は2件の強盗罪が組み合わさっています。

 店から9万円を強奪した点は、通常の強盗罪(1項強盗)になりますが、注文した特盛り牛丼と味噌汁の代金を踏み倒した点は、利益強盗罪(2項強盗)になります。

 もっとも、1項強盗の被害額のほうがずっと大きいので、2項強盗をやったことが即、量刑の重さに影響することは考えにくいでしょうが。

 

◆ 刑法 第236条(強盗)
1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


 

 で、9万円を増やすために、パチンコ遊びをするも、負けてパーになったので、交番で「私がやりました」と。

 ムシのいい話です。勝ってたら逃げてたんでしょうけど、交番に出張するタイミングが何日か延びていただけかもしれません。

 先日、タクシー強盗の裁判を傍聴しました。

 その被告人は、パチンコ遊びに依存しすぎて、仕事が手につかなくなって解雇され、妻からは離婚を言いわたされ、仕事を見つけるために170万円持って実家を出たそうです。

 サウナなどを渡り歩いて過ごすも、自分が身を崩す原因となったパチンコをやりつづけて、2カ月で手持ち金が底をつき、その日から路上生活をするのが怖くなって、100円ショップで包丁を買い込み、タクシー運転手を襲ったという、極めて短絡的な事件でした。

 パチンコって、そんなに魅力的なモノなんでしょうかねぇ。

 私はギャンブルは一切やりませんが(ある意味で、今の仕事はギャンブルに近いので)、競馬や競輪などは、選手や競走馬に物語性が含まれていそうですし、ハマる人の気持ちは少し理解できるような気がします。

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2009年6月29日 (月)

77年前、刑事裁判に参加した庶民の反応は?

>>> 「発言なく歯がゆい思い」  宮崎で陪審員の体験記発見

(前略)
 東京都で呉服商を営んでいた桑田真一(くわた・しんいち)さん=1966年に84歳で死去=は32年、東京地裁であった殺人事件の陪審裁判に参加。桑田さんが52年ごろに書いた回想記に陪審員の体験を記したくだりがあるのを孫の芳幸(よしゆき)さん(61)が見つけた。
 回想記によると、裁判は2日間にわたり、陪審員は用意された「温泉旅館の1等室くらい」の宿舎に泊まった。「料理は好み次第」だが、「酒は夕食時に1人2合と規定」され、外部との接触は禁じられていたという。
 裁判長が「不審に思う点があれば遠慮せずに発言してもらいたい」と促す場面も書き残されており、桑田さんは「発言する者が1人もないので歯がゆいと思い、質問を試みたので注目を浴びた」と振り返っている。
 桑田さんの記録によると、陪審評議の結果は有罪。裁判長がその後、男性被告に懲役7年の判決を言い渡した。 (共同通信 2009/06/24)



 陪審員は、温泉旅館に宿泊できたんですね。 なかなか魅力的だなぁ~。

 これは、戦前日本の「陪審制」の回顧録で、現在の裁判員制度とは少し違うものです。

 陪審制の評議(有罪か無罪か)は、一般の陪審員のみが参加して、職業裁判官は参加できません。評議の結果が「有罪」だとして、そのときに初めて、プロ裁判官が量刑を決めるというシステムです。

 なので、『裁判長が「不審に思う点があれば遠慮せずに発言してもらいたい」と促す場面』というのは、評議室ではなく、公開の法廷での出来事なんでしょうね。

 裁判員裁判の評議では、裁判員6名と裁判官3名が一同に会し、有罪か無罪かに加えて、量刑までみんなで決めてしまいます。

 そして、裁判員経験者には、評議の内容を外に漏らさない「守秘義務」が課せられます。

 だとしても、「有罪と無罪の意見が何対何で分かれた」とか「誰がどんな意見を言った」とか「裁判員に、有名人のダレソレがいた」など、具体的な内容が守秘義務の対象です。

 なので、「あまり発言しやすい雰囲気ではなかった」という程度の感想は、自由に言えるものと考えられます。

 どうやら、裁判が終わった後に、マスメディアからの求めに応じて、裁判員は記者会見をする予定になっているそうですが、どれほど深い話を言っていいものか、テレビで顔出しさせられるのかどうか、など、具体的な段取りはそろそろ詰められているころかなと思いますね。

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2009年6月27日 (土)

本当の意味での「創業」?

 録画していた、月曜放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京系列)を、先ほどようやく起き抜けに視聴。

 いやぁ、テレビを観て、本気でビックリしたのは久しぶりです。

 だって、こんな法律ブログで、経済番組のことを書く必要なんか無いわけですから。 でも、この驚きを、ひとりでも多くの方にお伝えしたい。

 こうした類の経済番組では、しばしば「常識破りの」経営者というものが登場しますけれども、そんな常識破りは、カワイク見えてきます。

 その会社は、利益が出たら…… 従業員やお客様に還元します。 しかも中途半端な還元ではありません。 従業員は1回のボーナスで500万円以上もらえる場合もあるそうです。 会社で1600万円のプレジャーボートを購入し、従業員で共有して使っています。

 メガネの値段自体は、現在の価格破壊の風潮を考えれば、けっこう平凡なので、もしかしたら、お客様より従業員を大切にした会社なのかもしれません。

 その会社の従業員の中には、NHKのディレクターとして、この会社を取材し、惚れ込んでしまって転職してきた方もいるそうです。 天下のNHKからですよ。

 創業者は、従業員の中で最高額となった報酬と同額を来年もらうそうなので、従業員の給与より低い報酬となることもしばしばあって、税務署に怪しまれて査察に入られたこともあるそう。

 その会社には、経営危機に備えて財産を蓄える「内部留保」という発想がありません。 100億近い売り上げを出しながら、経常利益がせいぜい数千万円の範囲でプラスとマイナスを行ったり来たり。 「黒字5万円」なんて年もあるようです。

 その会社は、大きな損失が出たら…… 従業員の給与を平気で下げると予告しています。 平均をはるかに超えた給与をもらっているわけですから、いざというときは貯蓄でしのげるだろうと。

 内部留保を会社に蓄えず、従業員各自で蓄えるという、やはり普通には聞かない発想です。

 それでも、「ノルマがない」「働きやすい」「待遇がいい」ということで、従業員がいつも満足しているため、いざというときは協力してくれるんでしょうね。 実際に給与を引き下げるほどピンチになったことは、最近は無いようですが。

 その会社は、いざ資金繰りが厳しくなったら…… お金は銀行から借りずに、各チェーン店や従業員から借ります。 数万円ずつの出資で、あっという間に数千万円集まってしまうんだそうです。 いつも従業員に恩を売っているからこそできる、離れワザです。

 また、従業員出資制度という独自の投資システムを使えば、平均で年10%程度の利息が付いて還ってくるとのこと。 これも「利息が高すぎる」と、税務署ににらまれたそうです。

 その会社は、管理職がいません。 人事部もないようで、若い女性の事務員さんが新入社員の面接をやっているようです。

 「社長」という肩書きすら、ベテラン従業員が代わりばんこで名乗る名誉職のようなもので、いわゆる社長業という仕事はしておらず、皆さん現場の最前線で働いてらっしゃいます。

 その会社の名前は、広島の眼鏡チェーン店 「メガネ21

 創業者の平本清さんには、別のメガネ会社からリストラされた過去が。

 その会社にいたころ、ふとしたキッカケで、その会社が高価な不動産を買いあさり、巨額の内部留保をしていることを知っていたので、「従業員が喜ぶ会社を創ろう」と決意されたそうです。

 今では、かつて在籍していたメガネ会社の業績をあっさり抜き、地域トップ企業へと成長しました。

 6月29日(月)は、その「メガネ21」特集の後編が放送されます。

 あまりにも常識破りすぎて、いろいろと難癖をつけ、足を引っぱりたくなる既存の経営者の方もいらっしゃるでしょう。

 私としても、頭の中が“?”だらけ。 「そんなバカな、なにか裏があるんじゃないか?」と、いつもの勘ぐりグセが止まらなくなってしまいますが、次回の放送で少しでもナゾが解明されますようにと願います。

 「従業員のため」「お客様のため」「ウィンウィンの関係」なんてことを、自分をよく見せる呪文かお題目のように唱えている経営者の皆さんは、目を見開き、耳の穴をかっぽじって視聴してください。

 そういえば、別のメガネ店ですが、顧客サービスを徹底して、「親子3代で常連です」なんて、筋金入りのリピーターが多数いる会社を、やはりテレビで特集してました。 メガネ店という業態には、大胆なことをしたくなる雰囲気というか、魅力があるんでしょうか。

 まだまだ、テレビ番組は捨てたモンじゃないですね。 先週と次週の「カンブリア宮殿」は、DVDに焼いて永久保存版にするつもりです。

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