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2004年9月26日 (日)

オススメ本(4) お前ら、何なんだ

 ただいま、遅々として進まない上京準備の合間を縫いながら、PL(製造物責任)法について少しずつ突っ込んで図書館で調べております。前回の「U字ロック事件」を題材にした私の法律構成に、ウソが無いかどうか確認するためですけども、早くもクリプトナイト社による無償交換が始まったとのご指摘を頂戴し、正直、若干モチベーションが下がってしまいました。
 しかし、言い出しっぺは、この私に違いありませんので、なんとかU字ロック製造会社への請求権だけでもキッチリ検討していこうと思っております。どうか、期待しないでお待ちくださいませ。


へんないきもの
早川 いくを

発売日 2004/07
売り上げランキング 193

おすすめ平均
小中生の良い子にはPG?
残念!! 折角の好企画を生かしきれていない。
文章がね・・・

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 いやぁ~、「へんな いきもの」のチョイスが素晴らしいですね。よくここまで調べ上げたな、と感心しながら一気に読めてしまいます。続編として「へんな くさばな」という企画もアリかもしれませんね。

 ただ、この愛すべき生物たちの魅力を、解説文がまったく引き出せていない。というより、むしろ台無しにしてしまっています。この本の主役は、どう考えても「へんな いきもの」のはずなんですが、その主役を小馬鹿にしながら蹴散らして、書き手が前へ前へ出ようとしている。これはいただけません。

 説明文というのは「もともと退屈なものはなるだけ面白く、もともと面白いものは抑えて淡々と」というのが基本です。その基本を、この文筆家はご存じないはずは無いと思うんですが、そこだけが惜しまれますね。ひょっとしたら、文筆担当の早川氏は、バラエティに富んだ生き物たちの存在を「退屈なもの」として捉えてらっしゃるのかもしれません。それならば、全てがつながってきます。
 これが例えば「へんな さいばんかん」の紹介でしたら、早川氏のようなノリでも問題ないでしょうけども。
 
 しかし、そういう気になる部分を差し引いても、私は皆さんに一度ご覧いただきたい本です。


 


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2004年9月23日 (木)

U字ロックがボールペンの尻で開く悪夢

 ネット上で大騒ぎになっているので、ご存じの方も多いかと思いますが、本ブログでも、遅ればせながらこの話題を。私も動画を見て、非常にショックを受けました。
 普通のバイクの鍵は、ハサミの先で簡単に開くことは昔から知られてますけどね…。時代はここまで来ましたか。

 「のこぎりでも壊れない」U字ロック、ボールペンで簡単に解錠(Hot Wired)

 高性能Uロックはボールペンで開けられる!(海外ボツNews)

 クリプトナイト社は、世界に先駆けてU字ロックを開発した老舗ブランド。お値段もご立派で、上位機種なら1万5千円前後します。
 私も去年、盗まれた原付がボロボロで帰ってきた直後(過去ログ参照)、ヤフーオークションで鍵やアラームを検索していて、たまたま見つけた商品のうちのひとつでした。「これならひとまず安心だろうけど、U字ロックにそんな大金払えんぜ。」と思ってパスしましたけどね。

 被害にあったばかりの当時は、こんなサイトも見つけて、これくらいの気合いで防衛しなければ、盗まれても自業自得なのかもしれんな、と強い共感を覚えながら意気込んだものですが、今となっては読んでいて、なんともいえない寂寥感が漂ってきます。

 一方で、ビック社のボールペンは、アメリカではあまりにもポピュラーな製品で、1本1ドルしません。日本でも文具店だったら80円ぐらいで売られているんじゃないでしょうか。それどころか、まとめ買いしたら、1本あたり30円前後になるらしいですので、企業にとっては販促用の名入りボールペンとして重宝されているほどの普及率です。このありふれた日用品が、「世界最強のU字ロック」に対する潜在的な合い鍵になるというわけです。

 クリプトナイト社は、この影響の大きさから見ても、U字ロック元祖の責務としても、即刻製品を回収すべきなのは当然の道義だということを前提に、もし、実際にこの方法で錠をこじ開けて、自転車やバイクを盗む輩がいたとしたら、法律関係としてどうなるのか考えてみました。

 まず、ごく当たり前の話から始めますが、盗んだバイクで走り出した瞬間から、彼(彼女)には窃盗罪(刑法第235条)が成立します。そして、バイクの持ち主は、窃盗犯に対して、バイクの返還と、窃盗という不法行為に基づく損害賠償(民法第709条)を請求できるでしょう。精神的苦痛を理由にした慰謝料も、この際ですから請求してみましょうか。
 U字ロックをボールペンで開けた点についてはどうかな、と考えてみますと、破壊して開けたわけではないので、器物損壊罪(刑法第261条)の構成要件には該当しないようにも思えます。しかし、ここにいう「損壊」は、物の効用を喪失させる行為一般まで広く捉えるのが判例と通説の考え方ですので、鍵としての効用を失わせた行為は「損壊」に該当し、器物損壊罪も一緒に成立させてよさそうです。しかし、U字ロックをその場に放置しているんなら、財産上の実害はありませんので、開錠の点について民事上の損害賠償責任は負わせるのは少し難しいかもしれませんね。

 でも、以上に書いたのは理屈です。普通、バイクを盗んだ連中は捕まらずにのうのうとしています。同類が多すぎて、警察の捜査が追いつかないんですよね。というわけで、被害者はターゲットを別に移さなければなりません。

 考えられるのは、

・U字ロックの販売業者やメーカーを訴える。

・ボールペンの販売業者やメーカーを訴える。

・ボールペンでU字ロックが開くという情報を公開した男を訴える。

・犯人を取り逃がした警察を訴える。

…これくらいでしょうかね。なんとか時間を見て、次回の更新までに一定の結論を出せるようにしておきます。1週間ぐらいかかったりして。

 裏辞典データベースの更新をしました。興味とお暇がある方は、是非お立ち寄りください。

 


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2004年9月21日 (火)

テクニカル最高裁

 皆さん、ごぶさたしてました。さっそくまいります。

 郵便配達ミス、高裁の再審開始決定を破棄・最高裁(日経)

 「抗告期限過ぎ、不適当」 最高裁、再審開始決定を破棄 (朝日)

 不適法と開始決定を破棄 郵便法違憲受けた再審請求(河北)

 過去の関連つまみぐい(『過去を振り返れ!』 2004/09/01)

 郵便配達によって損害を受けても、賠償額が制限されるという郵便法の規定について、昨年、国家賠償請求権を国民に認めた憲法17条に違反する、という最高裁の判断が出されました。それを受けて、その違憲となった郵便法の条文を根拠に敗訴していた方が、裁判のやり直しを求めて再審請求し、去る1日に大阪高裁がその再審を受け付ける決定をしたんです。その決定を不服として、日本郵政公社側が最高裁に再審受け付けの再判断(特別抗告)を求めたという事案です。

 ●民事訴訟法第338条(再審の事由)
 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。
(中略)
 八 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
(以下略)

 たしかに、昨年の最高裁の違憲判断は、この8号の文言に該当し、再審事由にはあてはまっていそうで、なんとなく再審を受け付けても良さそうです。しかし、過去の記事に書きましたとおり、最高裁による憲法違反という判断の効力は、あまりにも社会的に与える影響が強いものですから、その後の混乱を避けるために、その事件につき、その当事者にだけ及び、さらに過去にさかのぼったりせず、将来効のみがあるというのが、憲法解釈上のポピュラーな考え方になっています。

 憲法違反の判断が出たからといって、いちいち過去の裁判のやり直しをしていたら、こういう効力の問題と理論的に矛盾しないのでしょうか。それとも、効力の一般的な性質論をいっているにすぎず、個別に再審を申し出た人に関しては、あくまで普通の再審と同様に受け付けて粛々と進行させていくという話なのでしょうか。しかし、それでは訴えた者勝ちを認めることになり、同様の敗訴判決を受けたのに、再審を維持するだけの経済的・時間的余裕の無い方は泣き寝入りということになって、不公平にはならないのでしょうか。これは民訴338条1項8号そのものの存在理由にも関わってくるでしょうが。

 こんな大問題を抱えているにもかかわらず、最高裁は、「大阪高裁への抗告受け付け期限を1日オーバーしていたからダメ」という、身もフタもない技術論で締めくくってみせました。なにやら面倒そうな問題は、重箱の隅をつついてでも門前払いする。杓子定規の最高裁らしいといえば、そのとおりかもしれませんが、ガッカリでもあります。
 大阪高裁は、受付期限に関する杓子定規さをあえて捨ててでも、裁判のやり直しについてゴーサインを出したんですよ。これからの司法は上から変わるのか、下から変わるのか、そして、その変化は真っ当な変化なのか。それとも、変化と変化がぶつかって結局そのままなのか、見守っていきたいものです。

 

 

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2004年9月17日 (金)

まずは知るところから

ハンセン病問題検証会議 元患者から聞き取り--東北新生園で会合 /毎日新聞・宮城


 3年前の「らい予防法違憲判決」を受けて、過去に私が急造したページがございます。各方面の皆様からたくさんリンクして頂いたり、参照していただいたおかげで、今まで私が作ったページの中でも、最もグーグル検索での「ページランク」の高い(4/10)ものとなっているようです。ありがとうございます。それにしても、あいにくHTMLをロクに知らない頃に作ったものですので、見た目がグチャグチャで相当読みにくかったかと思います。まぁ、今でもイメージ通り書きたいように書けているわけじゃありませんが。

 そんなグチはともかく、今回、このブログの一コンテンツとして、ハンセン病の編年史ページをリニューアルさせましたので、まだご覧になったことのない方を含め、是非ご訪問ください。 たまには硬派に行かせてくださいよ。

 ハンセン病が決して得体の知れない病気だったわけではない20世紀に、現実に、この日本で起こった出来事の時系列表です。これは伝染病の蔓延を予防するための隔離措置なのか。それとも、身体的変形を伴う病気に対して露骨に見せる人間たちの拒絶反応なのか。
 時の政府によって、理屈を超越したかたちで繰り返されてきた前言撤回。医療知見を黙殺する態度。患者を罪人扱いする「治療」。子どもの頃から先入観を刷り込む学校教育。私たちの知らない間に、悲惨とか人権侵害という言葉ですら語り尽くせないくらいの生活が日常化されていたんです。
 私たちだって、もし、その時代に生きていたとして、本当に「らい」を取り巻く周囲の空気を疑うことができただろうか、抗うことができただろうか、と想像してみる必要がありそうです。現在の価値観をもって過去を断罪するのは簡単なことですが、それは、自分は核シェルターにこもりながら誰かに向けて核ミサイルのボタンを押すのと同じですから。 …どんな例えだか。

 ここ数日、いろいろ細かい用事に追われてまして、その間に法律系のニュースも相当の数たまってきてしまいました…。明日からの3連休で裁判所も一休みでしょうから、ここで一気にチェックを追いつかせていく予定です。ご期待くださいませ。


 


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2004年9月15日 (水)

オススメ本(3) 「競争的共存」の進化論って?

眠れる遺伝子進化論
四方 哲也

発売日 1997/03
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科学としての生物学の真髄

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 近ごろ個人的に気になっていることなんですが、ビジネスに関する本や雑誌などでは、19世紀にダーウィンの唱えた「自然淘汰」「適者適存」の着想に基づく「進化論」を引用することによって、資本主義社会の「勝ち組」を目指して努力することを正当化するような論調の記事がしばしば見受けられます。しかし、これはダーウィンさんのことを少し誤解したうえでの主張のように思われます。

 私の理解力の限度で説明させていただきますが、ダーウィンは、たとえば「キリンは高い枝の葉を食べようと努力したから、首が長くなったのだ」という見方をキッパリ否定しています。「使用する頻度の高い器官が発達し、それが生物の進化につながる」との、ラマルクという学者の説を発展させて、「ときに生物に起こった突然変異のうち、環境に適さなかったものがどんどん淘汰され、環境に最も適応した種が選択を受けて残った結果が進化なのだ」と、ダーウィンは客観的な因果関係のほうを重視したんです。個人の努力が報われることを売りにするビジネス書には、むしろ向いていない学説なのかもしれませんね。

 さらに、20世紀に入り分子進化学が確立されていく中で、日本の国立遺伝学研究所の木村資生さんは、「生存に有利でも不利でもない突然変異が生じては消える中で、たまたま幸運にめぐまれた変異が生物集団全体に広がって受け継がれていく」と説きました。生物の進化は、特別どこかを目指して「進」んでいっているわけではない。環境への最適化という方向性で選び取られてすらいない。いわゆる「中立説」と呼ばれる、かつての革新的理論です。

 さらに、最新の研究では、ダーウィンの「自然淘汰」「適者適存」の考え方も否定されませんし、それどころか、特殊な環境下では、古典的とされていたはずのラマルクの説を想い起こさせるような現象が見られることも分かってきているみたいです。
 ただ、「適者適存」にいう「適者」とは、必ずしも生物としての性能が高く、敵をうち負かす自慢の武器を有する強いものばかりではないことも判明しています。そういう優秀な個体は、一時は隆盛を誇っても「過ぎたるは及ばざるが如し」とばかりに、ときに客観的性能として「しょうもない」ようにみえる個体にコロッと負かされる場合もあるようです。

 また、このような「適者適存シナリオ」に属する競争グループとは別に、出来は悪いが「とにかく滅びないシナリオ」を優先するグループが存在します。これら複数のグループが競合したときには、自然とお互いに共存していこうとするらしいんですね。
 「優勝劣敗」の旗印のもと、生命としての効率の良さを重視する前者の「ダーウィン派」は、当面のライバルを押しのけて、鮮やかな「勝ち残り」を図ろうとします。この派閥で代表的な生物は、ウイルスの類だといわれているそうですが。
 しかし、性能はイマイチだが「しぶとい生き残り」を目指す生物たちは、「相互作用」というものを利用しながら、他の多くの生物との「競争的共存」を志向します。ここにいう相互作用とは、それぞれの個体がいかんなく能力を発揮して利己的に繁栄しようとしていたのに、そのうち自然と休戦状態のようになって、各グループが干渉し合いながら一定割合で共存しつづけてしまうという、すべての生物が共通して持つ性質をいうらしいです。

 そして、この相互作用の中で、優秀な「ダーウィン派」の種を相手に安定的に生き残るためには、自らを「複雑化」させているほうが都合が良いとのことなんです。外部との多彩なチャンネルを持てるうえ、潜在的に多様性を持っているほうが、自然環境やライバル構成などの様々な変化にも柔軟に対応できるからです。ちなみに、ひとつの種がオスとメスに分かれていて、奪い奪われ、フりフられ、くんずほぐれつ、時に嫉妬や妥協などの思いが渦巻くのも、この複雑化戦略の一環なのだそうです。そうして、私たちのご先祖は、効率化をとりあえず横に置いといて、即効性の薄い種々雑多な部分をたっぷり含み込みながら、数々の絶滅の危機を逃れてきたのだとされています。
 ヒトのDNAの中で、遺伝情報として有効な部分は全体の5%にすぎず、残りは全て使えない「がらくたDNA」であるのは、私たちの先祖が代々「効率・能率を武器にした勝ち残り」よりも、「無駄・複雑で丸め込むしぶとさ」をポリシーにしてきた何よりの証拠とされているようです。

 私は、ここに「不適者適存」の現実を見るのです。自然界における弱い立場の生物が、「勝ち残り」を賭ける列強のライバルたちと影響を及ぼし合いながら、いちおう彼らと足並みを揃えておいて密かに繰り返してきた「複雑化」こそが進化を支えてきた、という考え方は、生半可なビジネス本の「進化論」より、よっぽど私たちに勇気と指針を与えてくれるような強い説得力を感じるんです。

 ひたすら誰かの目や声を気にしながら、画一化の方向へ進みたがる社会的エリートの発想よりも、複雑や多様性のほうを気に入っておられるすべての方へ。

 



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まさかあんな可愛い子に…

 3歳男児かまれ重傷、闘犬散歩の男に実刑判決(読売新聞)

●刑法第211条(業務上過失致死傷等)
1 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
(以下略)

 被害者の年齢や負傷の具合を考慮しての実刑判決でしょうけど、空前のペットブームの昨今、こういう事件が増えてますよね。
 お粗末な記憶力で恐縮なんですが、2年近く前だったでしょうか。同じような闘犬を河川敷で散歩させていた飼い主が、何かの拍子でヒモを離してしまったらしく、5人にケガをさせた事件について、判決が言い渡されたニュースを読みました。判決内容の詳細な部分は忘れてしまったんですが、とにかく、その犬の没収判決が同時に出されていたことだけはハッキリと憶えています。やがて、引き取り手がないまま、犬は処分されたという記事を目にすることになります。
 あの事件を受けて、さすがに戦闘タイプの犬種を個人が飼うことについて規制がかかるんだろうな、と思っていました。なのに、「今年4月」に起こったというこの事件。

 動物虐待の事件については、ワイドショーを挙げて「きっと、凶悪犯罪への一里塚だ!」「子猫ちゃんが可哀想!」とギャーギャー騒いで、数十万人の署名まで集めて「動物愛護法」まで作り上げるのに、こういう立場が逆転したような事件については無関心を決め込む。何なんでしょうか、この国の独特のバランス感覚は。

 さて、気を取り直して、次にまいりましょう。




 女子高生、痴漢に「大外刈り」(産経新聞)

 女子高生、大外刈りで一本 痴漢の郵便局員を撃退(共同通信)

 <大外刈り>元柔道部の女子高校生、痴漢投げ飛ばす 横浜(毎日新聞)

 ●刑法第36条(正当防衛)
1 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
(以下略)

 かっこいいなぁ、この子。鮮やかなまでの正当防衛。思わず惚れちゃいそうじゃないですか。大外刈りって、身長が高かったり脚が長かったりしないとかかりにくいですから、スタイルもいい女の子なのかもしれません。夢がふくらみます。
 それにしても、あまりの情けなさに涙が出てきそうなのが、この痴漢の男。「可愛かったので近づいた」とか「ムラムラしてやってしまった」とか…。ムラムラして太もも触っていいんなら、オレだって触るわ。

 この男にだったら、兵庫の闘犬は思うぞんぶん噛み付いて構わなかったのに、なかなか世の中うまく回りません。残念です。

 


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2004年9月13日 (月)

ゴミにされた個人情報

 市の個人情報、ごみとして廃棄=情報処理会社元社員、450人分-埼玉(時事通信)

 埼玉・草加市などの個人情報、ごみ集積場に捨てられる(読売新聞)

 昨日書きました、地方自治体の不開示処分の事件と照らし合わせてみると、地方自治体の管理する公務についての情報は「公開されずに保護」され、個人についての情報は「保護されずに公開」されることが分かります。なかなか味わい深いものがありますね。

 別に皮肉のつもりはないんです。本当のことをそのまま書いただけなんです。

 おかげさまで、当ブログの不人気コンテンツである「法律用語“裏”辞典」のネタとして、「情報」の項目が追加される運びになりました。ありがとうございます。今回は他にも、10個かそこらを追加したり更新したりしております。むしろ冗談が分からない方、「冗談 イコール ダジャレ」だという認識しか持たない方ほど、目を見開いてお読み下さいますようお願い申し上げます。

 だんだんと、この辞典が「正義の法律用語辞典」に近づいてきているようで(笑)、嬉しいかぎりです。

 なお、私は最近になって、ダジャレの良さが分かるようになってきてしまいました。さすがに来年、三十路ですからね。無理もありません。「ダジャレとは、冥土の旅の一里塚」とは、よく云ったものです。

 

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2004年9月12日 (日)

語録の多い津野判事

 福井県カラ出張、非開示処分取り消し 最高裁 - asahi.com : 社会

 カラ出張最高裁判決  県、内部文書公開へ - 朝日・福井

 判決原文

 決済前の文書を「公文書」から除外していた福井県の公開条例(当時)を形式的に判断せずに、「県は外部に調査報告書を公表しているが、その基礎となった調査過程の取りまとめ文書もこれと同視し、開示の対象とすべきだ」として、「柔軟に(※asahi.comより)」対応した今回の逆転判決。裁判長の津野修判事、お見事でした。

 ちなみに津野氏は、大蔵省(現・財務省)キャリア官僚のご出身で、最高裁の裁判官に任命される以前は、1999年から3年半にわたり内閣法制局長官の職に就いておられた方です。つまり、行政府における「法令の総元締め」といった感じのポストを担ってらっしゃったんです。
 そして、7年前の内閣法制次長時代には、内閣提出法案を審査するプロセスが記載された資料が部外秘扱いだったことについて、インタヴューでこう答えておられます。


 ★1997年7月16日 産経新聞

「法案として世に出たものだけがすべてであり、その過程をオープンにすることがいいことなのかどうか」


 うーむ、今回の判決と絡めて考えてみると、なんだか意味ありげにも見えます。それとも私の単なる考え過ぎなのか…。

 津野判事は、長官時代に、国会の委員会で多くの質問を国会議員から受けてらっしゃいます。ほとんどは内閣法制局の公式見解として法令をどう解釈するのかについての質問なんですが、そこでの回答は、なかなか興味深いものがあるんです。しかし、なにぶん数が多くてですね、整理し切れません。ほとんどがネット検索で集めたものですので、原典にも当たらなければなりませんし、満を持しての公開にはもう少々時間が掛かりそうです。

 その代わりと言っては何ですが、津野判事の簡単なプロフィールと若干の語録を。


■津野 修   第二小法廷  (つの・おさむ) 【行政官出身】

愛媛県出身

1938年(昭和13年)10月20日生
2004年(平成16年) 2月26日(65歳) 最高裁判事 …在任6ヶ月
2008年(平成20年)10月19日 定年退官予定

>> 学歴

1961(昭36)23歳 国家公務員採用上級試験に合格

1961(昭36)23歳 司法試験に合格

1962(昭37)23歳 京都大学法学部を卒業

>> 職歴

1962(昭37)23歳 大蔵省に入省

1967(昭42)29歳 福岡県・行橋税務署長に就任

1978(昭53)40歳 内閣法制局参事官に就任

1985(昭60)47歳 大蔵省・福岡財務支局長に就任

1986(昭61)48歳 内閣法制局に戻る

1999(平11)61歳 内閣法制局長官に就任

2003(平15)65歳 弁護士登録(第一東京弁護士会 原・植松法律事務所)


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◆担当した判決 (第二小法廷の裁判長として)

2004/04/26
 最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は、2002年(平成14年)に新潟市の男性(48歳)から金品を奪って殺したとして、強盗殺人罪などに問われた元暴力団組員の2被告に対し、両被告の上告を棄却する決定を出した。1、2審の無期懲役が確定する。同小法廷は「両被告は量刑不当などを主張するだけで、上告理由に当たらない」と述べた。
 1、2審判決によると、両被告は02年1月、同居していた男性から現金約2万8000円とキャッシュカードを奪ったうえで、男性の首を絞めて窒息死させた。さらにカードで銀行口座から現金80万円を引き出すなどした。

◆気になる語録

1996/04/03・読売朝刊
 「(当時の大蔵省主計局からの転身だが)この仕事に誇りを持っている。予算は単年度限りだが、法律はずっとだから」

1997/08/15・読売朝刊
 「(1990年末、国連平和協力法案[のちの国連平和維持活動(PKO)協力法]が廃案になったことについて)政府が政策として国際貢献を積極的にやろうとする時、法制局も当然前向きに対応する。ただ、憲法や法律の規定、確立した解釈の範囲内で考えるのは当然だ」

2004/02/26 最高裁での記者会見
 「身の引き締まる思い」(時事通信)
 「裁判に求められるのは、公平公正に尽きる。労を惜しまず誠心誠意、職務を遂行したい」「現実の裁判とは少し違うが、法律の仕事をしてきた。行政の実情もある程度分かっているので、これらの経験を最高裁判事の仕事に生かしていきたい」(共同通信)
 「(司法改革について)裁判所が国民にとって使いやすくなる必要がある」(毎日新聞)


 


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2004年9月11日 (土)

オススメ本(2) 債権法をつかむ

 皆さんは、民法の入門書と聞いて、どの本を真っ先に思い付かれるでしょうか。内田貴先生の著書とおっしゃる方も少なくないかと思われますが、内田教授のご本には、親しみやすい見た目に反して、かなり高度な内容が紹介されています。分かりやすい記述を心がけておられるのは確かなんですが、入門書と呼ぶにはキツい印象がありますね。

スタートライン債権法
池田 真朗

発売日 2002/03
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素晴らしい入門書
非常に分かりやすいです。

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 池田教授は、司法試験委員として、また豊かにたくわえてらっしゃる「ヒゲ」でも有名な方ですが、本書は司法書士や公務員試験等の受験生の皆さんにも推薦できます。もちろん、法学部や法科大学院の1年生にも。また、日常的な法律問題の一問一答式ノウハウ本に、物足りなさとキリの無さを感じはじめた一般の方にも強くお勧めいたします。
 なぜ民法の解説を債権法から始めるのか、について、教授は「おもしろいから」という明快な回答をされています。そして、「おもしろさ」を優先してか、債権法の各論(521-724条)から総論(399-520条)へ、という若干変則的な構造となっています。
 また、ごく基本的な記述から高度な記述までを4段階にランク分けして、それぞれに印を配してありますので、各知識の対象レベルを一見して区別できるようにもしてある気の配りよう。つまり、初学者は、基本的とされている内容だけを拾い読みできる仕掛けです。余白も多いので、適宜、図を書き込みながら読み進めていくこともできます。

 なんといっても、出色は前半部分の「各論」の解説ですね。こういうのを「上手い文章」と呼ぶべきなんでしょう。民法について何らの予備知識が無くても、頭にスッと入ってくる感じがするのではないでしょうか。途中で話が脱線している箇所も多いんですが、どこからどこまでが脱線なのかが枠で囲ってありますので、何のジャマにもなりません。むしろ、法律を学ぶ者へぜひ伝えたいメッセージとして、「計算づくで入れてある脱線」であることが読みとれる形です。

 しかし、惜しむべきは後半の「債権総論」です。内容の抽象度が上がるにしたがって、各論でお見せになっていた歯切れの良さが、残念なことにパッタリと影を潜めてしまうのです。民法で最も説明の難しい分野のひとつなのは確かなんですが、説明が難しい分野だということは、理解するのも難しい分野だということではないでしょうか。「スタートライン」を名乗る以上は、もう少しページ数を増やしてでも平易な記述を貫いていただきたかったな、と思います。
 総論における解説の分かりやすさは、どうしても、各予備校本に軍配が上がるのではないでしょうか。予備校が、初学者への配慮を忘れたら、経営に直接跳ね返ってくるでしょうからね。分かりやすさの追求は死活命題だけに、さすがに余念がありませんよ。

破産から民法がみえる―民法の盲点と破産法入門
小林 秀之

発売日 2003/10
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タコツボから抜け出す第一歩

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 「スタートライン」や予備校本などで、債権法の基礎を大づかみにした後は、本書をお手に取られてみてはいかがでしょうか。本来は、民法の世界に相当程度慣れている読者に向けて、破産法の概説書として書かれているんでしょうけれども、破産の考え方を説明する前提として民法の予備知識にも丁寧に触れられています。非常に面白い本ですから、債権総論の予備校本や法律用語辞典などを傍らに置いてでも、一度目を通していただきたいんです。私の手元には、数年前の初版本しかないんですが、図解や具体例も豊富に採用されています。

 実を申しますと、債権総論での内容というのは、「債務者の誰かが弁済できない」という経済的ピンチに陥ったときにこそ、本領を発揮するものだったりします。ですから、破産という出来事を通して、債権法を真正面からだけでなく、下からも斜めからも立体的に観察していきたい意欲のある方には最適の本だと思っています。特に、これからの法科大学院時代には、今まで以上に法律相互間を「またぐ」「行き来する」視点が要求されるのは間違いのないところでしょう。
 また、せっかくの機会ですから、民法の担保物権(295-398条の22)にも並行して当たってみてくださいね。


 


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2004年9月 9日 (木)

男の節約コーナー・プレオープン

 いったい誰がこの企画を待っていたのか不明ですが、かまわずに、「男の節約」について本格的に考察を始動してまいります。

 現在ですね、この業界を仕切るドン、節約塾塾長・横枕寝造(よこまくら・ねるぞう)先生に、インタヴューのアポを取り付けようとしているんですが、なかなか気むずかしい方のようで…。近いうちに実現させて、その書き起こしを本ウェブログにアップしていこうと思っています。

 おとといは台風18号で身動きが取れませんでしたので、部屋にこもって、このページを一気に作り上げました。

 モテたい漢のセクシー節約 [お徳用・業務用食料]

 …商品に添えているコメントが、本当に行き当たりバッタリですよね。客観的データをもっと持って来られれば、売り文句として説得力も生まれるんでしょうけど。

 それにしても、この商品紹介システムは意外と面白いです。近日中には「あめ玉1kg売り」の総特集や、来月までの期間限定「千歳飴120本」のご紹介、「備長炭12kg」「うなぎの蒲焼きプリッツ」「カール桜えび味」などを掲載できるかと思います。新しい作成には手間は掛かりますけども、気楽に頑張ります。お楽しみに。


 


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2004年9月 8日 (水)

琉球文化の「女と男」

 女性側が逆転敗訴 金武軍用地料分配訴訟 - 琉球新報

 福岡高裁那覇支部 「男優遇」の慣習、「公序良俗に反しない」 - 朝日新聞・沖縄

 先ほど、データベースにも組み込んでおいた判決ですので、詳しく知りたい方は、そちらも併せてご覧いただきたいと思います。そこでは「共有トラブル(入会権)、憲法問題」という分類にしてみましたので、見つけてください。

 ちなみに、「入会権」は、「いりあいけん」と読みます。一定区域の山林や水域を、地元の皆の衆で一緒に協力しながら使っていこうや、と、当面のもめごとを避けるために取り決めておいた感じのボンヤリした権利です。本来は、権利といった強張った意味すらふさわしくないと思っています。入り会いの「地位」だとか「立場」といった印象です。

 具体的にはどんな事案かと申しますと、要するに「同じように地元に住んでいるのに、男は20歳以上で分け前としてのお金がもらえて、女は50歳時点で独身の場合にしかもらえないと決められているのは、不公平じゃないの」というものです。去年の一審判決は「たしかに不公平だね」と認めて、請求額の全額を認容したんですが、今回の控訴審レベルは、原告側を逆転敗訴としています。

 判決理由の言いたいことは、分からないでもないんです。なんとかバランスを取ろうとしている姿勢はすごく伝わってくるんですが、

 「入会権の帰属する構成員とは、当該共同体に居住する家族を含めた全員を指すものではない。同部落内に世帯を構える一家の代表(世帯主)を指す」とし、「家の代表の多くが男子で、二男、女性が代表となるのは比較的まれなのは公知の事実」と指摘。 (琉球新報)

 「公知の事実」というのは、たとえば「阪神淡路大震災」とか「ヤワラちゃんが五輪V2」のように、証拠による証明によって裁判官に教えてあげる必要がないほど、一般に広く知られている事実、というくらいの意味です。

 私たちも、両親が健在で仲も悪くないのに、住民票か何かで、あえて母親の名前を世帯主として届けたりはしないと思います。私は長男ですが、今から田舎の墓の管理のことをゴチャゴチャ言われています。たしかに「家の代表の多くが男子」というのは「公知の事実」なのかもしれません。しかし、私は「公知の事実だったら何なんだ」と言いたいわけです。

 「世帯主として家族の中から男(長男)が選ばれがち」という、いわば統計学的な事実は、そんなに重要な問題でしょうか。問題は、長男しかお金をもらえないようになっている決まり事が「公の秩序、善良な風俗」に反しないのか、です。反しないなら反しないで、法律の専門家らしい理由付けが必要なはずなんですが、それを地域慣習の現状追認で片づけ、あとは「血縁だけの資格でもらえるとしたら、家族の構成人数に相関して分配金の額が増えることになるけど、それじゃあ、かえって不公平だろ」という趣旨で、さっそく力点を自説のフォローのほうに移しています。

 でも、ご自分で言っていることを改めてよく考えてみてください。家族の人数に応じて分配金が増えたほうが、よっぽど地域社会の福祉に適って公平なんじゃないですかね。それが暴論というのなら、せめて家族を一単位にして、家族に宛ててお金を分配するような形にできないんでしょうか。個人あてに分配しているくせに「世帯主」というタテマエを持ち込んどるから、少しずつねじれてくるんです。
 ひょっとしたら、ひょっとしたらですけど、原告女性のダンナ連中は、部落団体からの毎年の分配金を、ちっとも家庭に入れずにチョロマカしたりしているのかもしれません。そうでなければ、ここまで揉めないんじゃなかろうかと思いますし。もし違っていたならば、誠に失礼申し上げました。

 それはともかく、高裁は高裁で、入会権の性質論ばっかりで、法の下の平等にはほとんど踏み込んでいません。一方で、昨年の地裁は地裁で、男女平等の抽象論ばかりで、地域慣習の背景などについては、あまり言及していません。どちらか選べと言われたら、地裁の結論のほうがマシなんだろうとは思うんですが、どっちもどっちで「両極端だな」という印象を拭いきれません。最高裁の判断が待たれます。

 

「入会権は過去の長年月にわたり、慣習に根ざして形成された権利。最大限に尊重すべきだ」(同)

 気になるので最後にひとこと書き留めておきたいのが、この部分に関してです。たしか、琉球って「女尊男卑」に似たような文化に立脚していたような気がして、見つけたのが以下のページです。沖縄についての話以外にも、なかなか興味深いことが書かれています。

  WR0976病める日本の心理学34号011017又吉

 かつての琉球王朝には、シャーマニズムに基づく女性尊重の価値観が覆っていた。だとすれば、「過去の長年月にわたり、慣習に根ざして形成された」という男性有利の「正会員資格」は、いつ、どこからやってきた発想に根ざしたものなんでしょうかね。


 

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2004年9月 7日 (火)

誰のための景観か

<景観条例>札幌市自ら違反垂れ幕 6年間お目こぼし - 毎日新聞

 垂れ幕掲示を担当した観光文化局は「市の掲示物は条例適用外と思った」と釈明。しかし、企画調整局は「数年前から指摘はしていたが、徹底していなかった」と話し、事実上の黙認だったことを認めている。

 縦割り行政も「地方の時代」なんですかね。

 市は主催するライラックまつりや雪まつりを知らせる垂れ幕(縦30.8メートル、横2.4メートル)を中央区大通西4の北海道銀行本店ビルの壁面に毎年出している。98年に制定された同条例で、大通地区で広告物を掲示する場合は市への届け出と、大きさを壁面の4分の1以下かつ25平方メートル以下に抑えることが義務づけられた。

 私も学生時代、夏に札幌大通りへ行ったことがありますが、独特の直線道路や直線公園の奥行き感が、「北海道に来たなぁ」という気分を高揚させてくれているようで、スカッと心地よかったのを憶えています。あの都市景観をぶちこわせるほどの垂れ幕って、どんな大きさのものをイメージすればいいんだろうかと、ネットで探してみたところ、さっそく見つかりました。

 さっぽろ雪祭りレポート「WORLD MASTER WEB」様 ※リンク事後報告…)

 いかがでしょうか。観光都市以外なら、何のことはない普通の広告です。むしろ広告として遠慮がちな印象すら受けます。この程度の大きさの広告につき、そこに書かれている文字が、観光誘致の「まつり」だったら見過ごして、「金融機関の経営統合のおしらせ」だと、景観を損なうとして足を引っ張る。
 これでは表現の内容規制じゃないか、と目くじらを立てて怒るつもりはございませんが、この騒動は、いかに「よい景観」「よくない景観」というものが人間の直感に基づくものかを如実に物語っている気がいたします。

 個人的には住宅地にもかかわらず、ベランダに洗濯物ひとつ干されていない地域について、逆に居心地の悪さのようなものを感じてしまうのですが、それはきっと、自分にとっての生活空間(日常)だからなんでしょうね。一方で、雑然さの排除されている札幌大通りに私が心地よさを感じたのは、そこに新鮮な刺激としての「非日常」があるからです。
 もっとも、多様性の混在や雑然さに、その都市や住人の持つ、蒸し返すほどのエネルギッシュさを感じ取ることもあります。私の29年間の人生唯一の海外旅行経験である、韓国・釜山(プサン)とか。

 「さっぽろ雪まつり」「北銀の北陸銀行との経営統合」、いずれの垂れ幕も、少なくとも北海道に住む生活者にとって必要な情報です。それが一時旅行者にとってどうかといえば、たしかに「経営統合」は直接有用なお知らせではありません。しかし、「おぉ、ここが北海道銀行の本店かぁ」と、自分が「北の大地」にいることを改めて実感する人もいるでしょうし、ふと地元企業の名前を目にして、その名の通りっぷりに誇らしげになっている富山県からのツアー客もいらっしゃるでしょう。それ以上に、大多数の旅行者にしてみたら、視野に入っていても視覚刺激として意識していないぐらいの、そんな垂れ幕ではないかと思われます。

 私たちは、それくらいの情報の楽しみ方やかわし方を、ちゃんと心得ています。おそらく、札幌市職員の皆さんも、仕事を離れれば同様のことを無意識になさっているのではないかと思います。それだけに、もう少し一般市民としての想像力をもって、ご自分の「公務員としての職務エネルギー」を適切に振り分けていただきたいと願うものであります。


 


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2004年9月 5日 (日)

次回国民審査対象の最高裁判事データ(1人目)

才口千晴   第一小法廷 (さいぐち・ちはる)【弁護士出身】

長野県出身

1938年(昭和13年) 9月 3日生
2004年(平成16年) 1月 6日(65歳) 最高裁判事 ※在任8ヶ月
2008年(平成20年) 9月 2日 定年退官予定

>>学 歴

1957(昭32)18歳 長野県立長野高校を卒業

1961(昭36)22歳 中央大学法学部を卒業

1963(昭38)25歳 司法試験に合格

>>職 歴

1966(昭41)27歳 弁護士登録(東京弁護士会)

1984(昭59)46歳 東京家庭裁判所の調停委員に就任

1989(平元)51歳 東京弁護士会の副会長に就任

1994(平6)56歳 中央大学法学部の客員講師・教授に就任

1995(平7)57歳 司法試験委員(出題者・採点者)に就任

1997(平9)59歳 日本弁護士連合会の倒産法検討委員会委員長に就任


◆専門分野…倒産・民事再生などの企業法務
 (更生管財人)
   東和化学工業
   協和物産
   大日産業
 (更生管財人代理)
   マミヤ光機
 (更生手続申立代理人)
   穂高電子工業
   出光製紙
   川中島自動車

◆2002年度納税額
才口千晴 才口・加々美法律事務所 2499万2000円

◆ラジオ番組「テレフォン人生相談」(ニッポン放送)に出演
(2001年~2003年9月頃)

◆著書(単独著作のみ)
 「経営者のための法律ノート」
 「特別清算人の職務権限と責任」
 「社会と道徳」

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(2003年12月16日 内閣官房長官・定例記者会見)
 このたび定年退官される深沢判事は、弁護士出身であり、後任の最高裁判事についても、最高裁長官の意見を聞いて、弁護士から選任いたしました。
 新たに最高裁判事として内定した才口氏は、昭和41年に弁護士登録をされて以来、東京弁護士会に所属し、東京弁護士会副会長、日本弁護士連合会倒産法制検討委員会委員長等として弁護士会の重責を担ってこられたほか、倒産法の権威として法律実務に関する著作も多く、人格、識見に優れ、最高裁判事として適任であると考えております。

(2004年1月6日 最高裁での就任記者会見) 日本経済新聞  ※読売・毎日・産経も同様
 「裁判官は国民の喜びや悲しみ、物の道理が分かっていることが大事。弁護士としての40年の実務感覚と経験を生かしたい」 「最高裁は国民の権利救済の最後のとりでというイメージだが、実態はどうか。権威主義的で不親切といった批判の払しょくを迫られている」「これからは裁判官として司法の国民化のために努力したい」

 (裁判員制度の導入について)
「裁判所と国民の距離を縮める意味がある。早く実現することが必要で、問題は運用で改めていけばいい」

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◆おもな判決(第一小法廷裁判長として出したもの)

 ●2004年6月10日

 鈴木宗男元衆院議員(56)=受託収賄罪などで公判中=が、週刊新潮で「ウソつき常習男」と書かれ、発行元の新潮社を訴えた名誉棄損訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は10日、元議員側の上告を退ける決定をした。鈴木被告側逆転敗訴の2審判決が確定した。
 2審判決によると、同誌は2002年2月7日号で、「ウソつき常習男」との見出しで、元議員が非政府組織(NGO)をめぐる騒動などで何度もうそをついたとの記事を掲載した。
 1審・東京地裁は「真実性の証明がない」として100万円の賠償を命じたが、2審・東京高裁は記事の真実性を認め、「自由な論評による批判は許される」として元議員側の請求を棄却した。 (時事通信)


 ●2004年7月15日

 「週刊文春」の遺跡捏造(ねつぞう)疑惑報道に抗議し、自殺した賀川光夫・別府大名誉教授=当時(78)=の遺族が、文芸春秋側に損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)は15日、920万円の支払いと謝罪広告掲載を命じた二審・福岡高裁判決を支持、文芸春秋側の上告を棄却、同社側の敗訴が確定した。
 判決によると、週刊文春は平成13年1-3月、「第二の神の手」などの表現を使い、大分県本匠村の聖嶽(ひじりだき)遺跡で賀川氏が石器などを捏造したかのように報道。賀川氏は掲載後に「死をもって抗議する」と遺書を残して自殺した。
 二審判決はずさんな取材を指摘し、記事の真実性も否定。「賀川氏は自殺するほど多大な精神的苦痛を受けた」と述べ、一審・大分地裁が認めた660万円を増額したうえ、週刊文春の謝罪広告の位置を広告とグラビアを除く最初のページに指定した。
 聖嶽遺跡は昭和37年、賀川氏らの調査で旧石器時代とされたが、平成11年の再調査で「旧石器時代とは確認できない」と報告された。(産経新聞)

◆これからの注目裁判

  離婚をめぐる番組を放送され名誉を傷つけられたとして、埼玉県の女性がNHKに放送法に基づく訂正放送を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)は16日、NHKの上告を受理し、10月14日に口頭弁論を開くことを決めた。
 最高裁が弁論を開く場合、2審判決を変更するケースが多く、訂正放送を命じた初の判断だった東京高裁判決が見直される公算が大きい。
 2審判決は、放送は女性の名誉やプライバシーを侵害したとして、NHKに130万円の支払いも命じたが、これを不服とするNHKの上告は受理されておらず、損害賠償の部分ではNHKの敗訴が確定した。
 上告審の争点は、放送法に基づく訂正放送を裁判で請求できるかどうか。判決で最高裁が初めて判断を示す。
 NHKは「訂正放送の規定は、権利侵害を受けたとする人からの請求であっても、自主的に放送することを予定したもの」と主張、請求を退けるよう求めている。(共同通信・7月16日)

◆気になる語録

(2002年5月4日付け 朝日新聞)
 (民事再生法について)
「反省も含めて言えば短期速成の法律。不十分な点はいっぱいある。何とかうまく行っているのは、東京地裁が横並び意識から脱し、先進的な運用をしているからだ」 (※法制審議会倒産法部会委員として立案にかかわった)

(2004年4月4日 中央大学法科大学院第一期入学式で、来賓として出席しての祝辞より抜粋)中央大学HP
 私は、弁護士を約40年間務め、この度、裁判官に身を転じた実務法曹家であり、また、10年間にわたり母校の教員として奉職し、法曹論等を担当しました。その経験に基づき、日頃、考えております「あるべき法曹像」を皆様に申し上げ、本日入学の諸君への贐の言葉としたいと思います。

 法曹の使命は、究極の価値である「正義」を追い求めることです。
 法曹のプロトタイプはなく、老若男女、職歴、経験等を問いません
 法曹が持ち合わせるべき資質は、次の四つです。
  一つは、喜怒哀楽が通じ合う「心の温かさ」
  二つは、共感し会える「心の広さ」
  三つは、問題解決の「知恵」
  最後は、是非分別の「判断」です。
 要するに、あるべき法曹像は、「物の道理がわかる」法曹ということです。


  (その他、ただいま捜索中…)


 才口判事が弁護士時代に更生管財人を務めたという各企業へ、取材申し込みを決行したいですね。東京での一人暮らしが落ち着いてから…。ちなみに、上京準備は、もう少しかかりそうです。

 


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2004年9月 4日 (土)

ペーパーレス

【改正商法】 株券ペーパーレス化へ10月施行 - 毎日新聞

 株券は、なくしたり盗まれたりしますし、株券をなくすと株式の譲渡や質入れもできなくなります。また、その事情を知らずに譲り受けた人がいた場合は、その人の善意取得ということで株主としての権利を失うことだってあります。
 会社側の立場からしても、株券を発行したり管理したりするのには、それなりのコストや手間がかかるものです。そこで「株券不所持制度」というものがあるんですが、実務ではなかなか活用されてきませんでした。

 今回の改正で、上場企業は、原則ペーパーレスの方向で一本化だとのことです。その他の小規模会社も、株券を発行しない旨を定款(会社内の決まり事)に記載すれば、「株券廃止会社」としてペーパーレスの仲間入りができます。そのうち、「株券」という言葉じたいが死語になっていくでしょうね。

 「eメール」に始まり、「電子ブック」やら「お財布ケータイ」やら、次々にいろんなペーパーレスが出現する昨今。この勢いで行けば、トイレットペーパーまでペーパーレス化されてしまいそうです。洗ったお尻の乾燥機能付きのウォシュレットとかね。すでにありそうなところが怖いですが。

 さらに今回、株主名簿の閉鎖(商法第224条ノ3第1項)という概念が廃止され、基準日制度に一本化されます。閉鎖期間中の名義書換について色々詰め込んだ知識は今年から忘れてくださいね。
 株式会社は年1回の株主総会までに、誰が自社の株主かを確定しておく必要があるんです。総会の招集通知を出さなければなりませんから。そこで、誰が株主かを知る手がかりとなるのが、会社の手元にある株主名簿なんです。

 そして、たくさんいる株主の権利行使をスムーズに処理する事務処理上の便宜のため「株主名簿の閉鎖」と「基準日」という制度があります。

 ★「名簿の閉鎖」:一定期間、株主名簿の記載の変更を受け付けないこと。この間に名簿上の株主を確定する。※今回の改正で廃止

 ★「基準日」:一定の日(多くは3月末日)において株主名簿に記載のある株主をもって、その権利の行使をすべき者とみなしてしまう。基準日以降も名義書換は行われるものの、その株主は来年度以降の株主総会にしか出席できないということになる。

 

 商法、とくに会社法は時代の流れの影響をモロに受ける法律なもんですから、毎年のように情け容赦なしに改正が入ります。ですから、商法が試験科目に入っている資格の受験生は、去年憶えた事柄を今年は憶えなくてもよいとか、新たに憶えなければならないことが増えたりとかいうことが年中行事みたいになってます。なので、あちこちから情報・資料を仕入れたり、とにかくフォローが大変なんですね。さっさと合格するか、あきらめるかするに越したことはないんでしょう。
 
 なにせ今年は、官報や新聞上だけで行われていた決算・合併等の公告が、自社ホームページ上でOKになっちゃったりもしています。さらに来年には、商法の中の一章が独立して「会社法」という名の法律ができちゃうってんですから。ってことは、条文番号までイチから憶えなおしですか? …もう、オッサンは付いていけません。トホホ。


 


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2004年9月 3日 (金)

先生!指紋忘れました

浦和署が初歩的ミス、車上狙い捜査で指紋採取忘れる - 読売新聞

 さらに朝日新聞の記事によると、現場は高校の駐車場で、キャッシュカードからはカードローンも合わせて435万円が引き出されたそうです。クルマの中に現金とキャッシュカードを置いたままにしておくのも、今の時代に非常識な話ですが、自宅でなく仕事場の駐車場、しかも昼間ということで、ある意味安心といいますか、油断なさっていたんでしょうね。財布を落としただけなら、カードを止める手続きをする時間の余裕もあるでしょうけど、直接盗まれたんなら、その足で下ろしに行かれるでしょうから、キツいですよね。

 私も愛車の原付の鍵を壊されたことが何度もありました。そのうち2度はメットインからヘルメットを持って行かれ、2度はまるごと盗まれました。そのまるごと盗難の2回目は、昨年の夏休みシーズンでしたね。決めつけちゃいけませんが、ヒマを持て余した高校男子たちの仕業かと。
 10日後に戻ってきたんですが、バックミラーやナンバープレートは無くなっとるわ、エンジン音はおかしいわで、ナンバーだけ廃車手続きしてそのままにしていたんです。しかし、つい先日、処分してもらいました。8年間ありがとう。

 きっと車上狙いって多いんだろうな、と思ってネットを見てみると、50秒に1件の割合で起こっている計算だとのこと。スーパーのレジで会計を済ませるぐらいの時間で1件起こっていることになります。これでは、警察のほうも捜査がルーチンワーク化してしまうのも無理ありません。

 本件も、1年以上経った今だに事件は未解決だそうですが、統計によると、平成15年上半期の車上狙い検挙率は11.6%。しかも、埼玉県での発生件数は全国ワースト8位。しかも現場は人口106万の県庁所在地です。
 被害者の高校教諭も、その場に居合わせていたのに、現場の「遺留指紋」の採取と、それと照らし合わせるための被害者の「協力者指紋」の採取がされていないことを指摘できなかったのは、きっと事件のことで気が動転していて、後で思い出したとか、同僚の先生に言われて初めて気づいたとかいう事情があるのかもしれません。一緒にいたという23歳の巡査も、ベテランの凡ミスに気づいていながら(ふだん怒鳴られていたりで?)言い出しづらかったのかもしれません。でも、ちょっとのうっかりが、これだけ報道されてしまいますからね。
 これからは、どうか気を付けていただきたいものです。もちろん、警官だけでなく被害者の先生も。そして、私自身も。

 そうかと思えば、ねずみ取りで違反切符を切るとき、違反者が印鑑を持っていないと執拗に拇印を求めてくる白バイ警官もいます。警官の指紋へのこだわり方もいろいろですね。
 ちなみに、違反切符への拇印を要求されても、あれは持っている免許証が本人のものであるのを確認するために「任意の協力を求める」という形ですので拒否できます。本来は署名や印鑑すらも同様の扱いです。「捺印拒否」「署名拒否」ということで記録は残るみたいですけど、それで済ますことも可能、という見方だってできます。
 さすがに警察側に、裁判所から身体検査令状をもらって来られたならば、逆らえずに強制採取されてしまいますよ。でも、理論的にも(警察比例の原則)現実的にも(人員不足で多忙)、1点や2点の違反相手にそこまではやらんでしょう。まぁ、反則金を納めずに逮捕されちゃったら別でしょうけど。

●刑事訴訟法第218条〔令状による差押え・捜索・検証〕
  1 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押、捜索又は検証をすることができる。この場合において身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。
  2 身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、前項の令状によることを要しない。
(以下略)

 そんなことも知らずに、私は学生時代(法学部法律専攻)、原付で国道を47km/hで走っていて白バイの兄ちゃんに声かけられたり、一時停止違反でパトカーに乗せられたり、あとは駐禁もありましたけど、見事に全て拇印を押してまいりました。その印影は、今ごろ警察組織のどこかで静かに眠っているのでしょう。あんまり気持ちのいいものではないですね。

 また、何かを質入れするときに質屋さんから指紋採取を求められることもあるそうですが、それも任意です。盗品が持ち込まれてくるのを未然に防ぐために、近所の警察署から依頼されているもののようです。

 


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2004年9月 2日 (木)

オススメ本(1) 「反社会学講座」

 今日は法律から少し離れて、私が最近読んだお気に入りの本をご紹介します。

反社会学講座
パオロ・マッツァリーノ

発売日 2004/06/20
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 筆者は「イタリア生まれの30代」を名乗っていますが、筆者以外の全ての対象(ときに読み手を含む)をこき下ろして笑いを取ろうとするところとか、ギャグっぽい固有名詞をこまごまと出してくる文体は、なんだかアメリカ人っぽいですね。

 でも、そんな細かいことはどうでもいいんです。「パラサイトシングルが日本を救う」「日本人は勤勉ではない」…など、世間の常識に徹底的に牙を剥いているもくじを眺めているだけでもワクワクしてきます。個人的に一番好きなのは「ふれあい大国ニッポン」の章です。怪しげな統計が笑いを誘います。

 おそらく、この方はタダ者じゃなさそうですね。私は、帯に推薦文を書いておられる大学助教授が、本書の筆者の正体としてクサイと思うんですが、いかがでしょう。だとしたら、関西の笑いなのか?
 そうそう、表紙の絵が吉田戦車先生の手によるのも、ファンとしては嬉しい限りです。

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2004年9月 1日 (水)

過去を振り返れ!

郵便誤配巡り「国家賠償」異例の再審決定…大阪高裁
- 読売新聞


 いやぁ、なかなかの憲法上の大問題が浮上してまいりましたね。

 郵便局員が何かミスをして国民に損害を与えても、その賠償額は一定限度に制限されるという郵便法の規定があるらしいんですが、おととしの9月、「憲法の番人」である最高裁判所で、この規定が、国民に国家賠償請求権を認めた憲法17条に違反すると判断されたんです。
 記事にもありますように、こんな「法令違憲」の判決はめったに出ないんですが、その違憲判決の効力は、その事件を解決するのに必要な分だけ及ぼされるべき限定的なもので、その事件のその当事者(原告・被告)だけに限って有効だという考え方が一般的です。この考え方を「個別的効力」だとかいいます。

 友達の持っているおもちゃがうらやましくて、子供が母親におもちゃをねだるときに、母親は決まって「よそはよそ、うちはうち」と言いますよね。違憲判決の効力は、それと似たようなものです。

 しかし、今回の問題は、おととしの9月の違憲判決よりも以前に、その違憲とされた郵便法を根拠に請求を認めなかった他の事件について、「やっぱ、あのとき請求を認めたほうがよかったのかも。やりなおそうか…」と言っているんです。これは違憲判決の「個別的効力」に抵触するのもそうですが、そういう「人」とか「事件」レベルの問題だけではなく、判決の効力を過去にまでもさかのぼらせようという「時間的な効力」の問題も含んでいそうなんです。

 記事中の浦部教授のお話にもありますように、最高裁の裁判官が全員集合する大法廷で、最終的には決着を付ける必要がありそうですね。次回の国民審査(※次回の衆議院議員選挙と同時に行われるため、2007年11月までには行われるはず)の対象となる予定の裁判官である才口千晴判事や、津野 修判事の価値判断もモロに問われるため、3年後に向けての良質な判断資料になりそうです。

 今日は、地方公務員試験の受験資格に「日本国籍」が要求されることは憲法に違反しないかの判断が、最高裁大法廷にまわされることになったそうですし、国民一般にはあまり知られていないところで最高裁がひそかに賑わってきましたね。

 


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オレだって変わるわよ

性同一性障害による性別変更認める決定 東京家裁で初 - asahi.com : 社会

 ついに時代もここまで来たか、という感もありますが、一説には、10人に1人はなんらかの形で身体的な性別と精神的なそれにズレが見られるそうですから、新しくも古い問題なんでしょうね。
 もし、女好きの私が女の身体を持って生まれていたら、どうなんだろう。かねてから、「性同一性障害」の「障害」という言葉に疑問があったんですが、自分の感情にウソをつきつづけて、うっすらと後ろめたい毎日を過ごしながら、親を恨んだりしたんだろうか、と考えをめぐらすと、やはり、その苦しみは想像を絶するものがあります。
 医学的だけでなく、社会的にも「障害」をどかすことが可能になりつつあります。これからの皆さんには、なんとか、特に苦しんできたであろう恋愛を思いっきり満喫していただきたいですね。

 あとは、戸籍謄本だけでなく、パスポートや健康保険証などの性別変更まで認められるかという問題が残ってますね。管轄が違うでしょうけど。そういえば、運転免許証には性別の欄はありませんねぇ。

 それにしても、「もう1人に対する決定内容は不明」というのは気になります。個人のプライバシーに関するデリケートな問題だという事情はあるでしょうけど、「なんじゃ、『不明』って」という印象は拭えません。
 申立て要件の「変更後の性別の性器に似た外観」って、自己申告ってことはないでしょうから、いったい、どこの誰がチェックするんだろうかと思います。ひょっとして、「不明」の真相は、手術の完成度がいまいちで、あんまり「外観」が似ていないと家裁が判断して申立てを却下したとか? それとも、モロッコから完成度の証明書でも出るのかね?

 


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