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2005年2月 1日 (火)

司法試験予備校のリーガルマインドは

資格予備校LEC、パンフに不当表示・公取委が排除命令へ(日経新聞)

予備校LEC、パンフの司法試験合格者数を水増し(朝日新聞)

司法試験の大手予備校、合格者数を水増し…公取が審査(読売新聞)

景品表示法トップページ(公正取引委員会)

法律用語“裏”辞典 (ごうかくしゃせんゆうりつ【合格者占有率】の項を参照)


 ほらぁ、もう言わんこっちゃない。こんなふぬけたことをやっとるから、司法試験委員会や、法科大学院を認可する文部科学省にこびりついている、「予備校性悪説」の先入観が、ますます離れなくなっていくのでしょう。

◆ 不当景品類及び不当表示防止法 第4条(不当な表示の禁止)
 (1) 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならない。
  一  商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示
  二  商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示
  三  前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの
 (2) 公正取引委員会は、前項第一号に該当する表示か否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第六条第一項及び第七条の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。

 今回、LECは「優良誤認の疑い」ということですので、1項の1号に該当する不当表示なのでしょう。
 条文中の「著しく優良」という文言が気になりますが、なにしろ合格者占有率90%超を喧伝していたわけです。何も知らない人が見れば、「なるほど。だとすると、他の予備校から出てる合格者は10%に満たないのか」と、事実に全く反する誤解をしてしまっても責められませんし、LECがその誤解を狙っていたと見られても仕方ありません。ならば、「著しく優良」という文言にもあてはまるおそれは、やはりありそうですね。
 かつて、いわゆるコジマVSヤマダ電機の闘争(「ヤマダさんよりお安くします」の表示)も、景品表示法の問題だということになりましたが、商品の価格の話なので、たぶん2号なんでしょうね。

 そして、同条2項は、2003年11月に施行されたばかりのフレッシュ規定。

  まず、公正取引委員会は、
  【1】期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めます。(4条2項) 景品表示法第4条第2項の運用指針

  【2】そして、不当表示があると認められるときは、その差し止めをしたり、再度の不当表示を防ぐために必要な事項、またはその事項に関連する公示などを命じます。(6条1項・排除命令)
    ※ LEC側は「指摘のあったパンフレットはすでに回収し、現在は内容を改めた」とコメントしています。しかし、同条項が「その命令は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、することができる。」とも定めている以上、そういった反論をもって、排除命令を免れる根拠とすることはできないようです。

  【3】この排除命令に不服があれば、30日以内に公正取引委員会に対し、審判手続を請求できます。(8条1項)


 どうせなら、LECさんには、公取委の審判まで異議を持ち込んでいただきたいですね。そしたら、私は毎回傍聴してでも、今回の問題を追跡していくつもりがございますよ。

 10年前にLECを辞めて、「伊藤真の司法試験塾」(現:伊藤塾)を開講なさった伊藤真塾長は、「合格者占有率」や、短答(マークシート)試験の「合格推定点」というものについて、かねてから「私たちはああいうことはしたくない」と明言されてましたので、LECの裏側について、いろいろと懸念するところがあったのかもしれません。
 ただ、伊藤塾もかつてほどの勢いが無くなってきているようです。「合格後を考える」という理念追求でも、「合格だけを考えろ」という利潤追求でも、どっちみち厳しさを増しつつある司法試験予備校業界。

 まぁ、司法試験以外にも、「法科大学院入試」という対策すべきテストが増えてくれた昨今。その「特需」の恩恵を腹いっぱい受けていることを考えれば、厳しいようにみえているだけなのかもしれませんが。


 


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