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2005年2月 7日 (月)

食物連鎖と行政事業

メルマガ・バックナンバー(創刊2号「明日判決! 琵琶湖バス釣り・リリース禁止訴訟)
 
【参考】
 リリース(再放流)禁止の問題点と矛盾(日本釣振興会)

 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(環境省)

 外来生物候補リストにオオクチバスなど32種と4属(朝日新聞)

 ブラックバスに「避妊手術」=琵琶湖外来魚ゼロ目指し-滋賀県(時事通信)
 
 
 
★(1) 琵琶湖における各魚種の漁獲量(「琵琶湖を守ろう」様)

★(2) 琵琶湖とブラックバス(「osaka MATSUKOU!WEB」様)

 メルマガの本文からもリンクいたしました、(1)の表をごらん下さい。少なくともブラックバスの数のピーク(たとえばS63、H3-4)で、フナやコイの減少に顕著な例があらわれているとも見られません。バスの主食だというモロコに至っては、逆に増えたりもしていますね。

 ただ、(1)が語る、平成9年のバス漁獲高“25トン”と、(2)が言及する、平成12年のバス「駆除率」“188トン”…。この数字の差は、どう読み取るべきなんでしょうか。

 ひょっとして、その3年間にバスが異常発生したのか? だとしたら、なぜ? …と、ネット上をウロついているうちに、滋賀県水産課の公式ページに詳細なデータが掲載されているのを発見しました。それによると、平成12年の琵琶湖バス漁獲高は“43トン”とのこと。やはり数字が食い違っています…。

 あるいは、(1)の漁獲高からは、駆除されたバスの重量は除外されているのか。でも、駆除は漁師の方が行っているわけですから、漁獲高に含まれていないとは考えにくい。

 それとも、駆除されたバスの中に、別魚種が数倍の割合で混じっているのか。さすがにそんなことをしたら、買い取ってもらう前にバレますわな。京都の業者から「これは何どすか。フナのほうがメインを張っとりますえ」と、はんなりと指摘されてしまいます。

 そうか。この差、145トンはオオクチバス(ブラックバス)以外の『コクチバス』や『ブルーギル』等の数字なんでしょうね。(2)をよく読んでみたら、別にブラックバスに限った数字ではなく、「外来魚」全般の駆除についての記述みたいですから。ようやくつながってホッとした、データ読み取りに慣れていない私。それにしても、145トンとは他の魚種と比較しても大きな数字です。
 
 こうなったら、ブルーギルに関する、もっと詳細なデータが欲しいですよね。この外来種撲滅問題の議論をキッチリ行うためには必要な資料だと思いますから、現時点で見当たらないのが残念です。バス類は減少していて、ブルーギルが急増しているということが明らかなら、ブルーギルの再放流だけを条例で禁止するのが合理的だ、という考え方だってできるからです。
 外来魚駆除事業にたずさわる業者からは、最近ではバスは少数で、とにかくブルーギルばかり獲れるという声も聞かれるそうです。また、動くものにしか反応しないバスより、水草に産みつけられた在来魚の卵まで食い荒らすブルーギルのほうが、生態系にとってタチが悪いという説もあるようですし。
 ただし、我が故郷、九州・福岡市の大濠公園。そのお濠は1周2kmで、琵琶湖の比ではございませんが、それでもコイとブルーギルは共生していました。まぁ、今後どうなるかは知りませんが。
 いずれにせよ、バスやブルーギルばかりを悪者にして、行政や土建業による環境破壊の目くらましにしているようなことがないかどうか、見極めていく必要がありそうです。昨日発行したメルマガの繰り返しになりますけども。
 
 
 外来種だ、在来種だ、メダカが絶滅の危機だ、ジャンボタニシの卵のショッキングピンク色が怖い…だのと騒がれたり騒がれなかったりしております。ただ、これもメルマガに書きましたとおり、地球の自然は、多少の急変にもしなやかに対応できるようにできています。なにしろ、小惑星は落ちてくるわ、氷河期がくるわ、大陸は移動しだすわしても、決して絶えることのなかった、35億年にわたる生態系の耐久実績があるわけですから。地球史の一時期を取り出して見れば、たしかに急速に種を減らしていても、現にこれだけ多様な生き物たちが息づいています。

 前世紀80年代のバス釣りフィーバーで、琵琶湖のどこに糸を垂らしてもバスが食いつくという状況があったそうですが、それだけバスが増えれば、その捕食する魚種(アユやタナゴ、モロコなど)は減るわけです。しかし、これらの魚が足りなくなれば、バスのほうだって減ります。いくら釣り人の垂らすルアーに食いついても、腹は膨れませんから。
 今はこの段階に有るのかもしれませんが、食物連鎖ピラミッドの上位にある生物がいったん減れば、下位にある生物もしだいに増えていきます。そうして、長い時間をかけて絶妙なバランスが保たれていくのでしょう。「外来種の襲来によって生物の多様性が侵害される」というのがマスコミの主な論調ですが、外来種と在来種が共存できれば、さらにバラエティは多彩になるわけです。長い目で見れば、ですけどね。

 そもそも、琵琶湖のブラックバスよりも、ブルーギルよりも、食物連鎖ピラミッドの頂点を占める強者、ホモ・サピエンスの個体が、陸上に60億以上うごめいているというほうが、もっと異常事態のはずなんです。てっぺんだけ膨張すれば、ピラミッドの形を成さないじゃないですか。休日の渋谷とか池袋をごらんください。霊長類ヒト目ヒト科ヒトが大量発生している証拠ですよ、あれは。不思議な不思議な池袋ですよ。
 あまりにも大量発生しているのに、ヒトを捕食する生物がなかなかいない(ヒトへの殺傷能力の高いクマさんは、ヒトよりハチミツが好物)というので、食物連鎖の危機を何者かが察知して、いよいよ「見えない力」が作用しようとしています。日本では来年から、いわゆる先進国では世界で初めて、人口が減少に転じるとの予想もございます。恋愛が自由になりすぎて、結婚相手を選びすぎている日本のヤングアダルト層の行動や発想(私も含む)が、統計になって表れてきつつあるのです。

 それはさておき、琵琶湖の護岸工事や外来種駆除事業等は、ブラックバスやフナ・タナゴが減ったからといって動じません。当たり前です。これらは食物連鎖システムとは別次元の存在ですから。この別次元の存在を減らすなり改善することのできる生物も、現時点では地球上に1種しか存在しません。
 それとも、こっちも「見えない力」に頼ってみますか? 今に天罰が下りますよ。
 
 
 
 いいんでしょうか…。こんな締め方で。


 


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