ニュース映像の証拠採用…毒物カレー事件
今日は、全国各地で重大な判決が立て続けに言い渡されました。下関駅通り魔事件(5名死亡)で広島高裁、和歌山の毒物カレー事件(4名死亡)で大阪高裁、それぞれ控訴を棄却し、一審の死刑判決を支持しました。
前者は、無差別殺傷行為の事実関係に争いはなく、もっぱら責任能力の有無が争点となりました。後者は逆に、被告人が無差別殺傷を行ったという物的証拠や目撃証言がなく、確たる動機も不明というので、情況証拠の積み重ね、つまり「怪しさの足し算」で確信にまで持っていったというわけです。
この2つの死刑判決の陰で、このような最高裁決定が奇しくも本日出されています。なぜ、よりによって今日なのか?という疑問もよぎってきますが、皮肉なものです。
遺族の逆転敗訴が確定 毒カレー事件の医療訴訟で(共同通信)
さらに、このようなニュースも報じられています。
読売テレビなど関西の民放6社とNHKは28日、毒物カレー事件で、同日の大阪高裁判決が、テレビで放映された林真須美被告(43)らへのインタビューを録画したビデオテープに証拠能力を認めたことに抗議する見解を発表した。「報道目的以外の利用は市民の信頼を裏切る。報道に重大な制約を加え、取材の自由を軽視する判決に、強く抗議する」などとしている。(読売新聞)
おっしゃっていることの理屈はわかりますよ。われわれマスコミは、裁判の証拠集めのために動いているのではない。国民の知る権利に資するために……ということなんでしょうが、この高尚なはずの「抗議」から受ける、なんともスカスカした印象は何なんでしょうか。
自分たちの主張や先入観にとって都合のいいようにつなぎ合わせて、おどろおどろしいBGMを流し、有限の地上波をそんな面白おかしい「電波紙芝居」でお茶を濁しているような現状で、「報道目的以外の利用は市民の信頼を裏切る」は無いもんです。その「市民」って、どこの誰ですか?
このブログが多少荒らされるのを覚悟で、あえて書きますが、庶民の多くは、真実を知ることにそれほど興味はありません。とりあえず、庶民の総意である林真須美の死刑判決に資するためにマスコミの仕事が援用されたのなら万々歳です。それならば、国民の信頼を裏切るどころか、逆に「公共の利益」として支持してくれるはずです。
憲法の教科書をひもとけば、何だかいろいろ書いてあります。未編集の生テープや未放送の映像作品について司法当局から提出命令を受けたというなら、抗議したくなる気持ちもまだ理解できます。が、現実問題、さんざん放映済みの映像資料が裁判に流用された程度のことで、本当に報道は萎縮するんでしょうか。マスコミってそんなタマなのか、はなはだ疑問でなりません。頭の中でこねくりまわした単なるイチャモンのようにしか聞こえないんです。
どうして報道だけをマスコミの使命だと強調したがるんですか。誰にだって向き不向きはあるんですから、もう背伸びはやめて、地上波放送局はバラエティづくりに徹すればいいんです。バラエティ番組のほうが、下手な娯楽ニュース番組より、よっぽど世の中の真実を映し出している場合もあるんですから。特にフジテレビには、来月の「25時間テレビ」に大きな期待を寄せています。去年の「27時間テレビ」が奇跡的な面白さでしたので。
一方で、明石市花火大会の将棋倒し事故(11名死亡)の民事判決で、神戸地裁は、兵庫県と明石市と警備会社の3者に連帯して5億6800万円の賠償を命じました。また、芸能関係でも某俳優の出演料恐喝未遂事件で、東京地裁において有罪判決が出されていますね。
今日は、豪雨と猛暑という異常気象に加えて、重要判決の特異日といえたかもしれません。
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