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2005年6月24日 (金)

裁判官の「クールビズ」

>>> <長官・所長会同>クールビズも、ノーネクタイ派は10人

 全国の高裁長官と地・家裁所長を集めた会議「長官・所長会同」が22日、最高裁で始まった。恒例の会議で、今年は司法制度改革をテーマに2日間にわたって約80人が出席して行われる。「クールビズ」運動に合わせ、軽装での参加を促したが、町田顕(あきら)最高裁長官らノーネクタイ派は10人前後で、裁判官の“きまじめぶり”が際立った。
 夏の職員の服装について、最高裁は今年5月「上着を脱ぎネクタイを外す軽装で差し支えない」とする79年の通達を周知徹底。6月にも再度「軽装で執務を行うように」と全国の裁判所に伝えている。
 今回も軽装での参加が認められていたが、「司法制度改革の定着のためには合理的で柔軟な組織のあり方について検討することも必要」とあいさつした町田長官はスーツ姿にノーネクタイ。他の参加者はさすがに上着は着ていなかったが、ほとんどが白いワイシャツにネクタイをしていた。
 軽装推奨の裁判所だが、法廷での裁判官の服装は最高裁規則で法服と定められており、軽装は認められない。(毎日新聞) - 6月22日

 ほぇぇ、裁判所は26年も前から「クールビズ」を先取りしとったのかね。たいしたもんやねぇ……と思っていたんですが、ひょっとして、通達ってこれのことでしょうか?

石油消費節減対策の推進について(国会・裁判所・地方自治体にまで周知)


 全国には8つの高等裁判所と50の地方裁判所があります。高等裁判所のトップは長官と呼ばれ、地方裁判所のトップは所長です。そんなお偉い方が、6月の中旬、ちょうど今ごろですが、年に1度『長官・所長会同』として、最高裁判所へ集うのです。

 『長官・所長会同』については、「最高裁マニアックス」の中で、少しだけ詳しく書きましたが、そこで、いったい何をするのかと言いますと……

 タテマエでは、全国各地の裁判所を代表する者たちで開かれる「自由闊達な意見交換の場」ということになっています。しかし、近年では、最高裁から伝達される「事務総局見解」を、各裁判官がひたすらメモするという光景が珍しくないようです。

 この会同では、長官のマチケンさんを中心とした最高裁事務総局を基準に、全国の裁判官が「前にならえ」をして、ある種の事件につき判断を揃える『意見統制』が行われているのだとウワサされています。もちろん、会同で行われている行事の全部が全部そうだとは言えないでしょうけど、かつて国会の法務委員会でも問題として採り上げられたことがあります。

 会同に集う裁判官らの、今後の判断に干渉し影響を与えるのは、裁判所の独立を害する憲法違反行為ではないのか、と。そういうわけです。

 この『意見統制』が、仮に密室で現実に行われているとして、それが善なのか悪なのか、現時点の私には判断いたしかねます。たしかに、抽象的には憲法76条3項に抵触しそうなコントロールかもしれません。しかし、たとえば、同じ損害賠償請求事件について、この裁判所に持っていったら棄却されたのに、この裁判所では認容された、という現象は、訴訟当事者の立場からすれば不公平や不意打ちと感じることにもなると思うからです。

 そんな難しい話はともかく。 この最高裁判所、下級審裁判官たちの判断は統制できても、ノーネクタイは統制できないというのが、少しおかしかったです。チカラがあるのかないのか、ようわかりません。

◆ 日本国憲法 第76条
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
 
 
 ↓ オススメ本です。『長官・所長会同』を含む、最高裁の裏側について、幅広く解説されています。値が張るのが玉にキズですけれども。

 

4772704299日本司法の逆説―最高裁事務総局の「裁判しない裁判官」たち
西川 伸一

五月書房 2005-05

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コメント

面白そうな新刊ですね。恥ずかしながら、初めて知りました。ありがとうございました。

投稿: T | 2005年6月24日 (金) 22:36

>Tさん

 いらっしゃいませ。

 学者さんの本なので、足で稼いだ証言みたいなものは無いのですが、なかなかお目にかかれないデータが充実しています。立ち読みではもったいないので、予算が許せばぜひお手元に。

 今後ともよろしくお願いします。

投稿: みそしる | 2005年6月24日 (金) 23:49

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受信: 2005年6月24日 (金) 22:37

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