電子投票と改名ブーム
杉村議員のアイデア「ワンタッチ投票」の名称を採用(サンケイスポーツ)
私が杉村太蔵議員をヒイキ目に見ているからではありませんが、これは実に鋭い提案だと思いますよ。特にご年輩の方にとっては「電子投票」という言葉を聞いただけで、なんだか得体の知れないものだという印象を受けられるかもしれません。2002年に全国初の電子投票が行われた岡山県新見市のアンケートでは、お年寄りの95%以上が「投票が簡単だった」と回答しています。
本当は銀行のATM操作よりも簡単なのだ、ということを強調するためにも、「ワンタッチ投票」というネーミングは有意義です。世に浸透してくれることを願います。
最近では、コピーライターから枝分かれして「ネーミングライター」という職種も台頭してきています。その昔、NTTが立ち上げた携帯・自動車電話会社に「ドコモ」と名付けたのは、ある女性のライターさんです。キャッチーな響きに加えて、その会社や商品の特徴をさりげなく織り込んでいくのが、誰にもマネできない彼女の仕事ぶりなのだと、どこかで読んだことがあります。
杉村議員が持ち出した「ワンタッチ」って……たしかに今どきっぽい響きはありませんけど、ご年輩の方々への分かりやすさを重視したとみれば、なかなかのセンスではないかと思われます。その場のひらめきにしては。
出席議員から「いいんじゃないですか」「賛成」との声が出たため、研究会の中馬弘毅会長らも了承。これには杉村氏も「本当ですか。名前変わっちゃうんですか」と驚いた様子だった。
記事に目を通した限りでは、杉村議員の提案に対し、研究会の先輩議員があっさり賛成したようにも読めます。ひょっとしたら、ネーミングのような政策の本質に影響しない表面的な部分では、彼の言うとおりにホイホイ受け入れておいて、やたら目立ちすぎる新人を骨抜きにしていく巧妙な作戦なのかもしれません。しかし、ネーミングって、今の時代では意外と決定的なものになりつつあるのかもしれませんよ。
負けるな、タイゾー! 9月11日の、あの素直さと素朴さを忘れないでくれよ。
ネーミングといえば、最近、モンキッキー(旧おさる)の元相方、コアラさんが、なんと「ハッピーハッピー」に改名したそうです。なんじゃそら。もはや、元アニマル梯団のお二人は、すっかり細木センセイのオモチャと化しており、少し気の毒な感じがします。改名したというより、「改名させられた」と言ったほうが、たぶん真実に近いのでしょう。
現在、日本の公職選挙法が認めているのは「自書式」の投票方式に限られており、例外的に地方自治体の知事選や議員選のみで、投票所と開票所とをオンラインでつながない等の条件付きで電子投票(ワンタッチ投票)が許されているのが現状です。
「ワンタッチ」の推進派としては、地方選で実績を重ね、国政選挙での解禁に弾みを付けたかったわけですが、2003年7月、岐阜・可児市の市議選では、各投票機をたばねるサーバーが熱でダウンし、滅茶苦茶にトラブったため、今年7月、最高裁から選挙無効を突き付けられてしまいました。他にも2自治体で選挙に障害を生じさせた過去があります。ある意味、電子投票は「大殺界」にあり、まさに地獄へ堕ちようとしています。
果たして、杉村先生による改名で、電子投票は息を吹き返し、その運命は好転するのでしょうか。
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