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2006年2月 8日 (水)

親王殿下誕生で、ホリエモン釈放!?

 秋篠宮紀子妃殿下、ご懐妊おめでとうございます。健やかなお子さまがお生まれになることを祈っております。  

 某ブログによると、親王殿下(男児)のご誕生によって、恩赦が行われ釈放されることも、ホリエモンは想定内なんだそうです。うそーん。そこまで近未来を想定する能力があるんなら、さっさと自慢のジェット機か宇宙船で逃げとけよ。

 ちなみに、恩赦の代表的なものとして「大赦」と「特赦」があります。特赦は有罪が確定した特定の者に対して、その刑の言い渡しの効力を失わせるのですが、大赦は、まだ裁判中でもストップさせて免訴判決が言い渡され、捜査中の事件までも終了させてしまうという、理屈ぬきで強い法律効果があります。

 妃殿下のご出産予定は今年秋とのことです。ホリエモン事件が、そこまでスピーディーに判決確定まで漕ぎ着けるとも思えませんので、特赦ではなく大赦を想定しているということなのでしょうか。

 ただ、大赦は、あらかじめ罪の種類が指定されて行われます。「親王さまご誕生」という慶事に、「証券取引法違反」という、せせこましい罪名が指定されるかどうかには、あんまり期待しないほうがいいのかも。

 私はあいにく、毎週早起きして「皇室アルバム」を視聴するほどの熱心さは持っておりません。いつもは皇室の存在を意識せずに過ごしているけれども、外国人留学生が天皇陛下や皇族の方々をバカにするような発言をしていれば、素直にムカついてくる、普通のジャパニーズ・イエローモンキーです。

 それにしても、現存する世界最古の「万世一系の皇統」……その継承の危機という問題が、どうして通常国会での単なる法改正とか票読み、党議拘束などの問題にまで矮小化されるのでしょうか。畏れ多いとは思わないのでしょうか。そんなに民主主義がエライのでしょうか。小泉さんは靖国神社で何を祈っていたのでしょうか。

 まぁ、皇室典範を改める動きが、このたびの報道により、昨日今日で一気に下火になったからよかったものの。だいたい誰じゃ、皇室典範を「法律」という消耗品にしたヤツは。責任者出てこい、ミニッツ、マッカーサー。

 民主主義、ひいては国民主権の原理は、極端な話、その時々の民意さえ反映していれば文句無いわけですから、「今さえ良ければいい」という風潮さえも正当化されます。しかし、今の時代は、今いきなりポッと出で存在するわけではありません。過去の膨大な積み重ねがあって、初めて現在があるのです。

 現代の日本人も、飛鳥時代の大和民族も、「皇統を男系でリレーさせていく」という同じ意識を、時空を超えて共有しています。形あるものを次代に残していく文化は、比較的珍しくはないでしょうが、それとも違うようです。「万世一系」という壮大なロマンを体得できるのは、この国に生まれた人間の特権だと思います。いみじくも「血脈の世界遺産」と呼ばれるゆえんです。
 日本国憲法1条、「天皇は……日本国民統合の象徴」という場合の「日本国民」には、私たちのご先祖様も含まれるというのが、私の(独自の)解釈です。皇族という営みを継続的に支えてきた、名も無き一人ひとりの度量が驚異的なのです。それが日本という国の性質が、目に見えない形で底上げされているポイントかもしれません。

 特に最近は、歴史や伝統の「縦のつながり」に価値を見いださず、「そんなものいらん」という方も多いのでしょう。合理的に勉強して合理的に合格し、クールに使える人脈を構築しクールに出世して、死亡を停止条件として、クールな遺産や保険金が飛び交い、死体の肉片は燃えるゴミの日に捨てられる合理的な人生も、確かにステキです。しかし、そういう合理主義が幅を利かせる時代だからこそ、「理屈じゃないもの」の威光を求めたいのです。

 36年前の大阪万博で、洗練されたデザインのパビリオン、科学礼賛・進歩主義に基づく展示が軒を連ねる中、人々から絶大な支持を集めたのが、広場の金属屋根を突き破って、場違い的に立てられた岡本太郎作「太陽の塔」でした。あの作品、今では原爆やキノコ雲がモチーフだという説が有力ですが、だったら、なぜあんな奇妙な顔がいくつも付いているのか。ワケがわかりません。しかし、愛された。万博の施設としては唯一の永久保存が決まりました。

 日本には、もともとああいう得体の知れないもの、神秘的・呪術的なものを慈しむ土壌があるのかもしれません。そこを見抜いた岡本太郎は、じつは最高の「ポップ・アーティスト」だったのでしょう。ポップアートのクセに、大衆や時代にまったく迎合していない、むしろ前衛的な意匠なのですから、とんでもないのですが。

 ただし、皇室が単に「理屈じゃないもの」と割り切れるような、単なる宗教団体の類であったら、神話時代も含めて2660年もの間、ここまでしなやかに続いてこなかったとも考えられます。仮に、全国の神社を取りしきる日本神道のトップである天皇の地位が、「女系」で引き継がれていたとしたら、どうでしょうか。その女性天皇の権威をめぐって、良家の荒ぶる男どもが皇座を争い、かなり面倒でグチャグチャな事態となって、皇室のありがたさも失墜していたかもしれません。
 つまり、皇統が「女系」でなく「男系男子」で継承されてきたことは、先人が編み出した知恵であり、それなりの必然性・合理性もあったとされているのです。

 ……と、もっともらしいことをゴチャゴチャ書いてはみたものの、じつは「せっかく続いてきたものを終わらせるのは、もったいない」という、ケチな感覚に基づいたコジツケに過ぎないのかもしれません。 ま、「もったいない」ってのも、これはこれで日本的ですか。

 皇室という存在は、私が論じるには大きすぎるテーマですが、皇統の継承が「皇室典範1条」という法律の条項に書かれている以上は、このブログでも採り上げないわけにはいかないのでしょう。しかし、今の段階では通り一遍のことしか書けそうにありませんので、詳しくは、またの機会に。

<<<<<<<<<<<<< みそしるオススメ本 >>>>>>>>>>>>

 明日は、いよいよ「横浜事件」の判決ですね。そこで「ぬれぎぬ」つながりで(あんまり関連性ないですけど)ご紹介。

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