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2006年4月22日 (土)

海で、そして空でも……

>>> 機内で乗客たたく --成田空港署 /千葉
 成田空港署は18日、飛行中の航空機内で乗客をたたいて軽傷を負わせたとして、千葉市若葉区、衣料品販売業(54)を傷害容疑で逮捕した。
 調べでは、容疑者は同日午前9時50分ごろ、オーストラリア上空を飛行中のシドニー発成田行き日本航空第722便の機内で、前の座席の韓国人の男子専門学校生(25)の顔面を数発たたき、軽傷を負わせた疑い。
 客室乗務員やオーストラリア人の乗客などに取り押さえられた。「テーブルのビールをこぼされたが、謝らなかったので腹がたった」と容疑を認めているという。(毎日新聞) 2006年4月20日

 「ワールドカップ」や「韓流ブーム」は、日韓関係を一時的に修復させる(ように見せる?)ためのカンフル剤でしかなかったのでしょうか。 マスメディアが今まで以上に“竹島問題”を大映しにしている一方で、ミクロの視点でみても、この種のトラブルが相次いでいるようです。

 まるで対馬海峡を挟むかのように、椅子の背もたれをひとつ挟んで、お隣同士に座っていた見知らぬ二人。

 もちろん、この韓国人学生は、相手の国籍に関係なく、この程度の粗相じゃあ、もともと謝罪しないキャラなのかもしれません。 この日本人男性だって、話している言語に関係なく、とにかく若輩者から邪険な態度をとられたことにムカッ腹が立って手を出した、とも考えられます。 アルコールも少し入っていたでしょうし。

 それはわかりませんが、「こんな一触即発のご時世じゃなければ、いくら“日韓”だろうが、こういうふうに個人どうしの揉めごとまで、いちいち事件として取り上げんやろうな……」とは、少なくともいえそうです。
 

◆ 刑法 第204条(傷害)
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

◆ 刑法 第1条(国内犯)
1 この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。
 

 たとえ、国際線でオーストラリアの上空を飛んでいようが、JALやANA等の航空機の中は、法律上「日本国」とみなされ、日本の刑法が適用されるのです。

 というよりですね、こんな大きな条文をわざわざ大上段から構えて持ち出さなくても、日本人が他人にケガを負わせた以上は、その現場がどこであろうと日本の刑法に服していただくことになります。 インド洋の上だろうが南極だろうが、ナゾの地底都市だろうが、たとえ火の中水の中、日本の刑法が追いかけてくるわけですけどね。
 

◆ 刑法 第3条(国民の国外犯)
 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
  7.第204条(傷害)及び第205条(傷害致死)の罪
 

 「追いかけてくる」やらと、まるで日本の刑法が迷惑なものみたいな書き方ですけど、別にそんな意図はございません。 セクハラ教師を容赦なく死刑に処してしまうような「某国」の刑法よりは、カワイイものかもしれませんからねぇ……? なんて余計なこと書いている間にも、「某国」に配備されている核弾頭ミサイルの照準は、東京に合わせられているといいます。 ご……ごめんチャイナ。

 
 もちろん、暴力は決して良いものではありませんが、マシンをいじって遠隔操作でミサイル飛ばすよりは、相手の顔を見て自分自身のコブシや平手を振り下ろしてるほうが、よっぽど健全な営みなのかなぁ、と、つい思ってしまいます。

 たしかに、ギスギスしていて、なんとも深刻な日韓関係ですけれども、かろうじて武器でいがみ合うまでの間柄にはなっていません。 まぁ、韓国側が竹島へ、いろいろ物騒なものを持ちこんでいるようですし、今後どうなるかはわからないのですが。

 日本と韓国が、これから物心ともに、政治的にも文化的にも連携していくことが、世界経済にとって大きなメリットになりうる、ということを堂々と提示できれば、互いの仲を取り持ってくれる第三国がどこか名乗り出てくれるでしょうか……?

 んー、世の中そんなに甘かない?

 

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