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2006年5月30日 (火)

「忘れられた一票」の粗末な扱い

 あぁぁ、私としたことが。 こんな重大ニュースを今ごろ知るなんて。

 

>>> 国民審査 「そのまま投票箱に入れて」

 佐賀県鳥栖市の牟田秀敏市長が、衆院佐賀1区の候補の応援演説の際、最高裁判所裁判官の国民審査について「(国民審査の)白い紙はそのまま投票箱に入れて帰るように。 何か書くといろいろ問題になるから」と発言していたことが10日、分かった。
 牟田市長はこの候補の選対本部長。 7日夜、鳥栖市と上峰町で行われた同候補の総決起大会の応援演説で、小選挙区は候補名、比例代表は政党名を挙げて投票を呼びかけた後、この発言をしたという。 国民審査は、罷免したい裁判官には「×」印を書き、何も書かなければ、信任となる。
 牟田市長は「小選挙区、比例代表、国民審査と色の違う投票用紙で3回投票するので、間違えないように強調したかっただけ。裁判官を信任してほしいとの趣旨ではなかった」と弁明。同県選管は「何も考えずに投票して、という意味だとすれば不適切」としている。 (西日本新聞) 2005/09/10

 
 こういうことこそ、マスメディアが大々的に報じていただきたいのに。 やっぱりメディアも、国民審査の形骸化計画に荷担してるんじゃないかと、勘ぐりたくもなります。

 間違えないように「何も書くな」と指示するんじゃ、あなたがたを支えている有権者をアホ扱いしてるだけじゃないですか。 恩をアダで返しますか。

 ただ、仮に、「国民審査で何か書け」と言われても、書けない有権者が大部分であることも悲しい現実。 私たちみたいな、よっぽどマニアックな人間でない限り、「どの最高裁判事が良くて、誰がダメなのか」わかりゃしません。

 私ゃ、まがりなりにも「国民審査のオカズ」を書いて、昨年9月に皆さまからご支持や応援をいただいた人間です。 「国民審査で何か書いたら問題になる」なんて、根拠の欠けた「市長命令」を気軽に口走られたんじゃ、今さらながら言いたいことだってあります。

 今度の国民審査こそ、私たち一人ひとりが司法権を監視する、活きた制度となるように息をプープー吹き込んでやりますよっ。 たとえ、この私ひとりだけでも。 肺活量には、あんまり自信ないですが。

 

■ 次回の国民審査対象である最高裁判事
   
那須弘平先生の就任コメント 2006/05/25

 「依頼者の話に耳を傾けて法廷で主張するのが弁護士の仕事。 弁護士時代に培った技術や能力を生かしたい」

 「裁判員制度については大変よい制度だと思っている。 義務ではなく権利を実現するチャンスとして国民に分かってもらうことが大切」

「言葉だけでなく結論も含め、周囲の関心が薄れないうちに、分かりやすい裁判をすることが大切だと思う。そうした裁判を心掛ければ、国民の関心も高まり、支援も得られるのでは」

 

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 「ねぇ、パパぁ、あのさいばんかんのひとは、なんでさいばんやらないの?」

 『裁判をする裁判官より、裁判しない裁判官のほうが、偉い裁判官なんだよ』

 「ふーん、へんなの」

 
 一人ひとりが独立しているはずの裁判官を「統制」し、裁判官の中でも選び抜かれた者のみが召集される最高裁判所事務総局。 その現状と問題点を、緻密かつ膨大なデータ分析で斬る!
 

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2006年5月28日 (日)

注目の判決スケジュール 【6月第2週まで】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。
   また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

  ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【5月30日(火)/東京地裁】
 ■刑事 威力業務妨害

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 <都立高校教諭「君が代」斉唱拒否>
  2004年3月の都立高校卒業式で、生徒入場の前に、被告人が校長などの制止にかかわらず、いわゆる「日の丸 君が代問題」を特集した週刊誌記事のコピー200枚を保護者席に配布し、「この卒業式は異常」などと叫びながら式場から出ていったとされる。
──────────────────────────
 (被告人)元 都立高校教諭(64)
       ※無罪・公訴棄却を主張 「言論弾圧目的だ」
 (求刑)懲役8月
     
 「卒業式の厳粛な雰囲気を乱した。計画的な犯行」
──────────────────────────
 (裁判長)村瀬 均
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6月2日(金)/横浜地裁】
 ■刑事 強盗殺人

──────────────────────────
 <米兵ひったくり 強盗殺人事件>
  今年1月3日午前6時半ごろ、横須賀市 米が浜通で、被告人は通りがかった被害者女性(56)のバッグを奪おうとしたが、抵抗されたため、被害者をビルの通路に引きずり込んで暴力をふるい、内臓破裂で出血死させ、現金1万5000円を奪った疑い。
──────────────────────────
 (被告人)米空母「キティホーク」1等航空兵(21)
        ※殺意なかったと主張
 (求刑)無期懲役
      
 「浪費を重ねた末の遊興費欲しさの身勝手な犯行。非力な被害者に一方的で執拗な攻撃を加え、人間性のかけらもない」
──────────────────────────
 (裁判長)小倉正三
──────────────────────────
 (備考)公訴事実を一部争っているが、審理2回で結審。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6月7日(水)/東京地裁】
 ●行政 国家賠償請求

──────────────────────────
 <ドミニカ移民訴訟>
  日本政府は、今から45年前(1955[昭和31]年から1959[昭和35]年にかけて)、「カリブ海の楽園」での大農場経営と銘打ち、ドミニカ共和国(中央アメリカ)への移民を企画・立案・推進した。
  移住者には、豊かで広大な農地が無償譲渡されるという約束だったが、実際は耕作に適さない土地で、土地の所有権も認められなかった。原告らは劣悪な環境下で生活を強いられたと主張している。
──────────────────────────
 (原告)中米のドミニカ共和国へ移住した日本人とその遺族177名
  ↓請求総額:約32億円
 (被告)国
──────────────────────────
 (裁判長)金井康雄
──────────────────────────
 http://www.dominica.jp/2suit_sosho.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6月9日(金)/最高裁 第2小法廷】
 ■刑事 殺人

──────────────────────────
 <女性2人 ドラム缶焼殺事件 *上告審*
  被告人らは2000年4月、金銭トラブルから喫茶店経営者らを名古屋市内で襲撃。
 経営者の妻=当時(64)=とその妹=同(59)=を拉致し、ドラム缶に入れて
 焼き殺した上、現金などを奪った。 
──────────────────────────
 (被告人)中古車販売業の男(42)、同手伝いの男(36)
──────────────────────────
 (裁判長)今井 功
──────────────────────────
 [第一審・控訴審] ともに死刑
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6月9日(金)/仙台地裁】
 ■刑事 身代金目的誘拐・要求

──────────────────────────
 <新年初旬の新生児略取事件>
 被告人(夫)は、今年1月6日午前3時40分ごろ、「光ケ丘スペルマン病院」(仙台市宮城野区)3階病室から、母親(23)の横で寝ていた生後11日の男児を誘拐し、同院の院長に身代金6150万円を要求した。以上の犯行は、夫ひとりで計画したという。
 被告人(妻)は、自宅で男児の世話をしていた。男児は事件から約50時間ぶりに無事保護された。
──────────────────────────
 (被告人・求刑)衣料品販売業の男(55) ←懲役10年
          その妻(35) ←懲役5年 ※無罪主張
        「身代金の受け渡し場所を何度も変更するなど、推理小説まがいの方法で捜査をかく乱した犯行は悪質」
──────────────────────────
 (裁判長)卯木 誠
──────────────────────────
 [分離公判] 犯行後から行動をともにしていた男(32・被告人である男の長女の元夫)の公判も、別で進行中
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 
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 人の記憶って、思い込みによって簡単に変わるものです。 目撃者の証言だって、目撃した後に得た情報のインパクトによって、いくらでも捻じ曲がってしまう。

 これを専門用語で『誤誘導情報効果』なんていうらしいです。
  

 過去の事実関係を、今知るために、頼るべきは目撃証言しかないとします。 しかし、証言は決して、過去の再現ではないのです。

 本人は決してウソを付こうとしていないのに、後から知った情報と矛盾しないよう、無意識に体験していないことを言ったりします。 誘導尋問とまではいかなくとも、法廷での質問によって、証言内容が変わることもありえます。
 また、幼児や高齢者の証言というのは、どこまで「使える」のでしょうか。

 事実認定が真正面から争われる刑事裁判は、実際は珍しいほうの部類に入りますが、そこでは、いかなる「真実」が裁判官に認定されるかで、犯罪の名前が変わったり、ときにはシロかクロかまで塗り変わってしまいます。

 人間の知恵の「限界」を思い知る一冊。

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2006年5月24日 (水)

日本全国 裁判官語録(説諭)

 いちおう、ネット検索をシコシコ駆使して、集めてはみましたが、使い道が無くなりましたので、ここに公開します。 中には、私がこの目で直に傍聴した判決公判もありますけど。

 皆が皆、同じように黒い法服をまとっている裁判官ですが、それぞれに豊かなキャラクターや、独自のホンネをお持ちであることが、これらの発言からうかがえます。 意外と面白いもんですよね。

 また、法廷の壇上から見下ろしながら被告人に投げかける言葉ですので、各裁判官も細心の注意を払っておられます。

 きっと、裁判官という立場で、法を適用し、権限の行使を宣言するだけでは、「足りない」と直感した方々なのでしょう。 そのもどかしさや渇望感が垣間見えるような気もします。

 もちろん、こういうのを「蛇足」とか「しゃべりすぎ」とかで、好ましく思わない人々もいるんでしょうけどね。 個人的には、そんな声は気にしてほしくないです。
 

(※特に注意書きがある場合以外は、すべて判決後の訓戒です)
(※肩書きは、発言当時です)

 
『もし犯人でないのなら、説明してくれれば ありがたかったとも思います。 たしかに、黙秘権は被告人の権利。 だが、あなたの声をもう少し聞いて判断したかった』

 犠牲者の遺体が見つからないまま起訴された強盗殺人事件で、「身に覚えがない」と無罪を主張しつづける被告人に、情況証拠を積み重ねたうえで有罪(無期懲役)を認定して。
 (京都地裁 上垣猛裁判長)2006/05/12

 

『だだっこ。 これも個性だけど、そういう感情が優先してしまうところを、直せとはいわないが、気づいてほしいね。 社会人の先輩としてはそう思うけどね』

 元「ジャニーズJr」の会社員男性に対し、数年間ストーカー行為をしつづけた女性の被告人に、有罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 村上博信裁判官)2006/04/18

 

『電車の中では、女性と離れて立つのがマナーです』

 電車での痴漢が疑われた裁判で、男性の被告人に、逆転の無罪判決を言い渡して。
 (東京高裁 白木勇裁判長)2006/04/14

『今回の事件の関係でパソコンを覚えられ、随分上達されたようですね。 最終陳述の書面は、パソコンを使って作成されたとのことで。 この先、これを使わなくてよければ、それに越したことはないと思います』
『今、ちょうど桜がよく咲いています。 これから先どうなるか分かりませんが、せめて今日一晩ぐらいは平穏な気持ちで、桜を楽しまれたらいかがでしょうか』

 政治資金規正法違反 被告事件で、元 内閣官房長官の村岡兼造氏に無罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 川口政明裁判長)2006/03/30

 

『酒の影響はあったというが、あまりに年甲斐がないですね』

 自宅から市役所に電話し、「爆弾を仕掛けたぞ。10時になったら破裂しちゃうぞ」などと脅して、職務を一時的にマヒさせた66歳の被告人に対して。
 (札幌地裁 遠藤和正裁判官)2006/02/27

 

『お母さんの顔を忘れないように』

 自宅で母親を殺害した、当時19歳の少年に、懲役8年の実刑判決を言い渡して。
 (大阪地裁 宮崎英一裁判長)2006/01/27

 

『君は事件に向き合っていない。 遺族は君の反省の言葉を望んでいる。 君が殺したんだよ。 遺族は"到底許せない"との気持ちを深めたと思わないか』

 女性3人を殺害した強盗殺人事件の公判。被告人質問で「事件を防ぐにはどうするべきだったか、今も分からない」と答えた被告人に対して。
 (福岡地裁 谷敏行裁判長)2006/01/26

 

『一時的にも"裁く立場"にあった法律家として、被告人は法的な場で問題を解決すべきだったと思います』

 離婚した妻の親権に服していた小学生の実娘を、無理やり連れ去ったとして、未成年者略取の罪に問われた、元裁判官で弁護士の被告人に対し。 ※被告人質問で
 (福岡地裁 谷敏行裁判長)2006/01/25

 

『少ない額でもキチンと納税している方々を、あまりにも馬鹿にする行為といえます』

 約10億円を脱税した、元 経団連(現 日本経団連)会長の長男に実刑判決を言い渡して。
 (東京地裁 細田啓介裁判長)2006/01/11

『君はまだ22歳の若さだ。 何でもできる。 政治家の夢は断念したそうだが、会社組織に入れば同じようなことがあるかもしれない。 悪いことは悪いと言わないといけない』

 選挙運動を手伝った大学生に金を渡したとして、前衆院議員の私設秘書に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (横浜地裁 川崎支部 加登屋健治裁判官)2005/12/28

 

『お母さんとしての心情は、わからないではないですが、結果的に息子さんのためにはならなかった』

 消防士採用試験の受験者の母親が、息子の採用を依頼し、50万円を消防本部側に渡したとする贈賄事件で有罪判決を言い渡して。
 (奈良地裁 奥田哲也裁判長)2005/10/14

『子供が2、3歳になれば、泥棒はだめだと教える。 教える立場の保育士が泥棒やったらシャレにならんでしょう。 あきれた事件だ。 一人でできることは限られている。 周りの人にちゃんと相談できる人間になって下さい』

 勤務していた保育園で同僚のキャッシュカードを盗んだ元保育士に向けて。※被告人質問で
  (富山地裁 手崎政人裁判官)2005/08/10

 

『嘆願書がある人とない人で、刑に差を付けていいと思いますか。 あなたは、やったことで判断される。 そこが裁判所のキツいところ』

 大麻を大学生らに密売した被告人につき、減刑を求める嘆願書305人分が弁護側から提出されたことを受けて。
 (福岡地裁 平島正道裁判官)2005/07/27

 

『いかなる立派な人でも、例えば、万引きをすれば罪に問われます。 人ではなく、行為を裁くのです』

 「ホークスタウン」前社長の高塚猛氏が、強制わいせつ罪に問われた公判で、弁護側が、被告人の人柄を評価し寛大な判決を求めている知人からの減刑嘆願書30通を、情状証拠として提出して。 ※被告人質問の中で
 (福岡地裁 谷敏行裁判長)2005/06/23

 

『人間というものは生きていく上で、誰だってつらい思いをする。 いいこともあれば悪いこともある。 悪い時にはスポーツをするとか、気分転換を図るとか。 君は生きていく知恵が欠けていたかもしれないね』

 ネットの「自殺サイト」で知り合った男性3人が集団自殺を図り、1人が死亡した事件。生き残り、自殺幇助罪に問われた大学生の被告人に向けて。※被告人質問の中で
 (富山地裁 手崎政人裁判官)2005/06/06

 

『あなたの引きこもりを治すのが、両親の供養です。 刑務所では、社会内で生きていく力を身につけてほしい』

 自宅に約20年間にわたって引きこもった末、両親を絞殺した37歳の被告人に、懲役16年の有罪判決を言い渡して。
 (大阪地裁 上垣猛裁判長)2005/04/25

 

『暴力団にとっては石ころを投げたくらいかもしれないが、人の家に銃弾を撃ち込むと相当、罪が重くなるわけです』

 殺人未遂幇助と銃刀法違反の罪で、指定暴力団の元幹部に懲役11年の刑を言い渡して。
 (前橋地裁 久我泰博裁判長)2005/04/18

 

『自分のやること、自分の名前に誇りを持って生きるように』

 「振り込め詐欺」事件で、振込先の一つとなった口座を売り、詐欺罪の共犯に問われた被告人に対し。
 (松江地裁 飯島健太郎裁判官)2005/02/22

『プロには、一度失敗しても立ち直って活躍した人もいる。 精進することが、被害者への償いになるかもしれない』

 電車内の集団痴漢の罪に問われた、元 私立大学の硬式野球部員に対して。
 (東京地裁 八王子支部 長谷川憲一裁判官)2005/02/09

 

『誰のために市長になろうとしたのか、もう一度考えてほしかったと思います』

 草津市長選をめぐる収賄事件で、「県内最年少市長」として名を馳せた47歳の被告人に対し、実刑判決を言い渡して。
 (大津地裁 伊藤寛樹裁判官)2004/12/09

 

『社会に戻れば、これまで以上につらいことがあるでしょう。 そんな時は『大変なことも必ず終わる』と言い聞かせて生きてほしいと思います』

 生活苦を理由に、青木ヶ原樹海で一家心中を図り、長女を殺した母親に対して。
 (甲府地裁 柴田誠裁判官)2004/06/22

 

『名古屋が"民主主義の後進地"ではないかと、全国の人に思われるきっかけになった。 信頼を取り戻すよう社会で償ってください』

 選挙公示前に運動員を買収した前衆院議員へ、有罪判決を言い渡して。
 (名古屋地裁 伊藤新一郎裁判長)2004/05/25

 

『脱税の手口からみると、あなたは有能かつ着実な人間であろうと思います。ただ、その有能さが使われた場面が悪かった』

 パチンコ競馬情報会社グループが、約6億円の法人税を逃れていたことにつき、会社役員の被告人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 飯田喜信裁判長)2004/04/22

 

『逮捕後、一貫して罪を認めた 一流の格闘家らしい潔い態度は、評価するのにやぶさかではないが、犯行の重大さをみると実刑はやむを得ない、と判断しました』

 総合格闘技「K-1」の元館長が、約3億円を脱税した上、逮捕を免れるために証拠を偽造した事件の判決公判で。
 (東京地裁 飯田喜信裁判長)2004/01/14

 

『私なりに事件解明に努力したつもりです。 今度、法廷でお会いするときには、今とは違う形でお会いできることを希望します』

 強制執行妨害 被告事件で、弁護士の安田好弘氏に無罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 川口政明裁判長)2003/12/24

 

『捕まったにもかかわらず逃げたことは馬鹿げているし、何も得られない。 逃げ出すエネルギーをまっとうに仕事をする方に使うべきで、使い方を間違っている』

 建造物侵入容疑で逮捕されたが、パトカーから脱走し、3日間逃げつづけた被告人に有罪判決を言い渡して。
 (札幌地裁 遠藤和正裁判官)2003/11/27

 

『ワンマンだったあなたの指示で会社が悪い方に向かい、だれも止める者がいなかった。 そういう組織をつくったあなたが悪い。 副所長のあなたも、"これはいかんですよ"と言わなければならなかった』

 佐世保重工業(SSK)の助成金不正受給事件で、前社長と前佐世保造船所副所長に対して。
 (長崎地裁 山本恵三裁判長)2003/03/05

 

『刑が多いか少ないか、議論はある。 ただ、殺人でも業務上過失致死でも危険運転致死でも、遺族の気持ちに変わりはないんです。 被害者が亡くなった事実が一番大事なこと』

 飲酒ひき逃げ死亡事故で、業務上過失致死罪と道路交通法違反に問われた被告人に、懲役6年の実刑判決を言い渡して。
 (横浜地裁 小田原支部 荒川英明裁判官)2003/01/20

 

『求刑も判決も、決して重い刑とは言えません』

 鹿児島女子短大生殺害事件で、一審判決の懲役15年(求刑20年)を破棄し、懲役18年を言い渡して。
 (福岡高裁 宮崎支部 岩垂正起裁判長)2002/10/03

 

『今回は子供の足を焼いたが、これからはわが身を焼く思いで、自分の子供に何が最善か、よく考えるようにしてください』

 当時1歳5ヶ月の息子の足の裏を、ライターの火であぶるなどの虐待を繰り返した母親に、有罪判決を言い渡して。
 (旭川地裁 遠藤和正裁判官)2001/12/25

 

『社会が今後、あなたを受け入れるかどうかはあなた次第です。再び元の世界に戻り、これまで以上に活躍されることを期待しています』

 大麻取締法違反と麻薬取締法違反の罪に問われた、俳優のいしだ壱成氏に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (大阪地裁 飯島健太郎裁判官)2001/11/02

 

『これからは、人に感謝されることをしなさい。 被告人は若い。 その力がある』

 携帯電話で訪問すると、勝手に警察へ110番通報する「いたずらサイト」を開設した専門学生に、有罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 木村烈裁判官)2000/11/01

 

『"鉄さびは、鉄より出でて鉄を滅ぼす"と昔から言う。 心のさびがはびこらないようにしてほしい。 名誉欲に身を焦がすことなく、存在そのものの香り高さから尊敬されるように』

 成田市議会議長選をめぐる贈賄事件で、元 市議会議長の被告人に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (千葉地裁 小池洋吉裁判官)1999/05/14

 

『娘さんは、一日も早くあなたと生活したいと待っています。 裁判所としても、その日を期待しています。 まじめに働いて下さい』

 借金苦から9歳の長女と無理心中しようとして、殺人未遂の罪に問われた父親に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (福岡地裁 陶山博生裁判長)1998/07/27

 

『たとえ、鳥越被告が、3割、3割5分打とうとも、山田被告が15勝あげようとも関係ない。 社会人として、してはならないことを忘れてしまうと、グラウンドで活躍できなくなる』

 各1500万円近くの納税義務を免れた、現役プロ野球選手らによる脱税事件で、所得税法違反の罪に問われた中日ドラゴンズの内野手(鳥越裕介氏)、投手(山田洋氏)に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (名古屋地裁 川原誠裁判長)1998/01/20

 

『子供に障害があろうとも、親には養育する責任がある。 それを放棄したのは大きな考え違いです。 一人の考えには限界があるから、今後は一人で悩むより、自分の弱みを見せて、人の力を借りるという生き方を考えて下さい』

 難聴の長女(当時5歳)と自分の将来を悲観して、無理心中を図り、長女をスカーフで絞め殺した母親に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 大谷剛彦裁判長)1997/02/12

 

『今、この場で子どもを抱きなさい。 わが子の顔を見て、二度と覚せい剤を使わないと誓えますか』

 覚せい剤取締法違反の被告事件で、被告人の男性に対して。※被告人質問で
 (釧路地裁 帯広支部 渡辺和義裁判官)1996年夏

 

『君の今後の生き方は、亡くなった3人の6つの目が厳しく見守っている』

 妻子3人を殺害し、遺体を海中に投棄した、元 医師の被告人に対し、無期懲役判決(求刑・死刑)を言い渡して。
 (横浜地裁 松浦繁裁判長)1996/02/22

 

『中国は歴史のある素晴らしい国。 私も北京や西安で、若い人にとても親切にしてもらったことがあります』

 中国人集団密航事件の審理中に、被告人に対して、正規の渡航手続きについて説明しながら。
 (福岡地裁 吉田京子裁判官)1994/07/28

 

『全国の野球ファンには執行猶予を望む人もあるが、法治国家である以上、責任をとってから立ち直ってほしいと思っている人もいる。 裁判官としては、後の道を選択するしかなかった』
『あなたの将来にはかつての名声も収入もないかもしれないが、それは他のプロ野球選手が引退した後も同じこと。 一日も早く過去の責任を取った上、輝かしい記録を打ち立てた者として、誇りと自信を持って生きていってほしい』

 覚せい剤取締法違反事件で、プロ野球評論家 江夏豊氏に一審で言い渡された、懲役2年4月の実刑判決を維持した控訴審判決で。
 (東京高裁 近藤和義裁判長)1993/12/24

 

『反省が十分でなく、はがゆいです。 被告人は拘置所で静かに自分を見つめるべきだった。 保釈が早すぎたと思っています』

 窃盗と住居侵入の罪に問われた元警察官に対し、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (大阪地裁 七沢章裁判官)1993/07/20

 

『これからは罪を償って、暴力団との交際を絶ってほしいと思います。 情状証人として証言台に立ってくれた、江本、衣笠、大島(渚)さんの友情を思い出し、一日も早く立ち直ってください』

 覚せい剤取締法違反事件で、プロ野球評論家 江夏豊氏に、懲役2年4ヶ月の実刑判決を言い渡して。
 (横浜地裁 広瀬健二裁判官)1993/07/15

 

『被告人の美術館建設の意思も、名画の曇るようなことが行われたことは残念です』

 仕手筋と癒着して便乗した株取引で得た巨額の利益を隠し、34億円近くを脱税した、前「地産」相談役に対し、懲役4年、罰金5億円の実刑判決を言い渡して。
 (東京地裁 松浦繁裁判長)1992/04/27

 

『司法試験をめざす学生なら、自分の行動の法律的意味が理解できたはず。 これを、人生の1回だけのつまずきと思い、社会に役立つ人間になってほしい』

 強盗殺人の犠牲者の預金の引き出しや、死体運搬を手伝った、早稲田大学卒の司法浪人に対して。
 (東京地裁 島田仁郎裁判長 ※現・最高裁長官1987/12/23

 

『総会屋は違法行為を標榜する人間。 廃業を宣言した以上、実行して下さい』

 株主総会の運営に絡み、住友海上火災保険の総務部長らから現金200万円の利益供与を受けた大手総会屋グループの常務理事に、執行猶予付きの有罪判決を言い渡して。
 (東京地裁 大出晃之裁判官)1987/07/07

 

>> このエントリに、
>> 検索や外部リンクで直接こられた方へ
 (2007/02/18)
 

 いらっしゃいませ。 裁判官による発言の数々は、

 カテゴリ「法律家の語録集」にまとめています。

 よかったら、お立ち寄りください。

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2006年5月20日 (土)

ホリエモンの最終陳述

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言いワケの多い更衣室

 ご無沙汰しております。 今日から、当ブログのサブタイトルを変更しました。 今までのやつがマニアックでしたからね……。 「キミのハートを無主物先占」って、よく考えたらワケわからんし。

 瑞穂署は12日、名古屋市緑区の会社員(38)を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。調べでは、容疑者は昨年7月6日、山梨県の町立中学校の女子更衣室に侵入し、3年生の女子生徒の下着6枚を盗んだ疑い。
 容疑者は「カブトムシとクワガタを探しているうちに学校を見つけ、下着を盗ろうと思った」と供述しているという。 (毎日新聞) 2006年5月13日

 
 この方にとって、昆虫採集と下着採取は、同一の延長線上にあるのでしょうか。 まぁ、童心をアピールすりゃ許されるってもんじゃないですけど。

 黒い甲虫から白いパンティへのパラダイムシフト。 うーむ、ますますミステリーは深まります。

 去年の7月ですよね。 たぶん「学校を見つけた」というより、「学校のプールで授業中の、女子生徒たちを見つけた」というほうが正確なのではないでしょうか。 そうでなければ、更衣室に下着は置いてありませんからね。 くっそー、罪作りなお嬢ちゃんたちだぜ。

 ……って、なんで私は、こんな変態さんの心の動きがわかるんでしょうか。

 更衣室を狙う下着ドロって、捕まったとき、じつに理解に苦しむ言い訳をする人たちが多いようなんですよね。 それでは第2問、ふしぎ発見っ!
 

>>> 市役所の男性更衣室に侵入した男を逮捕 - 埼玉・草加
 8日午後1時ごろ、草加市高砂1の同市役所本庁舎2階で、男性職員の更衣室に不審な男が侵入したのを職員が発見、通報した。駆けつけた草加署員が男を窃盗未遂容疑の現行犯で逮捕した。
 同署などの調べでは、逮捕されたのは八潮市に住む無職の男(44)で、「暑いので更衣室に入った」などと供述しているという。(毎日新聞) 2006年2月9日

 
 2月ですよ? いったい、どこをほっつき歩いていて暑かったのでしょうか。

 暑い、 ので、 更衣室へ潜入…………??  考えれば考えるほど、オモシロ文章です。

 それとも、更衣室に近づくにつれ、テンションや心臓の鼓動とともに、ご自分の体温も高まっていったと、そういうことなのでしょうか。 だとしたら、原因と結果がひっくり返って「更衣室に入ったので暑かった」という供述になるはずです。

 あるいは、市役所の職員が、庁舎内の暖房をガンガンに効かせ過ぎていた? それは、ちょっとありうるかも。
 

 うむむ。 暑いので、更衣室へ入った……とな。 (← しつこい)

 なんだか、取り調べにあたっておられる警官が、容疑者の話の断片をムリヤリつなぎ合わせて調書を作成したような感じも、若干見うけられますかねぇ。

 などと、どさくさに紛れて権力をチクリ。
 

>>> 旅行会社に侵入、更衣室の栄養ドリンク盗み逮捕
 大和署は21日、横浜市瀬谷区、土木作業員の男(54)を窃盗と建造物侵入の現行犯で逮捕した。
 調べでは、容疑者は同日午前4時10分ごろ、大和市大和南1丁目、雑居ビル1階の旅行会社にビル裏側壁のボードをバールで突き破って侵入、店内の女子更衣室に置いてあった栄養ドリンク3本(約6百円相当)を盗んだ。(神奈川新聞) 2005/11/22

 
 おぉ、バールで突き破って侵入! 前2者に比べても、なかなかの「本格派」ですねぇ。 うん、なんかドロボーっぽい。

 この方は、カネ目当てだった、と供述しておられるようですが、バールで突き破った先が、まさか更衣室だとは思わなかったようです。 きっと、「ブラより金庫」という優先順位をお持ちなんですね。

 そりゃそうですかね。 壁を破るぐらいのワイルドさがあれば、パンツ盗りなどという、しみったれたマネはせんでしょう。

 下着ドロにとっては、甘ったるくてクラクラする匂いが充満するシャングリラであろう女子更衣室ですが、彼にとっては、まるっきり無価値で用のない空間。

 仕方なく、手近に置いてあった栄養ドリンクでも頂戴して、「ダメだこりゃ、次いってみよー」ってなもんでしょうか。 めげません。 前向きです。 ぜひ、その前向きさを、善き方向に活かしていただきたかったですが。

 それにしても、人前でも構わず、天井向いて栄養ドリンクをグビグビ飲み干しているような女はイヤですね。 職場の更衣室で、日々ひっそりと英気を養っている。 そんなあなたが好きです。

 でも、栄養ドリンク3本の持ち主が、もしオバちゃんだったら…… すいません。 聞かなかったことにしてください。

 

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 刑事手続きは、誰のためにあるのか。 警察や検察が手柄をあげるためにあるのか。

 人間は、世の中で起こっていること全てを把握する「神の視点」は持ち合わせていません。 過去に起こった出来事を把握する「タイムマシン」も獲得していません。

 つまり、われわれの中から、「法を守れない社会不適応者」を取り出して「排除」する作業というのは、本来は至難の業なのです。 少なくとも、ちりめんじゃこの中から小エビをつまみ出すようなわけにはいかない。

 人の立場の数だけ正義はありえます。 「犯人を逃がさない正義」も大切ですが、「犯人を決め付けない正義」も忘れずに。

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2006年5月13日 (土)

注目の判決スケジュール 【5月第3週】

 ※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

 ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月15日(月)/大津地裁】
 ●民事 慰謝料請求

──────────────────────────
 <いじめリンチ「殺人」>
 2001年3月31日(※厳罰化で話題となった改正少年法の施行前日)、中学3年時に交通事故に遭い、下半身不随となった少年を、「障害者のくせに生意気だ」と叫び、笑い声をあげながら、バックドロップでコンクリートの地面に頭部を3回叩きつけ、死亡させた事件。
──────────────────────────
 (原告)被害少年(当時16)の母親
  ↓請求額:約3000万円
 (被告)事件の見張り役、傍観者となった少年3人(当時15)、その両親
──────────────────────────
 (裁判長)稲葉重子
──────────────────────────
 [実行犯への少年審判](2001/05・大津家裁・村地勉裁判官)傷害致死容疑で、中等少年院送致の決定
──────────────────────────
http://www.mercury.sannet.ne.jp/kazuyo_aoki/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月16日(火)/松江地裁】
 ■刑事 殺人、殺人未遂

──────────────────────────
 <キャッチボール親子殺傷事件> 
 2005年7月28日午前7時ごろ、島根県浜田市の被告人宅前の路上で、キャッチボールをしていた消防士の男性(当時36歳)の長男(11)を、背後から軽乗用車ではね、息子のもとに駆け寄った男性の腹などを、持っていた包丁で刺して殺害。 長男は幸い、かすり傷程度で済んだ。
 互いに1軒をはさんだ近所同士で、かねてから被告人は、被害家族の飼っているハスキー犬の鳴き声などがうるさく、嫌がらせを受けていると感じていたと供述。 しかし、公判の中で「被害妄想だったと思う」とも述べている。
──────────────────────────
 (被告人)無職の男(54)
 (求刑) 懲役20年 「被害者に落ち度はなく、被告人の邪推による犯行」
──────────────────────────
 (裁判長)飯島健太郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月17日(水)/長野地裁】
 ■刑事 強盗殺人など

──────────────────────────
 <長野・愛知両県にまたがる連続強盗殺人>
  2004年1月から9月にかけて、長野県飯田市と高森町、愛知県春日井市で、ひとり暮らしのお年寄りら男女4人を殺害し、合わせておよそ30万円を奪ったとされる事件。 被告人は、消費者金融からの借金があり「金が欲しかった」と供述。
──────────────────────────
 (被告人)住所不定・無職の男(29)
       ※弁護人は自首の成立を主張
       ※自身は「死をもって償いたい」と陳述
 (求刑) 死刑 「まれに見る凶悪重大事件で、最大級の非難に値する」
──────────────────────────
 (裁判長)土屋靖之
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月19日(金)/東京地裁 八王子支部】
 ■刑事 脅迫、強要未遂

──────────────────────────
 <“一夫多妻男” 女性勧誘同居事件>
 被告人は、1999年ごろから、占い師を装って就職情報誌に女性アシスタントを募集する求人広告を出し、応募した女性らと自宅で同居を始めた。 同居女性に知人らを勧誘させ、女性11人と集団生活をしていた。
 
 公訴事実は、2005年10月20日、自宅で女性(当時20)に対し、「君の体はミンチにされる。助けられるのは私だけだ。そのためにはここにいなければならない」などと脅迫。 また、同年8月21、22の両日には別の女性(当時25)を脅迫し、集団生活をさせようとしたが、女性が応じなかったとするもの。
 逮捕直前に報道陣に対し、「モテる呪文を唱えたら女性が集まってきた。ハゲ、デブのおっさんがモテるわけが無い」「結婚するなら、5人以上集めると家庭が安定しますよ」などと話し、一時耳目を集めた。
──────────────────────────
 (被告人)無職 渋谷博仁(58)
       ※容疑認め、集団生活の解消を誓約
 (求刑) 懲役1年6月 「原因となった一夫多妻生活は反倫理的」
──────────────────────────
 (裁判長)小原春夫
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
 なんだかなぁ…… 殺人ばっかで気がめいりますね。

 しかし、裁判員制度が始まってしまったら、のんきに気をめいらせてる場合じゃなくなります。 地元の人間が責任を持って裁かなきゃいけなくなりますからね。 無罪の可能性まで念頭に置きながら。
 

 

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2006年5月11日 (木)

夢のような現実

>>> 不適切メール:女性教諭が小6児童と携帯で 北九州・処分
 北九州市教委は2日、児童から寄せられた性的内容の携帯メールに不適切な内容を返信したとして、市立小学校の女性教諭(42)を6カ月の停職処分にしていたことを明らかにした。教師としての立場を超える内容だったと判断し、教諭も「調子に乗りすぎた」と話しているという。
 教諭は昨年2月上旬から約1カ月間、担任をしていた小6(当時)の男子児童と携帯メールをやり取りした際「女性の胸を触りたい」というメールに「触りたいの?」と返信。また、乱暴な内容のメールには「〇〇君はサドだね」などと書き送っていた。男児の保護者がメールを見て学校に連絡し、教諭も事実を認めたという。
 教諭は04年年末ごろから、クラスの児童6人と勉強に関する質問に答える約束でメール交換をしていた。不適切なメールはこの男児とだけだったという。
 昨年度に懲戒処分を受けた教職員2人のうちの1件で、もう1件は体罰を加えた男性教諭(43)が戒告を受けた内容だった。(毎日新聞) 2006年5月2日 21時29分

 私も、小6のころ、こういう都合のよろしいスケベ漫画を読んだような想い出があるんですが、なんと、ノンフィクション・ドキュメンタリーだったんですね。 世の中、捨てたもんじゃありません。

 この「不適切なメール」の被害を受けた男児も、今ごろ中学坊主。 こういった体験はとっくに、彼の周囲に向けて武勇伝として語られているのかもしれません。

 好きな女の先生にイタズラして、ちょっとした征服感を味わいたくなるお年頃。 気持ちはわからんでもないですけどね。 「まいっちんぐマチコ先生」の精神世界です。

 問題の女性教諭の場合、42歳ということですが、小6男子が「乱暴な内容のメール」を送ってしまいたくなるほどは魅力があったということでしょう。 ちょっと怒らせてみたかったのかもしれません。

 しかし、悲しいかな「いやーん、まいっちんぐぅ」などといった、期待されるべき可愛らしい反応は返ってこなかったのでした。 どうやら女性教諭のほうにもSっ気があった模様ですからね。
 先生と児童。 互いの微妙な主導権争いのために、あんまりメールの会話が噛み合っていないような気もいたします。

 こういう小学校高学年とか中学生の間の、異性との接し方って、20歳や30歳になっても、意識的にせよ無意識にせよ、影響をズルズル引きずりますよね。 この男児が、今後、いろんな面でカンチガイを起こさないかどうか、他人事ながら他人事なりに心配です。

 また、文字だけのやりとりというのは、かえって生々しさがダイレクトに残ってしまいますよね。 この女性教諭、プライベートに何かご不満でもおありだったのでしょうか。

 

 保護者の指摘で約1カ月後に発覚したが、1日約20通のうち、半分ほどがわいせつな内容だったこともあった。(ニッカンスポーツ)

 毎日新聞の記者さんも、一流全国紙としての品位を保たなければならないので、数ある中からの文面のチョイスも大変だったことでしょう。 いろんな意味で。
 結局、この『サドだね』が、新聞記事に入れこむギリギリ許容範囲内だった、ということでしょうか。 まぁ、客観的事実を読み手へ向けて報告しているだけですし。
 

 私、司法試験に受からなくて良かったです。 もし万が一、弁護士になってたら、こういう話題に嬉々として食いつけませんからね。

 

◆ 学校教育法 第18条
 小学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に勤めなければならない。
   1.学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と共同、自主及び自律の精神を養うこと。
   2.郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと。
   3.日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
  4.日常生活に必要な国語を、正しく理解し、使用する能力を養うこと。
  5.日常生活に必要な数量的な関係を、正しく理解し、処理する能力を養うこと。
  6.日常生活における自然現象を科学的に観察し、処理する能力を養うこと。
  7.健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い、心身の調和的発達を図ること。
  8.生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸等について、基礎的な理解と技能を養うこと。

 
 
 

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2006年5月 8日 (月)

注目の判決スケジュール 【5月第2週】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月10日(水)/長野地裁 松本支部】
 ●行政 国家賠償請求

──────────────────────────
 <小谷村の土石流災害>
 1996年12月、小谷村と新潟県糸魚川市の県境にある「蒲原沢砂防ダム災害関連緊急工事」の災害復旧工事中に作業員14人が死亡、9人が重軽傷を負った事故。
 土石流は幅約100メートル、高さ約20メートル。 95年7月の大雨のため、同所で起きた土砂災害で流れ出した土砂を食い止めるための工事だった。
 土石流が発生した蒲原沢は、姫川本流に流れ込むV字形をした切り立った沢で、現地の地形を知る担当者は「滑り台のような急な沢」と話している。この沢をまたぐ国界橋付近で幅約40メートル、橋までの高さは約30メートルという。
 ・ 土石流の発見が予見できたか。
 ・ 安全対策の指導を怠っていたか。
──────────────────────────
 (原告)作業員3名の遺族 計10名
  ↓請求総額:約1億1600万円
 (被告)国、長野県
──────────────────────────
 (裁判長)田中 治
──────────────────────────
http://landslide.dpri.kyoto-u.ac.jp/otari.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月11日(木)/東京地裁】
 ■刑事 覚せい剤取締法違反

──────────────────────────
 <元「ドリカム」キーボード担当メンバー 薬物再犯>
 被告人は今年2月19日、渋谷のクラブで1袋6万円の覚せい剤を購入し、都内のホテルでライターの火であぶって吸引。同25日に覚せい剤0・671グラムを所持していたところ、現行犯逮捕された。
 かつて被告人は、2002年10月に義姉への暴行容疑で逮捕された後、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで再逮捕。同年12月に懲役1年6ヶ月・執行猶予3年の有罪判決を受けていた。本件は、その執行猶予期間が満了した直後の犯行
──────────────────────────
 (被告人)ディスクジョッキー 西川隆宏(41)
 (求刑) 懲役2年 「覚せい剤への親和性が顕著に見られる。徹底矯正を」
──────────────────────────
 (裁判官)宮田祥次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月12日(金)/京都地裁】
 ■刑事 強盗殺人など

──────────────────────────
 <いわゆる「遺体なき強盗殺人」>
 2002年10月末、宇治市の会社員(当時52歳)が殺され、キャッシュカードなどが奪われたとされる事件。しかし、その被害者の遺体すら見つかっておらず話題に。
 弁護人が3月の最終弁論で「事件性そのものが疑問、会社員の死亡そのものが不明で、被告人を犯人と積極的に推認する証拠も全くない」と、真っ向から無罪を主張して結審。

<検察官が提示した情況証拠と、弁護側の反論>

 ・ ろっ骨の一部が見つかった。
    ↑
   被害者のものと断定できない。

 ・ 室内・車内で見つかった獣毛が、被告人の飼い犬の毛とDNAが一致。
    ↑
   被告人は、被害者宅のリフォームをしており、あってもおかしくない。

 ・ ATMの防犯カメラに映った人物を、服装の特徴から被告人とする鑑定結果。
    ↑
   信用できない。

 ・ 被告人が出したゴミを持ち去ったり、ビデオ撮影したりする捜査手法。
    ↑
   違法に収集された証拠である。

──────────────────────────
 (被告人)住宅リフォーム業の男性(50)※無罪主張 「身に覚えありません」
 (求刑) 無期懲役
──────────────────────────
 (裁判長)上垣 猛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

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2006年5月 7日 (日)

あなた色には染まりません

>>> 裁判員も黒い法服 最高裁前向き検討
 2009年にスタートする裁判員制度の本格準備を進める最高裁に「裁判員をやると、被告らからの仕返しが怖い」と脅迫や報復を恐れる市民の声が多く寄せられ、担当者を悩ませている。外見上の個性を消すため、裁判官と同じ「法服」を着用させる案も浮上。裁判員の不安解消は、円滑な制度導入に不可欠な重要課題になりそうだ。
 市民が黒い法服を羽織るアイデアは、最高裁が全国で開いた裁判員制度フォーラムの会場で提案された。
 被告らと向き合う裁判員6人が中央の裁判官3人と同じ服を着ることによって、法廷外で特定されにくくする一方、裁判員に自覚を与える効果も期待できるという。最高裁刑事局も「十分検討に値する」と前向きだ。(共同通信) - 5月6日

 
 戦隊ヒーローものとは逆の発想ですね。 服装を黒で統一して、区別を付けられないようにするとは。
 

 いくぞぉっ!  トォォォォーー!

 「裁判長ブラーック!」

 「右陪席ブラーック!」

 「左陪席ブラーック!」

 「裁判員ブラーック!」

 「裁判員ブラーック!」

 「裁判員ブラーック!」

 「裁判員ブラーック!」

 「裁判員ブラーック!」

 「裁判員ブラーック!」
 

 『9人合わせて、合議体!!』
 

 やかましいわ!

 「おのれ、 怪人ヒコクニンめ! 今日がオマエの命日だ!」
 

 こんな葬列みたいな色味の戦隊ヒーローもの。 テレビ朝日が日曜の朝に放送しても、子どもはまったく食いつかないでしょうね。 もちろん、死刑判決という「必殺ワザ」だって、たまに炸裂するのですが、

 「えー、ぜんぶ黒だー。 おもしろくなーい」

 おそらく反射的にチャンネルを変えられます。

 法壇に並んだ黒9人の、微妙な『違いがわかる人物』になるには(宮本輝の域まで達するには)それ相応の人生修行が必要なのです。  しゃばだーー だーば しゃばだーーー♪ (古っ)

 それにしても、参加そのものを罰金で強制したうえで、黒い法服を着るのも強制で。 たとえ、青木さんでも白石さんでも、裁判員になったら黒を着なければなりません。

 服装に関する長年のポリシーをかなぐり捨ててまで、はたして林家ペーパー夫妻は、素直にピンク色を捨てて、黒を着こんで裁判員に参加してくださるのでしょうか。

 それよりも、ペーパー夫妻は、つい法廷にカメラを持ち込んでしまって、退廷命令食らわないか、むしろそっちのほうが心配です。
 

 なぜ法服は黒色なのか、皆さんはご存知でしょうか。 それは「何ものにも染まらない」という覚悟の意味が込められているのだそうです。

 誰ですか? 「黒い墨汁に牛乳混ぜたらグレーになる」なんて、ふざけたことを言っている人は! ダメでしょ、そんなもったいないことしたら。

 ちなみに素材は100%シルク。 となると、当然お値段は1着ウン十万円になるでしょうか。 うーむ、「テロテロ素材の服」といったら、1,900円ぐらいでジャスコの2階に吊るしてある合成繊維のシャツぐらいしか、庶民の脳裏には思い浮かびませんが、裁判員になると、そういう高貴なお召しものを着用できるチャンスもあります。

 1991年4月には、女性用の法服も新たにつくられました。 右前合わせで、左にポケットが付いていたりする他、「シャーベット・グリーン」のスカーフも用意されているらしいですね。

 そのスカーフを付けるか付けないかは任意ですし、どんな付け方をするかも、個人のセンスに委ねられていますので、女性の裁判員は、そこでささやかな自由を楽しめるでしょう。 ただし、頭に巻いたりしたら怒られると思いますので、気をつけましょう。

 

 2005年2月に内閣府が行った「裁判員制度に関する世論調査」によると、国民が『裁判員制度に関して知りたいこと 上位3つ』は、以下のとおりです。
 

 1.裁判員の安全やプライバシー  …… 42.1%
 2.裁判員の具体的な役目     …… 40.7%
 3.裁判員が導入される意義    …… 35.1%

(複数回答)

 やはり、一番の不安材料は、「身の安全」です。

 そういえば、12年前の松本サリン事件も、オウムの狙いは、現場となった駐車場付近の裁判官宿舎(長野地裁 松本支部)だったといわれていますね。
 託された力が強大であるだけに、裁く者に対する危害や圧力の可能性は、つねに付きまといます。
 

◆ 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第3条(対象事件からの除外)
1 地方裁判所は、前条第1項各号に掲げる事件について、被告人の言動、被告人がその構成員である団体の主張若しくは当該団体の他の構成員の言動又は現に裁判員候補者若しくは裁判員に対する加害若しくはその告知が行われたことその他の事情により、裁判員候補者、裁判員若しくは裁判員であった者若しくはその親族若しくはこれに準ずる者の生命、身体若しくは財産に危害が加えられるおそれ又はこれらの者の生活の平穏が著しく侵害されるおそれがあり、そのため裁判員候補者又は裁判員が畏怖し、裁判員候補者の出頭を確保することが困難な状況にあり又は裁判員の職務の遂行ができずこれに代わる裁判員の選任も困難であると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、これを裁判官の合議体で取り扱う決定をしなければならない。

 

 この裁判員法3条にあるように、裁判員に危害が加わるおそれの高い種類の事件は、いくら重罪でも裁判員は召集されず、通常どおり裁判官のみで行われることになります。具体的には、「テロ事件」や「組織的な粗暴事件」が除外対象になる見込みらしいです。

 もちろん、それでも私たちの不安を、完全に払拭するのは難しいでしょう。

 それでも、他の有効と思われる対策と複合的に連携させて、わざわざ時間を割いて裁判員として参加してくださる方々の、身の安全を確保できるように、ギリギリまで知恵を出していくのが至上命題です。
 少しでも、裁判員制度への理解を……  少なくとも最高裁の「努力の姿勢」は、国民へ素朴にアピールすることができます。

 いくら素人といえども、法律の規定上、裁判員にも事実認定・法律適用・量刑の、権限ないし責務があります。 やることは、裁判官とあんまり変わらないんですから、服装も統一したほうがわかりやすいと思いますね。

 

 服装の問題もそうですけど、金髪にピアスで眉を剃っちゃってるような人が裁判員になった場合、どうしましょう。 被告人や証人に対し無言の圧力になったりしないでしょうか。

……ま、そういう場合は、事前に検察側か弁護側が「理由なし不選任」にしてしまうのかもしれませんが。

 

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「瞬間瞬間っ! バクハツして生きろっっ!」

 汐留で「明日の神話」が本邦初公開される縁なのか、日テレさんが大々的に、岡本太郎をフィーチャーしてくださるそうで。

 Be TARO……か。

 この夏、太郎さんのブームが来るんでしょうか? 本当?

 へぇー、倖田來未ちゃんも一枚噛んでくるの? そういえば、岡本太郎もエロカッコイイ男なのである。
 

「下手でいいじゃないか。 誤解されたっていいじゃないか」

「個性とは、自己にこだわることじゃない。 他と溶け合うことだ」

「自分を殺せということは、自分を活かせということなんだ」
 

 司法浪人時代、なかなか思うようにいかず、数多くの壁にぶちあたったとき、ムチャクチャに思えながら、妙に論理的な岡本太郎の言葉には、たびたび助けられ、勇気づけられました。

「法隆寺は、燃えて無くなって結構。 自分が法隆寺になればいい」
 

 科学技術の粋を集めた万博会場の真ん中に、あえて打ち立てた「太陽の塔」。 前衛のはずなのに大衆から支持され、アバンギャルドでありながら、伝統の本質を鋭く見ぬいていく。 日本の原点を「縄文」や「沖縄」に見た、世界に誇れる芸術家。

 システムにどうしても適応できない人間は、その劣等感をプラス方向に突き出せばいい。 自分は岡本太郎ほど強くない、組織の中でしか生きられない、と悩むなら、そういった自らの特徴に積極的に賭けていけばいい。

 のんびり癒されている場合じゃない、すべての方へ。

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2006年5月 5日 (金)

ホントに詐欺で立件できる? 耐震偽装 <2>

>>> 強度偽装 : 米で6人逮捕 トンネル工事で低品質コンクリ
 米連邦捜査局(FBI)は4日、マサチューセッツ州ボストン中心部の大規模トンネル工事で、水分の多い低品質のコンクリートを使った上、記録を偽造し強度を偽装していたとして、詐欺などの疑いで大手土木資材会社アグリゲート・インダストリーズの幹部6人を逮捕した。
 AP通信などによると、6人は担当した工事で、古くなったコンクリートを再利用して過度の水分を混ぜた、トラック5000台分以上のコンクリートを使うなどした疑い。
 トンネルは1991年着工。当初予算を大幅に上回る146億ドル(約1兆6600億円)を費やして、今年ほぼ開通した。当初、内部での水漏れが指摘されていたが、当局は使用に問題ないとしている。(ニューヨーク共同) 毎日新聞 2006年5月5日 11時26分

 なるほど。 アメリカでは、トンネルの強度偽装の疑いで、詐欺罪での立件がされています。 気になったので取り上げてみました。

 
 もちろん、日本の問題と直結して、パラレルに考えるのは、ちと強引で安易な気もします。
  •  日本の詐欺罪と、要件がどれだけ似ていて、どれだけ違うのか。
  •  アメリカの逮捕の要件は、日本よりだいぶゆるいらしい。
  •  日本の事件のように、複数の会社間にまたがった問題ではない。

 どうやら、ひとつの土木会社で計画・実行された偽装のようですからね。 この記事を読んだだけで断定はできませんが、日本の法律だと、「組織的詐欺罪」を適用して、最高懲役20年までいけそうです。

 

 鉄筋を減らして安くあげるという「経済設計」は、総研はもちろん、ヒューザー・木村建設・姉歯事務所、皆が念頭においていたはず。 その想念(?)を「スピード審査」のイーホームズが見逃していた。
 
 では、おのおのがどれだけ「連携」し、どこまで強度偽装プロジェクトの「分担」を意識していたのか。 裏を返すなら、どこまで自分のことしか考えていなかったか……。
 
 売り主のヒューザーについては、マンション引渡しの段階で強度が極端に足りないことを認識できていれば、わりかしナチュラルな詐欺罪が成立しそうです。 しかし、本当に無邪気で知らなかったのなら、社長がおっしゃるとおり「第一の被害者」なのかもしれません。
 
 その他は…… 難しいですね。
 
  もう少し考えさせてください。 (←へたれ)
 
 
 

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2006年5月 4日 (木)

定期点検で危険性を見ぬけたはず → 敗訴 → そんなら点検しねぇよ

>>>「奥入瀬落木訴訟への影響懸念」 林野庁、安全点検に不参加
 青森県十和田市の奥入瀬渓流で2003年8月に起きた落木事故をめぐって、4月7日に出た東京地裁判決を受け、林野庁が急きょ安全点検パトロールへの参加を見送った。同庁が毎年点検に参加していたことをとらえ「危険性を認識していた」との地裁判断に対し、裁判闘争を重視した対応とみられている。関係者からは「本末転倒」「大人げない」との声が上がっている。
 (※中略)落木被害に遭った女性(41)の弁護を担当した御器谷修弁護士は「林野庁の対応は非常識で許せない。国民の安全を第一に考える視点が欠落している。次に被害者が出たら、どう責任をとるのだろう」と憤っている。(河北新報) - 5月1日

((参考過去ログ))
注目の判決スケジュール 【4月第2週】

 

 「もっと努力していれば、制限時間内に答えられたはず」

  ↓

 [不合格]

  ↓

 「もう2度とやるか! 試験と名のつくものは一生受けん!」

 

 林野庁の態度は、まるで司法試験に7回失敗して、ヤケを起こしたときの私みたいです。 オトナげないですね。

 

 青森・秋田・岩手の3県にまたがる「十和田八幡平」国立公園。 その中でも「奥入瀬(おいらせ)渓流」は、年間50万人が訪れる人気の観光スポットとして知られます。 そのような大切な観光資源について“安全点検パトロール”が実施されるのは、冬は積雪のため通行禁止ということもあってか、毎年、この大型連休直前の時期なのだそうです。
 

参加メンバーは、

  • 林野庁の森林管理署
  • 環境省
  • 青森県
  • 十和田市の教育委員会
     

 どうして、各方面からお役人が集結してくるのか。 その原因は、責任関係の複雑さにあるようですね。
 

  •  奥入瀬渓流周辺  … 林野庁の所有
  •  うち遊歩道部分  … 青森県が林野庁から借り受け
  •  うち特別保護地区 … 環境省
  •  うち重要文化財や天然記念物 … 地元の教育委員会

 

 なので、行政機関が一堂に会する年1度のパトロールは、公園に関する各方面の情報を共有する上で重要な機会だといえます。

 かといって、これらの保護地域について、法律は何と言っているかというと、国民に向けて「いじるな触るな近寄るな」の一辺倒なんですよね。
 管理者による実地調査というのも「ちゃんと形状が維持されているかどうか」をみる目的でして、安全性の点検については、法律で義務づけられているわけではないようです。 少なくとも私は、そういった規定を見つけることはできませんでした。
 

 この自主的な合同パトロール、今年は4月26日に行われることが決まっていたようなのです。 しかし、先の国家賠償訴訟での、1億4000万円支払い命令を受けて、林野庁がいきなりの「ドタキャン」。

 仕方なく、当日に残りのメンバーで点検したわけですが、人通りの多い遊歩道の周辺に限っただけでも、倒木や落枝が13カ所で確認されたそうです。 中には、根元から折れ、道をふさいでいる倒木も。

 どう見たって不可欠ですよ、この安全点検は。 しっかりやってもらわないと困ります。
 

 いつもは、林野庁の指示に従って、青森県の職員が協力して倒木などを撤去するのですが、林野庁不在の今年は、自分たちの判断で、自力で動かせるものをすでに撤去してしまったのだそう。
 また、青森県は、毎年5月の中旬から下旬にかけても、独自に「危険木調査」を行っているそうで、その姿勢には敬意を表します。 県は「危険木調査には、ぜひ林野庁にも同行してほしい」とコメントしているそうです。

 「今度こそ来いよ、待ってるぞ」と。 まるで、最高裁のアノ弁論期日を見ているようです。 彼らが訴訟戦略(のつもり)で姿を現さなかったところも似てますし。

 林野庁の担当者さん、あの判決で、東京地裁は「安全性を点検するな」と言ったわけではないんですよ。 「もっとしっかり点検してくれ」「点検結果を尊重してくれ」と行政にお願いしたのです。

 まぁ、そんなことは知ったうえでドタキャンしたんでしょうけど。

 

 そういえば、東京都心の「都立 林試の森公園」をめぐる行政訴訟で、7月に最高裁弁論が行われるそうです。 この「林試」とは、何を隠そう、林野庁の林業試験場の略。

 かつて、この林試の森公園の敷地を拡張する計画が持ち上がったそうなのです。 それは結構なのですが、官舎のある周辺の国有地は見て見ぬフリしておきながら、先に民有地に立ち退きを求めてきたということで、怒った住民が司法に訴えました。 上告審の弁論があるということは、住民側の逆転勝訴の可能性も高まります。

 ザ・林野庁…… なかなか人騒がせな存在みたいですね。覚えておきます。

 

◆ 自然公園法 第14条(特別保護地区)
1 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の景観を維持するため、特に必要があるときは、公園計画に基づいて、特別地域内に特別保護地区を指定することができる。
3 特別保護地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。(※中略)
  一  前条第3項第1号から第6号まで、第8号、第9号、第12号及び第13号に掲げる行為(※工作物の新設や増築、木竹の伐採、鉱物の掘採、川や湖の水位改変や排水、広告物の設置、埋め立てや干拓、土地の開墾、設備の色彩変更、指定区域内の立ち入り)
  二  木竹を損傷すること。
  三  木竹を植栽すること。
  四  家畜を放牧すること。
  五  屋外において物を集積し、又は貯蔵すること。
  六  火入れ又はたき火をすること。
  七  木竹以外の植物を採取し、若しくは損傷し、又は落葉若しくは落枝を採取すること。
  八  動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
  九  道路及び広場以外の地域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
  十  前各号に掲げるもののほか、特別保護地区における景観の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの

◆ 自然公園法 第50条(実地調査)
1  環境大臣は国立公園若しくは国定公園の指定、公園計画の決定若しくは公園事業の執行又は国立公園の公園事業の決定に関し、(※中略)実地調査のため必要があるときは、それぞれ当該職員をして、他人の土地に立ち入らせ、標識を設置させ、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹若しくは垣、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。ただし、道路法 その他他の法律に実地調査に関する規定があるときは、当該規定の定めるところによる。

◆ 文化財保護法 第55条(保存のための調査)
 文化庁長官は、次の各号の一に該当する場合において、前条の報告によつてもなお重要文化財に関する状況を確認することができず、かつ、その確認のため他に方法がないと認めるときは、調査に当たる者を定め、その所在する場所に立ち入つてその現状又は管理、修理若しくは環境保全の状況につき実地調査をさせることができる。

  1.重要文化財に関し現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為につき許可の申請があつたとき。
  2.重要文化財がき損しているとき又はその現状若しくは所在の場所につき変更があつたとき。
  3.重要文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られる虞のあるとき。
  4.特別の事情によりあらためて国宝又は重要文化財としての価値を鑑査する必要があるとき。

◆ 文化財保護法 第131条(保存のための調査)
 文化庁長官は、次の各号のいずれかに該当する場合において、前条の報告によつてもなお史跡名勝天然記念物に関する状況を確認することができず、かつ、その確認のため他に方法がないと認めるときは、調査に当たる者を定め、その所在する土地又はその隣接地に立ち入つてその現状又は管理、復旧若しくは環境保全の状況につき実地調査及び土地の発掘、障害物の除却その他調査のため必要な措置をさせることができる。ただし、当該土地の所有者、占有者その他の関係者に対し、著しい損害を及ぼすおそれのある措置は、させてはならない。
  1.史跡名勝天然記念物に関する現状変更又は保存に影響を及ぼす行為の許可の申請があつたとき。
  2.史跡名勝天然記念物がき損し、又は衰亡しているとき。
  3.史跡名勝天然記念物が滅失し、き損し、衰亡し、又は盗み取られるおそれのあるとき。
  4.特別の事情によりあらためて特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物としての価値を調査する必要があるとき。

◆ 文化財保護法 第184条(都道府県又は市の教育委員会が処理する事務)
 次に掲げる文化庁長官の権限に属する事務の全部又は一部は、政令で定めるところにより、都道府県又は市の教育委員会が行うこととすることができる。
  5.第54条(第86条及び第172条第5項で準用する場合を含む。)、第55条、第130条(第172条第5項で準用する場合を含む。)又は第131条の規定による調査又は調査のため必要な措置の施行

 

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2006年5月 3日 (水)

厳罰化の歯止め!? 弁護人の求刑

>>> 「弁護側求刑」を検討 - 裁判員制度で日弁連
 「弁護人としては、懲役○年が相当と考えます」-。2009年5月までに始まる裁判員制度で、検察側だけでなく、弁護側がふさわしいと考える量刑を主張する「弁護側求刑」の実施について、日弁連が検討していることが2日、分かった。議論がまとまれば、各地の弁護士会を通じ、全国の弁護士に問題提起したい考えだ。
 現在の刑事裁判では、検察側だけが求刑を行っている。弁護側は無罪を主張している場合を除き、最終弁論で「寛大な判決を」「執行猶予が相当」と述べ、刑の軽減などを訴えるだけだった。しかし、各地で裁判員制度の模擬裁判を行う中で、裁判員役になった参加者から「なぜ弁護側は量刑を示さないのか」「一方からの求刑だけでは判断しにくい」などの意見が寄せられた。(時事通信) - 5月3日

 求刑というのは、あくまで「目安」ですからね。 仮に、検察官が提示した求刑よりも、重い刑罰を裁判官が言い渡したとしても、法律上なんの問題もありません。

 めったにないことですけれども、実際にそういう「求刑超え判決」の例もあります。 そういえば、判決理由の中に「検察官の求刑は軽すぎる」と書いた裁判官もいましたっけ。

 求刑とは、過去の似たような事案と比較検討して、公平な結果が出るように検察官が出した「量刑相場」の答えです。 しかし、あんまり「量刑相場」という前例にとらわれていたら、わざわざ裁判員を入れて裁判をする良さが失われる気もしますし。

 また、執行猶予というのは、初犯なら懲役3年以下、罰金50万円以下でしか付けられません。 なので、弁護人が「執行猶予付きの判決を求める次第であります」「社会内での更生環境が整っております」と主張しているなら、実質的には、「3年・50万円」を上限とする量刑を、言葉の外で希望している、と見ることができます。

 もちろん、この新提案「弁護側求刑」が採用されれば、裁判員を務める私たちにとっては、量刑を考える材料が把握しやすくなるメリットはありそうですよね。

 ただ、被告人を防御する役割の弁護人が「刑を求める」というのも、ちょっと表現として違和感があります。 「弁護人が相当と考える量刑の提示」という手続きについて、この際、「求刑」とは別の言葉を作ったほうがいいかな、と個人的に思いますね。

……具体的には思い浮かびませんけど。 言いっぱなしか。

 うーん、これからは、同種の事件相互間での公平を図るため、量刑の「上限」と「下限」をキッチリ設定する役割を、検察側・弁護側双方の求刑に託しますか?

 裁判員裁判でも、量刑については、事件相互の間の公平を考えて、従来の相場に従っておいて、もっと他の部分で柔軟に運用していくほうがいいんでしょうか。 たとえば、被告人に今後なんらかの公益活動をするよう、裁判員が具体的に提案してみたり。 量刑という国家作用もいいけど、もっと生活に密着した方向性で力を入れてみるとか……。

 また、戦前の刑事訴訟法のもとでは「付帯私訴」という制度が存在していました。 付帯私訴とは、加害者を追及する刑事裁判と、被害者から加害者への損害賠償を求める民事裁判を、同じ法廷で行い、共通の証拠で審理することです。
 現在では廃止されていますので、一般にはほとんど知られていない制度です。 私は大学時代の民法ゼミで、明治や大正時代の判例をさんざんやらされていたので、たまたま知っておりますけども。

 ですが、付帯私訴を、時代遅れのホコリをかぶった制度だと切り捨てるのは、もったいないと思っています。

 戦前の陪審制を、あえてこの時代に、裁判員制度として姿を変えて復活させようというんでしょ。 それならついでに、この付帯私訴を復活させるのも、悪くない選択だと思うんですがね。 そうすれば、犯罪被害者の声がダイレクトに裁判員へ届き、より多面的な解決が期待できそうなもんです。

 でも、法廷にあがってくる情報の量が増えすぎて、参加する一般の方には負担になるでしょうか……?

 

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 東京・神奈川・千葉・埼玉 …… 首都圏の主要裁判所に所属する部総括判事の、基礎データ、性格、おもな担当事件を網羅! 充実の情報量です。

 あまり知られていませんが、裁判官にも個性があるんです。 言葉はよくないですが、裁判当事者の立場からすれば、「当たり外れ」が厳然として存在するということです。

 裁判官ひとりひとりのイラストも揃っていて、司法権も、顔がありキャラのある人間が動かしていることを、具体的に感じられるでしょう。 巻頭では、現 最高裁長官 町田顕氏の特集も組まれています。 

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2006年5月 2日 (火)

【最高裁】元 国際派弁護士 濱田判事の後任は?

060502nasu_1 那須弘平(なす・こうへい)

昭和17(1942)年2月11日(満64歳)

長野県出身

那須・井口法律事務所

第二東京弁護士会 所属

平成18年5月25日 最高裁判事 就任内定

 

1964(S39) 東京大学法学部卒

1969(S44) 司法修習修了(21期)

同年    弁護士登録

1987(S62) 第二東京弁護士会 副会長

1988(S63) 民事訴訟改善委員会 委員長

1993(H5)  研修委員会 委員長

1995(H7)  仲裁センター運営委員会 委員長

その他役職 : 日本弁護士連合会 常務理事、 花王(株)監査役、 東大法科大学院 客員教授

得意分野 : 民事・商事

 

 この方の似顔絵は難しかったです。 3回描きなおしたのに、結局うまくいってませんからね。

 それに、この写真、若すぎません? たぶん、20年か30年前のものが、ずっと「弁護士大観」に載せられたままになっている可能性もあります。 ちょっとだけ、大昔のウチの親父に似てますもんね……。

 45歳にして、第二東京弁護士会の副会長を務めた実績もお持ちです。 ただねぇ、「二弁」所属の弁護士さんって……、なんと表現したらよろしいのか…………、あのー、何か意見を主張したいときには、常に「○○権」とか「△△の自由」といった、憲法に載ってるスローガンから説き起こすよう心がけてらっしゃる方々ですよね。

 もちろん、それだって自由ですが。
 

 だがしかし! 那須先生は、ちと違うようです。

 そりゃ、たしかにリベラルはリベラルなんですけど、ありきたりのリベラルとは一線を画している、といった勝手な印象です。

 すべての弁護士が、自分の仕事を常に『基本的人権の擁護』や『社会正義の実現』に直結させて考えているかといえば、そんなことはない。 そのように考える弁護士もいるであろうが、いずれの考え方に立つかで、弁護の質に優劣が生じるとも思われない。
 外部の者から見て、弁護士の日常の業務(その中には、貸し金の回収や、家賃を払えない人に対する家屋明渡請求等も含まれている。公害の加害者である企業側に付いて弁護することもある)が、すべて基本的人権の擁護、社会正義の実現を目指しているという説明は納得しがたいだろう。
 むしろ、一つひとつの弁護士業務の実践は、依頼人の個人的利益を擁護することを目的としているのであって、ただ、それらの集積が『基本的人権の擁護』や『社会正義の実現』に結びつくと説明するほうが説得力がある。 (「民事訴訟と弁護士」(信山社・初版2001年)より)

◆ 弁護士法 第1条(弁護士の使命)
1 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
 

 てっきり「二弁」とは、カッチョイイ弁護士法1条のファンクラブなのだとばかり思っておりました。 それは偏見だったんですね。 すみませんでした。

 弁護士さんが『人権擁護』だとか『社会正義』だとかいう、裸のキーワードを声高に叫べば叫ぶほど、普通に生活する人々との間に厳然としてある「溝」は、ますます深まっていく、と考えます。

 ですから私は、そういう便利で美しい言葉の威光に頼って、いろんなものをごまかしたがる連中を、マユにツバを付けつつ見ております。 やっぱり、言葉よりも態度で示したいもんです。

 ひとりひとりが、毎日の仕事で粛々と、依頼人の利益につながると信じることを遂行していく。 その少しずつの積み重ねが、全体として私たちの笑顔を少し増やす方向に作用する。 そういうことでしょう。

 そんな那須先生のご指摘によって、「人権派」などと自称する一部の弁護士や、それを持ち上げて讃えたがる一部の人たちの、恥ずかしい独善っぷりが浮き彫りになっているような気がします。

 アンタたちだけが偉いんじゃないですよ。 勘違いしないでください。 弁護士は全員「人権派」なんです。

 もちろん、個々の弁護士活動が、全体として真に『社会正義』へ寄与しているかどうかについては、常に検証を怠らない姿勢が必要なのでしょう。 先日の「最高裁ドタキャン騒動」もございますしね。

 我々は、弁護士法の中に弁護士の統合理念を求めるならば、弁護士法3条1項『弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。』に行き着かざるを得ない。
 弁護士の統合理念としては、あまりに平凡に過ぎて面白味がないという欠点を持つのであるが、実際のところ、弁護士はこれ以上のものでもなければ、これ以下のものでもない、と私は考える。 (前掲書)

 この軽く抜いてみせた感じ。 「二弁」に、ここまで柔軟な感性をお持ちの方がいらっしゃったとは、本当にお見それしました。 やっぱり、最高裁判事にまでなる人は違うんだな。

 これから「那須裁判官」の出すであろう判断を、個人的にはとっても注目しながら追ってみようと思います。 期待しておりますよ。

 他にも、出来合いの枠組みにとらわれないご意見を、数々お持ちのようですね。 楽しみです。

 

<弁護士人口の大幅増員論>
 (※年間5000人合格も視野?)

<法科大学院構想の『二弁案』に対し、あろうことか「批判的検討」を加える>
 (※「二弁案」=「司法研修所の廃止」)

 ダイナミックな自然科学の進歩に力負けしない弁護士や裁判官を養成することは、どうすれば可能になるのだろうか。それとも、そのようなことを望むこと自体無謀な企てなのであろうか。それにしても、せめて講義の進め方ぐらいは、自然科学の手法を応用できそうなものだ。司法試験の受験予備校では、かなり進んだ手法が採用されていると聞くが、大学の講義の実態はどうなっているのだろうか。 (法律のひろば 2000年9月号「『法曹』と弁護士」より)

<民事訴訟の「口頭主義の復活」を主張>

 だいたい弁護士は尋問にさいし、証人や当事者本人に対し「聞かれたことだけに答えなさい」という助言ないし指導を長年やってきたわけだけれども、よくよく考えると、きわめて非人間的ですよね。やっぱり、しゃべりたいことをしゃべらせろという欲求があるわけです。 (「民事訴訟の過去・現在・未来」(日本評論社)…山本和彦 一橋大教授との対談より)

<謙抑的和解論>
 (※和解という解決方法を、必要以上にもてはやすべきではない。和解ばかりが、当事者にとって妥当で迅速で円満な解決として役立つとは限らない、というスタンス)

 和解は、裁判所が考えるほどには当事者に歓迎されていない、と言ってよい。勝訴が見込める場合でも、遅滞した審理にしびれを切らして、やむを得ず和解を受け入れることは、よく経験することである。また、敗訴の可能性が強い場合に、判決まで粘るという姿勢を示すことによって、相手方(すなわち勝訴を期待できる当事者)に、なお相当の日時と労力を必要とすることの無言の圧力をかけて和解に応じさせることも無いではない。このような場合、和解は、判決に比べて、正義の量をそれだけ目減りさせて紛争を解決していることになる。 (前掲「民事訴訟と弁護士」より)

<たとえ話が好きっぽい??>

 病院の改革に患者がイニシアティブを取るかというと、それは期待できない。…………それは民事訴訟でも同じで、訴訟になる前は、誰も自分が訴訟事件に遭うとは思っていないし、訴訟手続きに巻き込まれたときは、それに対処するのが精一杯で、終わったらなるべく早く忘れようとする。だから、利用者が自ら改革に立ちあがることは期待できない分野である。そうすると、誰が改革をやらなければいけないかというと、当事者に一番近いのは弁護士であって、弁護士が訴訟手続を改革しなければならない。 (前掲「民事訴訟の過去・現在・未来」より)

 

 そういえば、明日は5月3日の憲法記念日。 町田長官の談話に注目です。

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2006年5月 1日 (月)

チョー急カーブ

<雑記帳>「超急カーブ」若者言葉の路面表示
 ◇「超急カーブ」。東京都桧原(ひのはら)村の桧原街道に今月、若者言葉を使った全国初の路面表示がお目見えした。表示は村役場近くの交差点から坂道を上った急な右カーブにある。
 ◇先月半ば、高1の少年がバイクで走行中、このカーブで転倒、対向の乗用車にはねられ命を落とした。事故を機に警視庁五日市署が若者に訴える方法として、道路を管理する都に提案した。
 ◇前代未聞の試みに都は難色を示したが「若い命を散らす事故を二度と起こさないでほしい」という同署の熱意に動かされた。思いは現代っ子にも届くか。 (毎日新聞) - 4月27日20時4分

 交通安全を呼びかける看板には、ユニークなものもありますよね。 「よそ見するな! この村に、美人はいねぇ」とか。

 まぁ、面白いことは面白いですけど、それを見ても、オヤジドライバーしかニヤリとしないでしょうし、男女同権原理主義の皆様からは叱られそうです。

 「若者向け」という未開拓の領域に踏みこむ今回の試み。 たしかにインパクトは十分で、一定の効果はあがるものと期待されます。

 が、「超」っていう接頭語って、若者言葉ですかね。

 なにも地元警察の勇気ある挑戦に水を差すつもりはないんですが、「夢のチョー特急」って、別に若者の間でのみ特有の表現ではないでしょうし。 戦中生まれでらっしゃる野口先生の「『超』~~法」シリーズや、養老先生による「超バカの壁」という本も超売れています。

 次回はひとつ、「鬼急カーブ」としてみては、いかがでしょうか。

 あるいは、「チョーヤベぇ急カーブ」というのもございます。 「チョー緊張するぅ、そんな急カーブ」。 長いな。
 

【画像つき↓】
「超」急カーブ、路面表示に・若者の事故防止に期待(日本経済新聞)2006/04/17
 

 日本で(いや、世界で?)初めて、公道の上にデカデカと描かれた「超」の文字。 前例が無いにもかかわらず、実に綺麗にデザインされていますね。 これは「路面標示施工技能士」と呼ばれる国家資格者により達成された、プロの仕事です。

 この写真は、「超」の文字を強調するために、問題の路面標示を逆から撮っているわけですか。 そのために、肝心の「超急カーブ」とされた道路の箇所そのものが写真に収まっていません。 どれほどの超急カーブなのやら把握できないのが残念です。 写真を1枚しか掲載できないということで、どちらを採るか、日経さんも悩んだのでしょうが。

 うーん、東京だし、いっそのこと思いきって、現地へ行って確かめてみようかいな…… などと思って地図で調べましたら、桧原村…… 電車が通っておりませんでした。
 

◆ 道路交通法 第2条(定義)
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
  十六 道路標示 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう。

◆ 道路交通法 第4条(公安委員会の交通規制)
5 道路標識等の種類、様式、設置場所その他道路標識等について必要な事項は、内閣府令・国土交通省令で定める。

◆ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 第8条
 道路標示の分類は、規制標示及び指示標示とする。
 
◆ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 第9条(種類等)
 道路標示の種類、設置場所等は、別表第5のとおりとする。

別表第5(国土交通省 道路局サイト)

 
◆ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 第10条(様式)
 道路標示の様式は、別表第6のとおりとする。

別表第6(国土交通省 道路局サイト)
 

 あれー? 「急カーブ」という公道の道路標示について、法的な根拠を探していたんですけど、見つからないんですよねぇ。

 おっかしいなぁ…… と不思議に思っていましたら、特に交通事故が多発する一帯で、標示・標識を補完する効果や、事故防止の注意喚起に役立つ表示には、「法定外表示」として多様な表現が認められているんだそうです。

 公道の法定外表示として代表的なのは、停止線の手前にある、おなじみ「止まれ」の3文字。 命令口調のニクいヤツです。
 
 なんだ、じゃあ「鬼急カーブ」と書いても違法ではないんですね。 違法ではないけど、公安委員会が首を縦に振るかどうか。 この先は、熱意や交渉力が物をいう領域のようです。
 

 うーむ、「法定外表示の法的根拠」など、あるはずのないものを探し求めて、1時間以上をムダに使ってしまいました。

 ま、オレの人生、そういう人生。
 

 

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