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2006年5月 3日 (水)

厳罰化の歯止め!? 弁護人の求刑

>>> 「弁護側求刑」を検討 - 裁判員制度で日弁連
 「弁護人としては、懲役○年が相当と考えます」-。2009年5月までに始まる裁判員制度で、検察側だけでなく、弁護側がふさわしいと考える量刑を主張する「弁護側求刑」の実施について、日弁連が検討していることが2日、分かった。議論がまとまれば、各地の弁護士会を通じ、全国の弁護士に問題提起したい考えだ。
 現在の刑事裁判では、検察側だけが求刑を行っている。弁護側は無罪を主張している場合を除き、最終弁論で「寛大な判決を」「執行猶予が相当」と述べ、刑の軽減などを訴えるだけだった。しかし、各地で裁判員制度の模擬裁判を行う中で、裁判員役になった参加者から「なぜ弁護側は量刑を示さないのか」「一方からの求刑だけでは判断しにくい」などの意見が寄せられた。(時事通信) - 5月3日

 求刑というのは、あくまで「目安」ですからね。 仮に、検察官が提示した求刑よりも、重い刑罰を裁判官が言い渡したとしても、法律上なんの問題もありません。

 めったにないことですけれども、実際にそういう「求刑超え判決」の例もあります。 そういえば、判決理由の中に「検察官の求刑は軽すぎる」と書いた裁判官もいましたっけ。

 求刑とは、過去の似たような事案と比較検討して、公平な結果が出るように検察官が出した「量刑相場」の答えです。 しかし、あんまり「量刑相場」という前例にとらわれていたら、わざわざ裁判員を入れて裁判をする良さが失われる気もしますし。

 また、執行猶予というのは、初犯なら懲役3年以下、罰金50万円以下でしか付けられません。 なので、弁護人が「執行猶予付きの判決を求める次第であります」「社会内での更生環境が整っております」と主張しているなら、実質的には、「3年・50万円」を上限とする量刑を、言葉の外で希望している、と見ることができます。

 もちろん、この新提案「弁護側求刑」が採用されれば、裁判員を務める私たちにとっては、量刑を考える材料が把握しやすくなるメリットはありそうですよね。

 ただ、被告人を防御する役割の弁護人が「刑を求める」というのも、ちょっと表現として違和感があります。 「弁護人が相当と考える量刑の提示」という手続きについて、この際、「求刑」とは別の言葉を作ったほうがいいかな、と個人的に思いますね。

……具体的には思い浮かびませんけど。 言いっぱなしか。

 うーん、これからは、同種の事件相互間での公平を図るため、量刑の「上限」と「下限」をキッチリ設定する役割を、検察側・弁護側双方の求刑に託しますか?

 裁判員裁判でも、量刑については、事件相互の間の公平を考えて、従来の相場に従っておいて、もっと他の部分で柔軟に運用していくほうがいいんでしょうか。 たとえば、被告人に今後なんらかの公益活動をするよう、裁判員が具体的に提案してみたり。 量刑という国家作用もいいけど、もっと生活に密着した方向性で力を入れてみるとか……。

 また、戦前の刑事訴訟法のもとでは「付帯私訴」という制度が存在していました。 付帯私訴とは、加害者を追及する刑事裁判と、被害者から加害者への損害賠償を求める民事裁判を、同じ法廷で行い、共通の証拠で審理することです。
 現在では廃止されていますので、一般にはほとんど知られていない制度です。 私は大学時代の民法ゼミで、明治や大正時代の判例をさんざんやらされていたので、たまたま知っておりますけども。

 ですが、付帯私訴を、時代遅れのホコリをかぶった制度だと切り捨てるのは、もったいないと思っています。

 戦前の陪審制を、あえてこの時代に、裁判員制度として姿を変えて復活させようというんでしょ。 それならついでに、この付帯私訴を復活させるのも、悪くない選択だと思うんですがね。 そうすれば、犯罪被害者の声がダイレクトに裁判員へ届き、より多面的な解決が期待できそうなもんです。

 でも、法廷にあがってくる情報の量が増えすぎて、参加する一般の方には負担になるでしょうか……?

 

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