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2006年7月 3日 (月)

青春とは…… 恥だ

>>> 嵐電レール上 同大生が飲食 堀川署 容疑で4人書類送検
 京福電鉄の線路内に深夜に侵入したとして、堀川署は13日、鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り)と軽犯罪法違反(禁止場所立ち入り)の疑いで、京都市上京区などに住む20、21歳の同志社大3年の男子学生4人を書類送検した。4人は線路内で飲食をしていたといい「(少年が線路上を歩く場面のある)青春映画『スタンド・バイ・ミー』を思い出し、青春の一ページとして線路に入った。軽率だった」と話しているという。
 調べでは、4人は5月23日午前1時すぎ、中京区壬生賀陽御所町で京福嵐山線の線路内に終電後に立ち入った疑い。4人は元サークル仲間で、四条大宮駅近くの踏切から侵入。レールの上に座り込み、30分ほど菓子やジュースを飲食していたという。住民の通報で署員が確認した。
 京福電鉄運輸課は「終電後も補修の工事車両が走る時もあり、線路内の立ち入りは危険。大学生としての自覚を持ってほしい」とあきれている。(京都新聞) - 6月13日

 

 今ごろ古いニュースを持ち出して、すみません。

 朝日新聞の記事も加えて読んでみますと、どうやら彼らはコンビニでカップラーメンも買いこんでいたようですね。

 日清食品は「NO BORDER」というキャッチコピーで、自社のカップ麺シリーズを売り出しています。 そのコピーに感化されて、名門大学の学生たちは、道端と線路の境界線を飛び越えてしまったのでしょう。

 たぶん、英語の勉強し過ぎなんだと思います。  NO BORDER!

 まぁ、深夜に騒ぐんなら、ワールドカップの日本戦があった日を選べば、なんとかドサクサに紛れて通報を免れることができたのかなぁ。 どうかな。
 

 でも、アホなことを楽しんでやれるのって、良くも悪くも、人一倍あふれる生命エネルギーの発露なんです。 病気やストレス、社会の枠組みの中で悩み苦しんでいたり、守るべき家族や名誉があったりする人は、なかなかアホなことって、できやしませんしね。

 そんなところから、犯罪などの社会的な不利益が生じたりもします。

 そんな若者の鬱積したフラストレーションをぶち破る機会として位置づけられていたのが、伝統的には、年に数回行われる地域社会の「お祭り」だったわけです。 しかし、そういった祭りの中にも、成熟した「枠組み」や「上下関係」ができあがるなどしており、こういった濃密な組織的運営が、皮肉にも若い衆から窮屈だと敬遠されるようになってきています。

 思いきりアホになって、若者たちのエネルギーを発散させる機会が、だんだん限られてきているのも事実です。

 

 たしかに、彼らがやったのはイケナイことですが、なんだか、大学生の彼らがアホっぽい供述をしているかのような、警察やマスコミの仕向け方も気になりますね。

 『スタンド・バイ・ミー』とか『青春の一ページ』というキーワードは、彼ら自身の口から出たのかもしれませんけど、それらを要領よくつなぎ合わせて調書に仕上げて、さらに記者がキーワードの断片を拾って、愉快に要約したのでしょう。三面記事の作り方が見えてきます。
 

 いつも私が法廷を覗いている中でも、しばしば被告人から「そんなことは取り調べで言ってない」とか「机を蹴られた」「ペンで突つかれた」「調書の最後のページしか見せてもらわずにサインした」など、かなりリアルな話が出てきます。

 そんなことを言い出す被告人がひとりだけなら、個人的な言い訳と取るべきなのかもしれません。 しかし、互いに無関係な複数の事件で、被告人が取り調べ時の扱いについて似たような状況を語っているのを見ると、やはり密室の中でおかしなことが行われているのではないか、訴追側に都合のいい調書が大量生産されて裁判所に納品されているんじゃないか、と勘ぐらざるをえません。

 また、社会部の記者は、検察官や弁護人が法廷で主張を撤回したはずのことでも、平気で記事に書いてしまいますからね。 そのオキテ破りっぷりにはビックリしますよ。 被告人のイメージを下げるためなら、お構いなしなのでしょう。 こういった事実は、裁判を直接傍聴してみないとわからないことです。
 

 でもねぇ、この大学生たちのやったことを、あんまりフォローするのも本意ではないんですけどね。 だいたい「スタンド・バイ・ミー」って、線路の上を歩いていたのは小学生のガキンチョでしょ? そんなガキの「冒険」を、ただ猿マネしてなぞるだけで満足だというんじゃ、ホトホト情けないですよね。

 つまらない私に言われているんですから、相当つまらん冒険ですよ。 そのへん、自覚してくださいね。

 
 

◆ 軽犯罪法 第1条〔軽犯罪〕
 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
  三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者

 
◆ 鉄道営業法 第37条
 停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ10円以下ノ科料ニ処ス

 
◆ 罰金等臨時措置法 第2条
1 刑法(※中略)、暴力行為等処罰に関する法律(※中略)及び経済関係罰則の整備に関する法律(※中略)の罪以外の罪(※中略)
3 第一項の罪につき定めた科料で特にその額の定めのあるものについては、その定めがないもの(※つまり、鉄道営業法の科料は、刑法17条により『1000円以上1万円未満』と読み替え)とする。(※以下略)

 
 

(( 過去の関連ニュース ))

>>> 「のぞみ」ドア開け線路逃走の男逮捕 岡山の山陽新幹線
 30日午後1時35分ごろ、岡山市中島の山陽新幹線下り線で、東京発広島行き「のぞみ49号」の運転士がドアの開閉ランプの異常に気付き、緊急停車したところ、3号車左前方のドアが開き、若い男が線路に降りているのを車掌が見つけた。男は線路上を東へ約2キロ逃走したが、約50分後、岡山県警鉄道警察隊員が新幹線特例法違反(線路内への立ち入り)で現行犯逮捕した。
 調べでは、男は愛知県岩倉市の大学4年生(24)。のぞみ49号が1時間9分遅れたほか、後続の上下23本が最大1時間11分遅れ、約1万1000人に影響が出た。 (読売新聞)2005/10/31

 
 

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逮捕ニュースつまみぐい」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。愛知県民の絶坊主です。

過去の関連ニュースの大学生が愛知県だったので笑ってしまいました。笑い事じゃないかもしれませんが(^_^;)

線路に立ち入るだけじゃなくて、警察での取り調べまでオマケについたのですから、青春の1ページどころか、2ページぐらいの思い出はできましたね。

私も昔は線路に興味がありました。電車に乗っては車窓から線路ばかりを眺めていました。
母親から、「酔うからもっと遠くを見なさい」などと、注意されたことを思い出します。
小学生の頃の思い出です。
何が面白かったのか覚えていないのだけれど…。

ところで、祭りなんですが、私は今でも形を変えて生き残っていると思います。
代表的なところでは、クリスマスとバレンタインデーです。

どちらも、普段はできない贅沢をする、セックスを推奨する、という点で、伝統的な祭りの形が継承されています。
ただし、地域のコミュニティーではなくて、企業が主導で行っています。

ところが、「セックスの推奨」ばかりに主眼が置かれてしまって、「若者の鬱積したフラストレーションをぶち破る機会」としての機能は、ほとんど失われています。
特に、モテない人にとっては、ほとんど嫌がらせのような日かもしれません。
せめて相手を探してくれたらいいのだけれどね。これは小さい共同体がしっかりしてないと難しいのかもしれません。

まあ、こじつけみたいな話ですけどね。

彼らは、線路に立ち入って、気持ちが晴れたのでしょうか。

科料は1万円未満ですか。線路に立ち入っても何もないですからねえ。入場料としては高いですね。
いらんことをしないように気を付けます。

投稿: 絶坊主 | 2006年7月 6日 (木) 23:56

クリスマスとバレンタインが「祭り」というのは、面白い視点だと思います。 なんとも金のかかる祭りですね……。 彼女がいない私には、街を歩いていると腹立つ祭りでもあります。(笑)

私は、ちょうど今の時期ですが、博多の祇園山笠が大好きです。

司法試験受験生なんてやってたころに、友人と2人で、メインである夜明けの「追い山」を見に行ったことがあります。興奮しましたねぇ。かっこよかった。夜中の1時半に起きて行きました。(笑)

ただ、参加するのは、いろいろ地域のコネとかが必要みたいで難しいようですが。

5月連休の博多どんたくもありますけど、交通は激しく規制されるし、商業色が濃かったりで、こっちはあんまり好みじゃありません。

そういえば、愛知や名古屋のお祭りって、なにかありましたかね。無知ですみませんが。 

投稿: みそしる | 2006年7月 7日 (金) 10:05

実は、愛知県には、外国人観光客にもっとも有名なお祭りがあります。

それは、田縣神社(小牧市)の「豊年祭」です。
御輿は巨大な男性器です。しかもリアルな…。
男性器の形のアメや饅頭が売り出されます。

対応する祭りとして、大縣神社(犬山市)の「豊年祭」があります。
こちらは、女性器をかたどった衣装を着た女性達が、大勢参加します。奥ゆかしいんだか生々しいんだか…。
こちらでもアメや饅頭が売り出されるはずです。

どこかの国の観光ガイドブックにはこんなことばっかり書いてあるのでしょうか!?

私はかつて、これらの祭りは下品だと感じて、バカにしていました。
しかし、最近では、子供を作る難しさを痛感するようになり、昔の人々の苦労も想像し、だんだん神様として認識できるようになりました。
これほどシュールなものをよく継承してきたものだと感心しています。

ちなみに、大縣神社は山の麓の美しい神社です。本来は古代の権力者が祀られているらしいです。
田縣神社には男性器ばっかりあります。

下ネタが続きましたので、ちょっと怖い祭りを一つ。
国府宮(稲沢市)の「はだか祭り(儺追神事)」は、ふんどし姿の男達が神男に触れるためにもみくちゃになるという、とても勇壮な祭りです。
しかし、この祭りには、都市伝説っぽい噂がつきまとっています。

「毎年、急性アルコール中毒などで死人がたくさん出るのに、地元の自治会がもみ消している」
「神男は毎年死んでいる」

真偽はともかく、ずいぶんと怖い噂です。

確かに、まだ寒い時期にはだかの男達がぶつかり合うわけで、アルコールもたくさん飲まれますから、色々な事故が起きている可能性は高いでしょうね。

私は祭りよりも噂のほうに興味があります。

まあ、これはあくまでも噂ですからね。信用しないで下さい。私を訴えないで下さい(^_^;)

あとは、三英傑が練り歩く「なごや祭り」、からくり山車がかっこいい「犬山祭り」、川に浮かぶ提灯が美しい「天王まつり」などがあります。

「追い山」は凄そうですね。写真や映像で観るだけでも圧倒されます。
人混みが苦手だから見に行けそうにはありませんけど(*o*)

福岡では小倉に縁がありますので「小文字焼」でも見ようかと思います。
私は、裁判だけでなく、お祭りでも、こぢんまりしたもののほうが好きです(^^)

投稿: 絶坊主 | 2006年7月 7日 (金) 22:23

おぉ、ああいうスジの祭りは、愛知でしたか! 愛知県にガゼン興味が湧いてきました。

日本は、もともと性的なことに大らかな文化圏らしいですね。

春画や裸踊りなども、普通に文化や伝説として組み込まれてますし。そういうのを「下品」「セクハラ」として忌み嫌うのは、近代的な舶来の価値観に基づいた反応かもしれませんよね。

もっと広く言えば、「バカ」や「失敗」「欠陥」を受け入れる。それが本来、大和の国を広くおおう空気だったようです。

賢くて強く、社会的に成功したヒーローばかりがもてはやされる、どっかの予備校みたいな雰囲気の中では、少なくとも私に居場所は無いかなぁ、と思います。

私が大好きな岡本太郎の壁画「明日の神話」も、今日から日本テレビ構内で一般公開されてます。あれも、一種の精神的な「祭り」といえるでしょう。言っちゃ悪いですけど、正直、フジテレビが夏休みにお台場でやってる興業なんか、目じゃないです。

とは言うものの、私は、「祭り」が終わった後に、「明日の神話」が永久に展示される地で、ゆっくり岡本太郎と正面から向かい合いたいです。人ごみが苦手なのもありますが。

 

私も、絶坊主さん同様、こじんまりした裁判は好きですけど、それは傍聴していて「面白さ」や「ワクワク感」の得られるものが、比較的多いような気がするからです。すべてがお膳立てされた儀式の中でも、ときに登場人物のホンネや素顔が見られたりするので。

来週、消防車を見たいがために何十回も119番したという「消防車マニア」の初公判があるんですが、被告人が法廷で何を語ってくれるか、今から楽しみです。

私にとっては「面白さ」が、たいていのものに優先してしまうんですが、その欲求も軽く満たしてしまう、絶坊主さんの傍聴録には、いつも感心させられます。

面白くて傍聴券を取りやすければ、世紀の大裁判も見てみたんですけどねぇ。残念ながら、今は興味のあるヤツがありゃしませんね。

投稿: みそしる | 2006年7月 8日 (土) 22:22

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