日本全国 裁判官語録4 (まだまだあるよ編)
『そういう態度が、遺族をさらに苦しめているのが分かりますか』
佐賀県内のゲームソフト店主が刃物で刺殺された事件。 被告人質問で、犯行状況について聞かれても「憶えていない。わからない」とばかり繰り返す被告人に対して。
(佐賀地裁 若宮利信裁判長)2006/07/13
『痛ましい事故であり、深い同情を禁じえない。 誰も刑事上の責任を問われないことに素朴な疑問が生じることは容易に想像できる。 金月美帆さんのご冥福を心からお祈りします』
兵庫県明石市の人工海浜(大蔵海岸)で、当時5歳の女の子が陥没した砂浜に生き埋めとなり、5ヶ月後に死亡した事故。 砂浜の一部をバリケード封鎖しただけで、全面立ち入り禁止にするなどの安全対策を怠ったとして、業務上過失致死罪の容疑で、国土交通省や明石市の職員4人が起訴されたが、全員に無罪判決を言い渡して。
(神戸地裁 佐野哲生裁判長)2006/07/07
『尊い一命を奪った罪は、被告の一生をもって償わせるのが相当で、仮釈放については可能な限り、慎重な運用がなされるよう希望する』
広島市の自宅アパートやその付近で、7歳の女児の首を絞めて殺害。遺体を段ボール箱に入れて近くの空き地に放置した疑いで、検察側に死刑を求刑された被告人に、「犯行に計画性がない」と無期懲役を言い渡したうえで、さらに付け加えて。
(広島地裁 岩倉広修裁判長)2006/07/04
『いい加減、これっきりにして下さい』
1年以上にわたって、ブランド品を万引きしつづけた親子に対し、有罪判決を言い渡して。
(名古屋地裁 池田信彦裁判官)2006/06/29
『ベンチャーを起業する夢に向かって、重い教訓として肝に銘じ、身の丈にあった起業を身につけていただきたい』
宮城県にウソの事業実績報告書などを提出して、事業補助金1000万円をだましとり、それを見せ金に、新規リサイクル事業を不正に登記した被告人に対し、有罪判決を言い渡して。
(仙台地裁 山内昭善裁判官)2006/06/23
『あなたたちにも子どもがいるのなら、人の子を奪うひどさが分かるでしょう。 自分の子のことをよく考えて更生するように』
新年早々に起こった、新生児の身代金誘拐事件。 「光ケ丘スペルマン病院」(仙台市宮城野区)3階病室から、母親(23)の横で寝ていた生後11日の男児を誘拐し、同院の院長に身代金6150万円を要求した。 夫が誘拐を担当し、妻は、自宅で男児の世話をしていた。 男児は事件から約50時間ぶりに無事保護された。 被告人らにともに実刑判決を言い渡して。
(仙台地裁 卯木誠裁判長)2006/06/09
『今年のゴールデンウイークは、家族と平穏な気持ちで過ごしてください』
妻子を乗せて帰宅途中、改造オートバイで集団走行していた男性らに取り囲まれ、恐怖心などから車を発進させ相手を負傷させた傷害事件で、被告人の正当防衛を認めて無罪判決を言い渡して。
(甲府地裁 矢野直邦裁判官)2006/05/02
『プロレスでは、打ち合わせなしに相手を攻撃するのは許されないこと。 顔面を力任せに蹴るのはプロレスではなく、正当化する根拠がない』
プロレスの試合終了後、場外乱闘で、大仁田厚選手サイドのセコンドに顔面をけられて大けがをしたとして、相手のプロレスラーが大仁田選手らに損害賠償を求めた民事訴訟で、大仁田選手らに78万円の支払い命令を言い渡した判決理由中。
(東京地裁 野村高弘裁判官)2006/04/28
『本来なら、政治資金規正法のプロであり、政治活動をサポートすべき立場にありながら、政治の現状をただそうとすることなく法を曲げた。 ここで表明した約束と本来目指そうとしていた政治のあり方に向け、これを更生の出発にしてほしい』
広島県知事後援会 元事務局長の政治資金規正法違反事件。 不明朗な会計支出にメスを入れ、有罪判決を言い渡して。
(広島地裁 岩倉広修裁判官)2006/04/27
『佐世保では、軍人・軍属が何回も犯罪を起こし検挙されている。 知らなかったのか。 横須賀でも佐世保でも犯罪が起きている。 なぜ基地の指導に従わないのか』
米軍の佐世保基地に勤務する兵士による万引き事件。 被告人質問で、審理されていいる事件以外の同種事件にまで言及して。
(長崎地裁 佐世保支部 小松平内裁判官)2006/04/06
『無期懲役も仕方がないよね』
お年寄りを狙った7件の路上強盗により、死者2名を出し、計17万円を盗んだ強盗致死事件の判決で、求刑どおり無期懲役を言い渡して。 被告人は「はい」とだけ答えた。
(前橋地裁 久我泰博裁判長)2006/03/09
『本当のことを言ってくれているのですか。 疑問がぬぐい去れない』
旧橋本派の1億円ヤミ献金事件で、政治資金規正法違反に問われた元 官房長官 村岡兼造氏に関する第19回公判で、いよいよ橋本元首相が証言台に立つ。しかし、証人は「記憶にない」を連発しつつ、「領収書を出さないことを幹部会で決めるなんて、きょとんとするお話だ」などと証言したことを受けて。
(東京地裁 川口政明裁判長)2005/10/11
『つましく暮らす高齢者をだますようなことは二度とやるな。 被害額を弁済せよ』
横須賀市の95歳と87歳の姉妹を狙った悪質リフォーム詐欺事件で、「"自分の財布代わり"に金をだまし取る悪質な犯行」として、有罪判決を言い渡し。
(横浜地裁 横須賀支部 福島節男裁判官)2005/10/11
『吸いたくなったとき、家族を取るか大麻を取るか、よく考えなさい』
自室で大麻48鉢を栽培したとして大麻取締法違反の罪に問われた被告人に、有罪判決を言い渡し。
(横浜地裁 横須賀支部 福島節男裁判官)2004/10/28
『そういう線引きが出来ない人は公務員をやってはいけない。 分かってもらいたいと言っているということは、いまだにそれが分かっていないということでしょう』
川越市発注の公共工事を巡り、市内の空調設備会社社長などに入札情報を漏らしたとして、偽計入札妨害罪に問われた前助役が、被告人質問で「後援者の頼みをむげに断れなかった事情などを、皆に分かってもらいたい」と話したことに対し。
(さいたま地裁 山口裕之裁判官)2003/02/25
『本当に謝るべきは、県民に対してではないですか』
山梨県 南アルプス林道管理事務所を巡る談合・贈収賄事件で、「(現金を贈与した)県職員や警察のみなさんに迷惑をかけた」と述べた被告人に対し。
(甲府地裁 某裁判官)2002 ※調査中
『林大貴くんは、生き物や自然が大好きで、命を大切にする少年だった』
『谷中孝寿さんは、事件前、香港で暮らしている二女から遊びに来るよう誘われており、夏祭りが終わってから旅行に行く約束をし、楽しみにしていたが、かなわなかった』
『田中孝昭さんは、金物店を営み、どんな小さい物でも注文があれば配達、取引先の信用が厚かった。 二人の娘の花嫁姿を楽しみにしていた』
『鳥居幸さんは、心優しくさっぱりした性格で、先輩からも後輩からも慕われる存在。 本がとても好きで将来は本を出版するような仕事をするのが夢だった』
和歌山市の夏祭りで発生し、4名の犠牲者を出した毒物カレー事件。 現場近くに住む主婦の被告人に対して死刑判決を言い渡した際、判決理由の中で読み上げられた一節。 被害者感情に配慮した、過去に例のない対応。
(和歌山地裁 小川育央裁判長)2002/12/11
『ずっと長くまじめにやってきて、わずか20万円で失職するとは残念ですね。 一罰百戒ということで、市の綱紀が引き締まれば幸いです』
前橋工業団地造成組合が発注した住宅団地の測量業務で、前橋市内の測量会社を入札指名業者に選定した謝礼として、同社社長から2回にわけ、仕立て券つき紳士服地2着分(計約18万円相当)を受け取ったとして、前橋市の都市計画課主幹に有罪判決を言い渡して。
(前橋地裁 長谷川憲一裁判官)2002/09/18
『いい息子さんとお嫁さんなんだから、二人の面目をつぶすようなことは二度としてはいけないよ。 奥さんは、すぐ追ってきてほしいとは思っていない。 めい福を祈りながら穏やかに余生を送って下さい』
心中を図り、妻を死亡させたとして殺人罪に問われた84歳の被告人に、情状を最大限考慮して執行猶予を付ける判決を言い渡し、その後に傍聴席の長男を法廷に呼び寄せ、被告人と握手させながら。
(佐賀地裁 坂主勉裁判長)2002/09/12
『一生かけて、被害者の供養に努めてほしい。 そして、その供養の中で、人生の導きが見えてくるように祈っています』
明治大学の学生を金属バットなどで撲殺された事件で、当時18-19歳だった3少年に無期懲役を言い渡して。
(千葉地裁 小池洋吉裁判長)2002/06/20
『強盗殺人だけじゃなく、単純な殺人でも死刑はあるんだよ。 あなたが償うとしたら、あなたの命と体しかないんでしょう』
交際相手を殺害してキャッシュカードから金を引き出したとして、強盗殺人罪に問われた被告人への質問。 強盗目的での殺害を否定し、「社会に出たら、医療や福祉の仕事で働きたい」と話す被告人に、「遺族がこういう話を聞いて、どう思うと思うかね」と切り出した後に。
(札幌地裁 遠藤和正裁判長)2002/06/12
『つまり、本意に基づくということですね』
成田市内のホテルでミイラ化した遺体で発見された事件の弁護側最終弁論の期日。 自己啓発セミナー「ライフスペース」代表であった被告人が、「小池裁判長は重罪で極刑に値する」などと列記した約60通の補充意見書を千葉地裁に提出した理由について、法廷で問いただすも、的はずれの発言を続けるのに対し。
(千葉地裁 小池洋吉裁判長)2001/11/27
『家族の愛情を求めながら、その家族から虐待を受ける日々を、どんな思いで耐えていたのか、何を感じながら人生の幕を閉じていったのか。 願わくば、その人生が悲しみばかりでなかったことを祈る』
3歳の男児を虐待の末に死亡させたとして、傷害致死罪に問われた義母と祖父に、懲役5年6月の実刑判決を言い渡して。
(千葉地裁 小池洋吉裁判長)2001/11/20
『極刑を望んでいる被害者の前で、あなた自身の将来を語るのは、気持ちを考えていないのでは』
愛知県知多市で起きた女子大生ストーカー殺人事件(自宅に上がりこみ、母親にも重傷を負わせる)で、一審で無期懲役判決を受けた被告人が、控訴した理由について「刑に服した後、司法書士や税理士になり社会に貢献したいが、無期懲役では資格を取るのに制限がある」と話したことを受けて。
(名古屋高裁 某裁判官)2001/04/24 ※調査中
『真相を教えて下さい』
自宅の階段から突き落として、1歳の長男を殺害、妻に重傷を負わせたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた会社員の男に関する公判。 動機についての供述が、何度も移り変わり、裁判長からさらに詳しい話を聞かれても、「深く考えていなかった」と繰り返すばかりの被告人に対して。 第4回公判で。
(横浜地裁 岩垂正起裁判長)2000/06/22
『罪は万死に値する』
神奈川県警が組織ぐるみで現職警部補の覚せい剤使用をもみ消したとされる事件で、犯人隠避罪などに問われた元県警本部長に有罪判決を言い渡して。
(横浜地裁 岩垂正起裁判長)2000/05/29
『11年余りという長期の裁判となって亡くなられた原告もいる。 ようやく判決を言い渡せました。 一日も早く健康被害をもたらすような大気汚染がなくなることを願って、終わります』
尼崎公害訴訟で、住民側全面勝訴の判決を言い渡して。
(神戸地裁 竹中省吾裁判長)2000/01/30
『馴れ合いでやってきた首長やその候補者、ベテラン業者にはもはや期待できないのではないか。 (被告人のような)事件を反省している若い人に新しいルールを作って欲しい。 このままでは時代に取り残され、県全体が軽蔑の目で見られかねない』
山梨県玉穂町発注の下水道工事を巡る談合事件で、町側から不正に予定価格の情報を入手したとして、競売入札妨害(偽計)罪に問われた土建業者役員(31)に対し、執行猶予つき有罪判決を言い渡して。
(甲府地裁 沼里豊滋裁判官)1999/03/16
『刑務所に入りたいのなら、放火のような重大な犯行でなくて、窃盗とかほかにも……』
刑務所に入ることを志願して、国の重要文化財である神社の拝殿に火をつけ、非現住建造物放火の罪に問われた無職男性に対する論告求刑公判で。 裁判長も思わず「そう言いたくもなる」とフォロー。
(静岡地裁 某陪席裁判官)1993/03/10
『正義ならざる、漫画的といえるほどの論告で、検察官は自らの墓穴を掘った。 調書は珍妙なストーリー。 (そのストーリーに出てくる)犯人は、涙なくして語れないような、労多くして無駄な作業をしたことになる。 いやしくも検察官がこんな主張をしなければならないとは、同じ法律家として深く悲しむ』
東京・新宿のビル放火事件で無罪を言い渡した判決理由中で、異例ともいえるほどの容赦ない捜査批判。
(東京地裁 反町宏裁判長)1988/11/29
東京地裁 刑事第7部
【 阿部文洋裁判長 VS オウムの最終解脱者 】
『裁判所としても、事件に関連する範囲で尋問してほしいと思うが。 みなさんベテランだからわかると思いますが』
オウム真理教 教祖 松本智津夫被告 第12回公判にて。
証人に細かな被告人の印象や、核心から外れた宗教教義など、明らかに訴訟遅延を意図している質問を続ける弁護団に対して。 1996/10/17
『気合入れて、もう少しがまんして下さい』
オウム真理教 教祖 松本ちづお被告 第13回公判にて。
「エネルギーがですね、体の中で……」と、体調不良を理由にする休廷を申し出る被告人に対して。 1996/10/18
『日本語で話しなさい。 英語でしゃべっちゃいけないんだ』
オウム真理教 教祖 松本ちづお被告 第63回公判にて。
地下鉄サリン事件につき検察官の訴因変更請求書が読み上げられる途中でも、意味不明の不規則発言を延々と続け、しまいには「えー、ザ・コート・ジャッジメント・ミスターフミオアベ……」とあやしげな英語(しかも裁判長の名前を間違える)を話し始めて。1998/01/16
『被告人、口を開けて寝てるんじゃないよ!』
オウム真理教 教祖 松本ちづお被告 第78回公判 午後の昼下がりにて。 1998/05/08
『いらんこと、しゃべってるんじゃないよ!』
オウム真理教 教祖 松本ちづお被告 第84回公判 「無罪を言い渡されている、96年12月に」など、妄想ばかりの不規則発言をブツブツ繰り返す被告人に対して。 1998/06/19
『しっかり起きてなさい。 また、机の所で頭打つぞ』
オウム真理教 教祖 松本ちづお被告 第95回公判 あくびする被告人に対して。 1998/10/16
『そんなに細かいところまで必要なの?』
オウム真理教 松本被告 第168回公判にて。 自動小銃密造事件の審理で、教団施設を検証した警察官に対し、反対尋問で、現場見取り図の記載や1センチの数値の違いを問いただすなどしていた弁護団に対し。 2000/09/21
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コメント
お久しぶりです。
実は裁判傍聴行ってきました。
実際の裁判は緊張感があり、ドキドキしながら傍聴しました。
窃盗と覚せい剤事件の新件で、20日に判決があるのですが、暫く、裁判所にいけなくなってしまいました。
8月の半ばくらいから、また、行きたいと思います。
みそしるさんのアドバイスのお陰で、
裁判傍聴という世界を覗く事ができました。
有難うございます。では、また。
投稿: はなた | 2006年7月17日 (月) 22:50
コメントありがとうございます。
私は別にたいしたアドバイスもしておりませんが、裁判傍聴を始めるきっかけのひとつになれたのなら、うれしいです。お礼の言葉を、こちらもありがたく受け止めております。
平日の昼間に行われるものですから、なかなか時間を取るのも難しいですが、都合のいいときに足を運べばいいのだと思います。 私も今週は金曜日にしか裁判所へ行けません。
ただ、お盆のシーズンは、公判の数が激減することを知っておいてください。日によってはゼロかもしれませんので。
投稿: みそしる | 2006年7月19日 (水) 05:49
「中国人の名前は読み方を調べておいたほうがいいよ。通訳の人が困るから」
中国人グループによる地下銀行の公判終了後、検察官との雑談の中で。検察官は公判で、漢字を一文字ずつ、「メイは明るいという字」などと、通訳に伝えていた。
(名古屋地裁 伊東一廣裁判官)2006/4/28
「意地悪しているわけではないのね」
仕事中に酒気帯び状態で無免許運転した事件の裁判で、被告人質問で免許取り消し制度について説明した後。
(名古屋地裁 伊藤新一郎裁判官)2006/7/11
「拘置所で探すってどういうこと?」
自宅で覚せい剤を使用した事件の裁判で、被告人が「拘置所でも仕事を探しています」と発言したことに対して。
(名古屋地裁 波多江真史裁判官)2006/5/12
すぐに思い出したものはこれくらいです。またノートを読み返してみます。
伊東一廣(※)裁判官は突拍子のない発言が多くて好きです。傍聴人としては気が抜けません。
伊藤新一郎裁判官は、大変饒舌な方で、裁判の手続きについて細かく説明してくれます。中学生等の見学に最適だと思います。
※廣の字が違っているかもしれません。すみません。今度調べておきます。
投稿: 絶坊主 | 2006年7月19日 (水) 23:23
ありがとうございます。すばらしいです。
絶坊主さんが直に傍聴したものですよね。私が今まで、ここにアップしてきた「語録」の中で、直接自分で傍聴したのは2つしかありませんので……。
最後の「拘置所でも仕事を探している」という被告人の発言の真意が、波多江裁判官と同様、私も気になります。そのココロは……?
投稿: みそしる | 2006年7月20日 (木) 22:26
波多江裁判官と被告人のやりとりです。
裁:「覚せい剤をやめて、真面目に生活していけそうですか?」
被:「拘置所で、何もすることなくて、一日も早く普通に働きたいです」
裁:「仕事を探して頑張るということですか?」
被:「拘置所でも探してます」
裁:「拘置所で探すってどういうこと?」
被:「ずっと考えてます」
考えていただけでした。
被告人は、仕事したいという意欲が強すぎて、ちょっと大げさに言い過ぎてしまったようです。
拘置所で求人情報誌を見ていたのかもしれませんけどね。
そもそも拘置所に求人情報誌を持ち込めるのかどうか知りませんけど(^_^;)
裁判の記事はこちらです
http://chisai.seesaa.net/article/18263639.html
波多江裁判官は余分なことを言わない印象があります。私としてはつまらないです。しかし、とっさの一言が、かえって印象に残ります。
伊東一廣裁判官の漢字は、まだ分かりませんが、新聞には 伊東一広 で載っていました。インターネットでも同様でした。
投稿: 絶坊主 | 2006年7月21日 (金) 14:33
ありがとうございます。「更生への意欲」をアピールしようとして、勢いあまった感じなのでしょうね。
あるいは、彼は自前の「脳内リクナビ」や「脳内フロムエー」を持っていて、拘置所の中でも自在にアクセスできるとか? 便利ですね。 うらやましい。
しょうもない話はさておき、拘置所で求人情報誌を読むことは、おそらく問題ないと思います。売店を通じて外部から差し入れしてもらう形になるんでしょう。
今日も、なかなか印象的な説諭が京都で飛び出したみたいですね。 ここにメモしておきます。↓
『本件では、介護保険や生活保護行政の在り方も問われている。こうして事件に発展した以上は、どう対応すべきだったかを、行政の関係者は考える余地がある』
介護疲れと生活苦から、河川敷で認知症の母親の首を締めて殺害したとして、承諾殺人罪に問われた被告人に、「献身的な介護で尽くした息子を母親は恨んでいない」とし、執行猶予付きの温情判決を言い渡しての訓戒。
被告人は母親の介護を理由に仕事もやめ、失業保険などで暮らしていたが、保険給付が終わると生活に困窮。生活保護を申請したが「仕事を頑張ってください」と断られ、ついに家賃も払えなくなったため、借家を追い出されていたところだった。
(京都地裁 東尾龍一裁判官)2006/07/21
投稿: みそしる | 2006年7月21日 (金) 19:03