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2006年8月17日 (木)

おみくじを盗んだ男 「大吉」を引き当てたのに逮捕

>>> さい銭ドロ果たせず おみくじは「大吉」 和歌山
 盗んだおみくじは「凶」か「大吉」か――。スーパーで菓子など計995円分を万引きしたとして、和歌山県警白浜署は11日、住所不定で無職の男(28)を窃盗容疑で再逮捕した。男は7月31日、同県白浜町の神社でおみくじを盗んだ疑いで現行犯逮捕されていた。余罪を調べるなかで万引きの容疑が発覚した。
 調べでは、男は万引きの癖があり、親に「もう面倒を見切れない」と勘当されたため、万引きを繰り返しながら野宿生活を送っていたという。
 さい銭を盗みに神社に来たが、さい銭箱が施錠されていて盗めず、自分の将来を占おうと、隣のおみくじ箱からおみくじ2枚を盗んだという。1枚のおみくじは「大吉」。もう1枚を開こうとしたところ、不審に思って様子を見ていた宮司にとがめられ、同署に引き渡された。 (朝日新聞)2006/08/12

願い事  さまたげありて なりがたし

病気  手くせをなおせ

旅行  盗難に用心せよ

争事  弁護士にまかせよ

 

 ニッカンスポーツの記事によると、被疑者は犯行動機について「自分の将来がどうなるのか占おうと思った」と供述しているらしいです。

 いかがですか。 今置かれている現実が、おみくじの中に書かれていましたか。

 残念ながら、おみくじに記されている「大吉」の内容は、おみくじを盗まない人にとっての運勢なのでした。 そのへん、神社との取り引きにおける対価関係はシビアです。

 
 彼が盗んだおみくじは、1枚200円。 なので、神社が受けた被害は400円相当なのだそうです。

 万引きのクセがある人は、心の奥底で「資本主義」や「私有財産制」といった社会の仕組みに、根本的な疑念や違和感を抱えている……。 そんな、もっともらしい説があるんだそうです。 どこで読んだか、まったく思い出せませんけど。

 この被疑者は「この世界にあるもの全ては、自然界から与えられた皆の共有物だ!」という崇高なポリシーをお持ちで、「こんな紙切れに、200円も払えるか!」という疑問が湧いていたのでしょうか。

 いえいえ、「おみくじ」という、薄っぺらい紙切れの御利益は、気が遠くなるほどの歴史や伝統の重み、ありがたさで裏付けられているのですよ。 彼はそのことに、気づくことができなかったのかもしれません。

 そして、神道における営みも、「ゼニ」という俗世の価値によって初めて支えられている、という事実にも。

 
((過去の関連ニュース))
>>> さい銭2円ドロに実刑判決
 神戸市の寺院のさい銭箱から2円を盗んだなどとして、窃盗などの罪に問われた神戸市兵庫区の無職(27)に、神戸地裁は14日、懲役1年10月(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
 被告側は2円について「刑罰に値する違法性はない」として無罪を主張していたが、佐茂剛裁判官は判決理由で「現金2円は刑法上の財物。結果的にわずかな額にとどまったが、被害者からすれば参拝者が提供した浄財であり、刑罰で臨むほどの違法性がないとは到底言えない」と退けた。(ニッカンスポーツ)[2006/3/14/19:03]

((関連エントリ))
2円盗んで捕まった男(2005/11/11)

 

 弁護人が主張するように、被害額のみを観察して『可罰的違法性が無い』と切り捨てるのは、いかがなものか。その財物の性格や背景をも考慮する必要がある……というのが、判決理由の趣旨でしょう。

 
 2円盗んで、結局言い渡されたのは、懲役22ヶ月でした。

 まぁ、この被告人も万引きの余罪が多かったみたいですし、彼に対してうまいこと天罰が下るとも限らないわけですし。

 このくらいの厳しい判決も致し方ないのでしょう。

 

 で、今回の「おみくじ泥棒」の件について、記事はこう締めくくられています。

 捕まったから、もう1枚は「凶」ともとれるが、汐崎明・白浜署次長は「立ち直る機会ととらえれば『大吉』だろう」と話している。(同)

 なんだか、キレイにまとまってますけどね……。

 神社に祭られた八百万の神々を畏れぬ罪を犯した彼が、刑務所で執行される刑罰をちゃんと人並みに恐れてくれるのかどうか、それが心配です。

 彼には、懲役や罰金よりも、「毎朝、太陽の光に向かって手を合わせる」という日課を与えてみたほうが効果的ではないか、とすら思ってしまいます。

 曇りや雨の日なら、それはそれで、雲の動きをゆっくり眺め、湿気を含んだ空気のニオイを肌で感じ…… って、そんなの、野宿生活を送っとれば、すでに実践済みか。

 

 俗に、おみくじの大吉は、たいして良くないといいますよね。 『それより上が無くて、後は悪くなる一方だから』という理屈で。

 それって、大吉を引き当てられなかった連中の負け惜しみかと思っていたら、陰陽道では『陽を極めれば、陰に転ずる』として、その俗説を裏付ける言葉があるのだそうです。

 そういえば、『安倍清明ブーム』って、いつの間にか、どこか遠くへ行っちゃいましたねぇ。

 

 なるほど、代わりに訪れたのが、『安倍晋三ブーム』なのか。納得。

……って、これからはブームじゃ済まなくなりますけど。

 
 

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 ズバリ、私もいつか、こういう本を出してみたいです。

 

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