【最高裁】新長官&新判事2名
>>> 町田最高裁長官、15日の退官を前に会見
町田顕最高裁長官は11日、15日の定年退官を前に記者会見した。一般市民が重大事件の刑事裁判に参加する裁判員制度の開始を2009年に控え「司法制度改革の目玉。国民の期待に応えられるかどうか、司法全体の鼎(かなえ)の軽重が問われる。裁判所、弁護士会、検察庁の法曹三者が緊密に協力してほしい」と述べた。
02年11月に長官就任。8件の大法廷判決で裁判長を務め、思い出に残る判決として、公職選挙法の規定を違憲とした在外投票訴訟(05年9月)、周辺住民の原告適格を認めた小田急線高架化訴訟(05年12月)などを挙げた。
今月の参院選定数訴訟大法廷判決の際は「最後の法服と思うと感慨がわいた」と話し、「改革が順調に進む中で定年を迎えられ、ほっとしている。しばらくはのんびりしたい」と45年余の裁判官生活を振り返った。 2006/10/11 (21:00) 日本経済新聞
隠れ長谷川京子ファンの(まだ言うか)町田長官。 どうもお疲れさまでした。
次期長官。もう少し「若手」にいくのかと思いきや、島田判事かぁ。 ふーん、意外でしたね。 残りの任期は2年しかないんですけど。裁判員制度の開始を待たずに定年退官となりますが、頑張っていただきましょう。
【 第16代 最高裁判所長官 】
2006/10/16~2008/11/21
島 田 仁 郎 (しまだ・にろう)
昭和13(1938)年11月22日生 16期
(出身)東京都・東京大学
'64.4 東京地家裁 判事補
'68.7 名古屋地家裁 判事補
'71.4 <最高裁事務総局 刑事局付>
'74.4 大阪地裁 判事
'77.4 <司法研修所 教官>
'81.4 東京地裁 判事
'82.4 <最高裁 調査官>
'83.4 <最高裁事務総局 刑事局1・3課長>
'86.4 東京地裁 部総括判事
'89.8 <最高裁事務総局 刑事局長 兼 図書館長>
'94.3 <宇都宮地裁 所長>
'96.11 <浦和地裁 所長>
'98.9 東京高裁 部総括判事
'99.4 <司法研修所 所長>
'01.2 <仙台高裁 長官>
'02.2 <大阪高裁 長官>
'02.11 最高裁 判事
ちなみに、先月下旬の段階で、全国紙、通信社がいっせいに「堀籠幸男判事、16代長官に内定」というニュースを報じていました。しかし、読売新聞だけは何も触れていません。スクープを逃したのかと思いました。
しかし、今月2日になって、急に話が変わったんですよね。最初に「島田長官」の一報を打ち出したのは読売新聞でした。なるほど、読売の社会部記者は状況を静観していたんですね。
なかなかやりますねぇ。読売。 野球チーム以外は。
かつて、13代長官に関する人事で、当初は千種秀夫判事に内定していたのが、12代草場長官の退官3日前という段階になって、急遽、三好達判事に変更されたことがありました。ちなみに、三好長官の在任期間も2年足らずでした。
なお、当時の事情を論ずる上では結果論になりますが、1997年愛媛玉串料訴訟(護国神社に公費を支出するのは政教分離原則に反しないか)最高裁判決で、千種判事は「違憲」、三好長官は「合憲」という意見を出されてます。
ということは! と思い、今月4日に出されたてホヤホヤの参議院選挙「一票の格差」最高裁判決(15名中、違憲判断5名)をひもとくと…… うーむ、島田判事も堀籠判事も「合憲」の判断でした。
あれれれ、今回は特に関係ありませんでしたね。 そりゃ、お二人とも特にリベラルだとは思えませんし。 だとすると、いったい何があったのでしょうか。
民主的手続きゼロで、ひっそりと進められる最高裁長官人事。このあたりの事情は、なかなか生々しくて面白そうですね。まぁ、どうやって取材したらいいのか、さっぱりわからんですけど。
あ、今から読売新聞社に入ればいいのかな?(無理)
【 就任なさる新判事 】
2006/10/16~2012/02/10
(※10月15日、町田顕長官退官に伴い)
涌 井 紀 夫 (わくい・のりお)
昭和17(1942)年2月11日生 18期
(出身)兵庫県・京都大学
'66.4 東京地裁 判事補
'69.4 <最高裁 刑事局付>
'72.4 旭川地家裁 判事補
'75.4 東京地裁
'76.4 <最高裁事務総局 行政局参事官>
'77.5 <同 行政局2課長>
'79.7 <同 行政局1・3課長>
'83.4 東京高裁判事 職務代行
'84.4 <最高裁事務総局 給与課長>
'88.4 東京高裁 部総括判事
'92.6 <最高裁 上席調査官>
'93.11 <最高裁事務総局 総務局長>
'98.1 <前橋地裁 所長>
'99.2 東京高裁 部総括判事
'01.2 <司法研修所 所長>
'02.9 <福岡高裁 長官>
'03.5 <大阪高裁 長官>
【 就任なさる新判事 】
2006/10/31~2013/04/22
(※10月30日、滝井繁男判事退官に伴い)
田 原 睦 夫 (たはら・むつお)
昭和18(1943)年4月23日生 21期
大阪弁護士会 はばたき綜合法律事務所
(出身) 京都府・京都大学
(趣味) 山歩き・囲碁
1969 弁護士登録
1988 近畿弁護士会連合会 理事
1990-96 法制審議会 民事訴訟法部会 幹事
1993 近畿弁護士会連合会 理事
1995- 最高裁 民事規則制定諮問委員会 幹事・委員
1996- 法制審議会 倒産法部会 委員
1997-99 京都大学大学院 法学研究科 講師・客員教授
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