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2007年2月16日 (金)

法の番人、おさえきれない義憤

 面白かったですよ!

 ただいま公開中の映画「バブルへGO! ―― タイムマシンはドラム式」を観てきました。

 先月「それでもボクはやってない」を観に行ったときに、予告編を目にしまして、ずっと気になっていたのです。

 バブル絶頂の時代、私は中学生で、しかも九州の熊本平野に生息していたもので、大都市圏での大騒ぎについては実感がまるでありゃしないのです。 それで、物語の中で描かれていた「バブル」の、どこまでが本当で、どこまでがツッコミどころなのか、いまいち掴みきれませんでした。

 それでも、すごく気持ちよく楽しめましたよ。 こういう世界観は好きだなぁと思いながら、エンドロールを眺めていると…… 君塚良一脚本作品でした。 納得。

 登場人物がひとりも死ななくても、十分にドラマチックな展開は創れるのだ、ということがわかりましたね。 その点は「それでもボクはやってない」と通じるものがあります。

 ちょっと精神的に疲れぎみで、重たい作品はやめとこうかな、という日にはオススメです。「バブルへGO!」

 ……ということは、私はアノ日、疲れてたのか?

 ま、なんだかんだいって、広末涼子はカワイイ。 それが結論ですよ。

 さすが、常人には味わえない類の修羅場の数々をくぐりぬけてきただけのことはありますね。 クレアラシルのCMに出てたころとは、彼女から放たれる輝きが違う気がします。 ところどころサービスカットもありましたし。

 今年は映画を観に行くのもそうですが、もっと有料のエンターテインメントを、ケチらず身銭を切って、純粋に楽しみたいものです。 上京して2年半になりますが、まだ、お笑いライブにも岡本太郎美術館にも行けてないので、そういった楽しみに時間を割く余裕をつくれるよう、励んでまいります。

 ネットでのB級ニュース収集とか、裁判傍聴とか、とりとめのないトークとか、本屋での立ち読みとか、そういった0円娯楽もいいけども、最近、なにが面白くて、なにがつまらないのか、ちょっとだけ迷いが生じはじめてますので、世の中に散らばる「楽しさのシャワー」を、より積極的に浴びていこうと決めました。今。

 

>>> 判事 腹立てながら「有罪」 高齢被爆者詐欺公判

 「20年以上判決文を読んでいるが、これだけ腹を立てながら判決文を読むことはめったにない」‐。6日、高齢の被爆者の女性から現金などをだまし取ったとして詐欺と窃盗の罪に問われた長崎市の無職の男(37)に対する判決公判で、長崎地裁の林秀文裁判官が感情もあらわに、男の行為を指弾した。
 判決によると男は、昨年8月、介護士と称して市内の80代女性宅を訪れ「被爆者の医療手当がもっともらえる。手続きに費用が必要」などとうそをつきキャッシュカードをだまし取り、口座から2回にわたり現金計約20万円を引き出した。判決は懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)。
 林裁判官は「高齢で被爆者。本来助けないといけない人を食い物にした犯行で極めて悪質」と判決を言い渡し、「裁判官が非常に腹を立てていたことをゆめゆめ忘れないように」と付け加えた。
=2007/02/07付 西日本新聞朝刊= 

 

 去る2月14日はバレンタインデーでした。 そう。世の女性たちが、気になる殿方に熱い想いを伝えるため、きれいにラッピングされた全裁判官経歴総覧をプレゼントする日です。

 しかし、私には案の定「本命総覧」も「義理総覧」ももらえませんでしたので、裁判傍聴の帰りに日比谷図書館まで寄って、林判事の情報をチェックしてまいりました。

 モテるライターなら、家の本棚から全裁判官経歴総覧を引っ張りだして簡単に調べられることなのですが、その点、箸にも棒にもかからんような、しょーもない野郎の場合、よけいな手間を強いられるわけです。 つらいです。

 

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■ 長崎地裁 部総括判事 林 秀文裁判官

 はやし・ひでふみ

 1953年7月14日生まれ(満53歳)

 佐賀県出身 京都大学卒

1979.4(25歳) 高松地裁 判事補
1982.4(28歳) 熊本地家裁 判事補
1985.4(31歳) 東京地裁 判事補
1988.4(34歳) 福岡地家裁 判事補
1989.4(35歳) 同 判事に昇進
1991.4(37歳) 函館地家裁 判事
1994.4(40歳) 福岡高裁 職務代行判事
1996.4(42歳) 福岡高裁 判事
1997.4(43歳) 那覇地家裁 部総括判事
2000.4(46歳) 福岡地裁 部総括判事

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 佐賀出身の九州男児で、しかもバブル時代には福岡に赴任されていたようですね。 ふるさとの九州を中心にまわっておられることから、裁判官の中でも幸せな境遇にいる方といえるかもしれません。

 そして、長崎市という土地柄、「被爆者」というデリケートな存在をねらった犯行ということで、林判事のお怒りも理解できます。

 ただ、それでも執行猶予が出されてるんですよね。 詐欺事犯としては少ない20万円という被害額がネックだったのでしょうか。

 ネットでさらに調べてみたんですが、どうやら被告人には同種の余罪があった模様ですし、しかも現場は大浦署の管轄ですから、まさに爆心地付近ですよ。

 どうやら、裁判官というのは、執行猶予など軽めの主文を言いわたすときほど、強烈な言葉を使って被告人を叱りつけがちのようです。

 世間から「甘い」と批判されそうな結論について、少しでも穴埋めしうる説諭をして、なんとか処罰感情にこたえておきたい、という気持ちの表れなのでしょうか。

 じつは近々出る予定のデビュー作「裁判官語録(仮)」の中でも同じようなことを書いたんですけど……。 ここでネタばらししてどうする。

 ちなみに林判事は、その翌日、別の判決公判でも、判決理由らしからぬ印象的な言及をなさってます。 妊娠中の女性ら4人と胎児(※事故から1週間後に死亡)に重軽傷を負わせたという交通事故の刑事裁判です。
 

 林裁判官は「事故当時に胎児だった男児が出生後に死亡した場合も業務上過失致死が成立する」と認定。「男児は出生後ほどなく死亡し、母親から抱かれることは一度もなかった」と指摘し、「末永く冥福を祈るように」と説諭した。(2007/02/07 長崎新聞)

 

 なるほど。 林判事にとって、何かひとこと付け加えたくなる時期だったのでしょうか。 バイオリズム的に。

 

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 脊椎動物や節足動物は、皆さんもご存知でしょう。

 この世には「緩歩動物」というのもいるのです。そのジャンルに唯一分類されているのが、「地球上最強」「キング・オブ・へんないきもの」の称号を持つ微生物、クマムシくん。

 霊長類ヒト科最強といえば、マーク・ケアーですが(懐)、クマムシは、彼に踏みつぶされようとも、靴の裏のわずかな隙間に入りこんで回避するでしょう。 なにしろ体長は50ミクロンから1ミリ程度ですから。 アリンコよりも小さい。

 それどころか、「タン」と呼ばれる防御モードにトランスフォームすれば、マイナス272 ℃の超低温から 151 ℃の高温まで耐えぬき、真空状態すら切り抜けます。 カッコイイ!! そんな環境下では、さすがのビックリ人間 ケアーも、ひとたまりもありません。

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