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2007年4月11日 (水)

「かす汁」で飲酒運転?

 近ごろ、中学・高校時代の懐かしい友人たちから立て続けに連絡が来たりしてます。 こういうことがあると「本を出してよかったな」と素直に思います。

 
 
 「おぉ、ナガミネマサキ?」
 

 「新学期の自己紹介で、『たまに神田マサキに間違われます』などと口走り、思いっきりスベっとったナガミネか?」
 

 「広島に行った修学旅行のバスで、花の都 大東京~~♪などと、長渕の『とんぼ』をカラオケで熱唱しとった、空気の読めんナガミネか?」
 

 「応援団の飲み会で5分でつぶれて、校舎の屋上に放置されたナガミネか?」
 

 「学級委員のクセに忘れ物と遅刻の2冠を達成した、あのナガミネか? 懐かしいのぉ~!」

 

……などなど思っている、そこのあなた。 さぁ、レッツ・メール。

 ただし、「ニセ友達」が出現してきて、ややこしいことになるのを防ぐため、あなたが知っていて、私もたぶん知っているはずのマニアックな思い出、ローカル過ぎる懐かしのキーワード等を明記の上で、よろしくお願いします。

 

>>> かす汁で飲酒運転に 小学教諭に懲戒、処分後退職/神戸市教委
 かす汁を飲んで車を運転し、兵庫県警に道交法違反(酒気帯び運転)容疑で検挙されたなどとして、神戸市教委は26日、同市立小学校の男性教諭(52)を停職6か月の懲戒処分とした。教諭は同日付で退職願を受理された。
 市教委によると、教諭は昨年9月15日午後11時ごろ、友人宅から乗用車で帰宅中、同市西区の路上で飲酒検問を受け、呼気1リットル中0・15ミリ・グラム以上のアルコール分が検出された。教諭は「かす汁を2杯飲んだだけで、酒は飲んでいない」としたが、同法違反容疑で検挙され、罰金20万円の略式命令を受けたという。
 市教委の調査に対し、教諭は当初、検挙されたことを否定していたが、5回目の調査で事実を認めたといい、市教委は「原因にかかわらず、飲酒運転で検挙され、事実を隠ぺいしていたことから処分した」としている。(読売新聞・大阪)2007/03/27

 

 日本酒をつくる過程でできた搾りかすを「酒かす」といいます。 搾りかすとはいえ、10%弱のアルコール分が含まれているそうです。

 その酒かすを、だし汁に溶いて野菜などを煮込めば、「かす汁」のできあがり。 冬はあったまりますね。

 
【 菊正宗 『酒蔵のかす汁』 】
http://www.kikumasamune.co.jp/kasujiru/kasujiru_top.html

 
 私、食い物に好き嫌いはほとんど無いんですが、かす漬けとか奈良漬けが苦手なんですよね。 アルコールにはそんなに強くないこともあって、酒かすのニオイに違和感といいますか、あんまり好ましくない感覚があるのです。

 本件の元教諭、「酒気帯び運転」と判断された原因が、食事としての「かす汁」を事前に飲んでいたことなのだとしたら、とてもお気の毒です。

 
 

◆ 道路交通法 第65条(酒気帯び運転等の禁止)
1 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。

◆ 道路交通法 第117条の4 (罰則)
 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
 三  第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

◆ 道路交通法施行令 第44条の3(アルコールの程度)
 法第117条の4第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。

 
 

 上記の通り、酒気帯び基準には「血液バージョン」と「呼気バージョン」の2種類ありまして、そのどちらか一方でも超えていたらアウトです。

 まぁ、人間の「酔い」に直接関連するのは、血中のアルコール濃度のほうらしいのですが、飲酒検問で警官がドライバー1人ひとりに対して、いちいち腕に針をプスプス刺して血液検査しとったらラチあきません。

 なので、ふつうは「はい、フーッて息吐いてぇ」で済ませますわな。
 

 たとえば寝ている間、あなたが恨みを買っている何者かにアルコールを静脈注射されたとします(よい子はマネしないで)。 朝起きて「なんかフラフラするなぁ……」と思いつつも、通勤でマイカーに乗っていたら、うっとうしいことに検問に引っかかってしまいました。

 その場合、客観的には基準値以上のアルコールが呼気から検出されたとしても、「自分は酒気帯び運転をするつもりはなかったんだ」と主張して、そのうえで、知らないうちにアルコールを注射されてしまった事実を証明できたなら、裁判所は無罪に言い渡さねばなりませんし、警官は彼を釈放しなければなりません。

 なぜなら、彼には酒気帯び運転という罪を犯す意思 「故意」がないからです。

 
 

◆ 刑法 第38条(故意)
1 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。 ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

 
 

 同様に、かす汁に入っていたアルコール分を摂取していたことで、酒気帯び基準を超えていると認定された場合、「酒気帯び運転の故意がない」と主張する余地はあると思います。

 しかし、老舗の酒かす屋さんによると、どうも話が違うみたいなのです。
 

 「いえ、そんな(酒かす汁で検問に引っかかる)ことは考えられないと思います。酒かす汁は、酒かすや、こんにゃくなどの材料を10分間煮立てて作ります。アルコールの沸点は70度で、水の沸点は100度。煮立てている間に、ほとんどのアルコール分は飛んでしまい、0.01%ぐらいしか残りません。よっぽどの特異体質でない限り、酔っぱらうことはないと思います」(J-CASTニュース)2007/03/27

 

 では、元教諭は、その「よっぽどの特異体質」だったのでしょうか?

 だったら仕方がないところですが、とたんに元教諭の弁解は怪しくなってきます。

 ホントは飲んどったんやないの……?

 とはいえ、当日、元教諭と食事をしていたという友人の教員も、神戸市側が聴取したところ「かす汁は食べさせたが、酒類は出していない」と言っているそうなのです。

 「口裏合わせでもしているんでは?」と勘ぐりたくもなりますが、そんな証拠も特にない以上、「かす汁で酒気帯び」という主張を受け入れるしかないようです。

 どうなんでしょうね。

 先ほどの菊正宗の「酒蔵のかす汁」については、「家庭で作る本格粕汁に近づけるため、香り・味の点からアルコールを若干含んだ仕上げとなっております」という説明書きがありますけど。
 

 本件が起こったのは、昨年9月でした。 福岡・海の中道での幼児3人死亡事故で、世論がにわかに「飲酒運転憎し」で盛り上がっていたさなかです。

 それを受け、神戸市が「職員による飲酒運転は、原則懲戒免職」という指針を打ち出したのは、昨年9月26日。 ただ、本件が起こったのは15日だったため、その指針の適用外です。

 彼は飲酒運転で摘発された事実を、徹底して隠していました。 翌10月に匿名での情報提供があったことにより、学校側に知れることになったのですが、校長から繰り返し問い詰められても、なかなか口を割らなかったそう。

 今年3月、5回目の調査の段階で「ようやく」です。

 結局は旧指針で最も重い「停職6ヶ月」の処分を受け、自主退職をしたという形になりました。

 この「徹底して隠していた」という点を、どう見るかですよね。 本当に友人宅でかす汁を飲んでいただけなら、後ろめたいことは何も無いはずでしょうに。

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