証人の「ウソをつかない」旨の宣誓文が、日本各地で違うナゾ
これから裁判員制度が動き出すことになると、法廷で語られる証人の証言というものの重要性がますます高まります。
裁判員が参加する公判は、殺人事件でせいぜい1,2週間に3回など、短期間で終わらせることになっています。 となると、一般の方に大量の調書を読み込ませる負担を課すわけにはいきません。
そこで、実際に法廷でしゃべってもらい、その証言内容を聞き、証言態度を観察することで事件を把握していくわけです。 取り調べを担当した刑事や検事にも、どんどん法廷に出てきてもらうことになるでしょう。
となると、証人が法廷でウソをつかれたら、今までにまして困ってしまいますよ。 冤罪など、取り返しのつかない事態に陥るおそれもあります。
◆ 刑法 第169条(偽証)
法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3月以上10年以下の懲役に処する。
◆ 刑事訴訟法 第154条
証人には、この法律に特別の定のある場合を除いて、宣誓をさせなければならない。
◆ 刑事訴訟規則 第117条(宣誓の時期)
宣誓は、尋問前に、これをさせなければならない。
◆ 刑事訴訟規則 第118条(宣誓の方式)
1 宣誓は、宣誓書によりこれをしなければならない。
2 宣誓書には、良心に従つて、真実を述べ何事も隠さず、又何事も附け加えないことを誓う旨を記載しなければならない。
3 裁判長は、証人に宣誓書を朗読させ、且つこれに署名押印させなければならない。証人が宣誓書を朗読することができないときは、裁判長は、裁判所書記官にこれを朗読させなければならない。
4 宣誓は、起立して厳粛にこれを行わなければならない。
ところで、宣誓の文章が、裁判所によって微妙に違っていることをご存知でしょうか。
【東京高裁/地裁/簡裁】
「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」
【神戸地裁】
「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、また何事も付け加えないことを誓います」
【福岡地裁】
「良心に従い、知っていることを正直に述べることを誓います」
なぜなのでしょうか。 こんなところに裁判所の地方自治が??
こういうテクニカルなことこそ、最高裁の事務総局が全国まとめて、まっさきに統一してしまいそうなものなのに。 不思議です。
ちなみに、神戸地裁のは、国会での証人喚問のときと同じ宣誓文みたいです。
ところで、私は先日、大阪へ行ってまいりました。前のエントリでお伝えしたとおりですが、じつは、大阪地裁の法廷も傍聴してきたのです。
浪速の地では、はたしてどんな衝撃的な宣誓文が飛び出すのか?
【大阪地裁】
「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」
……あれ? 東京と同じでした。 くっそー、楽しみにしとったのに、つまらんなぁ。(←勝手)
東京と大阪が共通だということは、高等裁判所の管轄ごとに宣誓文がつくられているわけでもなさそうです。 ますますわからなくなってきました。
ところで、大阪から東京へ戻る前に、名古屋にも寄ってきたんですよね。 絶坊主さんと一緒に地裁を傍聴。 さて、宣誓文は いかに!?
【名古屋地裁】
「良心に従ってほんとうのことを申しあげます。知っていることをかくしたり、ないことを申しあげたりなど決していたしません。右のとおり誓います」
右のとおり誓います…… ということは、宣誓書は縦書きなのかと思いきや、遠目で確認した限りでは横に書いてありましたよ。 きっと、昔のなごりでしょう。
全国の他の裁判所では、どういう宣誓文になっているのか、他にどんなバリエーションがあるのか興味があります。 皆様、お気軽に情報をお寄せください。
また、このように各地で違う理由についてご存知の方も、ぜひ教えていただきたいと思います。
もうひとつ気になること。 証人が宣誓文を読みあげる際、民事や行政裁判では傍聴人も裁判官も全員が起立するのに、刑事裁判では座ったままでも怒られないんです。 あの運用もナゾですね。 あれは東京だけ?
法廷は、まだまだ私にとってワンダーランドです。
>>>>>>> みそしるオススメブログ
「志布志事件」や「富山強姦事件」など、無実の者にぬれぎぬを着せる捜査が耳目を集めている昨今。
過去のエントリでご紹介しました、熊本弁護士(元裁判官)のブログを見つけました。
袴田事件(昭和41年・静岡・4人殺害・死刑確定)の被告人について、2人の先輩裁判官に反旗を翻し、いったんは「無罪」の意見を述べた方です。
評議の場は一切非公開で、内容も他言無用なのですが、今年になって熊本弁護士はあえて、その評議内容を語りはじめました。
大学の大先輩だったのか…… 知らなんだ。
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