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2007年7月23日 (月)

大変失礼しました …「勾留」と「拘留」

 「裁判官の爆笑お言葉集」(幻冬舎新書)にて、またしても重大な間違いが発覚いたしました。ある読者の方からのご指摘です。どうもありがとうございます。

 161ページの最後のほうですね。

主人公が容疑を否認し続けて、逮捕→拘留→起訴と、みるみる泥沼にハマっていく過程も、現実のままなんでしょうね。いやぁ、怖かった。

 

 怖いのは、こっちのほうです。 「勾留」とあるべきところを、堂々と「拘留」などと書いています。

 指摘してくださったのは、20歳の学生さんだそうです。 「法律用語は正確に記述しなければいけないと思います」と叱られてしまいました。 すみませんでした。

 

 

 いずれも「コーリュー」と発音しますし、公的機関の管理のもと、強制的に狭いところで閉じ込められる点も共通してますので、似てるといえば似てるんですけど、法学を専攻した者なら、全員が「まったくの別物」と断言するはずです。

 どう違うのかを知りたい方は、ぜひ「正義の法律用語辞典」を参照なさってください。 簡単に説明すれば、「拘留」は刑罰の一種で、「勾留」は刑罰ではなく犯罪捜査の一環ということになります。
 

 少しだけ釈明させてください。 この問題の部分なのですが、初校ゲラ(本として出す形式で最初に印刷された、修正や間違いチェックのための用紙)におきまして、私が赤の手書きで大幅に追加して入れた中に含まれていたんです。

 あらためて確認したんですが、そこで私は確かに「勾留」と書いています。

 ただ、特に間違いや入力ミスなどが起きやすいところですから、遅くとも再校(2回目の間違いチェック)の段階で、「勾留」→「拘留」となっている連絡の行き違いに気づいてなければなりませんでした。

 重大な恥ずかしいミスです。 申し訳ありませんでした。 以後、気をつけます。 刑事法の初学者の皆さんは、くれぐれも間違えて覚えないようにお願いします。

 出版から4ヵ月近くも、この間違いに気づかずに放ったらかしでしたから、「うわー、『拘留』だってよ! ダッセー! さすが司法試験挫折者!」と、ひそかにクスクス笑っておられた方がいらっしゃることも仕方がありません。 「失笑お言葉集」ですね。

 また、「おまえ、ホントに初めは勾留って書いとったんか? 言い訳クサイぜ」とお疑いの方だって多々おられることでしょう。 たしかに、今なら何とでもいえますからね。 後だしジャンケンみたいなものです。

 そこで、「自弁第1号証」を示します。
 

「裁判官の爆笑お言葉集」初校ゲラ161ページの写し

 なお、「自弁」とは、自己弁護の略です。

 「どうせオレしか見ねぇだろう」という、いい加減な気持ちが出てか、もともとのコピーがだいぶ右に曲がってましたね。 コピーのゆがみは心のゆがみ。 仕方がないので、本文の活字に合わせる形で、あらためてスキャンを録りました。

 なにも別に、バカが必死に賢いふりをしたがってるわけじゃないんですよ。 ただ、この「拘留」という間違いは、私にとって致命的。 まがりなりにも「司法ライター」を自称している人間が、ド基本の法律用語を知らん、ということになれば死活問題なのです。

 裁判官の年齢を計算間違いしたとか、車掌を運転手と書いてたりとか、そういうのとはワケが違います。

 したがいまして、「たしかに間違いは認めます。 失礼いたしました。 けれども、別に『勾留』と『拘留』の違いを知らなかったわけじゃないのですよ」ということは、この場で文字を大にして言いたいのです。 いくら見苦しくても。

 現在、書籍を執筆・出版なさっている大半の方々と違って、私は他に何か本業を持っているわけじゃありませんから。 プロです。 書くこと以外にツブシが効かない、残念な男なんです。 

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コメント

はじめまして。

久しぶりにのぞいてみたら…、ようやく気づか(さ)れたようですね。

わたしは、初読の時に気づきました。早く言ってあげれば…、よかったかも。

(旧)試験では「勾留」しか書かないので、みそしるさんが、刑罰の「拘留」と間違えたとは、全く思いません。

むしろ、法律用語裏事典の「時効」のところから邪推すると、試験に出ない「刑法の刑罰」に関しては弱点のような。(だから、「拘留」と書くとは思えない。)

時効といえば、知られてない制度だけど、超メジャーな法律の「刑法」に定められている「刑の時効」があります。「刑」という表示と刑法の条文を追記された方が…。

と、今回は、他の人より先に言ってみます。(昔から言いたくてしょうがなかった! 知っててあえて記述されていないなら、本当にごめんなさい!!)

投稿: オレンジ | 2007年8月 3日 (金) 13:10

>オレンジさま

どうもご指摘ありがとうございます。 当ブログやサイトも、間違いや見落としだらけですので、皆さまからの思いやり深いご指摘によって支えられております。

投稿: みそしる | 2007年8月 4日 (土) 03:41

はじめまして。「裁判官の爆笑お言葉集」拝読しました。
タイトルが「爆笑」だったので、裁判官の常識はずれの、ばかばかしい話が載ってるのかなと期待?していたのですが、そのような内容は全然なくて、ちょっと期待はずれだったかも。というか、出版社がタイトルのつけ方がうまいというべきでしょうか。
それはそうと、ご本の中で裁判官に関する部分をどうして尊敬語で表記するんでしょうか?
ちょっと違和感を感じました。
普通文のほうが読みやすいです。

投稿: たかまる | 2007年8月13日 (月) 13:43

>たかまるさま

お言葉集を読んでくださったそうで、どうもありがとうございます。

たしかに、著者として多少のウケを狙いにいったのはたしかですが、タイトルに「爆笑」って付いている時点で、べらぼーにハードルが上がってますもんね。読者に「期待するな」というほうが無理ですよね。

裁判官に向けて尊敬語を使うのは違和感がありますか。それほど深い意味はないんですが、まず、登場する裁判官のほうが私よりもずっと年上だからですね。

あとは、一つひとつの事件・一人ひとりの当事者と真摯に向き合っている「ひとこと裁判官」の姿勢に対し、素朴な敬意をこめてのことです。

とはいえ、それほどポリシーを持って徹底して使ったわけでもないのですが。たしかに本の中で尊敬語を使うと読みにくいかもしれませんね。今後ともよろしくお願いします。

投稿: みそしる | 2007年8月16日 (木) 10:13

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