« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月27日 (木)

忘れられない年

 ガキのころは漫画家になりたかった人間が、紆余曲折いろいろあって、20年後、結局は物書きという似たような職業に就くことができました。

 デビュー作を全国各地の大勢の皆さんに読んでいただき、幅広くご意見をうかがうことができました。

 テレビ番組にも出させてもらいましたし、裁判官の皆さんの前で講演なんてやっちゃいました。

 今まで縁など持てなかったはずの人々と、たくさん知り合うことができました。

 都心のマンションにも引っ越せて、霞が関の東京地裁へ出かけるにも、隼町の最高裁へ向かうにも、地方へ取材に飛ぶにも、本当に便利な立ち位置につくことができました。

 幸せ者ですね。

 去年と変わらないのは、彼女がいないことぐらいです。 ハイ、引きずり過ぎです。

 私にとって、2007年というのは、一生忘れられない年になりました。支持してくださる方も、ご批判をくださる方も、本当にありがとうございます。

 まー、「忘れられない年」とかナントカ言いながら、たった今、「忘年会」に呼ばれて帰ってきたところなんですけどね。

 司法試験受験生を支援するベンチャー企業「MORE SELECTIONS」の飲み会にお招きいただきました。 ワケあって、私が到着したのは1次会も終わりに近づいたころだったんですが、ちゃっかり本の宣伝もさせてもらいまして、2次会ではガッツリ参加させてもらいました。

 1次会が済んだら、女性の参加者が全員帰ってしまって、そこはちょっと(かなり?)ガッカリでしたが、沖縄料理の店において、男同士でかなり有意義な話ができましたね。

 これからの弁護士は、法律だけ知っていてもダメなんですね。ちゃんと実社会のリアルな動きを肌で感じた人でないと任せられないと思います。

 法学部を出た人間の悪いクセで、「お金のことが、考えから抜け落ちがち」という弱点があります。

 もちろん、社会的立場が弱い人々の味方をしようとする熱い気持ちも大切ですし、「親方日の丸」で権力の担い手になるのも結構なんですが……

 たとえば、経済・経営の流れを踏まえて、どういうふうに弁護士活動を継続・拡大させていくかという視点がないと、せっかくの気持ちが空回りしてしまう懸念はあるでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月26日 (水)

仕事と犯罪の、ビミョーな関係

>>> 道交法違反:会社遅れると速度超過 容疑で男を現行犯逮捕

 西条西署は21日、通勤時に危険なスピードで乗用車を走らせたとして西条市の造船溶接工(23)を道交法違反(速度超過)の疑いで現行犯逮捕した。動機について「朝早く起きられなくて、(今治市内の勤務先の)仕事の時間に間に合うスピードで走った」と話しているという。 (毎日新聞・愛媛) 2007年12月22日


 これって、けっこう身につまされる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。 「遅れそうなので、タクシー拾って急がせた」ことがある方も多いでしょう。 気をつけてください。

 
 朝の5分間って、とても貴重です。  「約束の定刻」という存在が、体感時間を早く仕向けさせるのかもしれません。 逆に夜は、5分間の大切さを見過ごしがちです。

 私は、朝起きるのがそれほど苦手なほうでなく、わりと目覚まし時計が鳴る3分前とか5分前に先回りして起きたりしてしまうほうなんですが、とにかく、朝の「過ごし方」が大の苦手なんですね。

 ふとんのなかで、少しモゾモゾしてしまったり、着替えながら考え事をしてしまったり、気になる新聞記事に見入ったりしているうちに、あっという間に寝坊したのと同じような結果になり、あわてて息を切らしながら学校へ駆け足で向かったり、高校だと自転車を飛ばしたりするハメになってたわけです。

 このクセだけは、本当に治りませんでしたね。 自慢じゃないですが、あわてすぎてランドセルを忘れたことがあります。

 小学校の低学年のうちは、近所の同級生と一緒に登校するようにしていたんです。

 しっかり者の彼が必ず先に準備を済ませて迎えにきてくれるのに、「ゴメンばってん、先に行っとって……」と、私や母が謝るという、ダメダメパターンの固定された毎日が繰り返され、そのうち、一緒に行く約束もなし崩しになってしまいました。 悪かったなぁと思います。

  この、お寝坊さん被疑者ですが、不特定多数のスピード違反を取り締まるネズミ取りに捕まったわけではないようです。 「毎朝、猛スピードで走っていくクルマが危ない」という近所の苦情を聞きつけた警察が、彼を狙い打ちしていたそうですね。

 「まさか捕まらないだろう」という油断が命取りに。 くわばらくわばら。

 

>>> 虚偽申告:「強盗に襲われた」実はウソ、本当は出勤したくなかっただけ

 会社に行きたくないため「強盗に襲われた」とうその届け出をしたとして、南署は15日までに、東大阪市の男性会社員(22)を軽犯罪法違反(虚偽申告)容疑で取り調べた。近く書類送検する方針。

(中略)

 会社員は節電器を電話販売する会社に勤めているが、「営業成績が悪く、けがをすれば出勤せずに済むと思い、拾ったカミソリで切った」などと話している。 (毎日新聞・大阪) 2006年11月16日

 

 あぁー、追い込まれちゃったんでしょうね……。

 見る人が見れば、たとえば優秀な営業マンの目には「甘えたマヌケニュース」みたいな感じに映るのかもしれませんが、与えられたノルマをこなす仕事なんて、この私にだって絶対に務まりません。

 そこまでの強靱な精神力を持ち合わせてないため、この彼をとても責められませんね。 むしろ、気の毒だなと同情してしまいます。

 営業って、「相手ありき」の職種だと思いますので、向いてない人にとっては、結果を残すことが過酷な道のりになるかと思います。 恋愛と一緒です。


……えーと、なんか引きずってますかぁ?  自分。


 次は、似ているように見えて、だいぶ事情の違うニュース。

 

>>> 虚偽申告:高岡の強盗未遂、実はうそでした バイトに行きたくなくて

 高岡市横田本町の会社員男性方から8月23日午後、「泥棒に入られた」という110番通報があった事件で、高岡署は10日、「虚偽の申告で、犯罪の事実はなかった」と発表した。

 同署によると、会社員の三男(17)が「留守番をしていたら刃物を持った男が入ってきた」などと話し、母親が通報したという。三男は「アルバイトに行きたくなくて、うそをついた。大事になるとは思わなかった」と話しているという。同署は強盗未遂容疑で捜査していた。 (毎日新聞・富山) 2007年10月11日

 

 おととしの六本木ヒルズだったか、バイト先で金を盗んだのをごまかすために、「強盗に襲われた」とウソを申告し、自傷行為までしてウソを裏づけようとした男がいました。 今はお休み中のメールマガジンでご紹介した覚えがあります。

 ほかにも今月、大阪で、生活保護のお金をもう一度もらうために、「生活費を盗られた」とウソをついた人が逮捕されています。

 お金がらみなら、まだ理解の範囲内なのですが、「だらしなさ」が引き起こした虚偽申告というのは驚きです。 まだまだ、私のだらしなさなど甘っチョロいものだと思い知りました。

 んーと、たぶんねぇ…… 犯罪おかさなくても、休ませてくれると思いますよ。 バイトって。

 
 

◆ 軽犯罪法 第1条 (軽犯罪)
 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

  十六.虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者

 
 拘留 … いわば「1日~29日の禁固」のこと
 科料 … いわば「1,000円~9,999円の罰金」のこと

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月25日 (火)

「M-1グランプリ」と「司法試験」と「お見合いパーティー」の共通点

 今年のイブは振替休日かぁ。

 クリスマスイブの夕方に出歩いても、みじめじゃない方法! 実施完了!

 ちゃんとスーツを着て、手提げカバンを持ちつつ、胸張って風を切るように街を闊歩するのです。 休日出勤帰りの「デキる」ビジネスマンのフリして周ればいいんですね。 

 もっとも、私の場合、あんまり胸を張りすぎると腰痛が再発しそうなので、そこは加減が必要です。

 それで、服とかスニーカーとかを買い物していれば、周囲の目に対して「これから、おめかししてデートなのかな」と、雰囲気を偽装表示することが可能となるのです。

 内心におけるみじめさは否めませんが、それは押し殺しましょうね。

 

 司法浪人時代、12月24日は、心の底からズッポリ沈んでましたよ。 よりいっそう寒さが増しましたデスよ。 司法試験予備校の自習室ってのは、福岡のベタな繁華街・天神にありますから。 しかも、夜9時という絶妙な時間帯で閉め出されますしね。

 街に散在する数多の"アッチッチ"を尻目に、「ふーん、なるほどねー」「そっちはそういうパターンねー」「わかったわかった、ハイハイ」「こんな男のドコがイイんだ? オイ」などと、心の中で毒づきながら地下鉄の駅にもぐり、もぐってからも何も見えないフリして、終始テキストや問題集に目を落として家路に就きます。

 「くっそー、日々の努力が地味すぎる。 絶対に合格してやる……。 合格して、肩書きに寄ってくるツマラン女どもを、全員ふってやる」と、当然その目的を果たすためだけに弁護士になろうとしていたんですが、どうやら司法試験考査委員の爺さんたちには、そのいかがわしい動機をすべてお見通しだったようで。 サスガです。

 そのあとに、2年半のワーキングプア期間を経て、いちおうマトモに物書きで仕事をいただける立場になりましたが、32年間生きてますし、どれだけ仕事が楽しくても、恋愛の楽しさはまた別だということも、いちおうそれなりに知っております。

 だから、こだわっちゃうんです。

 

 おとといには、カップリングパーティーに初めて出席してみました。 男女比が15:15。 どうやら、段取りをわかっとらんのは私ぐらいだったみたいで、ほかの人たちは、ほとんど常連さんみたいでした。

 最初に「プロフィールカード」というのを書くんですが…… 何を書けばいいか困りましたね。 とことん思い知らされました。 自分がいかに、仕事以外の楽しみを持ってこなかったかということを。

 
 

趣 味        : 読書 ・ お笑い鑑賞

 

好きな食べ物    : 米

 

好きな音楽     : 奥田民生(ユニコーン)

 

好きな異性のタイプ: 明るい人

 

休日の過ごし方  : 本屋で立ち読み


 

 こういうプロフィールカードを相手と交換して、まず1人あたり2分間のトークを繰り返します。 2分は本当に短い。 「自分はこういうパーティが初めてなんですけど、何がどうなってるんですかねぇ?」という初歩的なシステムの話題だけで、最初の女性とは、あっという間に終わってしまいました。 もったいなかったかも。

 ある人が、私のプロフィールを見て、笑いながら「すごく正直ですね」と言ってくれました。 正直かねぇ。 これでも、趣味の欄から「化石鑑賞」とか「B級ニュース収集」というのを省略してますので、そのくらいの空気は読んでるんですけどね。

 こういう場合、ちょっとは自分の人格を飾りつけたほうがいいんでしょうか。 うーむ、飾ったところで、その飾りを好かれても仕方ないし。

 ということは、他の男性メンバーのプロフィールは、「映画鑑賞」「旅行」など、当たりさわりのない感じなのか、あるいはハッタリ混じりでウンザリなのか。

 

 第一印象では、3人の女性が自分に投票してくださったようです。 私の投票とは惜しくもすれ違っていましたが、うれしかったので、その後のフリータイムは、結局その3人の女性としか話してませんでした。

 

自分 「M-1、誰が優勝すると思う?」
相手 「あたしはキングコングかな」
自分 「うわー、そっち方面かー!」
相手 「そっち方面って何?(笑)」
自分 「意外と、トータルテンボスが抜け出たりするんじゃないかね。 急に去年から面白くなったし」

 

 という、他愛もない話で盛り上がる(しかも今思えば、どっちの予想も、イイ線ついちゃってたが。 キングコングのふたりも、前回とは比べものにならんほど腕を上げているのが伝わりましたし)などしていると、横から別の男性メンバーが割り込み、いきなり落語の話を持ち出してきたりして、けっこう過酷な戦いですね。

 まぁ、結果的に、誰とも両思いにならずに帰ってきました。 選ぶのは女性の側ですからね。

 
 

 「あんな短い時間で判断されてたまるか」という気持ちは残ったものの、それは女性の側も同じでしょうから、お互いさまです。 それは置いといて、まだまだ自分の振る舞いには改善の余地はあったなぁとも思いました。

 与えられた時間の枠内で、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう目指すことが、あの種のパーティーでは実力として求められるのでしょう。 要するに、M-1グランプリや司法試験と、根っこは同じです。

 まぁ、M-1や司法試験みたいに、全国トップクラスの水準を志向して自分を追い込む必要まではないものの、ちょっといろいろ考えてしまいました。 「オレ、何やっとるんだろう」とか。
 
 少なくとも「迷走中」なのは、自分でも感づいてますが、仕事一辺倒というアンバランスな生き方は、かえってモロいような気がすると思い始めました。

 というより、自分だけのために頑張るのが、だんだんしんどくなってきたというか……。 こりゃ、歳のせい?

 
 

 残る課題は、今まで興味があったんだけれども、出不精で未だ最初の一歩を踏み出せてない場へ、これからキッチリ出て行くことか。 まず、気軽に連絡を取れる女の子の友達ぐらいいないと、何も始まらないので。

 たとえば料理教室とか? ……料理しながらなら、話すネタには困りません。 別に独身女性に限らず、お世話好きの主婦の皆さんに混じって「だれかイイ人紹介してくださいよー」なんて会話するのも、それはそれで楽しそうですし。 旦那さまのグチも聞かされそうで怖くもありますが。

 社交ダンス(特にサルサ)にも関心があります。 腰の不安が解消されたら、門をたたいてみようかと。

 運動神経はブチ切れてますが、踊るのは嫌いじゃないんですよ。 元応援団員ですし、広い意味では元ダンサーでしょ? 「おまえは演舞を覚えるのは早いが、忘れるのも早い」と、先輩にイヤミ言われてました。

 あとは、博物館や美術館をめぐったりもしたいなーと。 ぜひ行きたいと願ってたはずの「岡本太郎美術館」と「目黒寄生虫館」と「ブレーキ博物館」には、未だに行けてませんし。 何かのついでに立ち寄れば済むことはわかってるんですけど、なかなか。

 ごちゃごちゃ書いてないで、さっさと行動しろっちゅーことなんですが。

 年明け早々、取材旅行で、沖縄や関西・四国方面をまわろうと企んでますが、仕事柄、プライベートの時間をやりくりするのも自分次第ですので、たまには東京に戻って、内向きと外向きのスイッチを交互に切り替えながら楽しんでいきます。 そういう楽しむ感情は、文章にもにじみ出るのかなと思いますし。

 

 まぁ、本来は「友達の紹介」的なかたちで知り合うのがオーソドックスなんでしょうが、既婚の連中に頼んでいても、なかなか紹介がまわってこないのは、私の人望の無さゆえなんですが。

 ある友人は、「オレは学生結婚できてラッキーだった」とか言ってますし……。

 みなさん、どうやって出会ってるんでしょうか。 難しいねぇ。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2007年12月24日 (月)

日本の役人にゃあマネできぬ!? 小粋なロマンティック地方条例

アメリカ・ユタ州 ソルトレイクシティ条例 2-3-8(e)


  ALTITUDE EXEMPTION FOR FLYING REINDEER ON CHRISTMAS EVE

  On Christmas Eve only, flying reindeer and any cargo they may be towing shall be exempt from the 2,000-foot height restriction and other provisions of Section 2-3-8 of the Revised Ordinances of Salt Lake City, Utah, 1965.

 
 

 クリスマスイブに限り、空を飛ぶトナカイと、それらが引いている貨物については、高度制限(上空600メートルより高いところを飛行すべきとする規制)の適用から外す。

 
 〔 NHK総合「びっくり法律旅行社」 2007.12.21放送分より 〕

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月22日 (土)

キャラ化するニュース

 やっぱり、ギックリ腰でした。

 水曜日にカイロプラクティックに行ってきて、そう診断してもらったんですけど、まだ神経の炎症がひいてなくて、骨の矯正ができないらしく、明日に延期してやってもらえます。

 今までは「絶望的」といっても大げさでないほど、ほとんど何もできずにいたんですが、腰痛の炎症をひかせるため、腰まわりに湿布を貼りまくったところ、まだ不安は残るものの、だいぶ日常生活に復帰できるようになりました。 

 それにしても、今週は腰痛で寝込み続けてたおかげで、もともと散らかってた部屋が、さらにトッ散らかってしまいましたな。 ゴミとか洗濯物とか茶碗とか……。

 私は、ひとりでいるのを寂しいとか悲しいと思ったことが全く無く、むしろ誰かとつるんでるときのほうが、たまに悲しさを感じてしまうタイプでございます。

 それこそが、32歳でいまだ独身である根本原因なのでしょうが、たとえばインフルエンザとか今回みたいな腰痛で、まともに身動きがとれず、身の回りのことができないときは、「あー、彼女が欲しいなー」と、なんとなく思ってしまいますね。

 こういう考え方は、恋人というより、自分専用の介護士が欲しいと願っているという、じつに最悪の発想なわけですが。
 
 

 いいんです。いいんです。

 私にだって、恋人ぐらいいます。

 私が恋する相手はねぇ……

 法律なんですよ。

 

 …

 ……

 って、そりゃたしかに、法律の仕組みを面白いと思ってた時期もありましたが、司法試験で7年も腐れ縁やってりゃ、倦怠期すら通り越してますよ。

 食欲ないときに、法律が、おかゆ作ってくれるか?
 

 うー。寒ぅ。 芯まで冷えるぜ。

 大学時代の友人が最近結婚したんですが、そのきっかけが、なんでも「お見合いパーティ」らしいんですね。 大学時代の友人が最近結婚したんですが、そのきっかけが、なんでも「お見合いパーティ」らしいんですね。

 ……へぇー。 けっこう厳つい野郎なんですけどね。 意外。

 そうなんですよね。 近ごろは恋愛が自由になりすぎて、逆に選択肢が狭まっているというか。 かえって手近な相手で済ませたりして、付き合った後に後悔したりしてる連中が多いような気がします。

 お見合いパーティかぁ……。 ちょっと他力本願なイメージが無きにしもあらずですが、連絡先を聞くまでの道のりは自力でやらなきゃいかんし、時間制限もあるんだから、むしろ自由恋愛より過酷な気もします。

 私も試しに、そういうやつに行ってみることにしました。 12月23日、日曜日に予約してます。

 

 世間は、やはり例年と変わらず、判で押したようにクリスマス気分で浮かれています。 世間が浮かれ果てた結果として、スイーツ業界やら玩具業界・宝石業界・ホテル業界・イルミネーション業界やらケンタッキーだとかが潤うわけです。

 いいんじゃないですか。 みんな、モノを介して幸せそうに振る舞って。

 あーあ、寒いなー。

 そんな時期に「彼氏がいません」と、堂々とお見合いパーティにやって来る女性って、個人的にわりとタイプですけどね。 むしろ素晴らしい。

 そうなんですよ。「クリスマス直前だから格好悪い、恥ずかしい」と、見栄を張って敬遠するようなツマラン女は、自動的に振り落とされてるでしょうから、12月23日という日程は、意外と正解チョイスかもしれません。

 あ、そう思ったら、けっこう楽しくなるかもしれんなぁ! 日曜日!

 
 さぁ、年末までもうひとふんばり、がんばるぜ。 彼女もおらんくせに腰を痛めている場合じゃないのです! 下ネタかよ!

 

>>> バービー、元恋人のケンと「復縁」へ

 世界で愛されている人形のバービーが、2年前に別れた元ボーイフレンドのケンと「復縁」することになった。米玩具大手マテルが9日、明らかにした。

 同社は先月、業績低迷の原因はバービーの売り上げ不振にあると発表しており、今回の復縁劇で売り上げ回復を図りたい考え。

 マテルは2004年2月、バービーとケンは互いに別々の時間を過ごしたいとして、43年間の交際にピリオドを打ったと発表していた。

 バービーと別れた後、ケンはジムに通ったり、スタイリストの手にかかるなどしていたもようで、ボードショーツに白いTシャツというビーチウエア姿を披露している。 [ニューヨーク 2006年2月9日 ロイター]

 

 「互いに別々の時間を過ごしたい」って、バービー人形と男は、セット売りじゃないですよね。 もともとパッケージは別々じゃないでしょうか。

 43年間の交際…… 内縁関係だったら金婚式も間近ですが、その関係にピリオドを打っておいて、結局ヨリ戻したんかい!

 すごいな、バービーちゃんは。 メーカーサイドが、どうして別れさせたのか、逆に聞きたい。 マーケティング戦略としては、とても有利な話題性とは思えないのですが。 恋人同士、「抱き合わせ」で買わせるほうが都合がいいですよね。

 それにしても、ビニール人形ですら幸せに恋愛しとるのに…… マジでねぇ、オレは何やっとるんかと。

 どうでもいいですけど、男子はなぜ、女子のバービー人形を脱がせようとするんでしょうか。 本能?

 

>>> 裁判所 誤ってミッキーマウスを証人として召喚

 イタリア・ナポリの裁判所が、ディズニーのキャラクターのコピー商品をつくった罪で起訴された中国人被告の公判に、誤ってミッキーマウスやドナルドダックなどを証人として召喚してしまった。

 裁判所書記官の書類作成ミスが原因で、書き直しのため公判は延期される見込みという。

 ディズニー側弁護士は「キャラクターたちが出廷しなかったからといって、罪に問われることはないだろうね」とチクリ。(AP/夕刊フジ) 2007/12/05

 

 いやいや、ミッキーやドナルドに出廷させてくださいよ。 裁判所の法廷をも、夢のワンダーランドに変えてみせてこそ、ディズニーイズムの本領発揮ではないでしょうか。

 
 「やぁみんな! ミッキーだよ!  ボクの良心にしたがって真実を述べるよ! そうだよな? ドナルド!」

 「クヮクヮクヮ、もちろんさ!  このドナルドだって、何ごとも隠さないし、偽りを言ったりしないさ」

 
……なるほど、おもしろい。 傍聴希望者が殺到しそうです。

 かの国のニセブランド商法にも困ったものですね。 まぁ、聖徳太子だって、随や唐の文化をパクることによって日本の文化を発展させてきたわけですけど。

 だから、心情的には、日本製の作品が中国に多少パクられても仕方がないのかなぁと思いますが、中国の場合は、オリジナルを吸収して「発展」させるという思想に欠けるため、知的財産法的に問題となってるんです。

 
 4月頃に、日本のアニメやディズニーのキャラクター作品を盗用している遊園地が世界的に報道され、話題となりました。

 22世紀どころか、まるで30世紀の異次元空間からやってきたような疑似ドラえもんが、園内を闊歩してたり、ひげがヨレヨレの、疑似キティちゃんもいましたね。 かわいそうに。

 盗用の仕方が、あまりにも中途半端で、かえって笑えたため、個人的には新たな価値を生み出したオリジナルだと評価したいと思います。 ウソです。

 

>>> キティちゃんJR止める

 15日午後7時55分ごろ、大阪市都島区中野町の大阪環状線桜ノ宮駅を出発しようとした、桜島発天王寺行きの外回り普通電車(8両編成、乗客約800人)の運転士が、ドアが閉まっていることを示す表示灯が点灯しないことに気付いた。確認したところ、5両目のドアに「キティちゃん」の人形(約2センチ)が挟まっているのを見つけた。

 運転士らは、乗客からドライバーを借り、人形を取り除いたうえ、運転を再開したが、大阪環状線の計11本が運休。最大18分の遅れが生じ、約2万人に影響した。

 JR西日本によると、人形は携帯電話のストラップの一部とみられ、持ち主は分かっていないという。同社は「携帯電話のストラップが挟まり、電車の運行に影響が出るのは聞いたことがない」と話している。 (産経Web)2007.11.15 23:47

 

 「アリの穴から堤が崩れる」といいますが、「猫のヒモが電車を止める」……ちょっとしたことから大事は起こってしまうものですね。 

 ドライバーを持ち歩いていた乗客はお手柄ですが、もし、それがマイナスドライバーなら、ピッキング防止法や軽犯罪法に引っかかるおそれもあるところです。 野暮なこと言えば。

 今年のはじめ、バイト帰りの午後11時、JR赤羽駅で、私の乗っていた電車が原因で緊急停車したことがありました。 ブルブルガタガタの震えた声で、乗客にお詫びしていた車掌さんの声がスピーカーから聞こえてきたのは印象的です。

 やはりJRのなかでは、電車の運行トラブルでダイヤが崩れることが、まるで犯罪であるかのように扱われている模様です。 運転手や車掌は生きた心地がしなかったのかも、とお察しします。

 以前に、ヘビやシカが電車を止めたニュースをご紹介したことがありましたが、今回はキティちゃんのおかげで、起こるはずだった何らかの事故が防がれたと考え、運命のいたずらと捉えたほうがいいのではないでしょうか。 精神衛生上。

 私たちは日常生活を送るなかで、つい慣れすぎて忘れがちになりますが、日本の電車における運行の正確さは異常なんですよね。 鉄道旅行で時間が読めるという状況は、世界的にみると考えられないことです。

 たぶん、電車が2,3分遅れたぐらいのことで、いちいちクレームをつけてくる輩がいるんでしょうね。

 もはや客観的には死語ですが、「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」といわれたコピーが、いまだ生き生きと皮肉に突き刺さります。

| | コメント (0)

2007年12月17日 (月)

疑わしきは、被告人の利益に

 立ったり座ったり着替えたり食べたり、日常生活における大半の姿勢が苦痛です。

 「こんな何気ない姿勢にも、腰が大いに関係していたとはな。 ありがとよ、腰」と、腰に感謝する気持ち半分、「もうカンベンしてくれ、腰」と、懇願する気持ち半分。

 恥ずかしいことに、きのうの晩、ギックリ腰になってしまいまして、動けません。

 一日中、座椅子に座りっぱなしでパソコンを打ってたのがマズかったようです。立ち上がろうとして、若干からだをひねった瞬間に……、やっちゃいました。

 そういえば、おととしにも一発やられてますけど、数千円の出費が惜しい時代でしたし、カイロプラクティックに行かずに治しちゃいました。 だから、ぶりかえしてしまったのかも。

 今度こそ、痛みが治まってからでも、ちゃんと骨を矯正しておかないと怖いですね。 まだまだイケると思いこんでいても、寄る年波には勝てぬぞよ。じわじわガタが来とるんです。

 あわててネットで調べたら、2~3日の安静が必要とのことなので、今回は寝床の上で横になりながらブログを更新している失礼を、どうぞお許しください。

 脇腹を下にするポジションで寝て、ゆであがったエビのように丸まり気味でいなきゃならんそうなので、片手でキーボードを打っております。

 

 あーあ、実はですね、先週青森にいたぐらいから、少し腰の筋肉がこってる感じがしてたんですよね。 あの時点で、ホテルで素直にマッサージを頼んでおけば、こんなことにならなかったろうに。

 

 マトモに日常生活も送れない状況でして、おとなしく寝ているべきなのですが、それでも、今日は無理して裁判傍聴に行ってきました。 3年半前、埼玉県で韓国人の男性が同居中の女性を殺害したとして、一審で懲役13年を言いわたされた控訴審の判決公判です。

 開廷前、以前に雑誌で対談させていただいた北尾トロさんと、少しお話を交わしました。

 「どうなるかねぇ…… 判決」 「どうなるでしょうかねぇ」と。 北尾さんも私も、今年1月の控訴審第1回公判から今日まで、裁判を断続的に観てきました。

 マスコミではほとんど採りあげられていませんが、本件は冤罪の可能性が高いです。

 被告人は、許された滞在期間を超えて日本にいたため、最初は入管難民法容疑で逮捕されましたが、殺人容疑での再逮捕後、それまでほとんど知らなかった日本語を勉強しはじめ、拘置所からマスコミ各社にあてて、無実の自分が殺人事件の犯人として拘束されている状況を説明した書簡を送っています。

 一部スポーツ紙のみが、本件を「第二のゴビンダ事件」として記事で採りあげ、そこから少しずつ支援の裾野が広がっていったのです。

 ゴビンダ事件の支援者が、彼にスーツを買って贈ったといいます。無罪が推定されているのに、着古した服で法廷に出るのは問題だという意識からです。

 10月に、小菅の東京拘置所に行って、被告人の彼と面会をしてきました。「お言葉集」とスナック菓子を差し入れ。

 「何か好きな日本語はありますか」と尋ねると、「日本語で知っているのは多くが裁判用語で、あまりない」との返事。

 11月からキムチを食べるのが解禁されるので楽しみ、と話していましたが、今度の刑事部に、裁判体には加わらないものの、一審で有罪判決を言いわたした張本人の裁判官が異動してきたとのことで、それが少し心配と話していました。

 ただ、たとえ裁判官らの雑談で、被告人を有罪に導くような話の流れになっていたとしても、それは裁判の証拠ではありませんので、認定の基礎とするのは慎んでもらわなきゃ怖いです。

 私が「原田國男裁判長は、刑事裁判の論文をたくさん書いている理論派だし、無罪判決をわりと出している方だから、期待できるんじゃないか」と言うと、彼は顔を真っ赤にして、涙声でお礼を言ってくれました。

 今となっては、単なる気休めの言葉にしかなっておらず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 本日13時30分、東京高裁805号法廷。

 弁護側の控訴は棄却されました。 懲役13年という原審判決を維持する宣言です。

 被告人は、弁護人に主文の意味を小声で説明されて涙を流し、「もう聞いてられない! こんなの裁判じゃない!」と3人の裁判官を怒鳴りつけ、自主退廷しました。

 閉廷後に、3人の弁護人が憔悴しながらも、傍聴人に向けて判決理由の内容を説明してくださいました。 「何か質問はありますか」と尋ねられましたが、弁護団に対しては何もありません。 ただ、裁判官に対する質問が山ほどあるだけです。

 いちおう、被告人に「サイコーですか? 最高裁!」にサインしてプレゼントしようと思って、カバンのなかに用意してたのですが、手元に残ることになり残念です。 (こんなの

 大学で第二外国語に朝鮮語を履修していました。 今となってはハングルで自分の名前を書くぐらいが精一杯ですが、私がかの国で、殺人犯だと決めつけられたなら、やはり彼と同じように朝鮮語を勉強しなおして、理不尽と闘うほかないのでしょうか。

 ますます彼は、日本の司法を憎んだでしょうね。

 でも、わかりませんよ。 彼はこの殺人事件の真犯人であって、私たちをだまし続けているのかもしれません。

 仮に、彼がウソ八百を並べた真犯人だとしましょう。

 気になるのは、殺害の動機が見あたらない点です。

 被害者の女性は、広島で韓国エステ嬢として働いていて、彼はその店の雇われ店長でした。しかし、そのふたりの仲をねたんでか、オーナーのおばちゃんが、ふたりを追放したのです。

 結局埼玉まで逃げてきて、ひとつ屋根の下で二人は生活し始めます。一緒に買い物したり、彼女の職探しを支援したり、性交渉もあったようですが、一方で、それぞれのパソコンでチャットで会話するなど、付かず離れずの関係にあったと認定されています。判決理由でも「犯行動機は判然としない」と認めちゃってます。

 他方、被告人が埼玉に発送しようとした荷物を、オーナー側が勝手にキャンセルして取り戻した事実もあります。被告人らの居場所を突き止め、追跡しようとした可能性は捨てきれません。

 事件発生の前に、彼が部屋を出て行くときの、彼女との出来事を話す際、涙声で、しかも思わず日本語から朝鮮語に変わった被告人質問の場面が忘れられません。

 アリバイの主張も、事件当時の彼の記憶があいまいなため、客観的事実との食い違いが見られますが、一部は目撃証言と一致しています。

 被害者の首に絞められた携帯電話のコードと、被告人の指に残った筋状の痕跡が一致するそうですが、コードが強く締められ、きつい結び目をほどこうとして付いた可能性もあります。その疑問が解決されていません。

 被告人は、好意を抱く女性が変わり果てた姿になっていることに衝撃を受けながら、この状況だと自分が怪しまれると考えるのが自然です。 自分が触れてしまったコードをどうすべきか、当惑したでしょう。

 被告人は、ほどいたコードを近所のコンビニのゴミ箱に捨てていますが、それをもって裁判長は「逃亡・証拠隠滅」と認定しちゃってます。 本気で隠したければ、まず埋める場所を探すでしょう。 そもそも、なぜ逃げようとせず、あっさり捕まったのでしょう。

 また、最初の取り調べ段階で、供述内容が変遷している点を指して、真実を述べているとは言い難いとあっさり認定したようです。

 取り調べの初期段階で、被告人の供述内容の多くは証拠で裏付けられています。 少なくとも逮捕直後は、本当のこと(少なくとも、自らが認識しているとおりのこと)を話しているのです。

 では、仮に無実の罪で拘束され、本当のことを言えば、ますます捜査側から怪しまれると気づいたとしたら、人はどうするでしょう。

 供述内容が時を経るにつれ移り変わっているのは、有罪の証拠にも無罪の証拠にもならず、ただ、被告人が動揺しているのを示す資料となる程度のもの、というべきです。

 弁護人は、被告人の無罪を立証する必要はありません。 税金も人材も資材もたっぷり犯罪捜査に注ぎ込める検察のほうに、有罪の立証責任があります。 弁護人としては、その立証の合理性を少しでも突き崩せば、十分に反論として足ります。

 これだけ検察官の有罪主張に疑問があれば、裁判所は無罪を言いわたすのがルールです。 裁判官ほどの優秀な頭脳があれば、少ない情状証拠から有罪の理由付けをこじつけようと思えば、いくらでもできてしまうでしょうが、それは極めて危険です。

 「罪を犯したかどうか、証拠からは疑わしいような被告人を無罪放免にしてたら、真犯人までシャバに出してしまうことになりかねない」という批判が、当然考えられます。 残念ながら、こればっかりは、人類の知恵の限界というほかないのです。

 裁判所による有罪判決だって、ほかならぬ国家権力の発動場面ですから、あくまで必要最小限、抑制的でなくてはなりません。

 まぁ、起訴された刑事事件の99.918%が有罪判決(2005年)なんですから、日本の裁判はタテマエに反し、お世辞にも抑制的とはいえませんが。

 裁判官は、犯行現場を見たわけではありません。机のうえでキレイに整えられた数々の証拠を見たにすぎないのです。ちょっとでも真犯人であることに疑いが生じたのなら、有罪を言いわたして強制的に自由を剥奪することは、ためらわれるべきなのです。

 人類が、タイムマシンかタイムテレビでも新たに発明しない限り、「そのとき、その場所で、何が起こったのか」、物的人的証拠や、検察官が描いたストーリーを見聞きして、裁判所は「知った気」になっているだけなのです。

 もっとも、タイムテレビの記録を、裁判所が証拠能力ありと認定するかどうかは別問題ですが。

 その「知った気」が「確信」に変わらない限り、グレーが限りなく黒に染まるまでは、有罪にしないのが刑事裁判なのです。

 もしかしたら、司法作用をだまし抜いて罪を逃れる真犯人を、私は擁護しているように読み取られるかもしれません。 まぁ、そう見えたら見えたで、仕方のないことです。

 身に覚えもない罪でムリヤリ裁かれるような目に遭わされることに比べたら、そんな批判は痛くもかゆくもありません。

 極端な話、無罪を言いわたされた真犯人と、刑期を終えて出所した真犯人とで、その後の再犯のリスクにどれほどの違いがあるでしょうか。

 

 物書きという職業は、名誉毀損罪や侮辱罪などで検挙される可能性と、常に隣り合わせですが、まぁ、それは自分自身で気をつけようがあります。

 ただ、私は、明日とつぜん、いわれもない人殺しの罪で逮捕されるかもしれません。そんなリスクは、回避しようがありませんよ。 それが、ただ怖いだけなのです。

 誤認逮捕までで済むなら、まだ救いがあります。ぬれぎぬ着せたまま有罪判決を漫然と確定させてしまうなら、それは司法の敗北を意味します。

 私には同居人がいないので、「被害者に一番身近な存在が疑われる」という、多くの冤罪のパターンには当てはまらないかもしれませんが、平々凡々と生活している私の家族や近しい人間が、ムリヤリ牢屋にブチこまれるとすれば、絶対に許すわけにはいかないのです。

 だから「疑わしきは被告人の利益に」を鉄則として例外なく徹底してもらいたいと思っています。 この鉄則を軽く扱うほどの勇気は、私にはありません。

 「疑わしきは被告人の利益に」「疑わしきは罰せず」とは、人類が獲得した、いい意味での「あきらめ」だと思っています。 むしろ、そう思わないとやってられない、といいましょうか。

 

 腰痛で集中できず、文章が固く、しかも取っちらかってしまい、すみません。でも、今日だけは、どれだけしんどかろうと、なんとしても更新しなければならないと思いました。

 本件は上告されるそうですが、依然として被告人は東京拘置所にいます。

 もし、腰が痛くて動けない日があっても、きっと自由に横にはならせてくれないのでしょう。 拘置所のなかでは。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年12月14日 (金)

栃木・小山市 「昭和の巌窟王」の石碑

 きのう、宇都宮地裁でまたしても、お目当ての裁判官に出会うタイミングを外しました。 おかしいなぁ。 担当曜日のはずなのに。

 まぁ、宇都宮なら、いつでも行けるかなと思いますので、また向かうまでですけど。

 今日は、宇都宮から南へ電車で20分ほどの「小山」というところに来ました。 新幹線が停まる駅だけあって、わりと開けた街並みが広がっていますが、私のお目当ての場所までは、JR小山駅から7キロぐらい離れています。

 タクシーで行って帰ってくれば済むんですが、それじゃあ、あまりにもつまらんなと思い、ためしに自分の足で向かってみることに。 クルマで通り過ぎたら気づかない発見があるんじゃないかと。

 途中で、けっこう小ぎれいな、小山簡易裁判所の庁舎と遭遇しましたよ。 

096 
 

……うーむ、でも、そうそう面白いモノは見つからんか。 甘かった。

 それより、私が目指している「昭和の巌窟王」の石碑は、まだまだ姿が見えません。 見くびっていました。

 吉田石松さんは、大正2(1913)年に強盗殺人の罪で誤認逮捕され、無期懲役の判決を言いわたされます。

 仮出所ののちも、名誉回復のため、確定判決を覆す「再審」の申し出を繰り返し、逮捕から50年が経過した節目の年に、ついに無実が認められたのです。

 こういう場合に「節目の年」という表現が適切なのか、われながら疑問ですが。

 

 「当裁判所は、被告人否、ここでは被告人と言うに忍びず、吉田翁と呼ぼう。わ れわれの先輩が翁に対して冒した過誤をひたすら陳謝するとともに、実に半世紀の久しきにわたりよくあらゆる迫害に耐え自己の無実を叫び続けてきたその崇高 なる態度、その不撓不屈の正に驚嘆すべきたぐいなき精神力、生命力に対し深甚なる敬意を表しつつ翁の余生に幸多からんことを祈念する次第である」 

名古屋高裁 小林登一裁判長 1963.2.28 [判決理由]

 

 この吉田翁というのは「よしだおう」という読みでいいんですよね? 「翁」というのは男性老人に対する敬称を意味するそうです。 ハイ、いま、辞書引きましたよ。

 それにしても、道のりが遠い! すがすがしいまでの冬晴れで、天気はサイコーなのですが、まるでトラック物流専用のような郊外の国道に差しかかるにつれ、歩けども歩けども景色が変わらず、だんだんウンザリしてきました。

 いつしか、目はタクシーを探すようになっていたのですが、こんな雰囲気の道路を流しているわきゃないのです。 歩行者すらおらず、誰ともすれ違いませんし。

 

097

 
 

 歩みを進めること1時間半。 この道路脇の建物(卸売市場)の向こうに、翁の碑があるはずなのですが…… 案内板はないですね。

 でも、このあたりに違いないはずだと、もう少し歩いていくと、墓地のなかに大きな石碑らしきものが見えてきました。

 ただ、どうやって行けばいいんだろうか。 行く手を田んぼが1枚さえぎっています。

 国道の立体交差の脇なんですが、歩道なんてオマケ程度にしか設置されておらず、あちこちが行き止まりになっています。 ちょっとした迷路のようなルートを模索し、ついにゴールへたどり着きましたよ。

 

091  

 
 間違いありません。 「人権の神ここに眠る」とありますが、これは、小林裁判長の筆跡を写して彫られたものとのこと。

 まさに、「お墓 兼 石碑」という位置づけのようです。

 石碑の裏側には、『碑誌』と題された文章が刻まれていました。 以下、できるだけ原文に忠実に引用いたします。
 

 大正二年八月十三日の強盗殺人事件において、眞犯人の偽証のため、逮捕され、残虐きわまる拷門をうけたるも屈せず、終始犯行を否認す。しかし、その甲斐もなく無期懲役の刑確定して入獄。在監中囚人に非ずと主張して労務を拒否し、五十三回もの懲罰を受く。再審請願を繰返したるも容れられず。五十戈にして始めて文字を習い、精魂こめた手記を以て各方面に無実を訴う。犯行斗爭二十二年の後、仮出所。報道関係者の協力により、偽証した犯人の行方を突止めて詫び状をとり、それを証拠としての再審の請求数回、いづれも棄却さる。萬策つきはて、最後の悲願を日本弁護士連合會人権擁護委員會の援助に求む。かくて遂に、昭和三十八年二月二十八日完全無罪の判決をうけ、雪冤の目的をとげて天日を仰ぐ。その間実に半世記、人よんで「昭和のがんくつ王」という。
 名もなき硝子工場の一介の耺工でありながら、権力者の重圧に敢然として抵抗、自己の尊厳を護り抜いた吉田石松翁の崇髙にして毅然たる態度と不撓不屈の驚嘆すべきその精神力は、わが國の人権史上永遠に輝くであろう。
 行年八十四戈
 昭和三十九年十二月一日 弁護士 後藤信夫撰書

 

 

089  

 
 線香も何も持ってきてませんでしたが、ここはせめて、手を合わせて立ち去ることにしました。

 どうか安らかに。


 しかしですねぇ。 風がすごく強いんです。 オートシャッターが下りる瞬間を見計らったかのように、コートがめくれたり、私の薄い後頭部がめくれたりしており、見苦しく何回も撮りなおしをしてしまいました。

 結局、↑が一番マシな出来ばえ、というていたらく。

 

 「髪型など、どうでもよかろう」

 生涯をかけて冤罪と闘いつづけた吉田翁の目からは、このフリーライターは、どれだけ矮小な存在と映ったことでしょうか。 失礼しました。

 
 さて、駅に戻りましょうかね。

 えーと……

 
 そうですよね。 徒歩しかないんですよね。 とほほ。

 

102  

 
 JR小山駅の構内で、偶然「稲田みかげ」の展示品を見つけてしまいました。

 これも何かの縁だろうと、デジカメでパチリ。

 稲田みかげとは、最高裁判所庁舎の外壁にも使われている、国産の高級花崗岩です。 (※「サイコーですか? 最高裁!」より)

 ……ハイハイ、また宣伝ね。

 

 手元の万歩計に目をやると、2万6000歩と表示されていましたとさ。 うーん、過剰に健康的! めでたしめでたし。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月11日 (火)

青森地裁レポート

087 

 「あっったげぇ飲み物を……」との味わい深い売り口上を、無機質なはずの自動販売機に言われてしまったので、思わず缶コーヒーを買ってしまいました。

 やはり世の中、ギャップが大切なようです。

 その近くのマツキヨでは、「羽田のキャビンアテンダント御用達!」のポップを掲げて、店頭にてストッキングが売られています。

 地元文化への誇りと、東京に対するコンプレックスが複雑にからみあう、そんな青森の街で、2日間にわたり、裁判傍聴をしました。

 

 月曜日、10時からある裁判の続審が行われていました。 合議事件で、法壇には3人の裁判官が座っています。 

 となると、右陪席が、あの「クリスマスキャロル」の室橋さんなのかなぁ。 けっこう童顔? と勝手に思っていましたら、渡邉裁判長がひとこと。

 「今回から、陪席裁判官が変更になっています」

 ……えっ? 変更? 

 ま、まさか!
 

 閉廷後、よくよくパソコン開いて調べてみましたら…… 室橋雅仁裁判官は、去る10月に最高裁の事務総局に呼ばれていて、いわゆる「裁判しない裁判官」となっている模様です。

 えー、そんな大事なことは、ちゃんと更新して反映させといておくれよ。 青森地裁の裁判官表。 

 なんだか、裁判の現場から外しちゃいけない人を外している気もしますが、それでも、サイコーですか? 最高裁! (露骨な宣伝)

 もっとも、青森に室橋さんがいなければムダ足、というわけでもないのですが、失態には違いないですねぇ。

 まぁ、自分が失態を犯しても「困るのは自分だけ」ってところなんかは、個人事業主の素晴らしい点でもあります。

 ただ、現地取材をシステマティックに他人に指示するわけにも行かず、すべてこなさなきゃいけない実情からは逃れられません。 もちろん、それこそが醍醐味なんですが。

 

 

086 

 青森地裁の入口の窓ガラスを壊した器物損壊事件を「お言葉集」で取り上げましたが、その現場こそ、まさしく↑でしょうね。

 公道からデジタルズーム使って撮ってるので、だいぶボケてますが。 裁判所の構内で撮影したら、なんとなく怒られるような気がして。

 あの事件、たしか、担当は渡邉判事じゃなかったですか? お言葉集が手元にないため、あいまいな記憶だけが頼りですが。

 

 青森地裁は、一般向けの開廷表が用意されていません。 なので、法廷前の廊下をウロウロ周って、ほかに裁判やってるところをひとつずつ探していましたら、「あのー、どの裁判を傍聴ですか?」と、職員の方から声をかけられてしまいました。

 あまりに挙動不審で、怪しまれちゃったのですな。

 たぶん、青森は裁判自体が少なくて、傍聴マニアという人種がいないんでしょうね。 というより、東京の裁判数が多すぎるんですが。 一説には世界一らしいですし。 霞が関の合同庁舎で開かれる裁判数。

 なお、並行して探っている「地方によって違う証人の宣誓文」ですが、「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」であり、青森地裁は東京や大阪と同じでした。 ある程度データがまとまったら、満を持して問い合わせようと思います。

 

 きのうは、刑事裁判を3件観ることができましたけど、今日は「死体損壊・遺棄」の1件だけ。 重罪ですので、10時から5時まで終日、青森地裁の刑事部裁判官が総力をあげて、付きっきりで審理しています。

 ただねぇ…… この件は、ダラダラ傍聴しても時間のムダかなぁ…… というような空気を、なんとなく嗅ぎ取ってしまいましたんで、思い切って午前中だけで見切りをつけ、午後は、駅前の「青森市民図書館」でこもっていました。

 この図書館は、ショッピングモールの上層階につくられていまして、かなりキレイでしたよ。 うちの近所に欲しいぐらいでした。(←ぜいたく)

 そこで興味深い本にも何冊か出会えまして、次回作「お言葉集」の方針が、またひとつ固まったような気がした私。

 ま、方針を固めるだけじゃダメなんですが。 書かなきゃ始まらんのですよ。 わかっとりますよ。

 明日の朝には、青森市を離れることにしています。 のんびりした良い街なので、また来るだろうとは思いますが。

 次は栃木の県庁所在地、宇都宮へ向かいます。 やはり「お言葉集」でおなじみ、アノ裁判官とご対面するために。

 同じポカを繰り返さぬよう、いちおう近時の人事異動がないことは確認しておりますが、さてさて、どうなることやら。

 

084_2 

↑↓ 青森地裁の隣にある「青い森公園」の雪景色です。

 まぁ、この3日間で、結局、雪は降らなかったんですけどね。

 つまり、先週の積雪が解けずに残っているわけです。

 雪どころか、さっき小雨ふってましたけど。

 北国は北国らしく、もうちょい寒くてもいいんじゃなかろうか。 これも温暖化の影響?

 

085_2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年12月 9日 (日)

そんなに寒くないぞ 青森

082_2 

 えーと、松尾芭蕉って、青森には来たんだっけか? ……教養がなくてすみません。

 そこで一句。

 

 陸奥(りくのおく)
   4時間で着く
      意外とね

 
 

……えー、この場合、季語は「4時間」となりますね。 もちろん、テレビで4時間スペシャル番組が増えることから、年末の慌ただしさを示す季語です。

 芭蕉の時代には、「陸」の「奥」と書いて、みちのくと読ませるぐらいですから、まさしくヤマトの国における辺境の地だと把握されていたことでしょう。

 それが、新幹線と特急の乗り継ぎで、上野からわずか4時間で着いてしまうと。 2枚組のお笑いDVDを観てるうちに、気づくと到着してるわけですよね。 驚異的ですよ。

 なにを隠そう、私は東北新幹線の終点は、いまだに盛岡だと思ってました。

 だ… だって、小学校んとき、そう習ったもんね。  面積が一番小さい都道府県は大阪で、水揚げ量の日本一は釧路港やろ?  水金地火木土っ天海冥……

 ははーん、知らないうちに、八戸駅まで延びてたんですね。 私の許しも得ずに。

 ネットで調べたら、八戸まで延ばしたのが2002年とのこと。 わたしゃ、司法浪人やってる最中じゃないですか。 そりゃ知らんわけだわ。

 青森県の八戸って、熊本県でいうと八代みたいなところでしょうか。 建設途中の新幹線の、暫定ターミナル駅であるあたりも似ています。

 でも、青森には弘前って街もあったような。 どっちが2番手なんだろう……。

 九州モンにとっての東北地方に対する認識というのは、そんなもんですよ。 きっと、逆もまたしかりでしょうし。

 

083

 で、到着しました、青森市。

 風が強くて、かなり寒いんですが、九州人にとって想定外の寒さ…… というほどではないですね。 たぶん、2月の熊本ぐらいの寒さです。

 駅前で辛口のカレー食って、ホテルまで荷物持って歩いてたら、けっこう温まりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 8日 (土)

みちのく一人旅

 こんにちは。 去年、このブログにて、チュートリアルのM-1優勝を当ててしまった者です。

……というより、消去法でいくと、どう考えてもチュートしか残らなかっただけですけど。 自慢にはなりません。

 いよいよ、「M-1グランプリ2007」決勝戦が近づいてまいりました。 この週末、まさに準決勝が行われている最中で、来週中には決勝出場8組が決まる予定です。

 去年の「M-1」と、今年の「爆笑ヒットパレード」は、どっちもバイトの休み時間、休憩所の隅っこでひとり、ラジオのイアホン通して音声だけ聞いてました。

 学生バイトが来やしないクリスマスイブと、そして元日に、おそろしい客数が押し寄せるレジ業務の合い間、ホッとひといき、音声情報から雰囲気を想像してたのです。

 おもしろかったけど、悲しかったのはナゼ。

 まー、あの頃があって、今があるっちゅーことですかな。 今年の準決勝進出者は、以下の通りです。


とろサーモン/span!/ソラシド/ギャロップ/ヒカリゴケ/千鳥/GAG少年楽団/NON STYLE/高校デビュー/モンスターエンジン/アジアン/笑い飯/まえだまえだ/天竺鼠/大脇里村ゼミナール/勝山梶/ダイアン/ザ☆健康ボーイズ/ゼミナールキッチン/座長座長 吉本興業/ジャルジャル/ハム/ヘッドライト/鎌鼬/天津/なすなかにし/プラスマイナス/スマイル/藤崎マーケット/ザ・プラン9/三拍子/POISON GIRL BAND/ブレーメン/ピース/麒麟/平成ノブシコブシ/ザブングル/磁石/志ん茶/タイムマシーン3号/アームストロング/チーモンチョーチュウ/髭男爵/キャン×キャン/BODY/オリエンタルラジオ/カナリア/東京ダイナマイト/ナイツ/トータルテンボス/マシンガンズ/オードリー/ハリセンボン/スピードワゴン/サンドウィッチマン/ザ・パンチ/キングコング/U字工事/えんにち/超新塾/ラフコントロール/我が家/パンクブーブー/はだか電球/ジパング上陸作戦/ハイキングウォーキング



< 決勝進出8組・希望 > (※予想じゃないです)

平成ノブシコブシ
  (ボケの吉村氏が大舞台でハジケ切れるかが勝負)
我が家
  (3人組・ネタの完成度は抜群)
えんにち
  (生放送だとギリギリやね)
プラスマイナス
  (自由自在なテンポ。ネタの選択によっては化けうる)
東京ダイナマイト
  (最近、毒が薄まってきていて心配)
カナリア
  (ベタもシュールも一発芸も歌ネタも。器用コンビ)
笑い飯
  (2003年に優勝し損ね、以来マンネリ気味なのが残念)
麒麟
  (重低音ボイスとミリオンセラー作家)

<敗者復活1組・希望>
アジアン (or流れ星orハイキングウォーキングorザブングル)

 

 まぁ、実際はオリエンタルラジオやキングコングとかNON STYLEやらが混じってくるんでしょうが。そりゃわかっとるんですが。

 でも、本当にこうだったらなぁ……。 くせ者ばっかりで、自分にとっては、最高のM-1になりますけどね。

 12月23日、日曜のゴールデンタイムには、だいぶ濃い味つけですが、私のなかでは稀に見る接戦となるはずです。みんな実力は折り紙つきなので、売れてほしい。

 優勝は…… 順当に行けば、そりゃまぁ、吉本興業の麒麟で、7年越しの悲願達成ってことなんでしょうが、ますます希望を込めて、東京ダイナマイトでお願いします。7月のライブ行ったし。


 

 明日から青森に行ってきま~す。 「裁判官お言葉集」第2弾の取材のため、前作「爆笑お言葉集」にて大々的に紹介させていただいた裁判官が、実際にどのような訴訟指揮をなさっているのか、直接この目に焼き付けちゃおうと企んでいます。

 「なんだオマエ、ありゃ裁判傍聴せずに書いたのか。 手抜きなヤツめ」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。 反省しております。 取材費が無かったのです。

 これだけ皆さんに支持していただける本だとわかっていれば、カードのキャッシングと消費者金融から限度額まで借りてでも全国を周っていたでしょうが、ここまでの反響は、完全に予想外でした。

 「もし、裁判官に読まれたらどうしましょう」ってことを、冗談レベルで言ってたぐらいですから。 それでも、各裁判官に失礼の無いようには書いたつもりですけどね。

 あの本は、しばしば「裁判傍聴本」として、各メディアが紹介してくださってますが、厳密な意味では裁判傍聴本とはいえないものです。

 私が実際に傍聴した「お言葉」は、あのなかでは東京高裁・地裁での5件だけです。 ちゃんと自前のメモに記録していたものに限れば3件ですね。

 いちおう、これでも過去に1000件以上は傍聴しております。 それで5件なのです。

 現に傍聴した裁判について語るだけで、すべての「お言葉」をまかなえるなら、それに超したことはありません。 私自身、その実現を目指して、東京地方裁判所・簡易裁判所を中心に通いつめています。

 私が、法廷で実際に遭遇したお言葉だけで、1冊になるほどの分量が確保できるなら、それは素晴らしいことです。 「裁判官の究極お言葉集」と呼ぶにふさわしいと思います。

 しかし、その実現には、数万件単位の傍聴が必要となるでしょうね。 かなりの部分は運任せになります。 死ぬまでに出せればいいなぁと希望します。 現段階では。

 

 たまに飛び出す被告人のトンチンカンな弁解などに比べれば、裁判官の常軌を逸した法廷発言というのは珍しく、傍聴人として言わせてもらえば「貴重」であるのが実情です。

 そう簡単には出会えません。ほとんどの裁判は、普通に始まって普通に終わりますから。

 文章に起こしても、ナマで観た感覚が劣化しないほど印象に残るような「お言葉」の聞かれる裁判は、正直申し上げて、100件傍聴しても1件に満たないものなのです。

 当然です。裁判所は、私たちに面白さを提供するために裁判をしているわけではありませんので。

 したがって、私がご紹介してきた「お言葉」は、実際に法廷で、たまたま遭遇できたものもありますが、新聞記事をはじめ、書物や判決記録など、二次情報として仕入れたものが大半となっています。

 「なんだ、パソコン検索か」「足で稼いだんじゃないのか」などと言われ、妙にガッカリされたりもするのですが、膨大な過去記事検索結果の中から、心に響く裁判官の「お言葉」や、その背景事情を拾っていくだけでも、かなりの時間やお金を費やしていると自負しております。

 法廷における貴重な「お言葉」の存在を伝えてくださる、各報道機関の成果をお借りするかたちで、あの本は完成しました。 私以上の努力や使命感をもって日々の業務に就いておられる、全国の司法記者の方々に敬意を表し、ここに感謝を申し上げます。

 ただ、次回作を出すにあたっては、たとえ「お言葉」が飛び出した現場に遭遇することは叶わずとも、せめて事後的にでも、その裁判官による法廷での様子などを追いかけようと覚悟したのです。

 そう思えたのは、先週末に、日本裁判官ネットワークの皆さんと交流する機会を持てたことが、直接のきっかけですね。 「お言葉」の情報から受ける感じとは、だいぶ違うイメージの方もいらっしゃいましたし。

 裁判官も、政治家と同じく権力者とはいえ、おそらく彼らよりは、はるかに繊細な方々なんだろうなぁ、という印象を受けた次第です。

 

 それはそれとして、さっき、青森地方の天気予報を見てみたところ…… ゆ、雪ぃ!

 なるほどぉ、人生初の青森上陸者に対して、積雪でお出迎えとは。 なかなかやってくれるぜ。 もう新幹線もホテルも取っちゃったし。 今さら後戻りはできぬ。 

……うーむ、長靴とか要るかのぉ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 3日 (月)

本来の「ビジネス弁護士」?

 昨日の続きです。

 社会的に追い詰められた人に手を差し伸べて、自分を犠牲にし、すべてを投げ捨てたはいいが、大きなストレスを抱え、それでもかろうじて精神的な支えになってるのが、弁護士としてのプライドだけ…… という人たちは、ハッキリ言ってうっとうしいです。

 それは「自らが努力したり苦悩している姿を、あちこち平気で見せびらかす作家やクリエイター」にも通ずるうっとうしさですね。 そんな人の作品は、純粋に楽しめないでしょ。

 ただ単に好みの問題かもしれませんが、同じ「人権活動」なら、優しさと逞しさを両方兼ね備えるかたちで継続させているほうが、個人的にずっと尊敬できますね。

 大企業を相手にビジネスローヤーとして腹いっぱい稼いで、他方で、稼いだぶんを採算が合わせにくい業態(刑事弁護や行政・労働事件など?)にもまわすという手もあります。 ……わりとオーソドックスでしょうか。

 でも、「人権活動」そのもので採算が合うようにして、むしろ拡大路線にすら乗せてしまうほうに魅力を感じます。 そういう驚異的な弁護士さんこそ、本来は「ビジネスローヤー」の名に値するのではないでしょうか。

 そんな法律事務所があったら、ぜひご一報ください。 「すげぇすげぇ」と言いながら、24時間追いかけまわしたいですねぇ。

 これから弁護士業界で競争が激化していくにつれ、今まで清貧的・自己犠牲的・孤高の感じでやってきた分野にこそ、きっちりチームを組み、クールに黒字を出していく弁護士法人は求められるべきだと思います。

 具体的なアイデアについては、私もこれから勉強したいですが、偉い人が決めた答えに向けて、即興で寄り添ってみせる司法試験とは、違うアタマを使って考える必要があります。

 ひとりの依頼人からガッポリお金を取ることもできないでしょうし、今の段階で思いつくとすれば、全国各地を細かくネットワークでつないで、その種の事件に巻き込まれた大勢の依頼人を集約させることで、一人あたりにかかる経費を削減する「薄利多売」にも似たビジネスモデルでしょうか。

 ただ、ケータイ料金じゃあるまいし、安けりゃいいってもんじゃありません。 いくらなんでもマズいですよね。

 それぞれの依頼人としっかり向き合い、「しっかり働いてもらった」と納得してもらえる態度も必要です。 そのへんの「顧客満足」要素との両立という、きわめて難しい課題を突きつけられることになります。

 まぁ、経営学に詳しかったり、企業経営の実践に長けた人も含めて、年間3000人合格させてるうちに、さすがに1人ぐらいは混じってそうですけど。 そうした問題を解決してみせる「完全体弁護士」の卵が。

 こんなこと書いていると、「オマエがまた司法試験受けろよ」とか言われそうですが…… カンベンしてください。 もう、あの試験に振り回されるのはコリゴリです。

 私に弁護士の適性はありません。 その事実を、すでに心身ともに痛感させられております。 しっかりした適性を持つ人々に、願いを託すしかないのです。

 外野から勝手なことを書いているのは重々承知しております。

 弁護士の個性に依存する「人権活動」なんて…… もちろん全く無いよりはましですし、見る人が見れば美しいんでしょうが、行き着く先は無責任だと思いますね。 弁護士という業界全体の将来を考えるうえでは。

 たぶん、自分に「正義」があると信じこめる人たちでしょうし、その正義に対して反対意見を言う者を、無条件に不正義とみなして、黙殺か逆ギレでもしてきたんでしょうが、一度、どう落とし前をつける気なのか尋ねてみたいものです。

 困っている人のために私財を投げ打つ、どんなに優しさあふれる弁護士だって、いつかはお亡くなりになるのですから。 そしたらどうするんですか? その後は。 素朴な疑問です。

 お金は、物事を継続させていくための基本要素だということを、前回に強調した真意は、そこにあります。

 以前に載せていた、私の妄想らくがきである「巣鴨とげぬき法律事務所」の図を再アップすることにしましたけど、「庶民の味方」を本気で名乗りたいなら、まず商店街の中、それも1階に事務所を構えてみてはと。
 

Lawfirm_2

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年12月 2日 (日)

私が、裁判官よりもツッコミ入れたい人たち

 昨日は、「日本裁判官ネットワーク」の会合に招かれ、「『裁判官の爆笑お言葉集』をめぐって」というテーマで話をさせていただきましたが、途中で何を話せばいいのかわからなくなり、設定時間を大幅に残しての「ギブアップ」となってしまいました。

 そのぶんだけ、会場からの質疑をたっぷり頂戴したのですが、事前に覚悟していたほど、意外とキツいことは言われませんでした。(単に鈍感なだけかもしれませんが)

 それどころか「一貫して温かい」「よく勉強している」なんて、お褒めのお言葉をいただいてしまいましたよ。 ありがとうございます。

 いずれも、お言葉集のなかで発言を紹介させていただいた裁判官の方からのコメントです。

 また、日本裁判官ネットワークの刑事裁判官は、法廷での説諭に、それほど重きを置いていないという、興味深い事実もわかりました。 判決後のお言葉一発で感銘を与えるのでなく、もっと裁判全体をもって配慮しようということのようです。

 「気持ち」が大事なのだと。 そのご主旨はわかりますが、どんなに温かい気持ちを持っていても、他者からは「発言」や「態度」からしか、裁判官のお気持ちを感じ取ったり推測したりすることはできないのです。 そのへんの事情はおそらく、被告人にとっても同じでしょう。

 「採りあげているのは刑事裁判ばかりで、民事裁判での『お言葉』が少なすぎる」というご指摘や、「もっと印象的なお言葉を発しつづける裁判官は別にいる」というツッコミも。

……うーむ、次はどうしよう。 第2弾の方針に関して、修正の検討が必要かもしれません。

 「裁判官の言葉を脚色したりしてないのか」というご質問もありましたが、私が意図的に手を加えなければ興味が湧かないような言葉なら、初めから載せません。 ほかにも候補はたくさんあったのですから。

 書名にある「爆笑」の2文字には違和感がある、という感想は大勢を占めていましたね。 そりゃそうでしょう。 私自身が未だに納得できてませんし。 どうにか納得しようと努めてはいるつもりですが。

 幻冬舎社長の見城さんがおっしゃるには「顰蹙は買ってでもしろ」ということのようですから、世間から顰蹙を買う書名を付ける行為というのは、そのお言葉にかなうわけです。

 ただ、幻冬舎以外の人々まで巻き込んで、しかも何も釈明しないまま「名付けっぱなし」というのは止めてもらえないですかね。

……なるほど、これこそが顰蹙を買うということなのか。 なんだかメタな感じだ。

 会場には、弁護士さんも参加してらっしゃいましたが、その一部からの質問が気になりましたね。

 

 「民事裁判では、法廷より、和解の場での裁判官の言葉が、当事者にとって効果あるのだ」と、某弁護士。 その後に、革新系の政党がどうのこうのと付け加えてましたが。

 ただ、それで私にどうしろと? 和解室は非公開で、一般人の傍聴は許されませんよね。 単に「オマエが見られない場を、私は見られるのだよ、フフフ」といった、特権意識に基づく、マト外れな自慢話にしか聞こえません。

 それに、企業法務部に勤める友人の話によると、和解の場で妙なことを言い出したり、あからさまに面倒くさがったりする裁判官も、ちゃんと存在するとのこと。 だったら、和解だけが特別じゃないでしょう。

 別の方は、のらりくらりと同じコトを繰り返し述べる堂々めぐりで、何をおっしゃいたかったのか見えなかったんですけど、その断片を総合すると、おそらくは「ナガミネさんは裁判官をネタにして本を売っているが、いずれナガミネさんがネタにされるかもしれませんね」と、私に警告したかったようです。

 どうぞどうぞ。 そんな原稿を面白く書けるもんなら、そんな本の出版企画が通るんなら、いくらでも世に出していただけば結構です。 きっとガッポリ稼げますね。

 ただ、妙な意趣返しなど、そういうつまらない意図や発想は、読む側にも必ず伝わります。 あんまり世間を軽く見るのは、やめたほうがいいですよ。

 しかも、いずれの弁護士も、「あなたの本を買ってませんし、読んでません」と前置きしてのお言葉です。 それ、わざわざ言う必要あります?

 どうにか私に対して突き刺さることを言ってやりたいと、いろいろ涙ぐましく考えをめぐらしておられたのでしょうが……。

 いくら「30万部のベストセラー」と周りが持ち上げたところで、裏を返せば、日本の400人に1人がお買い上げくださった計算です。 買っても読んでもいない人が圧倒的多数なんですから。

 こないだも、ある弁護士さんから「こんな本が、なんで売れるんですかねぇ」という感想メールをもらったりしましたが、どうも私に対して突っかかってくる弁護士さんが散見されます。

 司法試験の競争で蹴落とした人間を、今まで能無しだとナメ続けてきたことの反動でしょう。 きっと。

 たまに「世間知らずの裁判官が多い」と主張するメディアはありますが、もしかしたら、バランスを喪失した「世間知らず」は、むしろ弁護士の方に多いのかもしれません。

 具体的な切り口は思いつきませんが、いつかは弁護士について書かなければならないようです。

 ただ、弁護士業界は一枚岩ではないので、まとめてネタにしたら無理が生じるでしょうね。 たとえば刑事弁護人と渉外弁護士では、やってる仕事がまるで別の業種といえるぐらい懸け離れてますし。

 半年前にテレビで共演させていただいた八代英輝弁護士は、私のおぼつかない発言を逐一フォローしてくださったり、本当に気配りのできる温かい賢者でした。

 「絵に描いたようなエリート肌で、イケすかねぇなぁ、渉外弁護士さんはよぉ」という漠然としたイメージを、完全にブチ壊されましたね。 今年の6月13日は。

 八代さんは「お言葉集」を2冊買ってくださったそうですが、だから褒めてるわけでは決してなく、ビジネスの論理で動ける人のほうが、モノの見方が客観的だし、決めつけた口調で独善的な物言いをしないし、話は噛み合う気がします。

 ビジネスに限らず、お金は、物事を継続していくための基本的な道具。 お金にばかり執着する人生も可哀想ですが、国家資格にあぐらをかいて金儲けを平気で軽んじる人も気の毒ですね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »