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2008年1月30日 (水)

沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館

 今さらですみません。 先週の金曜日に、沖縄へ来た記念として、水族館まで行ってきました。 那覇からバスで3時間近くかかったんですけどね。片道。

 

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 1975年に、沖縄の日本返還を記念して、海洋博覧会が開かれたんですが、その跡地に広大な公園がつくられ、さらに水族館などの施設が設置されています。

 なかなか素敵なところですね。 少なくとも、独り者が、ひとりで来るところではありませんでした。

 

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 ところで、コレ何……? 道ばたに落ちてたんですけど。

 柿……?に、白ひげ?? 

 ま、ともかく水族館のなかに入ってみましょうか。

 道中で割引券を買ってましたので、1割引で入場することができたのですよ。

 いやー、すごい! 面白い!

 

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156 157 158 159160  ギネスに認定された世界最大の水槽「黒潮の海」です。 ゆうゆうと泳ぐジンベイザメの大きさを、“海底”で見上げるヒト目ヒト科ヒトの群れと比べてください。 ひさびさに「ただただ圧倒される」という体験をできました。 163 

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 だがしかし、マイナー志向が染みついている私が、最も心動かされてしまったのは、このチンアナゴくんですね。

 

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 かわいい! かわいすぎる。

 砂のなかに下半身を入れて、上半身がユラユラ、微妙に出たり入ったりする仕草がたまらないですね。

 世話が面倒だし、いつか死んじゃうのが悲しいので、ペットの類は一切飼わないのがポリシーなのですが、これなら飼いたい。

 しかし、非常にデリケートな生き物らしく、飼育は至難の業とのこと。 残念!

 しかも、みやげ屋には “チンアナゴTシャツ” や “チンアナゴボールペン” などのグッズが販売されていました。

 「しまった! けっこうメジャーなヤツだったのか! このアイドル的存在め!」と、私のマイナー魂まで傷つけられてしまう始末。

 そんなもん大げさですが。

 ほかにも、丸っこい魚に細長い魚、深海のエビやクラゲ、サンゴ、イソギンチャク、目の下がハッキリ蛍光に灯る珍魚など、「これでもか」と言わんばかり、バラエティに富んでいます。 サメに関しては単独コーナーが整備されていました。

 

 結局、水族館のなかに4時間近く入り浸ってましたよ。 ぜんぜん飽きませんからねぇ。

 ……えーと、水族館を出たあとに小腹がすき、よりによって「フィッシュバーガー」を食らう、空気を読めない私でした。 ちゃんちゃん♪

 

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2008年1月24日 (木)

気になった裁判ダイジェスト 【1月4週】

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 いくら裁判員制度に反対していても、このシーサーの屈託ない笑顔にやられちゃう人も多いんじゃないですかね。

 私も決して同制度には賛成しておらず、「今のまんまじゃ混乱するぞぉ! ホントにやるのかぁ?」と思ってますが、癒し系シーサーを前にして、ついつい振りあげた拳を下ろしてしまいます。 もともと別に振りあげてないけど。

 このところ、裁判員制度が導入されることをきっかけに、不十分ながらも新しい仕組みが日本の刑事裁判にどんどん導入されています。

 公判前整理手続きや取り調べの可視化などは、個々単独では導入され得なかった制度かもしれません。 裁判員制度も、その限りでは、いわば「オトリ」的な成果があるのではないでしょうか。

 

 私は今週、月曜から木曜まで、那覇地裁に通い詰めてました。青森・宇都宮に続く、お言葉集の第2弾に関する取材の一環でして、某お目当ての裁判官による裁判を直接見てみようと思ったからです。

 たしかに各裁判官の担当曜日は決まってますが、具体的にその日に裁判が開かれるかどうかは、大都市の裁判所でもない限り、一種の賭けです。東京地裁と違って、翌日以降の開廷表を見せてもらえないもので、毎朝直接来てみるしかないんですよね。

 総務の人に問い合わせするにも、「この裁判の法廷は?」という問い合わせならイイでしょうが、「この裁判官は、いつ裁判やりますか?」という問い合わせ方は、なんだか先方に怪しまれそうですしねぇ。 当人に変な警戒をされたら、裁判の様子を取材する意味が無くなりますし。

 今回、月曜・火曜と連続で外したときにゃあ、さすがに「どうしようか」「突然の人事異動でもあったか」と不安になってましたが、水・木で、たっぷり拝見することができましたよ。

 ひととおり、沖縄における取材の成果が出たので、明日は遊びに行こうと思ってます。もちろん単独行動で。

 

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■ とある強制わいせつ 〔1月21日 那覇地裁〕

 被告人は24歳の男。職業は保育士。大学卒業後、保育士を目指して専門学校に入り直すという、そこだけ見るとかなり志の高い人間に見えます。見た目も穏やかそうです。

 その専門学校で知り合った友人(彼氏あり)を含め、数人で居酒屋で飲んでいて、「ゲームに負けた人はキス!」と持ちかけた被告人。場の全員が白けて、家路に就こうとしていたにもかかわらず、「まだゲームは終わってないからね」と、女性に対して胸をもむなどの乱暴を行ったといいます。

 今まで酒で失敗したことがないという被告人。だとしたら、本件は酒が原因でなく、その女性に対する横恋慕が強すぎたということでしょうか。

 情状証人として、厳格そうなお父さんが出廷。被告人と同居しているそうですが、在宅で起訴されていたため、起訴状が届くまで事件に全く気づかなかったと激怒していました。

 職場である保育園にも事件は知られていないそうで、被告人が「バレたらクビになると思います」と答えていたのが不思議でした。バレずにやりすごすことなんか可能なのか?


■ とある道路交通法違反 〔1月23日 那覇地裁〕

 無免許運転で起訴され有罪判決を受けるも、量刑が重すぎるとして控訴。その控訴審で裁判が続行していた間に、またも無免許で捕まるという、あきれた事件です。

 情状証人の母親は「優しい子なんです」と息子をフォローしていましたが、「いくら優しくても無免許で運転していいわけがないです。もっと厳しく監督してもらわないと」と裁判官。


■ とある窃盗 〔1月23日 那覇地裁〕

 被告人はバイクを盗んだ20歳の男。元不良で、3度の補導歴。少年院に送られたこともあるようです。身動きひとつせず座っています。

 奥さんが情状証人として出廷していましたが、どうやら今まで被告人の言いなりで生活してきた感じで、監督者としては心もとない印象。

 裁判官が「あなた、旦那さんの様子をちゃんと見てますか? この裁判の前、朝ご飯や昼ご飯を普通に食べていました? 食事がノドに通らないという感じありました?」と、監督能力をさぐる質問をしていました。

 被告人質問で、弁護人が「あなたの奥さんが、傍聴席で泣いてますよ。奥さんは全然悪くないのにね」と告げると、被告人の堂々とした態度が少しずつ崩れていきます。

 さらに裁判官が「あなたには、どうしようもない盗癖があるようですね。こういう公開裁判は初めてと思いますが、今までの保護処分とは違いますよ。あなたに責任を取らせるため、あなたを刑務所に入れるかどうか審理をしてるんですよ」と話しかけるにつれ、被告人に少し動揺の色が見えたような気がしました。

 「裁判は機械的に進められるもの」と思いこんでいると、面食らってしまうかもしれません。


■ とある道路交通法違反 〔1月24日 那覇地裁〕

 呼気中アルコール濃度0.61ミリグラムという、悪質な酒酔い運転事件。ここで出廷した情状証人の奥様は対照的で、「今度やったら離婚します」と言ってました。

 那覇地裁で、飲酒運転の裁判は4件見ましたけど、どの冒頭陳述でも「泡盛○杯」と読み上げられるところなんて、お国柄が見えますね。

 
 

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青少年は、キスでいかせろ

(( 参考過去ログ ))
みだらな性交?」 (2005/06/07)

 

◆ 東京都青少年の健全な育成に関する条例 第18条の6 (青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。
 (※法定刑:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)

 (全国46都道府県で同様の規定あり。 なお、唯一の例外である長野県においても、長野市などの一部市町村レベルでは同様の規定あり)

 
 

 私は司法浪人時代、学習塾で理科を教えておりました。 なんと、中3生徒のなかに、私の「ファン」の女の子がおりまして、私が仕事を終えるまで塾の外で友達と一緒に出待ちしてたり、バレンタインデーには手編みのマフラーなどという重たいプレゼントをくれたりしてました。

 ひととおり高校受験が済んでから一度、遊園地デートをねだられたので連れて行ったりしたものです。 別れに「早く弁護士になってよ」と書かれた色紙も渡され。 うれしかったけど、余計なお世話でもある。

 彼女の理想のタイプは「ユースケ・サンタマリア」だとか言ってましたので、それはそれで複雑な心境だったりして。 決してトークで爆笑を獲りにいくタイプではなく、「たまに微妙に面白い」という印象だったのでしょう。(ユースケさん、ごめんなさい)

 その教え子も、今では23歳か24歳のオトナな女性として、幸せにやってるはずですが、当時、私がその教え子に対して恋愛感情を抱けたかというと、断じて「No」ですね。

 

 それは青少年保護育成条例が存在するかどうかとか、ロリコン趣味があるかどうかとは全く別で、やはり背後に「保護者」の影がチラつくからです。 その時点で冷めてもムリないやろ。

 先輩講師には、「ながみねセンセー、モテますねぇー!」なんて、飲みの席で絡まれたりもしましたけど、「コドモにモテてもねぇ……」というのが正直なところで。

 娘さんをお預かりしている塾講師だからか、いちおうご両親も信頼してくださってましたが、中学生を連れて遊びに行くのは、ひとつ間違えれば未成年者誘拐罪ですよ。

 もっとも、第一に「自由恋愛」を標榜する人たちは、かまわずに突き進んでいくのでしょうが、「オトナとコドモ」という対等な関係性でないところで、いくら自由を謳っても、それは自由の履き違えでしかありえないと考えます。

 オトナとコドモの恋愛は結構だとしましょう。 では、そこに果たしてセックスは必須なのか、はなはだ疑問であります。 なぜデートじゃダメなのか。

 オトナの男が「結婚」という強固な責任を取れない限り、コドモの側のみに妊娠のリスクを負わせるのは酷であり卑怯です。

 もちろん、女性が18歳以上の場合でも生じうる問題かもしれませんが、経済面や育児に対する心構えなどの点で、18歳未満の「コドモ」は、類型的に不利な実情にあるのではないでしょうか。 医学的にみて、性感染症にかかるリスクも高いといわれます。

 たとえコドモの側から迫ってこられたとしても、「まだ早い」「調子に乗るな」「ガキのカラダにゃ興味ない」ぐらいのことを言って、なぜオトナはオトナらしく注意できないのか。

 だって、そこで交わったところで結果的にコドモを傷つけるんだから。 オトナが条例違反で捕まれば。

 したがいまして、表題のような話につながるわけです。 いくらエロすぎるキスをしたって、さすがにそれを「性交類似行為」として取り締まるわけにはいかないでしょうしね。

 女性に気持ちよくなってもらう方法といわれて、「みだらな性交」しか思いつかないのだとしたら、オトナの男として引き出しが少なすぎると思います。

 

 昔の悪友によると、キスで女性を気持ちよくさせるのは、物理的なテクニックではなく「愛されてる感」が決め手らしく……、男は1秒あれば発情できるが、なにしろ女は心で感じるのだから、ウンザリするぐらい優しく優しく扱わねば……、とかなんとか、知ったふうなことを吹聴しとりました。

 私からしたら「なんじゃそりゃ??」な世界ですが、女性が気持ちよく反応してくれたら、こっちだって興奮してくるし、なんだか真理を突いているような気も。

 いずれにせよ「キスで満足させることを目指す」のは、どうしても18歳未満の女のコと付き合いたい男たちにとって、研究に値する課題といえるだろうな、とは思います。

 そいつの話によると、抱きしめただけで絶頂に達する女性もいるらしいですが……、万一私がそんな女性と付き合えたら、あまりに可愛すぎて「迷わずプロポーズ」でしょうな。

 そいつはたしかにモテてましたが、単なる妄想かもしれません。

 

 もちろん、「青少年に対する反倫理的な性交の禁止」という道徳観を、法が刑罰によって強制するのがふさわしいかどうかに関しては、また別の是非問題を含みます。 ただ、個人的には「それはそれで"アリ"なのかな」と思いますけどね。

 世の中では、コドモ時代を懐かしく振り返るオトナが多いでしょうね。 一方で、私にとっては、やりたいことをやれず「窮屈な時代」だったイメージしかありません。

 ガキの頃から「早くオトナになりたい」と思ってました。

 「人は死んだらどうなるんだろう?」とか「カブトムシはどうして黒いんだろう?」とか「空と、空じゃないところの境目はドコだろう? 地面から何メートル上なんだろう?」とか、「光は気体か?」とか、つねに面倒くさいことばっかり考えとるものですから、なかなか学校の友達と話が合わせられず、周囲から浮いていたのも理由のひとつです。

 ただ、なんといっても今より「かっこいいオトナ」が多かったように思います。 学校の先生もそうですし、ヘタなことを言ったら丸め込まれてしまうような迫力を帯びていました。

 つまり、オトナに憧れることが可能だった時代なわけです。

 たしかに、コドモの自己決定権も概念としては大事ですよ。 しかし、その権利の内容を、オトナのものに近づければ近づけるほど、コドモがオトナへ成長するモチベーションを削ぎ落とすことにつながるのではないか、という懸念があります。

 オトナがコドモに向けて「おまえは、まだコドモだろう」と言い切れる社会こそ、コドモにキッチリと未来を見せられる社会ではないでしょうか。

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2008年1月20日 (日)

めんそーれ沖縄! (普天間基地を歩いて一周)

 赤嶺さん、石嶺さん、与那嶺さん…

 「長嶺さんって、沖縄出身ですか?」と尋ねられつづけて幾星霜。 昨年も、地元の人を特集したいということで、沖縄の新聞社から取材依頼を頂戴しましたけど、「長嶺」という苗字のクセに、沖縄へ行ったことすら無かった私が全部悪いのです。

 親戚もおりません。 父がいうには、うちの家系は、どっか遠くで沖縄と関係しているらしいのですが。 

 しかし! めんそーれ!

 

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 いやー、来ちゃいました。

 よく考えたら、飛行機に乗るのすら9年ぶりですよ。 いままでどんなスサんだ生活しとったんだ、っちゅー話ですが。 危険物検査で、アタフタしてしまいました。

 「CAの人って、脚ほっそいなー。よう歩けるなー」と、絶妙なバランス感覚にドキドキしつつ、気づけば那覇空港へ到着。

 東京は雪が降るとか言っとったのに、こっちは最高気温25度。 夏日ですよ。 タクシーの運転手さんも「今日は特別暖かいですよ」と言ってました。

 だってホラ、桜が咲いてます。


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 アサガオまで咲いてますよ。 あぁ夏休み。

 

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 いや、ヒルガオっぽいな。こりゃ。

 あ、申し遅れました。 私は今、宜野湾市の「嘉数高台公園」というところに来ております。 ここは沖縄地上戦での激戦地だったところらしいんですね。

 

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 公園内の片隅には、いろいろな慰霊碑が建てられています。 戦争を思わせる生々しさは残っておらず、綺麗に整えられていますが、犠牲になった方に対して「安らかに」という鎮魂の思いが込められているのでしょう。

 63年前、全国で組織され沖縄の地に集結した部隊は、ここで命を散らすことになったのです。

 

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 これは展望台です。 地球を模した珍しい形をしていますね。

 
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 そして、日米の激戦地だったこの場所から、普天間基地をハッキリと臨めるってのが、なんともわかりやすい皮肉です。

 

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 よく見ると、展望台の壁などに落書きがあるのですが、沖縄という土地柄も影響してのことか、微笑ましいというか、ほのぼのしてます。

 

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……って、落書きは犯罪ですよ! いちおう法律系ブログですし、そうでなくても、そこはキッチリ書かせていただかなきゃいけませんが。

 

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 そうかそうか。 幸運な一年にしたいよね。

 

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「ペットほしい (ミニチュアダックスフンド)」

 ……そういうことは、お父さんお母さんに言おうね。

 戦没者の皆さんもまさか、犬が欲しいと願をかけられるとは思わず、面食らっておられるはず。

 

 さて、ここまで来たら普天間基地まで足を運んでみたいですね。 タクシー代がもったいないので、徒歩で行ってみることにしました。

 なんとも沖縄らしい雰囲気の裏道を通り抜け……。

 

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 草木が生い茂る垣根の向こうに見えてきたのは「自動車ホテル」。

 

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 たぶんモーテルでしょうね。 壁に掲げられているメッセージが如実に物語っています。 私もいつまでも若若しい人間でいたいものです。

 

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 安い! ワンコイン!

 まさか「たこやき1個で100円」ということは無いでしょうから、安いはず!

 安すぎてか、日曜日にシャッターが閉まっているのが気になるところ。

 

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 は!            は!

 

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 「喫茶カップメン」って、何ぞや? 売り文句も気になります。 「花合わせ」ということは、花札をやる場所?

 ……なんだか、だんだん「モヤモヤさまぁ~ず」の「ぶらぶら宜野湾版」みたいな雰囲気になってきましたが、……そうですね、いちおう法律ブログらしく、こういうのも入れときましょう。↓

 

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 沖縄の交通裁判所を偶然見つけてしまいました。 ここでは三者即日処理方式(警察取り調べ→検察取り調べ→裁判を1日で一気にやっちゃう)の略式手続が行われている(はず)です。

 そうこうしているうちに、米軍基地の周辺付近までやってきましたよ。

 街中のそこかしこに見えてくる物が、いちいち「らしさ」を醸し出しています。

 

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 でかい送電線の鉄搭が、あちこちにそびえ立っていました。

 国を守るには、やたらエネルギーを食うという、当たり前ながら見過ごしがちな事実に気づかされました。

……えーと、結局3万歩以上歩きましたよ。

 そのうち移転するみたいですが、とにかく「普天間基地は広い」ということをカラダで思い知ることができましたね。

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2008年1月18日 (金)

気になった裁判ダイジェスト【1月3週】

 今年から、このブログで裁判傍聴録を取り上げてまいりたいと思います。

 かつて配信していたメールマガジンみたいに、法廷で起こった出来事の完全再現を目指そうとしたら、まっさきに自分が潰れてしまいます。

 たぶん、世間様からも求められてないかなと感じましたので、空気を読んで、エッセンスのみ、オイシイところだけを拾い上げてまいります。

 

 

■ とある建造物侵入 〔1月16日 東京簡裁〕

 パチンコ玉を持ち込んでパチンコ屋に入店し、タダで打とうとしていたところを逮捕されたという事件。

 違法な目的を抱いて入れば、たとえ営業中の店でも侵入罪が成立するわけです(万引きが典型)が、こういうバリエーションがあったとは、勉強になります。

 被告人は20代の男。無職ですが、いろいろ職に活かせる資格を持っているみたいなんですね。根はマジメなようです。ハッキリした口調で反省の弁を繰り返し述べていました。

 私は、パチンコをまったくしたことがなく(友人の付き合いで、店内に入ったことなら1度ありますが)、あいにく事情がわからないんですけど、そのパチンコ店の玉は1個4円がレートらしいんですね。

 一方で、中国人から買い受けたというパチンコ玉は1個2・5円。それを500個買って持ち込み、差額でトクしようとしたという、なんともみみっちい事件です。

 「持ち込んだパチンコ玉を台で打つより、最初から機械に入れて換金したほうが早いのでは?」と、検察官から真っ当な質問が出てましたが、被告人の彼は「監視カメラもあるし、バレるのが怖かったです。遊んで増やせたほうが気がラクだと思いました」と答えています。

 根っからのワルじゃないんです。 ラクして儲けたかっただけなんでしょう。

 共犯者がもう一人いる関係で、こちらの裁判では一部の写真証拠がコピーで出されていました。特に、店の壁に貼られていたという「パチンコ玉の持ち込み禁止」の張り紙の文字が小さく、判読しにくかったようで。

 そこで、竹澤宏之裁判官がひとこと。

 「裁判所は目が悪いので、よく見えないんですよね」

 なるほど、そういうパターンもあるわけか……。 (あまりピンと来ない方は「裁判官の爆笑お言葉集」の30ページを参照してください)

 

 

■ とある覚せい剤所持・使用 〔1月17日 東京地裁〕

 なんと、覚せい剤使用事件で、5人の大弁護団が組まれていました。しかし、発言したのは主任の1人だけ。 えーと、残りは見学?

 過去に2回、覚せい剤で捕まっていて、服役前科もあるという被告人。1回目は16年前、「なんとなく」使ってしまったようですが、その後に阪神淡路大震災が起き、当時の奥さんと子どもさんを亡くして、「もう死んでもいい」と自暴自棄になってしまったとのこと。

 その頃知り合った暴力団関係者から勧められ、再び禁断の粉に手を染めたというのです。

 

弁護人 「ところで、今日が何の日かわかりますか?」

被告人 「はい。 地震から13年目の日です」

 

 情状証人として、内縁の妻が証言。「前科があるとは聞いていたが、ケンカして捕まったとしか聞いておらず、裏切られた気持ち。ですが、私が責任をもって必ず更生させます!」と、涙ながらに力強く訴えていました。

 「なぜ内縁関係なのか?」という検察官からの質問に対しては「13歳の息子が少年剣道をしていて、将来はおまわりさんになりたいと言っているので、身内に前科がある人がいてはいけないと思ってのこと」と説明していました。やはり、そういうもんなのかと。

 被告人自身も「保釈で家に帰ってきたとき、ふたりの息子が飛びついて喜んでくれた。最初は息子も目を吊り上げて荒れていたようなんですが、子どもって怖いなというのと同時に、凄いな、ここまで父親の影響力というのは大きいのかと思いました。自分……父親がいなかったので、今回のことで思い知りました。これからは第一に家族、第二に自分、第三に仕事を頑張っていきたい」と述べており、具体的な決意が見えた気はしましたね。

 たまたまその直前に、違った「父親の影響力」パターンを、別の裁判で観ていたのです。

 情状証人として出廷していた父親が「これからは息子とコミュニケーションをとっていきたい。具体的にはスポーツや芸能の話とか」と答えていたため、検察官から「そんな世間話が立ち直るきっかけにつながるんですか? 息子さんの内面とは関係ない話じゃないですか」とツッコまれてました。

 それに対して「今だと、野球のキャンプの話なんかして、『みんなこんなに頑張ってるんだ。一般人も頑張らなきゃいけないよな』と励まして、息子と一緒にハローワークに行って仕事を探そうと思っています」などと釈明してしまう始末。

……息子さん、30歳ですよ。

 やはり、子どもが社会で生き抜く知恵を身につけるには、人生の指針としても、障壁としても、父親の存在が大きいんだろうなぁと思いました。母子家庭なら、母親が父の役割を演じる覚悟もできているかもしれませんが、ヘタに両親が揃っていれば、なにかと油断する場合があるんでしょうか……。

 なので、「情状証人から見る家族」なんていう企画もアリなのかなぁと思ってみたり。

 なんだか時期的に、新発売の「親の品格」とカブりますけど、ああいう抽象的な品格論は、ご年配の方にお任せして、私は情状証人の言動に注目しつつ「親のあり方」「夫・妻のあり方」「隣人のあり方」などを探っていくヒントになりうる、変則的な裁判傍聴録が出せればなぁと。

 簡単に言えば「情状証人お言葉集」ですね。

 もちろん、どなたか、この企画をパクってくださっても結構です。その際はご一報くだされば、私は執筆に向けての準備を止めて、完成を楽しみにお待ちすることにします。一読者として、とても読んでみたいので。

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2008年1月 8日 (火)

福岡3児死亡 飲酒ひき逃げ事故 判決公判

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 あけましておめでとうございます。

 午前9時10分。 福岡地裁の構内は、えらい人ごみに。 68席の傍聴席を求めて、500人以上が群がっていました。

 その群れのなかに、福岡の実家に帰ったついでで来た私自身もいたわけですから、他人事みたいに書いている場合ではありませんが。

 空を見上げれば、地元新聞社のヘリが旋回しています。 注目度はハンパじゃありませんね。

 

 えーと、抽選の結果ですが…… 相変わらずのクジ運でした。 今年も幸先が良いようですね。

 話題の裁判を傍聴しようとして、いちおう「メジャーに挑戦」してみたつもりだったのですが、私にはやっぱり、小さな裁判がお似合いのようです。 メジャー入りできた皆さん、おめでとうございました。

 

 世論やマスコミから叩かれたくない、むしろ拍手喝采を得ようと狙って、裁判所が厳罰を科すようなことはあっちゃいけません。 そんな「民主的」裁判で構わないのなら、私にだってできますから。

 したがいまして、世論の動きに惑わされず、とことん法律の条文を見つめつづけた川口宰護裁判長ほか3名の裁判官の態度は、「司法の独立」を具現化したものとして、その点で評価いたします。

 
 

◆ 刑法 第208条の2(危険運転致死傷)
1 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。 (※以下略)

◆ 刑法 第12条(懲役)
1 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、1月以上20年以下とする。

 
 

 この刑法208条の2 第1項が問題です。 適用されれば、道路交通法上の救護義務違反(最高で[当時]懲役5年)と併合させることによって、最高で懲役25年まで科すことができます。

 
 

◆ 刑法 第47条(有期の懲役及び禁錮の加重)
 併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

 
 

 酒気帯び運転(最高で[当時]懲役2年)も併合させたら、懲役27年まで科せたんじゃないのかなぁーと一瞬思ったのですが、そしたら、危険運転致死傷罪とで、飲酒の事実を二重に評価することになってしまいますね……。 やっぱり最高は25年のようです。

 そんなことだから、司法試……(以下略)

 さて、おおもとに戻りますが、208条の2には「アルコール(又は薬物)の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって」「人を死亡させた」と書いてありますね。

 この表現は、同じ交通死亡事故でも、「酒気帯び運転」「酒酔い運転」(ひっくるめて飲酒運転)の場合と、「危険運転」の場合とを、明確に分けていることを示しています。

 ポイントは「正常な運転が困難な状態で」という文言です。 ここが危険運転致死傷罪のカナメであり、かつ、現実の適用を難しくしている箇所といえます。

 もっと言えば、「危険な飲酒運転」と「危険でない飲酒運転」というふうに、複数の段階があることを認めた条文なのです。

 「酒を飲むことと、酒に酔うことは別だ」と言わんばかりに見えますが、「酒に酔ったことと、正常な運転が困難かどうか」ということすら別だというわけです。

 標語では「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」と言っているくせに、法が「正常な運転が困難でない飲酒運転」というレベルの存在を認めるのは、ひょっとしたら、一種の矛盾かもしれません。

 酒に強い弱いといった体質には個人差がありますから、「正常な運転が困難な状態」だったかどうかは、必ずしも事前の飲酒量だけでは計れませんし、まして現場から逃げられて水などガブ飲みされたら、ますます立証は難しくなるのです。

 酔っぱらいが「ダイジョーブダイジョーブ」と言い放つのは、一種の口グセみたいなもんですから、何をもって大丈夫とするのか、客観的な線引きが求められます。 当然、線引きは難しいところです。

  

 まず、酒に強かろうが弱かろうが、「呼気中アルコール濃度0.15mg/l」という境界線をもって、それ以上を「酒気帯び運転」として取り締まっています。

 さらに、数値的な境界線は置いておいて、「正常な運転ができないおそれがある状態」といえれば、「酒酔い運転」として、さらに厳しく取り締まることになっているんです。 このへんの判断は、取り締まりにあたった警察官の主観によるといわれます。

 それじゃあ、「正常な運転が困難な状態」といえば、もっとひどい段階のはずですよね。 つまり、酒酔い運転レベルの状態で事故を起こしても、危険運転致死傷が適用されない可能性が残るということです。 

 だって、文言上、正常な運転が「できないおそれがある状態」と「困難な状態」ですから、この両者を比べたら、危険運転は酒酔い運転の親玉だと読み取るのが自然ではないでしょうか。

 事故を起こして相手に危害を加えたかどうかという結果を差し引いたとしても、酒酔い運転罪と危険運転致死傷罪の法定刑には大きな開きがあります。

 そのため、刑罰法規全体のバランスを考えたとき、裁判所は、正常な運転ができない可能性(「おそれ」)以上のもの、すなわち事故に至るまでの “現実としての” 運転困難性を求めたのでしょう。

 もちろん、飲酒運転を3段階に区別する必要がどこまであるのか、やっぱり「飲酒運転イコール危険運転」にしておくべきじゃないのか、よくよく考え直す必要はあります。

 また、危険運転には飲酒だけでなく「高速走行」のパターンもありますが、条文の要求は、やはり「その進行を制御することが困難な高速度で」となってます。 いずれにせよ結局は、現実的な運転の困難さを立証しなければならないとみられる、とても面倒な犯罪類型なのです。

 

 危険運転致死罪の適用に関して、酒酔い運転を上回るレベルを想定しなければならなかった本件の裁判官3名は、苦渋の決断を強いられたに違いありません。

 裁判官すら、条文の構成そのものに違和感を抱かれたのではないでしょうか。 むしろ気の毒な思いです。

 今日の判決は控訴審や上告審で破棄されるかもしれませんが、決して一審の裁判官が、人情や心の機微を知らぬ冷血動物だというわけじゃない、ということを太字で記しておきます。

 司法は今日もまた、法治国家の限界に直面したのです。

 良くも悪くも、法律は人間による産物。 批判されるべきは、刑法改正にあたった国会議員や内閣法制局のほうです。

 そういえば、危険運転致死傷罪で起訴された刑事事件は、来年以降、一般から裁判員が招集されるようになりますね。 一体どうなることやら……。

 なお、現行法では、自動車運転過失致死傷罪が最高で懲役7年、救護義務違反(ひき逃げ)が同10年、酒気帯び運転が同3年(酒酔い運転が同5年)と改正されています。 よって、本件と同じケースを現在起こせば、最高で懲役15年が科されるようになっていますので念のため。

 

 あんまり交通法規を厳罰化すると、クルマを運転する人がいなくなってしまうと懸念する人がいるようですが、結構なことじゃないですか。

 この国には今、クルマが多すぎるんです。 特に公共交通機関が発達した都市部では、どうしても必要な人だけ運転すればいいでしょう。 それでも遊びでクルマを走らせたいなら、それなりの覚悟が求められる時代になったってコトです。

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