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2008年1月18日 (金)

気になった裁判ダイジェスト【1月3週】

 今年から、このブログで裁判傍聴録を取り上げてまいりたいと思います。

 かつて配信していたメールマガジンみたいに、法廷で起こった出来事の完全再現を目指そうとしたら、まっさきに自分が潰れてしまいます。

 たぶん、世間様からも求められてないかなと感じましたので、空気を読んで、エッセンスのみ、オイシイところだけを拾い上げてまいります。

 

 

■ とある建造物侵入 〔1月16日 東京簡裁〕

 パチンコ玉を持ち込んでパチンコ屋に入店し、タダで打とうとしていたところを逮捕されたという事件。

 違法な目的を抱いて入れば、たとえ営業中の店でも侵入罪が成立するわけです(万引きが典型)が、こういうバリエーションがあったとは、勉強になります。

 被告人は20代の男。無職ですが、いろいろ職に活かせる資格を持っているみたいなんですね。根はマジメなようです。ハッキリした口調で反省の弁を繰り返し述べていました。

 私は、パチンコをまったくしたことがなく(友人の付き合いで、店内に入ったことなら1度ありますが)、あいにく事情がわからないんですけど、そのパチンコ店の玉は1個4円がレートらしいんですね。

 一方で、中国人から買い受けたというパチンコ玉は1個2・5円。それを500個買って持ち込み、差額でトクしようとしたという、なんともみみっちい事件です。

 「持ち込んだパチンコ玉を台で打つより、最初から機械に入れて換金したほうが早いのでは?」と、検察官から真っ当な質問が出てましたが、被告人の彼は「監視カメラもあるし、バレるのが怖かったです。遊んで増やせたほうが気がラクだと思いました」と答えています。

 根っからのワルじゃないんです。 ラクして儲けたかっただけなんでしょう。

 共犯者がもう一人いる関係で、こちらの裁判では一部の写真証拠がコピーで出されていました。特に、店の壁に貼られていたという「パチンコ玉の持ち込み禁止」の張り紙の文字が小さく、判読しにくかったようで。

 そこで、竹澤宏之裁判官がひとこと。

 「裁判所は目が悪いので、よく見えないんですよね」

 なるほど、そういうパターンもあるわけか……。 (あまりピンと来ない方は「裁判官の爆笑お言葉集」の30ページを参照してください)

 

 

■ とある覚せい剤所持・使用 〔1月17日 東京地裁〕

 なんと、覚せい剤使用事件で、5人の大弁護団が組まれていました。しかし、発言したのは主任の1人だけ。 えーと、残りは見学?

 過去に2回、覚せい剤で捕まっていて、服役前科もあるという被告人。1回目は16年前、「なんとなく」使ってしまったようですが、その後に阪神淡路大震災が起き、当時の奥さんと子どもさんを亡くして、「もう死んでもいい」と自暴自棄になってしまったとのこと。

 その頃知り合った暴力団関係者から勧められ、再び禁断の粉に手を染めたというのです。

 

弁護人 「ところで、今日が何の日かわかりますか?」

被告人 「はい。 地震から13年目の日です」

 

 情状証人として、内縁の妻が証言。「前科があるとは聞いていたが、ケンカして捕まったとしか聞いておらず、裏切られた気持ち。ですが、私が責任をもって必ず更生させます!」と、涙ながらに力強く訴えていました。

 「なぜ内縁関係なのか?」という検察官からの質問に対しては「13歳の息子が少年剣道をしていて、将来はおまわりさんになりたいと言っているので、身内に前科がある人がいてはいけないと思ってのこと」と説明していました。やはり、そういうもんなのかと。

 被告人自身も「保釈で家に帰ってきたとき、ふたりの息子が飛びついて喜んでくれた。最初は息子も目を吊り上げて荒れていたようなんですが、子どもって怖いなというのと同時に、凄いな、ここまで父親の影響力というのは大きいのかと思いました。自分……父親がいなかったので、今回のことで思い知りました。これからは第一に家族、第二に自分、第三に仕事を頑張っていきたい」と述べており、具体的な決意が見えた気はしましたね。

 たまたまその直前に、違った「父親の影響力」パターンを、別の裁判で観ていたのです。

 情状証人として出廷していた父親が「これからは息子とコミュニケーションをとっていきたい。具体的にはスポーツや芸能の話とか」と答えていたため、検察官から「そんな世間話が立ち直るきっかけにつながるんですか? 息子さんの内面とは関係ない話じゃないですか」とツッコまれてました。

 それに対して「今だと、野球のキャンプの話なんかして、『みんなこんなに頑張ってるんだ。一般人も頑張らなきゃいけないよな』と励まして、息子と一緒にハローワークに行って仕事を探そうと思っています」などと釈明してしまう始末。

……息子さん、30歳ですよ。

 やはり、子どもが社会で生き抜く知恵を身につけるには、人生の指針としても、障壁としても、父親の存在が大きいんだろうなぁと思いました。母子家庭なら、母親が父の役割を演じる覚悟もできているかもしれませんが、ヘタに両親が揃っていれば、なにかと油断する場合があるんでしょうか……。

 なので、「情状証人から見る家族」なんていう企画もアリなのかなぁと思ってみたり。

 なんだか時期的に、新発売の「親の品格」とカブりますけど、ああいう抽象的な品格論は、ご年配の方にお任せして、私は情状証人の言動に注目しつつ「親のあり方」「夫・妻のあり方」「隣人のあり方」などを探っていくヒントになりうる、変則的な裁判傍聴録が出せればなぁと。

 簡単に言えば「情状証人お言葉集」ですね。

 もちろん、どなたか、この企画をパクってくださっても結構です。その際はご一報くだされば、私は執筆に向けての準備を止めて、完成を楽しみにお待ちすることにします。一読者として、とても読んでみたいので。

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