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2008年10月 6日 (月)

法律に“愛”はあるか?

◆日本国憲法
<前文>
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

(↑ 前文は、全人類に「平和的生存権」が保障されているよ、と確認するものといわれています。 かといって、国によって平和的生存権が侵害されたから国家賠償を!という請求は認められないようです)

 

◆ 日本国憲法 第89条

 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

(↑ 89条は、教育やボランティア事業が、公共機関に支配されず、あるいは公共機関に金銭的に頼らないようにする規定です。しかし、国から私立学校に向けての「私学助成金」などは存在し、多少グダグダになっています)

 

◆動物の愛護及び管理に関する法律

(目的)
第一条
 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。

(普及啓発)
第三条
 国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、前条の趣旨にのつとり、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならない。

(動物愛護週間)
第四条
 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。
2 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。
3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。

(↑ 管理人調べで、おそらく日本一“愛”にあふれた法律です)

 

◆観光立国推進基本法

<前文>
観光は、国際平和と国民生活の安定を象徴するものであって、その持続的な発展は、恒久の平和と国際社会の相互理解の増進を念願し、健康で文化的な生活を享受しようとする我らの理想とするところである。また、観光は、地域経済の活性化、雇用の機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたりその発展に寄与するとともに、健康の増進、潤いのある豊かな生活環境の創造等を通じて国民生活の安定向上に貢献するものであることに加え、国際相互理解を増進するものである。

我らは、このような使命を有する観光が、今後、我が国において世界に例を見ない水準の少子高齢社会の到来と本格的な国際交流の進展が見込まれる中で、地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の実現を促進し、我が国固有の文化、歴史等に関する理解を深めるものとしてその意義を一層高めるとともに、豊かな国民生活の実現と国際社会における名誉ある地位の確立に極めて重要な役割を担っていくものと確信する。

しかるに、現状をみるに、観光がその使命を果たすことができる観光立国の実現に向けた環境の整備は、いまだ不十分な状態である。また、国民のゆとりと安らぎを求める志向の高まり等を背景とした観光旅行者の需要の高度化、少人数による観光旅行の増加等観光旅行の形態の多様化、観光分野における国際競争の一層の激化等の近年の観光をめぐる諸情勢の著しい変化への的確な対応は、十分に行われていない。これに加え、我が国を来訪する外国人観光旅客数等の状況も、国際社会において我が国の占める地位にふさわしいものとはなっていない。

これらに適切に対処し、地域において国際競争力の高い魅力ある観光地を形成するとともに、観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成、国際観光の振興を図ること等により、観光立国を実現することは、二十一世紀の我が国経済社会の発展のために不可欠な重要課題である。

ここに、観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。

(↑ かつての観光基本法を全面改正した、まだ新しい法律です)

 

◆教育基本法

(教育の目標)
第二条
 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

(↑ 国内の子どもたちへの教育方針に「愛国心の養成」を盛り込むべきか、揉めに揉めた法律としておなじみですね。 ご覧のとおり、盛り込まれております)

 
 

◆国民の祝日に関する法律

第二条
 「国民の祝日」を次のように定める。
元日 一月一日 年のはじめを祝う。
成人の日 一月の第二月曜日 おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。
建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。
春分の日 春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ。
昭和の日 四月二十九日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
憲法記念日 五月三日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
みどりの日 五月四日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
海の日 七月の第三月曜日 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
敬老の日 九月の第三月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。
秋分の日 秋分日 祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。
体育の日 十月の第二月曜日 スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。
文化の日 十一月三日 自由と平和を愛し、文化をすすめる。
勤労感謝の日 十一月二十三日 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
天皇誕生日 十二月二十三日 天皇の誕生日を祝う。

(↑ 知りませんでした。 2月11日は愛国心を養う日だったんですね。 これについて各方面から抗議は来ないのでしょうか)

 

古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法

(目的)
第一条
 この法律は、わが国固有の文化的資産として国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承されるべき古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定め、もつて国土愛の高揚に資するとともに、ひろく文化の向上発展に寄与することを目的とする。

(↑ 「国土愛」とは、日本の文化的資産や歴史的風土を愛する心を指すようです。 愛国心よりは客観的なものと思われますので、あんまり揉めはしないのかな?)

 

◆悪臭防止法

(国民の責務)
第十四条
 何人も、住居が集合している地域においては、飲食物の調理、愛がんする動物の飼養その他その日常生活における行為に伴い悪臭が発生し、周辺地域における住民の生活環境が損なわれることのないように努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する悪臭の防止による生活環境の保全に関する施策に協力しなければならない。

(↑ 「愛玩動物」とは、ペットのことを指す用語です。 悪臭が漂うペットは、なかなか愛玩しにくいものです)

 

◆ストーカー行為等の規制等に関する法律

(定義)
第二条
 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
  一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
  二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
  三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
  四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
  五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくはファクシミリ装置を用いて送信すること。
  六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
  七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
  八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。
2 この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(前項第一号から第四号までに掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。

(↑ 「恋愛」という言葉を使っている珍しい法律です。 たとえばマスメディアの取材活動(特に政治家などに対して)や、さまざまな抗議活動などに対して、「つきまとい等罪」や「ストーカー罪」などで取り締まるがごとき乱用が横行しないよう、恋愛感情などに基づくつきまといのみに限定を設けているのです)


◆海底電信線保護万国連合条約

明治十七年四月仏蘭西国巴里府ニ於テ別冊海底電信線保護万国連合条約ニ加入ス
右奉 勅旨布告候事
(別冊)
千八百八十四年三月十四日巴里府ニ於テ各国ノ全権調印シタル海底電信線保護万国連合条約訳文
条約書
仏蘭西共和政府大統領閣下普魯西兼独逸皇帝陛下亜爾惹丁連邦大統領閣下澳地利兼洪牙利皇帝陛下白耳義皇帝陛下伯西爾皇帝陛下哥斯太利加共和政府大統領閣下丁抹皇帝陛下度美尼哥共和政府大統領閣下西班牙皇帝陛下北米合衆国大統領閣下哥倫比亜合衆国大統領閣下大不列顛愛爾蘭兼印度皇帝陛下牙徳麻刺共和政府大統領閣下希臘皇帝陛下伊太利皇帝陛下土耳其皇帝陛下荷蘭兼盧森堡皇帝陛下波斯皇帝陛下葡萄牙亜爾珈揮皇帝陛下羅瑪尼皇帝陛下全露西亜皇帝陛下薩爾波度児共和政府大統領閣下摂児比亜皇帝陛下瑞典兼諾威皇帝陛下烏拉芸東部共和政府大統領閣下ハ海底線ヲ経過スル電気通信ヲ保護スルコトヲ冀望シ夫レカ為メニ条約ヲ締結セント欲シ各其全権委員トシテ左ノ人々ヲ任命ス
仏蘭西共和政府大統領閣下ハ内閣議長兼外務卿代議士ジュール、フヱリー氏及駅逓電信卿代議士アドルフ、コシユリー氏
普魯西兼独逸皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使巴巴里亜皇帝侍従長プランス、ラチボール、ヱ、コルウヱー、プランス、クロウヰ、シヤルヽ、ウイクトール、ド、ホーヘンロツフ、シルリン、ヒユルスト殿下
亜爾惹丁連邦大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル亜爾惹丁特命全権公使バルカルス氏
澳地利兼洪牙利皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使内閣顧問コント、ラジスラ、ホヨ閣下
白耳義皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使バロン、ベイヤン氏及白耳義外務省政務局長兼特派全権委員レオボール、オルバン氏
伯西爾皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル伯西爾代理公使バロン、ヂタジユバ、ダロージョ氏
哥斯太利加共和政府大統領閣下ハ在巴里府哥斯太利加公使館書記官レオン、ソンゼヱー氏
丁抹皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使コント、ド、モルトケ、ウヰツトヘル氏
度美尼哥共和政府大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル度美尼哥国全権公使バロン、ド、アルメダ氏
西班牙皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使西班牙学士会員元老院終身議官マニユエル、シルヴエラ、ド、ル、ウヰ、ヨーズ閣下
北米合衆国大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル北米合衆国特命全権公使ヱル、ぺー、モルトン氏及同公使館書記官ヴヰギョー氏
哥倫比亜合衆国大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル哥倫比亜総領事ドクトル、ジョセ、ジヱートリアナ氏
大不列顛愛爾蘭兼印度皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使枢密院議官大不列顛及愛爾蘭統一国貴族院議員ウヰコント、リヨン、トレー、オノヨーブル、リシヤルド、ビケルトン、ぺーメル閣下
牙徳麻刺共和政府大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル牙徳麻刺国特命全権公使クリザント、メジナ氏
希臘皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使プランス、モーロコルダト氏
伊太利皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使マルキー、ド、ヴアルドラ将官、コント、メナブレア閣下
土耳其皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使ヱッサー、パシヤ閣下
荷蘭兼盧森堡皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使バロン、ド、ジュイラン、ド、ニエヴヱル氏
波斯皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使将官ナザル、アガ氏
葡萄牙亜爾珈揮皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル葡萄牙代理公使ダゼウヱド氏
羅馬尼皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル羅馬尼代理公使オドベスコ氏全露西亜皇帝陛下ハ仏国政府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権大使参謀将官プランス、ニコラ、オルロフ閣下
薩爾波度児共和政府大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル薩爾波度児特命全権公使トレー、カイセド氏
摂児比亜皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使マリノヴヰツク氏
瑞典兼諾威皇帝陛下ハ巴里府ニ駐留スル同陛下ノ特命全権公使シベル氏
烏拉芸東部共和政府大統領閣下ハ巴里府ニ駐留スル烏拉芸特命全権公使陸軍大佐ジアヅ氏
右ノ全権委員ハ互ニ其委任状ヲ示シ善良正当ト認メタルニ因リ左ノ数条ヲ約定ス

(↑ ……なんじゃこれ!?  ざっくり検索してみたところ、「愛爾蘭」とはアイルランドの意味だとわかりました)

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