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2008年11月24日 (月)

通称「ツミダス」

20081122060115  

 たぶん潜在的な需要はあるのに、なぜか今まで誰も作らなかった“罰則の事典”を、少しだけ本邦初公開してみます。

※本文が見えすぎているので、写真全体を加工処理する判断をさせていただきました。雰囲気だけ感じてください。(2008.11.28)

 少しでも罰則の全体像を知っていれば、これまで毎日のように漫然と受け取っていた、犯罪に関するニュースや新聞記事が、スッキリわかって、腑に落ちるようになりますよ。

 

 今回のプロジェクトは、「六法全書のビジュアル化」でございます。 いかがでしょうか? 

 「窃盗罪(刑法235条)」と書かれている下にあるのは、アイコンです。

 手錠アイコンは、逮捕状なしで緊急逮捕ができることを示しています。 まぁ、それでも事後承諾で逮捕状はとらなきゃいけないんですけど。

 告訴状アイコンは、被害者が告訴しなければ裁判に持ち込めないこと(親告罪)を示しています。 同居していない兄弟や親戚のものを盗んだ場合は、被害者が告訴しなければ罪には問われないのです。

 大きく「7」と書いてあるのは、犯行から7年で時効にかかることを示しています。

 

 その下では、犯行の主体と客体などの状況をイラストで図示しています。

 そして、一番の売りは「法定刑グラフ」ですね。 これはおかげさまで、出版社内の一部で評判が良いです。

 じつは、司法試験受験の2年目あたりで、個人的に似たような刑法ノートを作ったことがあったんです。

 労力のわりに得点アップにつながらないので、あっさりやめたのですが、まさか、その10年後に商品化することになるとは……

 

 当時の私には予想できるわけありません。 これでも敏腕弁護士になるつもりだったので(大恥)。

 このほかにも、法律相談本のパロディで、Q&Aコーナーも入れてみました。

 ・ 「死に神からもらったノートに、他人の名前を書いて殺害するのは、殺人罪ですか?」
 ・ 「お笑い芸人の一発ギャグに、著作権はありますか?」
 ・ 「隣の庭に核ミサイルがあるのですが、どうすればいいでしょう?」 などなど。

 たしかにふざけてますけど、弁護士さんの法律監修も受けていますので、内容はたしかです。

 まぁ、そういう種類の読み物を、天下の小学館から刊行してもらえることになりました。

 おかげさまで、ナガミネ4冊目の著書です。

 罪が簡単にひける新型事典ということで、タイトルは「ツミダス」にしたかったのですが、なんと! NGが出ちゃった模様です。

 「イミダス」を出していた集英社と小学館とは、兄弟みたいな出版社だと認識していた私は「ギリギリ大丈夫じゃないかな~」と思っていたのですが、そんなに世の中あまくありませんでした。

 正式な書名は…

 罪と罰の事典 ~ 「裁判員時代」の法律ガイド

 

 

 小学館から、来年2月20日(金)に、定価1800円(+税)で発売予定でございますよ。

 今から書店に予約しても、「はぁ?」と迷惑がられるだけですので、しばらくお待ちください。 それまでどうか忘れずにいてください。

 

 本当は「法律や裁判に興味を持とう!」とか、「面白さには自信があります!」というふうに、のんきでアットホームな売り文句にしたかったのですが、そうも言っていられません。

 これは、来年から始まる裁判員制度を、モロに意識した本でもあります。実際、あなたが法廷で、誰かに刑罰を宣告するかもしれない。 そんな大変な時代が、すぐそこまで来ています。

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★『罪と罰の事典』(小学館)」カテゴリの記事

コメント

ほしいです☆

私のような法律にうとい者にとって、ある事件について、何が法に触れたのか、何を争っているのか、どのような決着となる見込みなのか、調べるのはものすごく大変です。「罪と罰の辞典」が手に入ればとっても楽になります。

そして、自暴自棄になってしまったとき、この本を開いて、「割に合わないなぁ~」と、犯行を思いとどまりたいです。

投稿: 絶坊主 | 2008年11月24日 (月) 19:55

売り先を1冊確保できました。まいどあり!

ゼツさんは以前から、わかりやすい刑法の本を欲しがってましたよね。

それで今までは、司法試験予備校のテキストを薦めるしかなかったわけですが、もっとわかりやすいものが、まもなく世に出ます。

ストレスは、犯罪で解消しないのが身のためですぜ。ふふふ。

これを読んで、「日本の刑罰は軽いなー」と思われて、むしろ厳罰が加速しないか心配です。あくまで事実をまとめてるだけなんだけれども。

投稿: みそしる | 2008年11月25日 (火) 07:02

今晩は^^
うちも購入しますね♪
こういう本って何冊あっても便利です!!
今、刑法各論で詐欺罪について勉強してまして事件
を見ると『なるほどなぁ~』となります。
刑法総論は分かりやすく書かれている本を買ったに
もかかわらず、理解出来ませんでしたorz
その点、長嶺さんが書かれている本はとても読みや
すく理解しやすいので大好きなんです。

今ゼミのシンポジウムに向けてひいひい言いながら
活動していまして、女子大生が『死刑とは!!』や
『死刑の裏側』など死刑についての本を購入してい
ます。
それをゼミ生と『女の子がこんな本を買うなよ~っ
て思いながら買うね~』と話してます。
『もっと花のある本を買おうよって思う~』と。
でも個人的にはこういう本は年をとっても役に立つ
ので進んで買っちゃうんですけどね^^;
本棚に入らなくて雪崩が起きてます【苦笑】

投稿: 架図南 | 2008年11月25日 (火) 21:47

>架図南さん

どうもありがとうございます!

刑法総論…、自分も大学在学中はサッパリわからんでした。司法試験で2,3年勉強して、専門書を繰り返し読んだり、いろんな問題を具体的に解いたりする過程で、ようやく「わかった」という感触がありましたね。

各論の詐欺もなかなか難しいところですね。
今度の「罪と罰の事典」では、本当に詐欺罪のエッセンス部分しか書けませんでしたが、まぁ、それでいいと思ってます。

広く一般の皆さんが、毎日読んだり観たりして、なんとなく流しているニュース(事件事故)や新聞記事(社会面)について、罰則という別の角度から「わかった」という感覚を得ていただきたいなと。そういう役割の本です。

学生のうちに死刑制度について徹底的に調査するのは素晴らしいですけども、資料、全部買うのか~と思って。なかなかハードな書棚になりそうだなと。(^^;

もはや、図書館で調べるだけじゃ満足できなくなってるんですかね?


投稿: みそしる | 2008年11月26日 (水) 18:57

>資料、全部買うのか~と思って。
資料を全部買うというより、図書館にある本が古か
ったり、大学院で借りる期間が短かったりなので
本屋さんがもううちの図書館です【笑】
興味のある本があれば立ち読みをちらっとして、欲
しい情報が書いてあって、金銭に余裕があれば購入
してます^^;
今日も1冊買いました。…でも死刑についての本は
2冊ですね、今日のを含めて。
ない本は大学に購入希望出しました。
2回生の時は少年法を理解しようと『厳罰化』につ
いての本を5冊ほど買いました。
後…被害者側から書かれている本も。

なんかもう本屋さんを2、3軒ぐらい余裕です。
裁判所の売店で本を買ってやろうかなぁと思ってた
時期もありました。

あ、神戸地裁の食堂がなくなっていたのでショック
でした。
一度食べてみたかったです。

シンポジウムで観客の方が内容を分かるようにとポ
スター【少年審判の流れや死刑について】を作ろう
となっていまして、うちは死刑基準が担当なのです
が、判例の言葉を丸々出しても理解してもらえない
だろうなぁとどう言葉を砕いていくか悩んでます^^;
もっと情報を集めないといけませんね。
…結構無駄な行動が多かったりするかも…。

投稿: 架図南 | 2008年11月26日 (水) 20:09

新作上程、おめでとうございます。順調ですね。

>労力のわりに得点アップにつながらないので、あっさりやめたのですが、まさか、その10年後に商品化することになるとは……
ここは、思わず、笑ってしまいました。
私も受験生時代の『大作』が商品化できないかと思う今日このごろです。
「ツミダス」はいいネーミングだと思いますけどね。『罪出す』と漢字で書くと、少し、イミダスから遠くなるのでOK、ということにはならないのでしょうかね。弁理士らしからぬコメント、お許しを…。

投稿: ある弁理士 | 2008年11月26日 (水) 21:53

>架図南さん

難しいことを簡単に説明することは難しいですよね。多少は正確性が犠牲になるのも仕方ないでしょうし、別の表現で言い換えができるのなら、最初から判決文のなかで裁判官がやっているだろうし。

私もこの仕事をしていて、「難しいこともあっさりわかりました」「あっという間に読めました」というご感想をよくいただきます。

言い換えがうまく行ってうれしい半面、悩みまくってひねり出した表現を、あっさり消費されることに対する複雑な思いもあります。

別に、おれ様の苦労を知れ、ということではなく、「本当に皆さんの心の中に残ってるんだろうか」という疑問ですね。

あ、神戸地裁の食堂、なくなりましたか。神戸地裁の庁舎は、レンガ造りがかろうじて残ってますし、中央の大階段が大げさで面白いです。東尾龍一判事だけでなく、ほかにも興味深い裁判官がいらっしゃいますね。

>ある弁理士さん


「ツミダス」と「イミダス」、字面だけだと不正競争防止法にでも引っかかりそうですけど、書籍としての物理的な大きさが全然違うので、混同のおそれは…… という逃げ方はダメですかね? (^_^;

以前、アドバイスをくださった行政書士試験ですが、残念ながら受けてるヒマありません。というより、私が受けたら、本気で行政書士になりたい人に失礼だなと。

むしろ今後の人生で、二度と受験勉強せずに済むよう、今の居場所で頑張りたいと思います。

投稿: みそしる | 2008年11月28日 (金) 07:28

こんにちは.興味ぶかい本ですね.犯罪全部が載ってるんですか??

投稿: ヒョードル | 2008年11月29日 (土) 13:40

はじめまして
こういった書籍って中々ないので必ず購入します

投稿: アンコウ | 2008年11月30日 (日) 16:59

はじめまして。大変興味深い内容で、発売が楽しみです。


一人の被告人が複数の罪を犯した際に起きる、罪数問題についての解説もあったりするのでしょうか?

投稿: 簡裁人 | 2008年12月 1日 (月) 02:30

>ヒョードルさま

いらっしゃいませ。日本に数千あるといわれる罰則について、さすがに全部は物理的に載せられません。ニュースや新聞報道でよく見聞きするものを中心に、(まだ数えてませんが)400~500ぐらい入っていると思います。

>アンコウさま

どうもありがとうございます。法改正によってできた罰則については、その罰則ができた背景など(サリン防止法ならオウムの事件、危険運転致死傷罪なら東名高速の飲酒炎上事故など)についても説明していますので、読み物としても使っていただけると思います。

>簡裁人さま

こんにちは。罪数関係は、併合罪について数行ほど説明させていただきました。

あくまで、ニュース報道の理解の助けにしていただくための、一般向けの書籍ですので、イメージしづらい抽象論はなるべく省いていこうという判断です。中身とページ数のせめぎ合いも、本当にギリギリですので、ご了承くださいますようお願いします。

投稿: みそしる | 2008年12月 1日 (月) 08:45

>「死に神からもらったノートに、他人の名前を書いて殺害するのは、殺人罪ですか?」
>「お笑い芸人の一発ギャグに、著作権はありますか?」
>「隣の庭に核ミサイルがあるのですが、どうすればいいでしょう?」 などなど。

「空想法律読本」みたい。

投稿: sss | 2008年12月 2日 (火) 04:44

初めまして。こういう本、待ってました!とても嬉しいです。
以前から思っていたのですが、長嶺さんの文章は人を笑顔にする力があり、素晴らしいと思います(お世辞ではないですよ)!本棚にまた一冊コレクションが増えるのが楽しみです。
これから寒くなりますが、お体に気をつけてお仕事頑張ってください。微力ながら応援させていただきます。
乱文失礼いたしました。

投稿: 薇 | 2008年12月 2日 (火) 22:40

>sssさま

どうもありがとうございます!

その3つだけ抜き出して紹介すると、たしかに「空想法律読本」のパクリのニオイがしてしまいますね。もちろん、まったく別方向の企画です。

私も、あのシリーズのファンです。第2弾も買いましたし。


>薇さま

いらっしゃいませ!

いやー、そんなに手放しに褒められることがないので、素直にありがたいです。おかげで、今夜ももっと頑張ろうという気になりましたよ。これからも期待していてください。

投稿: みそしる | 2008年12月 3日 (水) 00:52

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