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2009年2月15日 (日)

【マイナー罰則(5)】 生活環境侵害系の罪

 スポーツ報知の裁判員制度特集(第5回)にコメントを寄せております。 スポーツ新聞の社会記事だからと侮るなかれ。 骨太の連載ですので、皆さんにも最初から通読することをオススメさせてもらいます。

 

 さて、いよいよ来週発売の『罪と罰の事典』(小学館)に収録しきれなかった罰則たち、まだまだご紹介しますよ。

 個人的にも、今後どこでネタとして採り上げて書くことになるかわかりませんので、念のため、ここにストックして眠らせておきます。

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工業汚染水の排出罪
 (水質汚濁防止法12条、31条)

<時効3年>

■どんな犯罪?

 工場などが、環境省の定める基準を超えた汚染状態の排水を出すこと

■どんな刑罰?

 【わざとやった場合】
 1カ月~6カ月(懲役)
 1万円~50万円(罰金)

(両罰規定あり)
 会社に1万円~50万円(罰金)

 【うっかりやった場合】
 1カ月~3カ月(禁錮)
 1万円~30万円(罰金)

(両罰規定あり)
 会社に1万円~30万円(罰金)

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港にゴミを捨てる罪 (港則法24条、41条)

<時効3年>

■どんな犯罪?

 港の中、または港の境界の外1万メートル以内の水面へ、みだりに、バラスト(船を安定させるために積む重り)、廃油、石炭から、ゴミなどの廃物を捨てること

■どんな刑罰?
 1カ月~3カ月(懲役)
 1万円~3万円(罰金)

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事業所が、温室効果ガスの排出量を報告しない罪 (地球温暖化対策の推進に関する法律21条の2、50条)

 

■どんな犯罪?
 二酸化炭素などの温室ガスの排出量が多いと認められる大きな事業所が、毎年ごとに国に報告しなければならない「温室効果ガス算定排出量」を報告しないこと

■どんな刑罰?
 1万円~20万円(過料)

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事業所が、温室効果ガス排出量の削減義務を守らない罪 (都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 5条の11[新設]、159条[改正])

<時効3年>

■どんな犯罪?

 二酸化炭素などの温室ガスの排出量が多いと認められる大きな事業所が、都に提出した「温室効果ガス削減対策計画」を守らないこと

■どんな刑罰?

 1万円~50万円(罰金)
 ※東京都のみ、2010年4月から施行

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積雪や凍結のない道路でのスパイクタイヤ使用罪 (スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律7、8条)

<時効3年>

■どんな犯罪?

 住宅が集まっているところなど、環境大臣が指定する地域内の舗装道路で、雪が積もっても凍ってもいない状態において、排気量125ccを超える自動車を走行させるときに、スパイクタイヤを使用すること。大気汚染や健康被害を防止するための罰則。

■どんな刑罰?

 1万円~10万円(罰金)

※ スパイクタイヤの周りには、多くの鋲が取りつけられていて、氷の上でのすべり止めに有効ですが、通常の路面上では、摩擦によって鋲が削られ、金属などの非常に細かい粉が飛び散りやすいのです。なるべく、スタッドレスのタイヤを使ってください。

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遺伝子組み換え生物の乱用罪 (遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律4条、39条)

<時効3年>

■どんな犯罪?

 施設内から自然界へ拡散するのを防止する措置をとらないまま、遺伝子組み換え植物などを育成したり、食用などに製造・加工したり、保管・運搬・廃棄すること

■どんな刑罰?

 1カ月~6カ月(懲役)
 1万円~50万円(罰金)<併科あり>

 (両罰規定あり)
 会社に1万円~50万円(罰金)

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人への感染症を持ちうる動物の無許可輸入罪 (感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律54条、77条)

<時効3年>

■どんな犯罪
 感染症を人にうつすおそれが高いとされる「指定動物」を、感染症が蔓延しているものと厚生労働省や農林水産省が定める地域から、あるいはその地域を経由して、許可なく輸入すること

(「指定動物」の具体例)
イタチアナグマ、コウモリ、サル、タヌキ、ハクビシン、プレーリードッグ、ヤワゲネズミ

■どんな刑罰?

1万円~50万円(罰金)
※[両罰規定あり] 法人に50万円以下の罰金

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極めて危険な病原体の発散罪など (感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律69条など)

<裁判員を召集>※発散のみ
<緊急逮捕が可能>
<未遂と予備を罰する>※発散、輸入
<未遂を罰する>
<時効15年>※発散
<国外犯:すべての犯人を本法で処罰>※発散

■どんな犯罪?

 「一種病原体等」(エボラ出血熱ウイルス、コンゴ出血熱ウイルスなど、国民の生命及び健康に極めて重大な影響を与えるおそれがある病原体等)を、みだりに発散させて公共の危険を生じさせること。

■どんな刑罰?

 (発散)
 2年~20年・無期(懲役)
 1万円~1000万円(罰金)

 (発散目的の輸入)
 1カ月~15年(懲役)
 1万円~700万円(罰金)

 (発散目的の所持・譲り渡し・譲り受け / 単純輸入)
 1カ月~10年(懲役)
 1万円~500万円(罰金)

 (単純所持・譲り渡し・譲り受け)
 1カ月~7年(懲役)
 1万円~300万円(罰金)

 (発散予備罪)
 1カ月~5年(懲役)
 1万円~250万円(罰金)
 ※ただし、予備段階で自首した場合の刑の減免あり。

 (発散目的輸入予備罪/単純輸入予備罪)
 1カ月~3年(懲役)
 1万円~200万円(罰金)

 ※以上、いずれも[両罰規定あり] 法人に各罰金刑。

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