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2009年4月18日 (土)

江戸時代の「日照権」

 元禄14(西暦1701)年、ある富豪が敷地に蔵を建てようとしたところ、隣の農民が「畑の日当たりが悪くなり、収穫が減った」として、地元の有力者に仲裁を求めた記録が、「山梨県史・資料編12」(山梨県教育委員会・県史編さん室)510ページに載っています。

 仲裁内容は、富豪が農民に対し「こさよけ年貢」として、年に200文を支払うという内容でした。

 「こさ(木障)」とは、木陰で農耕に不向きとなった田畑を指すとのこと。 つまり、こさよけ年貢は、現代でいうと日照権の補償金に相当するものですね。

 その代わり、こさよけ年貢を受け取る農民の側には、蔵の日陰となる土地に、桑や柿など、多少の日陰でも育つ植物は一切植えてはならないと命じています。

 じつに合理的。文句なしの仲裁ぶりですね。

 元禄時代の200文は、0.05両に相当するそう。 千両箱がザクザク保管されていそうな蔵の持ち主にとっては、たいした負担ではないかもしれません。 このへんも、現代と似ています。

 どんなに多くても数十万円(しかも一度きりの支払い)程度が、日照権補償金の相場ですから。

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