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2009年5月27日 (水)

どうして法律は、つまらないのか?

1.法律用語がつまらない

 「悪意」は、なぜか「知っている」という意味。 「債務名義」は、名義とは関係ない。 「または」と「もしくは」を使い分け、「被告」と「被告人」は意味が違うとか、「保証」と「連帯保証」も違うとか…… えー加減にせぇ!

 

2.知っていても儲からない

 同じ文系科目なら、経営とか会計などを扱う学問のほうが、絶対に儲かりそう。 法律は、専門家にでもならない限り、知っていても腹の足しにならない。 欲望よりも、ガマンを強いる学問のような気がする。

 

3.条文に縛られすぎる

 どんなに素晴らしい意見を言っても、「そんな条文あるの?」「判例あったっけ?」と切り返されたら終わりである。 法解釈学は、お上のお墨付きを前提に進められる宿命だ。

 「オマエの彼女がどうなってもいいのか!」と脅迫するのは、脅迫罪として取り締まってほしいが、刑法222条の被害者に「ガールフレンド」がラインナップされていない以上、処罰の対象にならない。 これはキュークツだし、常識はずれ!

  

4.社会のルールの最低ラインしか引けない

 たとえば「社会のために、みんなのために尽くしなさい」というルールは、倫理的・道徳的・宗教的には、個人に対していえる。

 けれども、法的な決まりごとには“強制力”がともなうので、「社会のために尽くしなさい」というルールを、それぞれの個人へ向け、少なくとも法的に設定することは、「全体の利益のために、個人に犠牲を強いちゃいけないよ」という、日本国憲法のもとで、極めて難しい。

 せいぜい、社会のために尽くすという気持ちを、それぞれの個人が持つよう、それぞれの心から自発的に沸きあがってくる方向で、キャンペーンしたり説得したりするのが精一杯である。そう考えると、法律が社会のルールをキッチリ設定して構わない場面って、意外と限られてくる。

 

5.縁の下の力持ち

 法律学というものは、医学に似ていて「他人のマイナスを埋めてゼロに戻す」「再び社会のスタートラインに立たせる」ために努力する。 経済とか芸術みたいに、世の中へ新しい価値を積極的に増やしていく役割は、基本的に託されていない。 つまり、地味なのだ。

 

6.自分の立場と反対の利益も考えなきゃいけない

 誰かの恥ずかしい私的活動をあばくときは、表現の自由とプライバシーのぶつかりあいが問題となる。
 「たしかに……かもしれない。しかし……」というパターンに乗せて、反対利益にも配慮するフリをしなければ、自分の立場を表明できない。 こんなのメンドくせぇ! 他人のプライバシーは、みんな興味津々で知りたいんだよ!
 「多少は証拠が足りなくても、あんな怪しいヤツは刑務所にぶちこんどきゃいいんだよ」と主張するときは、同じ条件で自分が刑務所にぶちこまれる可能性を覚悟して考えなきゃいけない。 スッキリせん!

 

7.時代の流れを、後追いするしかない

 クローンとか、遺伝子操作とか、医薬品のネット販売とか、ほかの分野は、すごく未来を見据えて、時代を力強く牽引している。
 しかし、法律は新しい技術の足を引っぱることしかできない。 かっこ悪い!! ダサイ!

 

8.真実を追究しない

 自然科学や経済学などは、「現実は、こういう仕組みで、こう動いている」という真実を追い求める。かっこいい!
 法律は「現実は、こうあるべき」と、大上段から偉そうなことしか言わない。 そして、裁判では「こう考えれば合理的」ということが「真実」として扱われ、マジの真実までたどりつく気は毛頭ない。

 

9.人間が見えない

 起こった現象を、法律的に意味のある部分だけ都合よく取り出し、登場人物どうしを、権利と義務の矢印で結んでみせて、抽象的にいちおう妥当と思われる結論を導く。 社会科学のクセに、人間の営みが生々しく浮かび上がってくることは少ない。

 

10.あんまり身近な話題がない

 「一票の格差」だとか、「無罪の推定」だとか、「黙秘権」とか、日常生活では想像しづらいし、わざわざ想像しなくても生きていくに支障がない問題が多すぎる。考えるだけムダ!

 

11.かわいくない

 ワンちゃんやキティちゃん、乳幼児、ナイスバディのグラビアアイドルや目の覚めるイケメン君などは出てこないので、ウキウキした気分にならない。とにかく楽しくない。

 例外的に「おニャン子クラブ事件」「チャタレイ夫人の恋人事件」など、わりとテンションの上がりそうなネーミングのものもあるが、判決文を読んだら萎える。

 
 

 まぁ…… 正味の話、ここまで徹底的につまらないと、逆にだんだん面白くなってきますよ。 別にマゾじゃないけど。

 面白く感じられるレベルまで、法律を勉強し続けるのがメンドくさいんですが。

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コメント

しかし、一時前に「法律ブーム」がありましたよね
なんたらの法律相談所は試聴率が比較的に高かった様ですよ
本屋に並んでいる一般人向けの法律本が増えましたし

投稿: アンコウ | 2009年6月18日 (木) 12:00

>アンコウさま

コメントありがとうございます。

「行列のできる法律相談所」は、当初華々しい視聴率をあげてましたが、今は法律と無関係の企画が主流になったりしていて、昔の面影はなくなりつつありますね。

最初は目新しくても、法律についてゴールデンタイムで採り上げるのは、やっぱり現時点の社会状況では無理があるという判断でしょう。

一方で、NHK「生活笑百科」は地味ながら長寿番組になってますので、いろんな意味で「法律らしさ」の特徴が出ているのかなと思います。

投稿: みそしる | 2009年6月19日 (金) 19:56

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