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2009年5月29日 (金)

最高裁 国民審査の ヌルイとこ

 コメント欄へ “わかめ”さんが寄せてくださった情報です。 どうもありがとうございます。 ↓

 

一票の格差をなくし、日本を民主主義国家に変える「簡単な方法」 (朝日新聞GLOBE…弁護士 升永英俊氏)


0.8人前の日本人と、一人前の日本人がいるのではない。皆、「一人一票」の同じ一人前の日本人である。

 

 おっしゃるとおり!


例えば、今度の国民審査の対象になるであろう裁判官のうち、涌井裁判官と那須裁判官は、07年の最高裁判決で合憲との意見だった、ということを知った上で、国民審査権を行使すべきである。

 

 より正確には、その2裁判官に加え、田原睦夫裁判官も、「0.8人前の日本人」を認めて合憲としているひとりです。

 田原判事は反対意見などを出していますが、それは、選挙運動や政見放送が、既存の大政党を有利に扱いすぎ、小政党や新党、無所属議員がないがしろにされている、という現実に対する異議ですね。

 また、いわゆる「一人別枠方式」と呼ばれるものに対して、異論を出しているのも確かです。これは、有権者数の差は関係なく、それぞれの都道府県に、とりあえず国会議員の当選枠を無条件に1人ずつ割り振ってしまう方法です。

 この一人別枠方式にも、「田舎・過疎地の声を中央に届けるための救済」というタテマエはあるようです。 が、国内有権者の「一票の格差」がどうしても払拭できない元凶のひとつとも位置づけられています。

 ただ、田原睦夫氏の最終的な結論としては、「先の選挙に対して、憲法違反を宣言するのは、なお躊躇を覚える」というもので、那須氏や涌井氏と同じ立場ですね。

 
 

 田舎の1票が、都会の2票ぶん以上の価値になっちゃっている「一票の格差」が放置されている現状に、疑問をお持ちの有権者は、国民審査で、この3人の裁判官に「×」をつけるべき動機が濃厚かと思います。

 国民審査って、「最高裁の裁判官の中で、辞めさせたい人はいるか?」を問う投票ですが、必ずしも辞めさせなくたっていいと思うのです。

 国民審査で強制的に辞めさせるには、有権者の過半数、つまり、投票率が仮に60%だとしたら、3千万人以上の「×」が必要となります。 あまり現実的な望みではありません。

 「あっ、自分に“×”が一番たくさん付けられとる! こりゃヤバイ!」という事実を、特定の裁判官へ突きつけるだけで、国民審査の意義としては十分だろうと、私自身は考えています。

 
 

 しかし、

 問題は、この2007年6月13日の最高裁判決より後に任命された、
 近藤崇晴裁判官、
 宮川光治裁判官、
 櫻井龍子裁判官、
 竹内行夫裁判官、
 金築誠志裁判官、
 そして竹﨑博允長官は、「一票の格差」についての裁判に関与していないので、「0.8人前の日本人」を認めるのかどうか、その価値判断がわからない点です。

 次に司法のメスが入るであろう2007年の参院選(最大格差“4.83倍”といわれる)に関する「一票の格差」に関しては、最高裁の弁論が7月8日に開かれますので、きっと判決だって、今年中に出されていい状況です。

 

 ただ、今の衆議院議員の任期満了が9月上旬ですので、タイミング的には、判決が出ないまま総選挙に突入する可能性も高いでしょう。

 そうなると、「最大格差4.83倍」を残り6人が合憲と判断するのか、それとも違憲を宣言するのか、各判事の平等観や現状認識などを、私たち有権者が見せられないまま国民審査を迎えることになります。

 そして、国民審査を1回クリアさえすれば、最高裁判事は、その後の国民審査では審査対象から外れるため、「信任」されたとみなされるインチキが当然のようにはびこっています。

 だから、

 国民審査のたびに、毎回、最高裁の裁判官15名を全員審査すべきです。

 そうしないと、国民審査は、いつまでたっても血が通った実質的な制度になりません。

 ただ、それを実現するためには、憲法79条の改正が必要となるので、非常に高いハードルがそびえるわけですが……。

 

 

 今や、ゾンビみたいに死にかけている国民審査。

 ムダだから廃止すべきなのか?

 それとも、

 せっかくある制度を活かすべきなのか?

 政権政党の選択と同様に、有権者に投げかけられている問題だろうと思います。

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