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2009年5月17日 (日)

詐欺師にだまされた?強盗犯

~ 過去の法廷傍聴席より ~

5月11日(月) 大阪地裁

 罪名:強盗致傷

 

 被告人は、トラック運転手だった33歳の男。22万円の月収があったが、複数の消費者金融から金を借りていた。

 その借金は、パチンコなどの遊びで負けてしまったぶんの穴埋めでできたほか、ある女性に貢いだりしていたためだ。その女性には、目の見えない小さな男の子がいて、被告人と仲良くなったことから、援助などを求められていた。

 ほかにも、女性からブランド物のバッグや時計などをねだられ、借金して買っていたようだ。肉体関係もあった。

 しかし、あるとき、「故郷に帰る」といわれ、女性と連絡が取れなくなってしまった。あとには借金だけが残った。いったん、両親に相談し、返済を立て替えてもらったころ、女性が再び現れた。

 「自分はだまされているのか?」という思いが、頭をよぎったものの、結婚を考えるぐらい惚れて、信じていたので、同じような流れで貢ぎ続け、再び借金が100万円以上にふくらんでいった。

 母親に相談し、1万円をもらった。「この金を元手に、パチンコで増やそう」と考えたが、あっさりパーにしてしまう。

 彼なりに追いつめられ、「強盗をするしかない」と決意。100円ショップで、くだものナイフを購入。愛車のエスティマに乗り、駅前のロータリーで、女性の一人歩きを物色。

 しかし、人目につくのが気になって、人目があまりない、近所にある消費者金融の無人契約機のブースが集まる駐車場へ、愛車で移動した。ここが犯行現場となる。

 強盗をする前に、
  そのエスティマを売れよ!

 

 軽自動車に乗り、ある女性が返済にやってきた。無人契約機を操作している。「ここで行くしかない」と、被告人は決意。くだものナイフのさやを抜き、左脇にかかえて近づいた。すでに緊張で、全身が汗びっちょりだったという。

 女性に大声を上げられ、単に脅すために持っていたナイフで、つい女性の腹部を突き刺してしまった。女性は後ろに転び、尻餅をつく。被告人はクルマで逃走。盗んだ財布から1万3千円を抜き取り、財布は川に捨てた。

 その日の早朝から、普段どおりにトラック運転手の仕事をしていたが、まったく集中できずに上の空だったという。仕事を終え、くだものナイフも同じ川に捨てた。

 盗んだ1万3千円は、ガソリン代と食費で、数日のうちに使ってしまった。

 

 逮捕され、交際していた女について、取り調べで話すと、警察官から「それは関東で有名な詐欺集団の女じゃないか?」といわれたという。

 刃物を使った理由について「怖かったから」、女性に狙いを定めたことについては「最低だと思う」、なぜ消費者金融で金を借りるような、裕福でない人を狙ったのかについては、「それしか思いつかなかった。銀行強盗やコンビニ強盗をする考えはなかった」と供述。

 私と同い年で、いかつい印象のある被告人だったが、実際には、かなりの小心者だったようだ。

 今まで前科前歴がなかったのに、いきなり強盗致傷という重罪を犯してしまったことの短絡性についても考えさせられる。

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コメント

人間の弱さですね。

100万の借金で悲観して犯罪を犯す人もいれば、何億もの借金をしても屁とも感じない人もいます。

一説には経営者で借金苦で自殺する人の多くは数千万以下であり、億を超える負債を抱えた人はあまり最悪の結論を出さないそうです。

開き直りといえばそれまでですが、“思考”って結構重要な要素かもしれませんね。

逆境にこそ強い人間になりたいものです。

投稿: にしざわ | 2009年5月18日 (月) 23:09

>にしざわさま

お返事が遅れまして失礼しました。

経営者ならではのご指摘、目からウロコです。

そもそも、億単位のお金を借りられる(貸してもらえる)人は、それだけの人望とか信用があるのかもしれませんね。

個人的に借金と言ったら、キャッシングで40万程度が最高で、それでもビクビクものでしたから、もしかしたら、借金するにも「人間の器」が必要なのかもしれません。

投稿: みそしる | 2009年5月21日 (木) 01:41

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