« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »

2009年7月31日 (金)

裁判員参加裁判をめぐる、検察の“こすい?作戦”その1

>>> 検察“罪名落とし”か 裁判員対象起訴が大幅減

 裁判員制度の施行から2カ月間に起訴された裁判員裁判の対象事件は、計276件だったことが共同通信社の集計で分かった。月平均は138件で、過去5年の月平均起訴件数(258件)を大幅に下回った。弁護士らは「検察が裁判員裁判を避けるため、強盗致傷を対象外の窃盗と傷害罪で起訴するなど“罪名落とし” をしている」と指摘している。
(※中略)
 これに対し、検察幹部は「立証ができなくて罪名を落とすことはあっても、意図的にすることはない」と罪名落としを否定する。ただ「(地検トップの)検事正が裁判員裁判にしてトラブルを起こすよりも、裁判官だけに裁いてもらった方がいいと判断した事件があるのではないか。検事正次第だ」と話す現場の検事もいる。
 元早稲田大法科大学院教授の高野隆(たかの・たかし)弁護士は「検察は『勝たねばならない』とメンツにこだわり“堅い事件”だけ起訴しているのではないか。実質的に検察官が有罪・無罪を判断していることになる。検察の有罪判断を国民に追認させる形になれば、裁判員制度も形骸(けいがい)化する」と危惧(きぐ)する。(2009/07/23 共同通信)


 

 これは、法律的になかなか面白い記事ですね。

 「強盗致傷」を「窃盗と傷害」に分解しちゃおうという話です。

 両者は、客観的な犯行内容としては、おそらく大して変わらんだろうと思います。

 要するに、「強盗致傷」をやっている犯人と、「窃盗と傷害」をやっている犯人を比べたとき、見た目で厳密に区別できる人は、あんまりいないんじゃないかと。

 

 強盗致傷とは、「暴力を手段にして」他人のモノを盗んだ結果、その被害者を含む誰かにケガを負わせてしまう犯罪です。

 一方で、窃盗と傷害の併合罪だというとき、暴力が盗みの手段になっているという関係性はありません。

 盗みと暴力(負傷つき)という、ふたつの違法行為が、たまたま近いタイミングで行われたことを示しているにすぎないのです。

 

 たとえば、日常的に妻に暴力をふるっている夫がいるとして、ある日、妻へケガを負わせた後、妻の財布からお金を抜き取った、という事案の場合、

 その日の暴力が、お金を抜き取るために行われたのか、それとも、いつものDVの延長なのか、ハッキリしません。

 ですから、その件は「強盗致傷」なのか、それとも「傷害+窃盗」なのか、見る人によって、きっと判断はわかれるんだろうなと思います。

 究極的には、夫に質問して「夫の答え次第で罪名が決まっちゃう」ってコトなんでしょうね。

 

 もっとも、盗みと暴力とが、近いタイミングで行われた事実があるなら、「盗みを完結させるために暴力がふるわれた」と考えるのが、たしかに自然です。

 たぶん、常識的な判断でしょう。

 しかし、「盗みの手段として、暴力がふるわれた」と証明するのは検察です。

 だから、検察は「手段性を証明できなかった」と言い張れば、強盗致傷を2つに分解し「罪名落とし」する、なんてことができてしまうんですね。

 

 強盗致傷の最高法定刑は無期懲役ですが、窃盗+傷害(併合罪)の最高刑は、懲役22年6カ月となります。

 無期懲役囚も、実質的には30年前後で仮釈放されることを考えに入れても、盗みと暴力を分解すれば、実質的に罪は軽くなりますね。

 裁判員裁判の対象からも外れますから、一般人を法廷に入れたくない検察官としては、うれしい選択です。

 

 このほかにも、

 殺人未遂(裁判員対象)を、傷害(対象でない)にしてみたり、

 危険運転致死(裁判員対象)を、自動車運転過失致死(対象でない)にしたり、

 覚せい剤の密輸(裁判員対象)を、覚せい剤の営利目的所持(対象でない)にしたり、

 通貨偽造(裁判員対象)を、通貨模造(対象でない)にしたり、

 「罪名落とし」のパターンは、いろいろと考えられます。

 

 あとは、傷害致死を、暴行+過失致死に分解したりとか。

 ……って、コレはさすがにムリがありそうですが。


 

 ただし、裁判官には「訴因変更命令」という権限があります。

 

◆ 刑事訴訟法 第312条
2 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。


 

 裁判官 「検察官は、窃盗と傷害で起訴なさってますが、被告人質問で、被告人が答えたところによると、本件は、盗みを完結させる目的で被害者にケガを負わせたという話のようです。 なので、やっぱ、強盗傷害に切り替えられないですかね?」

 

検察官 「わかりました。その方向で検討いたします」

 

裁判官 「弁護人も、それでよろしいですか?」

 

弁護人 「そうですね。しかるべく」

 

 ……という話になったら、いったいどうなるのか?

 

 この点につき、裁判員法が施行される前の2003年の段階で、司法制度改革推進本部によって開かれた「刑事検討会(第14回)」によると、

 裁判員を入れない罪名から、裁判員を入れる罪名へと訴因変更された場合、その段階から裁判員6名を召集するけれども、それまで進めてきた裁判はやり直さない、という結論に至ったようです。

 たしかに、そのへんが落としどころなんでしょうね。

 

 あしたは、検察のこすい作戦「その2」をお送りする予定です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月30日 (木)

司法に激震! そのとき裁判所の運命は?

 裁判員制度スタートや、一連の冤罪発覚などで、司法に激震が走って久しい昨今。

 ですが、物理的に「激震」が起きたとき、裁判所の庁舎は耐えられるか? ……調査が行われた模様です。


>>> 全国裁判所:46%が倒壊の恐れ…震度6強以上で

 最高裁は29日、全国の裁判所施設267棟に対する耐震診断の結果、46%にあたる124棟が震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する恐れがあり、国土交通省が示した耐震安全性の基準を満たしていないと発表した。最高裁は「15年度末までに基準を満たす施設を少なくとも90%にするよう努める」としている。

 改正耐震改修促進法(06年施行)に基づき、3階建て以上で延べ1000平方メートル以上の施設について耐震診断を行った。震度6強以上で「倒壊・崩壊の危険性が高い」は大阪高・地裁本館やさいたま地・家裁本館など82棟、「危険性がある」は42棟。いずれも建築基準法の耐震基準が改められた81年より前に建てられ、うち88棟は改修や建て替えを実施中か実施予定。

 最高裁の庁舎は現在、耐震診断を進めている。 (毎日新聞 2009年7月29日)


 

 東京・霞が関の裁判所は、名前が挙がってませんが、大丈夫ですかね?

 これから、法が裁こうとしている凶悪犯の脳天に、大地震で崩れた天井が落ちてきて、割り込みで「天罰」が下るんじゃあ……、ある意味で結果オーライなのかもしれませんが、司法ってモンの立場がありません。

 全国の刑事法廷を、裁判員を含む、9人掛けの大きなものへと改修するのに、数百億円かけたようで、裁判中にも工事のドリル音がガリガリ響き、裁判官も被告人も大変そうでした。

 が、地震への備えに、またお金を使って工事をするようです。

 もちろん、耐震工事のほうを優先させるべきでしたね。もう遅いけど。

 そういえば、今から40年ほど前に完成した、最高裁の庁舎については、当時の事務総局経理局長が、「今後500年は大丈夫ですよ! 関東大震災クラスの地震が来ても平気です」と、自信たっぷりにおっしゃっていたようです。

 あの豪華絢爛な庁舎に、これから耐震診断のメスが入るとのことですが、経理局長の「大丈夫」「平気」発言は、強がりやリップサービスではなかったのかどうか?

 真相やいかに!?

 裁判所への耐震診断も、客観的な基準で公正に裁いていただきたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月29日 (水)

「逆援助交際サイト」の利用料が欲しくて、ひったくり?

 きのう傍聴した裁判から。

 

 アルバイトで月25万円を得ていたという22歳の被告人は、たいしたもの。 仕事先でも一目置かれていたようです。

 しかし、女性の歩行者を狙って、ひったくりを4件犯し、窃盗の罪で裁判を受けるハメに。

 独身で、実家で両親と同居し、お金に困っているワケではないはずなのに、ナゼ?

 

 被告人は、携帯電話のネットサーフィン機能を使って、あるサイトを見つけた。

 それは、女性と交際すると、相手から援助(お金)がもらえるという「逆援交サイト」だ。

 被告人によると「数百万円ぐらいもらえると思っていた」そうである。

 しかし、逆援交サイトを介して、女性にメールを送るのはポイント制で、実質的には1通送るのに約500円かかるとのこと。

 そういうやりとりを何百通もやっているうちに、ひったくりで得たお金を数十万円つぎこんでいたという。

 

 裁判官は尋ねる。

 「そういうのってさ、おばさんじゃないの?」

 
 被告人は答える。

 「今思えば、架空の女性とメール交換していたと思います」

 
 裁判官 「彼女はいたの?」

 被告人 「当時はいませんでした」

 

 「当時は」と限定しておいて、まるで「今は彼女がいる」かのように見栄を張るところは、22歳の男子っぽい。

 

 裁判官 「彼女がほしかったの?」

 被告人 「というよりは、とりあえず、お金がほしかったです」

 裁判官 「そうなのか。 具体的に、いつ、どこで会いましょう、みたいな話に至ったことはあったの?」

 被告人 「……いえ」

 裁判官 「何百回もメールして、1回も女性と会えたことないの?」

 被告人 「ないです」

 裁判官 「ふつうは、たとえばワナでも1回会うことができて、それで引っかかって、お金を取られていくのかもしれないけれど、そういうこともないのに、信憑性がある話だと思ってたわけ?」

 被告人 「……そうですね」

 裁判官 「どうして、本当にお金がもらえると信じられたの?」

 被告人 「もしかしたら、という気持ちがありまして。 自分だけは幸運が起きるような気になりまして、続けてしまいました」

 裁判官 「そういうのって…… まぁ、キミがバカだということなんだろうけど」

 

 被告人を「バカ」呼ばわりした裁判官は、以前にもこちらでご紹介しましたけど、まさか東京にもいらっしゃるとは!

 ただ、こうした一問一答の流れからすると、文脈上「バカ」という言葉も、比較的しっくりきてしまうような感じを覚えてしまいますね……。

 

 裁判官 「そんな動機でひったくりされたなんて知ったら、被害者もあきれてると思うんだよね。 まぁ、すでに知ってると思うけど」

 被告人 「はい」

 裁判官 「そういうサイトを使うにしても、自分の所得の範囲内でやるとかさ」

 被告人 「はい」

 裁判官 「キミって、計画性というか、金銭感覚ないんじゃないの?」

 被告人 「はい」

 裁判官 「そこは、『はい』って返事をするトコじゃないよね」


 

 まるで、よくできた漫才のネタのような補充質問でした。

 被告人の受け答えが、やたらハキハキしているのが、会話の空回りっぷりをますます浮き彫りにしていて、傍聴席で観ながら、だんだん悲しくなってきましたね。

 こんな、しょーもない動機でひったくりをやろうと思える、人間ってフシギだな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月27日 (月)

塀の上に立ったら「建造物侵入罪」だそうです

 7月16日に、とある最高裁判決が出されました。

 

 1 原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。
  (1) 被告人は,交通違反等の取締りに当たる捜査車両の車種やナンバーを把握するため,大阪府八尾市所在の大阪府八尾警察署東側塀(以下「本件塀」という。)の上によじ上り,塀の上部に立って,同警察署の中庭を見ていたところ,これを現認した警察官に現行犯逮捕された。

 逮捕されちゃった人は、今までに、たびたび交通違反で捕まっていたそうで、悔しくて、覆面パトカーなどの車種やナンバーを研究したかったんだそうです。

 何台もあったら記憶も大変ですし、怪しげな車両を見かけるたび、いちいち思い出したりしていられないと思うのですが。

 もしかしたら、ナンバーはゴロ合わせで覚えるんですかね。「52-18」で、「こうつう-いはん」とか……。

 
 

 本件塀は,高さ約2.4m,幅約22cmのコンクリート製で,本件庁舎建物及び中庭への外部からの交通を制限し,みだりに立入りすることを禁止するために設置されており,塀の外側から内部をのぞき見ることもできない構造となっている。

 
 塀の幅は、靴の長さよりちょっと短いぐらい、落ちたらちょっと怖いぐらいの高さですね。

 今回打ち出された「塀をよじ登ったら住居侵入罪」という基準は、どうやら塀だったら何でも成り立つというわけではなく……

 少なくとも、簡単には乗り越えられず、しかも、外から内側をのぞき見ることができないような立派で強固な塀に関しての基準だといえるみたいです。

 だから、牧場の柵みたいな、スキマがスカスカ空いているものは違うのかもしれないですね。

 あとは、しゃれたガラス張りやシースルーの塀とか? そんなものがあるのかどうか知らないですが。

 そういえば、東京・神楽坂の最高裁長官の官舎、その塀(というか石垣)が、高さ5メートルぐらいでそびえ立っているのを思い出しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月24日 (金)

裁判員制度を輝かす 100の改善案 〔No.11-15〕

【11】 まず「われこそは!」という人だけが参加する、志願制にしてください。

 ここまで負担の重いことを一般国民にやらせるからには、まず、志願者に試してもらって、うまくいくのかどうか検証すべきです。それが本来のスジでしょう。

 裁判員制度って、「自分も裁判員やりたい!」と希望されることもあれば、「絶対やりたくねえ」と、強烈に拒否される場合もあります。

 もし、裁判員制度が人間だったら、かなり魅力的な人物になりそうですね。 きっとモテモテなんだろうなぁ。 いいなぁ~。

 

【12】 裁判員候補から外す必要のない職種が混ざってませんか?

 

 一般庶民の素朴な感覚を刑事裁判に取り入れるという目的からは、弁護士などの法律家や警察官を、裁判員の候補からあらかじめ外すのも、わかる気がします。

 ただ、国会議員や地方議会議員などの政治家、高級官僚、自衛官などを本当に外す必要があるのか、どうしても理解できません。

 彼らにだって、心理的・時間的負担の大きい裁判員になれるチャンスを、平等に与えるべきです。

 なお、2005年のアメリカでは、ブッシュ前大統領のもとに「あなたが陪審員の候補になりました」という通知が届いたそうです。 結局は辞退したようですが、司法が行政に対して遠慮がない、この感じはステキだなと思います。

 

【13】 候補者に、その思想や信条を尋ねるような問診は、やっても仕方ないのでは?

 「警察を信用するか?」「死刑制度に賛成か?」などは、裁判員をやりたい人は「はい」と答えるし、やりたくない人は「いいえ」と答えるもので、別にウソなんていくらでもつけるわけです。

 「国家による思想介入」なんて、デカイ話にする以前に、やっても意味がないと考えます。せいぜい、そういう心の根深い問題を把握し、候補者たちを手玉に取ったような気分にひたるための、問診票作成者の自己満足にすぎないでしょう。

 

【14】 そもそも、裁判員制度を導入する根拠がハッキリしません

 「裁判に、一般市民の感覚を取り入れる」というのも、なぜ取り入れるのか? 取り入れることによって何を実現するのか? が明かされていません。

 裁判官が市民と話し合うことで、裁判官の判断の「誤り」「思い込み」「クセ」などがあぶり出され、そうした誤りを修正・冤罪を防ぐ方向に働くよう期待しているのでしょうか。

 それとも、真実に近づく判断を期待するというより、「自分たちに近い立場の一般市民が、裁判所に関わって決めたんだから、最終判断を受け入れよう」という、世間の“納得”を期待する根拠なのか。

 ふつう、新しい制度が始まるにあたっては、どういう理由で始まるのか、なんとなくわかるものですが、これほど立法趣旨のわからない制度も珍しいです。

 

【15】 10万円の過料なんか、廃止!

 金銭的な罰則ぐらいじゃ、来ない人は来ない。

 それとも、「出頭命令に応じなかったら10万円の過料」というのは、10万円さえ払えば、裁判員候補から外してもらえるという意味なのだろうか? (※罰金と違って、過料は前科にならないため)

 そもそも、10万円の過料なんて、実際に適用できるんだろうか?

 ハッキリ言って、意味なし規定。

 むしろ、裁判員経験者の満足度を上げる方向で、力を尽くすべきだろう。 そのほうが、「自分も裁判員をやってみてもいいかな」と、国民の心を氷解させるようなPRとなりうる。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年7月23日 (木)

ついに完成! 最高裁の国民審査 判断資料サイト

 おととい、衆議院が解散!

 ということは、40日以内に国民審査!

 そうした永田町の動きを受けまして……

 原稿をギリギリまで遅らせて(すみません!)、次回著作の原稿も2週間以上ほったらかしにして(間に合うか?)、

 ようやく、皆さんの目に触れても恥ずかしくない状態にこぎつけました。 昼間なのに、とにかく眠い!

 

 Photo
 忘れられた一票2009

 
 

 今回の目玉は、「×ガイド」と名付けた新コーナーです。

 作成者である私が、「みんな! この裁判官に×を付けろぉぉぉ!」と扇動・誘導するのではなく、

 「あなたの考えや価値観からすれば、この裁判官に×を付けてはどうですか?」と、オススメするかたちで、各裁判官の判断を紹介しています。

 私は、国民審査で裁判官を強制的に辞めさせたくて、こういったサイトを作っているのではありません。

 ただ、国民審査をキッチリ機能させたいだけなのです。

 

 現在、午後3時50分ですが、完徹明けにつき、これから寝させてもらいます。

 おやすみなさい。sleepy

 

  午後8時30分

 起きました。 おはようございます。 今度はハラが減りました…。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月16日 (木)

ついに念願叶う! 室橋雅仁裁判官の法廷をナマ傍聴!

 学生時代からイジメに遭い、自衛隊内でも人間関係がうまくいかず、ムシャクシャして公然わいせつに及んだ現役自衛官に向けて、「私も中学時代にイジメに遭った」と、法廷で突然の告白をし、 (拙著『裁判官の爆笑お言葉集』116ページ)

 

 生活保護費を担保に金を貸すという、悪徳貸金業者に向け、12月22日の法廷で、悪徳商人が主人公のイギリス小説を引き合いに出し、「この時期に、あなたを見て思い出した小説があります。 チャールズ・ディケンズの『クリスマスキャロル』を知ってますか?」と、ロマンチックなことを口走り、(拙著『裁判官の爆笑お言葉集』120ページ)

 

 パチンコで遊ぶ金ほしさに、パチンコ店の前で強盗を働いた男に対し、「私もむかし、パチンコに熱中していた時期がありました。 父親に借金をしてまで負けたときに、こんなことをしていいのかと思い、やめました。あなたも自分の意思でやめるしかない」と、自分の身を削って説得し、(拙著『裁判官の人情お言葉集』56ページ)

 

 経済的に苦しく、子どもたちが不憫だという動機で、一家心中を図り、殺人未遂に問われた母親に、「私の小学4年生の誕生日は、両親とも寝込んでしまって、プレゼントに300円だけ渡され、寂しい思いをしましたが、両親の回復を願っていました。 お子さんも、両親とも元気でいるのが一番いいと思っているのではないでしょうか」と、自らの幼少期の思い出をさらけだして、被告人を励ます。 (拙著『裁判官の人情お言葉集』56ページ)

 

 そんな日本一の“告白系”裁判官、室橋雅仁判事が、今年度より、ついに東京地裁に降臨なさいました。notedash

 


 室橋判事が青森地裁にいらした一昨年当時、私は室橋さんを一目見る目的だけで、新幹線に乗って青森へ向かったことがあります。(当時のエントリはこちら

 が、すれ違いで、室橋さんは最高裁の事務総局へ栄転になっていたことを知らず、空振りに終わってしまいました。

 もちろん、ひとりで青森に上陸した経験は最高によかったですが。

 
 

 裁判が始まる前、ちょっとドキドキしながら、室橋判事の入廷を待っていました。

 ……もしや、これは恋の始まり!?heart02

 20席ある傍聴席は、ほとんど埋まっていて窮屈です。 いったい、この傍聴人のうちの、何人が室橋ファンなのでしょう?

 初めてナマで拝見した室橋雅仁さんは、ちょっとトボケたおじさんのような印象? (失礼!)

 

 裁判が始まります。

 「では、被告人は証言台の前に立ってもらえますか。 これから、あなたが人間違いで、ここに来ていないかどうかを確認する手続きをします。 名前は何と言いますか?」

 て、丁寧!!  きめ細かい!

 「これから、検察官がどのような疑いであなたを起訴したのか、その事実を読み上げますから、よく聞いていてください。 検察官、どうぞ」

 ものすごくマイルドな進行が印象的で、驚きました。 そのマイルドさは、同じく「ひとこと裁判官」でいらっしゃる、神戸地裁の東尾龍一さんを超えているように思います。

 

 傍聴席には、被告人の息子(生後5カ月)がおり、時おりグズりながらもお爺さんに抱かれていたのですが、それを見ながら、ふいに室橋さんがひとこと。

 「大丈夫ですか? おしゃぶり落ちてませんか?」

 

 なんと、証拠書類に目を通しながら、おしゃぶりの落下にも気づいていたのです!

 ミスター室橋! 神経が細やかすぎ!!

 もちろん、説諭や補充質問も、こちらの期待を裏切らないクオリティを誇ります。

 いやぁ、これから裁判傍聴の大きな醍醐味がひとつ増えました。 ありがとうございます。

 

 東京地裁や東京簡裁には、ほかにも個人的に心に秘める「ひとこと裁判官」がいらっしゃいます。

 今年になって、新たに発掘した方もいらっしゃいますが、もし、その方見たさに傍聴席が埋まってしまったら悲しいので、ココはすみませんが、企業秘密ということで。

 あとは、大阪簡裁の三浦正信判事は、被告人のことを「○○さん」と、苗字で呼びかけていたので驚きましたね。 まだ1度しか傍聴したことないのですが。

 

 今週、関東地方は梅雨明けし、青空広がる蒸し暑い日が続いています。

 霞が関の合同庁舎では、清掃業者の方がゴンドラに乗って、梅雨で汚れた窓を掃除していました。

 ま、来月からはお客様(裁判員)をお迎えするわけですし、見た目キレイにしておかなきゃいかんですな。

 

Photo_2

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2009年7月14日 (火)

裁判員制度を輝かす 100の改善案 〔No.06-10〕

■ 事前に、裁判の基本ルールを説明してください

 庶民の日常感覚を活かすことは大切ですが、無実の人を処罰する間違いを犯さないよう、事前に大切なルールを、裁判員に周知徹底させておくべきだと考えます。

 

【6】 裁判員には事前に「法廷に出てきた証拠だけをもとに判断する」ということを、しっかり説明してください。

 「法廷での態度が悪い」とか「反省の言葉が出ていない」などの印象から、量刑を重くすべきだ、などの意見を出すことは、自由心証主義と呼ばれるタテマエのもと、許されます。

 ただ、「なんとなく、この人が犯人のような気がする」という意見は、証拠をもとにした判断とは言いにくく、なんとかして証拠に結びつけ、「なんとなく」の中身を客観的に他人へ説明できるように整理する必要があるでしょう。

 新聞やテレビの報道は、もちろん裁判の証拠ではないので、判断の参考にはできません。 

 

【7】 裁判員には事前に「証人の証言は、人間の記憶に基づいているので、いつも正しいとは限らない」ということを、しっかり説明してください。

 誰でも実感のあることだと思いますが、記憶というものは思い込みによって、後でいくらでも変化してしまうものです。

 また、質問の仕方によっては、質問者の意図に引きずられて答えてしまう危険性があります(誘導尋問の問題)。

 特に、子どもが証人の場合は、大人が質問を投げかけること自体がプレッシャーになってしまい、質問と違う答えを言えなくなる可能性が指摘されています。

 

【8】 裁判員には事前に「有罪か無罪か、どちらかわからない場合は、無罪の意見を出す」ということを、しっかり説明してください。

 裁判員になったとき「有罪か無罪か、わからなくなった場合はどうするのか」と疑問を持っている方も、決して少なくないと思われます。

 有罪か無罪かわからないときは、無実の可能性があるわけですから、無罪にしなければなりません。 これが「推定無罪」の意味です。 誰にもぬれぎぬを着せないようにするためです。

 客観的にみたら、真犯人に無罪を言いわたしてしまう場合があるかもしれませんが、「真犯人を釈放することになっても仕方ない。無実の人を有罪にして、ぬれぎぬを着せるよりは、よっぽどマシだ」というのが、法律の発想なのです。


【9】 裁判員には事前に「疑わしきは罰せず」とは、何が疑わしいか、ということを、しっかり説明してください。

 ある新聞の投稿欄に、「『疑わしきは厳しく処罰する』という態度で、警察官は治安を守るべきだ」という内容の意見を出していましたが、これは誤解です。

 警察官は、その人(被疑者)が犯罪を犯していることが疑わしい場合に、職務質問をしたり逮捕などの強制処分を行ったりします。

 一方で「疑わしきは罰せず」という場合の「疑わしき」は、検察官の主張が疑わしいときは、無罪を言いわたさなければならないという意味です。

 それぞれ、「疑わしき」を指している主語が違うんです。 なので、両方成立しえます。

 

【10】 裁判員には、事前に「簡単だ」という説明をするだけでなく、正直に「難しい」「悩ましい」「でも、皆さんの知恵が必要」ということを、率直に伝えてほしいです。

 

 「とにかく国民が参加することに意義がある」ような言いぐさは、無責任であると考えます。

 強制的に裁判所へ呼びつける以上、せめて裁判員には使命感のような気持ちを醸成させるような説明が必要だと思います。

 今までの刑事裁判では何が不十分で、その不十分さを埋めるために、国民がどのような役割を果たすべきなのかを開示していただきたいです。

 他人にモノを頼むときは、頼み方ってモンがあろうかと考えます。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年7月13日 (月)

「忘れられた一票」新たなインタビュー記事

 きのうの都議選で追いつめられた麻生さんが、ついに決めちゃいました。

 衆院総選挙の日程は8月30日。

 ということは、最高裁の国民審査の日程も、8月30日に決まったという意味です。


 そんな今日を記念して……

 こないだ最新作がリリースされて話題の、ドラゴンクエストシリーズで、

 当初から、あの有名なゲームBGMを手がけてこられた、作曲家のすぎやまこういち氏に、「一票の格差」についてお話をうかがってきました。

 

 その模様を、サイト上にアップしています。 よろしくお願いいたします。

 

 最高裁国民審査・特設サイト
 忘れられた一票2009

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年7月 8日 (水)

ありがとうございます! 新連載です!

 人気サイトの「日経ビジネスオンライン」の本日付け「日刊新書レビュー」の執筆陣として参加させていただいて以来、

 

本日付けで、初めて私の書評が載りました!

 ありがとうございます! いやぁ、どうもありがとう!

 第1弾は『精神障害者はどう裁くか』(岩波 明 著)

 いきなり、堅くて抽象的な内容の新書に、みずから挑戦してみましたが、いやぁ~、想像以上にしんどかったですね。

 新しい媒体で記事を書くことは難しく、慣れるのに、まだまだ時間がかかりそうですが、“書評”という新たなジャンルでも書き続けて、ライターとして底力を付けていきたいと思います。

 今後ともよろしくお願いいたします。

 

 今日は1週間ぶりに裁判傍聴を休み、自宅の一室で、国民審査や裁判員制度、裁判傍聴録、新しいブログの立ち上げ準備などで、いろんな文章を書いています。

 午後5時から、「PRESIDENT」誌の取材で、インターネット問題に詳しい弁護士さんにお会いし、明日は、地方条例についての取材のため、群馬の山奥へ向かいます。 ツツジの街、館林にも寄ろうかと。 さすがにツツジの花は、もう咲いとらんでしょうが。

 雨が降りませんように……。 という願いは、梅雨時には贅沢か。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年7月 7日 (火)

チカンだと疑われない手袋 今秋にも発売!

 自宅の一室を事務所にしている個人事業主の私だって、なにかの拍子に満員電車に乗らざるをえないことがあります。

 わかっちゃいますが、満員電車に揺られるのは、ホントに苦痛ですね。

 ましてや、近くに魅力的な感じの女性が立っていたら、完全に生殺し状態です。

 あえて、その女性から上体をそらすかたちで、立ち位置を変えてみるのですが、これはこれで怪しげ。

 怪しまれないような位置関係を取ればとるほど、「さりげなく、わからないように」触っているかのごとく見られなくもない。

 仕方なく、荷物を網棚にあげて、つり革が吊ってある金属棒を両手でつかんで、「触ってないよ」のアピールをします。

 文字通りの「お手上げ状態」ですね。

 合理的な解決策ではありますが、いい歳のオトコとしては、あんまりやりたくない格好です。

 どんなダンディーな紳士でも、あの姿勢になったとたんに、たちまち魅力9割ダウンといったところでしょう。

 ある外国人の痴漢が、裁判で「あんな満員電車を放置して、黙って乗っている日本人は異常だ!」と、自分のやったことを棚に上げて主張しているのを観ましたが……

 主張だけ聞けば正論です。

 

 そこで…… そんな悩める男性ショクンに、新商品のご紹介!



>>> これで痴漢はできません! 「男のグー手袋」、佐世保の企業が開発

 「これで痴漢はできません」-。佐世保市のベンチャー企業「マインドバンク」が強制的に手を握った状態にする「男のグー手袋」を開発した。

 東京でサラリーマン生活を経験し、満員電車にも乗っていた同社の下山俊雄社長が、物理的に痴漢ができないようする方法はないかと考案。手袋の内側に、指を曲げた状態にする合成樹脂を装着。痴漢防止だけでなく、かばんを持ったり、つり革を握るのにも便利なアイデア商品。

 秋ごろからインターネットなどで販売予定。痴漢事件は冤罪(えんざい)も含め多いことから、下山社長は「ニーズは高いと思う」とヒットに自信ありげ。 (長崎新聞)2009/07/03

 

 いやぁ、見事なまでの、痴漢冤罪ソリューション!

 ……と、申し上げたいところですけど、そんな奇妙なマジックハンドっぽい手袋を電車内でハメている時点で、たちまち5倍増しの怪しさが演出されるのではないでしょうか。

 「もしや、奇妙な道具を使った、痴漢の新手の手口か? よくもまぁ、そんなことを思いつくな……」と、鉄道警察員から一方的に呆れられ、

 「違うんです! それでもボクはやってない!」と食らいついても、聞き入れてもらえず……。

 そもそも痴漢って、手で触るタイプだけでなく、下半身を押しつけたりする輩だっているわけですし。

 

 いや!

 その手袋をハメている人物の怪しさに負けて、車両内では乗客の群れが半径1メートルほど引くでしょう。

 そしたら、痴漢を物理的に実行できないわけなので、犯人だと間違われることもない!

 こりゃあ便利!

 

 ……あぁ、フォローしきれんよ。 ひさびさの故郷の記事だから、キッチリ採り上げたいのに、なんでこんな中途半端な恥ずかしい発明を載せるかね?

   あぁ、長崎よ、フォーエバー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月 5日 (日)

「ぐっとくる条例」洗い出し作業【宮城県★前編】

○宮城県 ふるさと宮城の水循環保全条例
平成十六年六月二十二日
宮城県条例第四十二号
<前文>
水は、あらゆる生物にとって命の糧であり、人間が社会生活を営む上で欠くことのできない資源である。
しかし、近年、社会経済活動の効率化、高度化や都市化の進展に伴い、森林の保水能力の低下や河川水量の減少等による公共用水域における水質の悪化等、健全な水循環に対する弊害が顕著となってきており、水を取り巻く自然の生態系にも深刻な事態が生じている。
このような中で、自然の生態系に悪影響を与える負荷行為を抑制し、健全な水循環を保全することが強く求められている。
よって、宮城県のもつ恵まれた水環境を次代へ引き継ぎ、現在及び将来の県民が豊かな水の恩恵を享受し、快適な社会生活を営むことができるよう、この条例を制定する。

 

○宮城県 かきの処理に関する取締条例
昭和二十九年七月二日
宮城県条例第四十三号
〔かき処理業取締条例〕をここに公布する。
かきの処理に関する取締条例
(昭三二条例三九・改称)
第一条 この条例は、かきにより発生する虞のある食品衛生上の危害を防止し、公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
第二条 この条例で「かき」とは、食用の目的で販売の用に供する海産の生かきをいう。
2 この条例で「処理」とは、かきをむき身にし、洗滌し又は詰合せることをいい、「処理場」とは、処理を行う施設をいい、「処理業者」とは、処理を業とする者をいう。
第三条 かきの処理は、処理場で行なわなければならない。ただし、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十一条の規定により政令で定める営業を営む者がその営業の目的として処理(むき身にすることを除く。)する場合は、この限りでない。
(平一五条例八三・一部改正)
 (※以下略)

 

○宮城県 みやぎ海とさかなの県民条例
平成十五年三月二十日
宮城県条例第四十八号
<前文>
宮城の海は、世界有数の三陸沖漁場の南方に広がり、金華山の沖合には季節ごとに行き交う黒潮、親潮が豊富な海の幸を運んでくる。古来から沿岸で暮らしてきた私たちの先人は、厳しい自然の中で幾多の困難を乗り越え、沿岸から遠洋まで豊穣の海を拓き、その恵みを授かってきた。
海洋生物資源を活用する漁業は、湖沼、河川の恵まれた水域を持つ内陸での営みとあわせ、貴重な食料として多様な水産物を供給し、地域社会を支える水産業として発展してきた。
また、水産業は豊かな食と生活を実現しながら、固有の風土や文化も育んでおり、今や本県は、全国屈指の水産県として国民への水産物の安定供給に大きく貢献している。
一方、自然との共生の中で守られてきた漁村や海浜、河川流域などの自然環境は、生産の場としてだけでなく訪れた人々を癒す貴重な空間として、大変重要な役割を果たしている。
しかし近年、水産業を取り巻く環境は厳しく、漁場環境の悪化、漁業生産量の減少、漁業就業者の減少、輸入水産物との競合などにより、その将来に不安が生じている。
地球人口の増加による食料危機も危惧され、食料としての水産物確保のために、国際的な協調のもと、持続的な生産体制の確立を図っていく必要がある。さらに、県民の健全な食生活を実現するため、情報化社会に対応した生産、加工、流通、販売体制の整備も求められており、生産から消費に至る透明性の確保が必要となっている。
私たちは、水産業が果たすべき役割と豊かな自然環境を次代に引き継ぎ、健康で潤いのある県民生活を築きあげなければならない。
ここに、県、県民、水産業者等が互いに連携しながら、それぞれの責務と役割において、本県の水産業の振興に努めることを宣言し、その方策を明らかにするためにこの条例を制定する。
(目的)
第一条 この条例は、水産業の振興について、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めることにより、水産業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって水産業の健全な発展及び県民生活の安定向上を図ることを目的とする。
 (※以下略)

 

○石巻市 マンガアイランド条例
平成17年4月1日
条例第21号
(設置)
第1条 田代島の豊かな自然環境と文化に親しみ、マンガとふれあう場を設けることにより、市民の自然と文化への理解を深め、その心身の健康を増進するとともに、住民と来訪者との交流による田代島の活性化を図るため、石巻市マンガアイランド(以下「マンガアイランド」という。)を石巻市田代浜字敷島24番地に設置する。
(施設)
第2条 マンガアイランドを構成する施設(以下「施設」という。)は、次のとおりとする。
(1) センターハウス
(2) ロッジ
(3) テントサイト
(4) 炊事場
(5) その他維持管理施設
(開設期間)
第3条 マンガアイランドの開設期間は、4月1日から10月31日までとする。
(休業日)
第4条 マンガアイランドの休業日は、火曜日(火曜日が国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日に当たるときは、その翌日)とする。ただし、4月29日から5月5日までの期間及び7月1日から8月31日までの期間は、除くものとする。
2 市長は、マンガアイランドの管理上必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、休業日を変更することができる。
 (※以下略)

 
 

○石巻市 石ノ森萬画館条例
平成17年4月1日
条例第245号
(設置)
第1条 マンガ文化及び地域文化を発信することにより、市内外の人々の交流の促進を図り、もって市における文化の発展と地域経済の振興に寄与するため、石ノ森萬画館(以下「萬画館」という。)を石巻市中瀬2番7号に設置する。
(指定管理者による管理)
第1条の2 市長は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定により、萬画館の管理を指定管理者(同項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)に行わせるものとする。
2 前項の規定により当該指定管理者が行う業務は、次のとおりとする。
(1) 利用の許可に関すること。
(2) 萬画館の施設、設備等の維持管理に関すること。
(3) 次条に規定する事業の実施に関すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認めること。
(事業)
第2条 萬画館は、次に掲げる事業を行う。
(1) 石ノ森章太郎氏の作品の原画並びにマンガ及びアニメーションに関する文献等の資料の収集、保管、展示等
(2) マンガ及びアニメーションに関する企画展、講演会、講習会、研究会等の開催
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事業
(開館時間及び休館日)
第3条 萬画館の開館時間は、午前9時から午後9時までとする。
2 常設展示室(常設展示室の観覧に伴う映像ホールでの映写の観覧を含む。)及び企画展示室の観覧時間は、3月から11月までの期間においては午前9時から午後6時までとし、1月、2月及び12月の期間においては午前9時から午後5時までとする。
 (※以下略)

 
 

○白石市 新婚家庭へのプレゼント要綱
平成11年9月30日
告示第58号
白石市新婚家庭へのプレゼント保険要綱(昭和62年白石市告示第15号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この要綱は、白石市が婚姻届を受理した家庭に対し、新婚プレゼントを贈り、前途を祝福するとともに定住の一助とすることを目的とする。
(贈呈要件)
第2条 新婚プレゼントは、白石市に住所を有し、次のいずれかに該当する家庭に贈呈する。ただし、新婚プレゼントを受けた者が離婚し、同一人物と再婚した場合は、再贈呈は行わない。
(1) 白石市に婚姻届を提出し受理された家庭
(2) 他市区町村に婚姻届を提出し受理され、白石市に送付された家庭
(新婚プレゼント)
第3条 新婚プレゼントは、予算の範囲内で市長が定める。
(交付台帳の整備)
第4条 市長は、新婚プレゼントの贈呈等の状況を明確にするため贈呈台帳(別記様式)を整備するものとする。
(委任)
第5条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が定める。
附 則
この告示は、平成11年10月1日から施行する。
附 則(平成19年3月13日告示第17号)
この告示は、平成19年4月1日から施行する。

○名取市 農業先駆者援助条例
昭和39年4月1日
名取市条例第14号
(目的)
第1条 この条例は、農業構造を改善するため、さきがけて農業経営の近代化を行う農業先駆者(以下「先駆者」という。)の経営上の困難を打開援助し、農業近代化の促進に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 先駆者とは、農業近代化の線にそって、先駆的な経営を行い、将来農業のパイロットとなり得る個人又は団体をいう。
(先駆者の認定)
第3条 先駆者の認定を受けようとする者は、別に定める審査規則(以下「審査規則」という。)により、その認定を受けなければならない。
(適用の要件)
第4条 先駆者の認定を受けた者が更に第7条の規定の適用を受けるには、審査委員会の審査を受けなければならない。
(適用の認定)
第5条 前条の規定による審査を受けようとする者は、審査規則に定める所定の手続きを経なければならない。
(審査委員会の設置)
第6条 第3条及び第4条の規定による認定を行うため、審査委員会を設置する。
(援助)
第7条 市長は、審査委員会の審査により援助の対象となる先駆者に対して経営指導を行い、かつ、予算の範囲内で助成金を交付する。
(委任の規定)
第8条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定める。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月 3日 (金)

裁判官だって、テレビでドキュメンタリー番組を観るのだ、の巻

【 裁判傍聴録 】
 東京簡易裁判所
 6月**日   罪名:窃盗 

 

 被告人の男は、住居不定無職の47歳。

 ギャンブルで作った借金を、家族の協力も得て完済したところ、生活が立ちゆかなくなったことをきっかけに、10年以上もホームレスを続けているという。

 そして、自販機荒らしの常連でもあり、過去にも窃盗罪で検挙されたことがある。結局は不起訴になったそうだが。

 今回も、路上に設置されている自動販売機の釣り銭(約2万円)を盗んだとして逮捕・
起訴された。 初めての法廷に、要領を得ない感じ。

 

 弁護人は、住むところがない被告人を、更生保護施設に収容する手配をしており、そこを足場にしながら、じっくりと腰を据えて仕事を探していく支援をしたいと主張。

 「ガマンができない自分の性格を直す努力をしますね」と、被告人に質問を投げかけ、意識改革の様子を確認した。

 検察官は、職を失って仕方なく、という事情もなく、10年以上もダラダラとホームレス生活を続けてきた被告人に「ガマンができないんですね。堪え性がないというか」と責め立てる。

 さらに、「あなたが裁判所に来たという意味はわかりますか? これから罰を受けるという意味なんですよ」と、口を酸っぱくして注意を喚起した。

 

 この裁判は、即決裁判手続きで行われていたため、法律上、被告人に言いわたされる懲役刑には必ず執行猶予が付く。

 そのため、被告人が自らの犯行を甘く見ないよう、厳しく叱責して、今後の更生をうながしていく、検察官としての“親心”もあるのかもしれない。

 

 そして、江波戸直行判事による補充質問。

 この方は、いつも「自分の言葉」で、被告人に話を投げかけようと努力しておられるので、質問手続きというより、ほとんど助言か説教のような時間となる。

 

裁判官 「私も、テレビでドキュメンタリー番組とか観ていると、ホームレスになった人々の特集なんかやっててね、私も詳しい事情はわからないんだけれども、自分をいったんホームレスだと認めちゃうと、そこから抜け出せなくなってしまう、というようなことを言ってましたが」

被告人 「はい」 

裁判官 「あなたも、そういうふうにホームレス生活から抜け出せなくなったうちの、ひとりなんですか?」 

被告人 「いえ、抜け出せなくなってしまうのは、年齢的な事情もあると思います」

裁判官 「そうですか、あなたは47歳で、まだ若いですが、もっと年上の人が、抜け出せなくなるということですか」 

被告人 「そうだと思います。 60歳とか、そういう人たちです」

裁判官 「あなたの周りにも、そういうお年寄りのホームレスがいたりしたんですか?」 

被告人 「はい」

裁判官 「しかし、あなたもね、今まで10年以上もホームレスを続けてきたんだから、何か居心地がよかったりしたんではないですか?」 

被告人 「そんなことはありません」 

裁判官
 「10年前は、今ほど職を探すのは難しくなかったでしょう」 

被告人 「……はい」

裁判官 「今までできなかったことが、これから、ちゃんとできるんですか?」 

被告人 「はい、こうして裁判を受けて、目が覚めました。これからは心を入れ替えて頑張ります」

 

 結審して5分後、被告人には懲役1年6カ月(3年間の執行猶予)が言いわたされた。

 江波戸裁判官は最後に「さきほど言ったことを守って、生き方を立て直してくださいね」
と説諭した。

 

 私の気のせいかもしれないが、窃盗に関する刑事裁判の半分近くは、被告人が「住居不定無職」だ。

 そして、ホームレスの「ベテラン」が、「新入り」に対して、盗みをそそのかすような話も聞く。

 ホームレスにもコミュニティがあって、その中でも、要領や力関係の差というのが如実に出ていたり、そうしたコミュニティのわずらわしさを嫌って、今回の被告人のような「一匹狼型」のホームレスが周辺にいたりする。

 やはり人間社会の縮図のような思惑が渦巻いているのかもしれない。

 

(※ 以上、メールマガジン「ウィークリーながみね」今週号に掲載した記事に、加筆してエントリしました)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月 2日 (木)

腹が減っては、強盗できぬ?

>>> 牛丼特盛り食べて「金を出せ」 吉野家“強盗”男を逮捕

 神奈川県警厚木署は1日、強盗容疑で、住所不定の無職、青木朝容疑者(31)を逮捕した。

 同署の調べによると、青木容疑者は6月30日午前3時25分ごろ、厚木市妻田東の牛丼チェーン「吉野家」に押し入り、牛丼特盛とみそ汁(計680円)を食べた後、店員の男性(21)に包丁を突きつけ「金を出せ」と脅迫。レジにあった現金約9万円を奪って逃走した疑いが持たれている。

 同署によると、青木容疑者は静岡から歩いて東京に仕事を探しに行く途中だった。青木容疑者は「お金もなくなってお腹が減って強盗に入った」と供述しているという。盗んだ金はパチンコで使い果たし、1日に警視庁新宿署の交番に出頭した。(産経Web 2009.7.1)



 午前3時半というド深夜なのに、レジに9万円も入れている時点で、けっこう不用心ですけれども、もちろん、無計画にお金を盗っちゃうほうが何十倍も悪いわけですよね。

 最初から「腹ごしらえをした後に強盗」と計画していたのかもしれません。

 が、店には入ってみたものの、犯行に躊躇して(ほかに客がいたりして?)、いったん牛丼を頼んでしまったのかもしれませんね。

 

 ちなみに、本件は2件の強盗罪が組み合わさっています。

 店から9万円を強奪した点は、通常の強盗罪(1項強盗)になりますが、注文した特盛り牛丼と味噌汁の代金を踏み倒した点は、利益強盗罪(2項強盗)になります。

 もっとも、1項強盗の被害額のほうがずっと大きいので、2項強盗をやったことが即、量刑の重さに影響することは考えにくいでしょうが。

 

◆ 刑法 第236条(強盗)
1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


 

 で、9万円を増やすために、パチンコ遊びをするも、負けてパーになったので、交番で「私がやりました」と。

 ムシのいい話です。勝ってたら逃げてたんでしょうけど、交番に出張するタイミングが何日か延びていただけかもしれません。

 先日、タクシー強盗の裁判を傍聴しました。

 その被告人は、パチンコ遊びに依存しすぎて、仕事が手につかなくなって解雇され、妻からは離婚を言いわたされ、仕事を見つけるために170万円持って実家を出たそうです。

 サウナなどを渡り歩いて過ごすも、自分が身を崩す原因となったパチンコをやりつづけて、2カ月で手持ち金が底をつき、その日から路上生活をするのが怖くなって、100円ショップで包丁を買い込み、タクシー運転手を襲ったという、極めて短絡的な事件でした。

 パチンコって、そんなに魅力的なモノなんでしょうかねぇ。

 私はギャンブルは一切やりませんが(ある意味で、今の仕事はギャンブルに近いので)、競馬や競輪などは、選手や競走馬に物語性が含まれていそうですし、ハマる人の気持ちは少し理解できるような気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »