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2009年7月29日 (水)

「逆援助交際サイト」の利用料が欲しくて、ひったくり?

 きのう傍聴した裁判から。

 

 アルバイトで月25万円を得ていたという22歳の被告人は、たいしたもの。 仕事先でも一目置かれていたようです。

 しかし、女性の歩行者を狙って、ひったくりを4件犯し、窃盗の罪で裁判を受けるハメに。

 独身で、実家で両親と同居し、お金に困っているワケではないはずなのに、ナゼ?

 

 被告人は、携帯電話のネットサーフィン機能を使って、あるサイトを見つけた。

 それは、女性と交際すると、相手から援助(お金)がもらえるという「逆援交サイト」だ。

 被告人によると「数百万円ぐらいもらえると思っていた」そうである。

 しかし、逆援交サイトを介して、女性にメールを送るのはポイント制で、実質的には1通送るのに約500円かかるとのこと。

 そういうやりとりを何百通もやっているうちに、ひったくりで得たお金を数十万円つぎこんでいたという。

 

 裁判官は尋ねる。

 「そういうのってさ、おばさんじゃないの?」

 
 被告人は答える。

 「今思えば、架空の女性とメール交換していたと思います」

 
 裁判官 「彼女はいたの?」

 被告人 「当時はいませんでした」

 

 「当時は」と限定しておいて、まるで「今は彼女がいる」かのように見栄を張るところは、22歳の男子っぽい。

 

 裁判官 「彼女がほしかったの?」

 被告人 「というよりは、とりあえず、お金がほしかったです」

 裁判官 「そうなのか。 具体的に、いつ、どこで会いましょう、みたいな話に至ったことはあったの?」

 被告人 「……いえ」

 裁判官 「何百回もメールして、1回も女性と会えたことないの?」

 被告人 「ないです」

 裁判官 「ふつうは、たとえばワナでも1回会うことができて、それで引っかかって、お金を取られていくのかもしれないけれど、そういうこともないのに、信憑性がある話だと思ってたわけ?」

 被告人 「……そうですね」

 裁判官 「どうして、本当にお金がもらえると信じられたの?」

 被告人 「もしかしたら、という気持ちがありまして。 自分だけは幸運が起きるような気になりまして、続けてしまいました」

 裁判官 「そういうのって…… まぁ、キミがバカだということなんだろうけど」

 

 被告人を「バカ」呼ばわりした裁判官は、以前にもこちらでご紹介しましたけど、まさか東京にもいらっしゃるとは!

 ただ、こうした一問一答の流れからすると、文脈上「バカ」という言葉も、比較的しっくりきてしまうような感じを覚えてしまいますね……。

 

 裁判官 「そんな動機でひったくりされたなんて知ったら、被害者もあきれてると思うんだよね。 まぁ、すでに知ってると思うけど」

 被告人 「はい」

 裁判官 「そういうサイトを使うにしても、自分の所得の範囲内でやるとかさ」

 被告人 「はい」

 裁判官 「キミって、計画性というか、金銭感覚ないんじゃないの?」

 被告人 「はい」

 裁判官 「そこは、『はい』って返事をするトコじゃないよね」


 

 まるで、よくできた漫才のネタのような補充質問でした。

 被告人の受け答えが、やたらハキハキしているのが、会話の空回りっぷりをますます浮き彫りにしていて、傍聴席で観ながら、だんだん悲しくなってきましたね。

 こんな、しょーもない動機でひったくりをやろうと思える、人間ってフシギだな。

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