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2009年8月28日 (金)

わんぱくでもいい たくましく育ってほしい (古っ)

 皆さま、ごきげんよう。

 「賃貸マンションの更新料」について、京都地裁で無効判決が出たことを受けて、不動産管理に詳しい弁護士さんにインタビューし、こないだプレジデント社に原稿を納めたんですが……。

 昨日になって、大阪高裁でも無効判決が出て、ビックリしちゃいました!

 「地裁レベルの判断なので、まだ流れが決まったわけではない」という論調だったので、さらに上の高裁レベルで判断が出た以上、思いっきり原稿差し替えですよ。

 ただでさえ忙しいのに、仕事増やさんでくれよ~。 もうグチャグチャです。

 でも、弁護士さんが「今日の晩までに、修正コメント出してメールで送りますよ」と、快く応じてくださったので、助かりました。

 素晴らしい! 余裕が感じられる! おれと違って!

 

 まだ未確認なので、今晩にでも図書館で確認してきますが……

 今朝の北海道新聞の朝刊に、最高裁の国民審査について、そして「忘れられた一票」のことについて載っけていただいているみたいです。

 まだ投票所に行っていない有権者の皆さんは、最高裁の審査対象裁判官に関して、私が孤独にシコシコまとめた、こちらをチェックですよ!

 国民審査用紙(3枚目の紙)を渡されて「ナンジャコリャ」と、つぶやかないために、スッキリした気分で投票所を後にできるよう、最高裁の裁判官についても、だいたいのことは知っておきましょうよ。

 


>>>「チームわんぱく」の高校生2人逮捕 殴って重傷負わせた疑い

 埼玉県警上尾署は24日、傷害の疑いで、さいたま市見沼区の県立高校1年生の男子生徒(15)と鴻巣市の県立高校1年生の男子生徒(16)を逮捕した。

 上尾署の調べでは、2人は6月21日午後7時15分ごろから約45分の間、同じグループの少年4人=いずれも傷害容疑で逮捕=と共謀し、桶川市若宮の駐 車場で、同市の県立高校1年生の男子生徒(15)ら少年2人の顔や頭を素手で殴るなどして重軽傷を負わせた疑いが持たれている。

 上尾署によると、6人は「チームわんぱく」と名乗るグループに所属。被害者の2人はグループの悪口を言ったとして呼び出された。当日は6人の他にもグループのメンバー約15人が現場にいたが、暴行はしていなかったという。 2009.8.24 (産経Web)



 「チームわんぱく」て!

 そりゃあ、立派なボケが1コ発生しているわけですから、被害者の2人は、反射的に悪口(ツッコミ)を入れたくなりますよ。

 彼らは何も悪くない。 そこに山があるから登ったにすぎません。

 まぁ、「チームなかよし」とか「チーム温厚」とかだったら、また違ったツッコミができたかも。

 

 その昔、丸大ハムのCMコピーで、「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」というのがありました。

 「チームわんぱく」の彼らは、たしかにわんぱくなのかもしれませんが……

 6人寄ってたかって2人をボコボコにするのは、残念ながら「たくましく育って」いるとは認めがたい。

 わんぱくと、集団リンチは違うがな。

 いくら素手でも、人数の差があったら、凶器を使っているのと一緒。

 その卑怯な事実に、取り巻きの「チームわんぱく」他メンバー15人ほどは、気づいていたんでしょうね。

 まぁ、集団リンチを眺めているだけで何もしないのは、決して「わんぱく」じゃないけどね。むしろ、「チーム淡泊」でしょうか?

 

 そういえば、むかし、卵投会という連中を特集しましたかね。

 当時「やっていることは、どうしようもないけれども、ネーミングセンスは感じる」みたいなことを書きましたが、「チームわんぱく」には、絶妙なボケのセンスを感じます。

 

 

◆ 刑法 第204条(傷害)
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

◆ 刑法 第60条(共同正犯)
 2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

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2009年8月16日 (日)

裁判員制度を輝かす 100の改善案 〔No.31-35〕

 インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」の、大人気コンテンツ「マル激・トーク・オン・ディマンド」のゲストとして出演させていただきました!

 

 テーマは、ありがたいことに「最高裁の国民審査」!!

 ビデオジャーナリストの神保哲生さん、社会学者の宮台真司さんと共演させていただきました。 どの裁判官に「×」をつけるべきか、これからのニッポン司法はどうあるべきか、激論を交わしながらも、楽しいひとときを過ごせました。

 すべて視聴するのは有料(月500円)になりますが、ぜひご覧ください! ⇒ こちら

 

 で、明日の朝から、右下の親知らずを抜きに、歯科医院へ行きます……。

 5年前に左下の親知らずを抜いたときは、2時間ぐらいかけて、歯を3つに分割して取り除いたり、血が止まらない口を押さえながら帰りの電車の席に座っていたりと、何かと大変でした。

 明日も、ただでは済まないことが予想されます。 果たして、執筆や裁判傍聴をする余裕があるかどうか? 

 

【 31 】
 選任手続きで、年齢層や性別のバラつきを、あえて平均化させてみては?

 

 日本初の裁判員裁判(東京地裁・8月3日~6日)で、6名の裁判員の内訳は
  ・会社員の女性(50歳)
  ・ピアノ教師の女性(51歳)
  ・アルバイトの男性(61歳)
  ・栄養士の女性(41歳)
  ・契約社員の女性(38歳)
  ・会社員の男性(43歳)

 ……純粋なコンピュータ抽選らしいですから、意図的でなくていいんですが、20歳以上が裁判員の対象資格であることを考えれば、あまりにも中高年層に偏りすぎの気がします。

 ここは、テレビ業界での視聴者分析を見習ってみましょう。

 M1(20歳~34歳男性)、
 F1(20歳~34歳女性)、
 M2(35歳~49歳男性)、
 F2(35歳~49歳女性)、
 M3(50歳~男性)、
 F3(50歳~女性)。

 

 おっ、ちょうど6パターンあるじゃないですか。
 だから、それぞれの層から1名ずつ抽選で選ぶと、裁判員がもっと自然な構成になるかと思います。

 
 
 

【 32 】
 「理由無し不選任」というブラックボックス

 

 裁判員の候補者については、検察官と被告人がそれぞれ4人(+α)を上限にして、理由を示さずに、候補から外す請求をすることができます。

 理由もなしに候補から外されるというと、なんとも気分が悪い感じですが、
 あきらかにやる気がない人、
 裁判員制度に明らかに反対の人、
 暴力団組員、
 被告人と同じ団体(宗教法人など)にいたりする人

 ……などが、裁判員に任命される可能性を、穏当なかたちで排除できるフィルターとしての役割があります。

 ただ、そうした深いレベルの個人情報を扱うわけですから、それ相応の管理体制が求められます。

 また、理由無し不選任が恣意的に行われないよう、外部から弁護士資格者や、法律学の大学教授をオブザーバーとして招いて、適正な手続きの担保にする方法もありえます。

 
 

【 33 】
 「取り調べの可視化」は、最低限の要請

 

 被疑者に対する取り調べで、被疑者が答えた内容を記録した文書を「供述調書」といいます。

 刑事裁判を傍聴していると、供述調書に書かれたことなど言っていないとして、その信用性を争ったり、長期間にわたる取り調べで疲労困憊させて認めさせたりなど……

 取調室での「自白の任意性」を争う場面がみられます。

 ときには、取調室という密室で、取り調べ担当の警察官や検察官から、侮辱的な言葉を吐かれたり、暴行を受けたりしたと主張する被告人もいます。

 そういった担当取調官を法廷に呼び出して、そのときその場で何があったのかを問いただすのですが……

 

取調官は、組織に不利なことは絶対にしゃべるまいと、並々ならぬ覚悟で証言に臨んでいますので、そう簡単には口を割りません。

 しかも、供述調書は検察官や警察官といった「信頼できる公務員」が作成した文書ですから、たとえ弁護人が証拠請求に同意しなくても、ムリヤリ裁判所に提出できるという特別扱いがなされます。

 供述調書など、書面による審理はなるべく省略しようという裁判員制度の趣旨に照らせば、取り調べの様子は録画して、不正がなかったかどうか、あとで客観的・ビジュアル的に検証できるようにしておくのが、最低限の努めだろうと考えます。

 
 

【 34 】
 取調室内への弁護人の立ち会いを認めてください

 

 ハリウッド映画などでは、被疑者が取り調べを受けている横で座っている弁護人が、舌鋒するどく「異議!」などを唱えたりしておる場面を見かけますが、あんなこと、日本ではありえません。

 取り調べを牽制するため、日本の刑事事件の弁護人にできるのは……

 拘置所や警察署まで出向いて、被疑者と面接(接見)して、話を聞いたり、アドバイスしたり、取り調べの様子を日記として書き留めるよう「被疑者ノート」と呼ばれるメモ冊子を差し入れることぐらいですね。せいぜい。

 「人間的な信頼関係を築き、時間をかけてでも粘って自白を取る」ことができる刑事や検事こそ優秀だ、という考え方が、捜査機関の間で定着しています。

 

その考え方が、被疑者の周りに取調官しか頼れる者がいない状態をつくることを正当化しているように思います。

 取調官は、法律知識があり、組織力や国家権力を背後に控えさせながら、被疑者に向き合っています。そんなアンバランスな状態で、対等な人間関係が築けるという考えは、あまりにも一方的・独善的であり、残念ながら、被疑者を不安に陥れ、力づくで自白を取っている事実をぼやかす綺麗事にしか聞こえてきません。

 「自白さえ取れば、こっちのモン」という、取り調べの価値基準そのものの見直しも迫られているように思います。

 「悪いことをやっていたら、素直に認めるべきだ」というのは、被疑者自身の良心に訴えかける、道徳的・倫理的な価値観であって、「悪いことをやっていたら、客観的な証拠で立証する」という法律的な手続きとゴチャ混ぜにしたら、捜査機関の都合のいい解釈を許すだけです。両者は厳格に分けて考える必要があります。

 被疑者の供述調書をとるのは結構ですが、そのときは、弁護人の立ち会いを認めて、適正な手続きに従って供述の記録が行われているか、厳しい目が注がれる必要があります。

 取り調べの最後に「調書の内容に間違いがない」ことを示す儀式として、被疑者が署名・指印をするのですが、特にその際には、被疑者が遠慮したり、あきらめたり、疲労困憊して早く取調室から出たいあまり、あまり慎重に読みこまず、半ば投げやりに署名・指印しているケースが多々見受けられます。
 被疑者は毎日のように取り調べに遭って、孤独に戦っているわけですから、「ちゃんとチェックすべきだ」「自己責任だ」と責めるのも酷です。
 その被疑者が犯罪を犯したとして、取調室で、犯した犯罪以上の事実を認めなければならない筋合いはないわけです。

 なので、弁護人による第三者チェックも求められます。

 


【 35 】
 刑事弁護士の養成・組織化は急務ですね 


 

 3~4日間という短期間で、重大事件の判決まで至る裁判員裁判。それを前提にすれば、刑事弁護士が、いかに短く簡潔な質問で、最大の情報を証人や被告人から引き出すか、洗練された尋問術がますます重要になってくるでしょう。

 それに、検察官の質問に的確に、自信を持って「異議」を出せる、刑事弁護が得意な弁護士資格者を養成して東京・大阪だけでなく、日本全国の地方都市で活躍させる必要があります。

 個人営業やそれに準じた小規模の法律事務所では、裁判員裁判弁護での仕事量の多さが大きな負担としてのしかかります。

 ダラダラとした尋問、同じことを繰り返すしつこい尋問は、弁護人の準備不足が丸見えですが、もし、事務所が小規模ということが理由で、努力だけでは克服できないほどの仕事量を課せられているとしたら、問題は決して放置できません。

 デジタルデータを使用した冒頭陳述や最終弁論が求められますので、そうしたデータ処理に強い人材も確保する必要があります。

 きっと、刑事弁護も半ボランティアのようなかたちでやるのでなく、もっと合理化・組織化の方向へ向かうべき時代にきているのかもしれませn。

 弁護士会としても、裁判員裁判の刑事弁護を多く扱う事務所には、人材や補助金をサポートするなど、充実した裁判員制度支援を行っていただきたい。

 国選弁護の報酬額も、裁判員裁判に関しては、ある程度は上乗せすべきです。

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2009年8月10日 (月)

新型の傍聴整理券は、腕に巻く! …裁判員裁判2号(さいたま地裁)

 

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 先週、東京地裁で史上初の裁判員裁判が行われ、殺人罪に問われた被告人に懲役15年が言いわたされました。

 その余韻も冷めやらないまま、全国2件目の裁判員裁判が、さいたま地裁で行われる。

 っちゅうことで、もちろん行ってまいりましたよ。

 JR浦和駅の西口を出て、徒歩十数分という、お世辞にも交通の便がいいとはいえない場所に、埼玉県のメイン裁判所はあります。

 向かいには県庁。

 また裁判所と隣接する敷地には、法務局・拘置所・少年鑑別所も一緒に設置されています。

 一箇所に、ここまでイロイロ固まっているのは、わりと珍しいかもしれませんね。

 

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 汗だくの腕で失礼します。

 これが、司法によって新しく導入された、「腕輪型」の傍聴整理券です。

 ステキなブレスレットですね。 しかも無料!

 ビニールっぽい繊維が入った破れにくい紙の素材でできています。

 そして、ナゾの強力粘着剤により、輪っかの継ぎ目は、しっかり付着しています。

 

 この「腕輪型」のメリット。 2つ考えられるかなと思います。

 ひとつは、正式な傍聴券の「合格発表」タイムまで、大勢の傍聴希望者が行列を作って待たなくてもいい、という点ですね。

 従来のチケット型の整理券だと、1人で2枚も3枚も取って行くヤツが出現しかねません。

 なので、そんなズルを未然に防ぐべく、1枚取ったら「傍聴希望の方は、こちらでーす」なんて、係員に誘導され、行列から抜けられないシステムになっているのです。

 この時期に晴れたら、高温の炎天下でジッとしてなきゃいけませんし、雨のなかで待つのも悲惨です。

 しかし、

 「右手に腕輪型の整理券を付ける」と決めていれば、2枚目をもらおうとしたとき、係員がすぐに1枚目の整理券の存在に気づきますので、不正がなくなるのです。

 だから、腕輪型整理券を付ければ、あとは合格発表タイムまで、公園で寝ていようが居酒屋で呑んでいようが、自由なのです。 トイレも自由。

 今日は、さいたま地裁の105号法廷が「傍聴希望者の待合室」になっていましたので、私はそこで考え事をしながら待っていました。

 待合室の座席(傍聴席)は50人ぶんありましたが、30人ぐらいしかいませんでしたね……。

 曇り空だったので、皆さん、外で待つのがあんまり苦にならなかったようです。

 

 え?

 行列に並ばなくて済むことをイイことに、いったんちぎって、2枚目の腕輪整理券をつけてもらう、ですってぇ?

 なんと、あくどい!

 一度、輪っかをちぎった整理券は無効になります。

 もし、ちぎった整理券を、なおもずうずうしく腕に巻こうとすると……

Photo_3  ↑ このように、ビミョーな感じになっちゃいますので、あなたの企みは、きっとバレます。 気をつけましょう。

 

 もうひとつは、当選した整理券が他人に譲り渡されるのを防ぐ効果もあるでしょうね。

 司法記者クラブに所属してなくて、確実に座れる傍聴席が確保できていないようなマスメディア(週刊誌など)が、下請けの業者などに頼んで、「整理券をもらって行列に並ぶだけ」のアルバイトをたくさん動員し、「数打ちゃ当たる作戦」で傍聴券を取ろうとする試みが、水面下で当然のように行われています。

 まぁ、傍聴席をまったく持っていない出版社などなら、まだ理解できますよ。

 運が悪ければ「何十万も費やして収穫ゼロ」なんて事態もありうるわけですから。

 理解できないのは、司法記者クラブに所属している新聞社やテレビ局が、なおも同様のことをやって、コネでつながっているジャーナリストや、ニュースやワイドショーのMCなどに傍聴させている点です。

 山口・光母子の差し戻し控訴審で、広島高裁の前に4000人以上の傍聴希望者が並んだそうですが、そのほとんどは「動員アルバイト」だったらしいですしね。

 いやぁ、オレだって、虎の子のように大事な傍聴券を、誰かからゲットしたいものですよ。

 「ワタクシねぇ、アノ裁判、この目で観ましたよ!」と前置きして、自分の立場に箔を付けてみたいなぁ。 いいなぁ。

 この私、意外と、日頃の行いは良いほうだと思うんですけど(自分で言ってりゃ世話ないが)

 

 各種大規模メディアは、何をどうしたくて著名事件の傍聴券だけを露骨にかっさらっていくのか。

 お金儲け・興行目的は結構ですが、それは、日本国憲法82条「裁判の公開」という要請を妨害してまでやることなのか。

 

 ま、そうやって、これからも傍聴券をカネで買うようなマネを続けてればいいですよ。

 おお、上等だ。 かかってこいや!

 そんなデカすぎる障壁をも乗り越えるほどの幸運で、いつの日か傍聴席に座ってやる。

 別に殺人事件を傍聴したいわけじゃないけども、これは司法ライターとしての意地です。

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2009年8月 7日 (金)

裁判員制度を輝かす 100の改善案 〔No.26-30〕

 きのう、共同通信の方から、裁判員裁判の初判決に関してコメントをください、というお電話がありました。

 コメントして、今朝、各メディアへ配信されてるハズなんですけど、少なくともネット上には載ってませんね……。

 けっこう良いこと言ったつもりなのですが、私ごときのコメントでは、まだまだ力不足なんだなぁと痛感しました。

 せっかく私に目を付けていただいて、取材結果を記事に起こしてくださった記者の方に対しても、気の毒な気持ちがあります。

 今までずっと調べ、考えてきた裁判員制度について、意見を話しても、見向きもされないなんて、何が司法ライターだよ……。 自分、もっともっと精進せねば!

  

【 追記 】
 共同通信社の担当記者の方から、メールが届きまして、「コメントは、ネット上の新聞社サイトにはあまり載るものではない」との事情があるようです。 気落ちして損しました。(笑

 
 

 ◇◆◇◆◇

 
 

【 26 】
 裁判員の集中力をキープするため、こまめに休憩をはさむべき。

 

 ふつうに生活している人々は、長時間にわたって「話を聞きながら、メモを取る」という行動に慣れていません。

 なので、集中力がとぎれて大事な話を聞き逃してしまうおそれがあります。

 何かのセミナーや講義を受けているのなら、少しぐらい話を聞き逃しても、それは自分が困るだけですが、裁判は他人に大きな影響を及ぼすものですから、事情が違います。ウカウカしていられません。

 実際には、話を少しぐらい聞き逃しても、あとで映像や速記録などを見返すことができるようですが、裁判員6人それぞれが「あそこをもう一度見たい」「読み返したい」と申し出て、それにいちいち応えていたらキリがありません。

 記録は自宅に持ち帰れるわけがありませんし、裁判所の庁舎内でチェックするしかないわけです。なので、「後で証言を見返せる」といっても限界があると思います。

 

 今週の「裁判員裁判第1号」では、わりとこまめに休廷時間を入れていたようですが、これから何百件・何千件と裁判員裁判が行われていくうちに、運用が裁判長ごとにバラバラになってしまう可能性がありますから、ある程度の共通ガイドラインは必要でしょう。

 
 
 
 

【 27 】
 「被告人」「被疑者」「被害者」という、ややこしい言葉づかいは、なんとかして。

 それぞれ、同じ「ひ」が頭についた言葉で、ややこしいですよね。

 ましてや、「被告人」と「被害者」とでは、まったく立場が逆ですから、混同するのは避けたいところ。

 法律用語に比較的慣れているほうの私でも、法廷の傍聴席で聞いていて「被告人」と「被害者」が一瞬ゴッチャになる場合があります。

 ましてや、法律用語に慣れていない一般の裁判員の方は、とまどわされること必至でしょう。

 その点、マスコミ用語は賢明です。 それぞれ「被告」「容疑者」「被害者」と言い換えていますから、混同するおそれは極めて低い。

 いっそのこと、被告人を「○○さん」と呼んでしまえば、もっと混同しにくくできるでしょう。

 判決が確定するまで、被告人は無罪と推定するのがタテマエですから、「○○さん」という呼称は、そのタテマエにも沿います。

 実際、被告人を「○○さん」と呼ぶ簡易裁判所の裁判官もいます。

 ただ、凶悪事件を裁く裁判員裁判で、被告人を「○○さん」と呼ぶのは、世間からの理解を得られない可能性があります。

 ちなみに、犯罪を犯した疑いがある人物は、逮捕や検挙段階では「被疑者」と呼び、検察官に起訴された時点で「被告人」に切り替わります。

 法律上の扱いもだいぶ異なってくるのですが、それはそれとして。

 
 
 
 

【 28 】
 公判前整理手続きで外された証拠の扱い

 

 裁判員裁判が始まる前に、裁判官・検察官・弁護人の3者だけで非公開の「公判前整理手続き」が行われます。そこで、どの証拠を出して、どれを出さない、などの方針が決められますので、「整理手続きの段階で、裁判の行方が決まってしまう」とさえ言われます。

 その整理手続きの場には裁判員は加われないわけですが、どういう証拠を外したのか、裁判員にリストを見せてほしいですね。

 ある程度、審理が進んだ段階で、ある裁判員が「検察官の証拠請求から外されているようですが、この証拠を一度見ておきたい」と要求すれば、見せる。 せめて見せるかどうか検討すべきだと思います。

 そうしないと、「公判前整理手続きによって、裁判員裁判がセレモニー化・形骸化する!」という批判が、よりリアルなものになってしまいますよ。

 
 
 
 

【 29 】
 裁判員裁判の、テレビ中継を認めてください

 

 世間で注目を集める重大事件の裁判だからこそ、誰でもテレビで見られるようにすべきでしょう。 これぞ「究極の公開裁判」です。

 ただし、裁判員6名の容貌を映すのは控えるべきでしょうね。

 また、裁判をテレビで放送するのなら、NHKにすべきと考えています。 せめて、CSで「裁判専門チャンネル」を作って、そこで流すとか。

 民放で裁判中継するのは「視聴率稼ぎたいだけだろ」と、なんとなく邪推してしまいますね。

 いや、視聴率を稼ぐこと自体は結構ですが、犯罪被害者の感情を犠牲にしてまで行うべきことではありません。

 中継によって裁判がますます「ショー化」するのも見苦しいですし、「テレビに出たいから人を殺した」というヤツが出現しないとも限りません。

 過熱しすぎた報道は「歴史に名を残すには、凶悪犯罪を犯せばいい」と、一部の者に思わせてしまう元です。

 
 
 
 

【 30 】
 「陪審法」は、もう廃止でイイですよね?

 

 欧米諸国で伝統的に実施されている、一般人12人のみで有罪か無罪を決める「陪審制」。

 じつは、大正デモクラシーの一環で、戦前の日本の裁判所でも行われていました。

 しかし、陪審員12人に裁かれるか、それとも職業裁判官が裁くかを、被告人が選べるシステムになっていて、ほとんどが後者を選んでしまったらしいのです。

 日本の陪審制は次第に下火になり、昭和18年、戦争の激化などを理由に「停止」されました。

 その当時に制定された「陪審法ノ停止ニ関スル法律」の、附則3項には「陪審法ハ今次ノ戦争終了後再施行スルモノトシ其ノ期日ハ各条ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム」と書いてあります。

 陪審法は、戦争の終結を「復活」条件として、その機能を「一時停止」したにすぎないはずなのです。

 しかし、

 戦争が終わって60年以上経っても、陪審法の復活など果たされないまま、冷凍庫の奥でカチコチに凍りづけにさせられたまま、あげくのはてには陪審制と両立しえない裁判員制度が、しれっと導入されたのです。

 陪審法(大正12年4月18日法律第50号)は、停止中ながらも、いまだに有効な法律です。ついでに、「陪審法ノ停止ニ関スル法律」も、復活の条件を満たしているのに陪審法を復活させない「ウソ法律」に成り下がってしまいました。

 裁判員制度を導入する以上、これら二つの法律は廃止させるのがスジです。

 そうでないと、「日本の法体系は矛盾をきたしている」と批判されたとしても、仕方がありませんよ。

 それも決して大げさな批判ではないでしょう。

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2009年8月 5日 (水)

裁判員制度を輝かす 100の改善案 〔No.21-25〕

日経ビジネスオンライン
【日刊新書レビュー】

絶対にホームから移動してはいけない
『「この人、痴漢!」と言われたら』(中公新書ラクレ)
粟野 仁雄 著
 (評者 : 長嶺 超輝)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090804/201706/
↑ 本日付けで一般公開です! よろしくお願いします。

 

 今朝の東京地裁、

 裁判員裁判3日目になりますが、私と友人も含め、裁判所の脇に傍聴希望者1310人が並んでいたそうです。

 きのうよりも減りましたが、あんまり変わっていないともいえます。

 で、今日の結果も例のごとく、ふたりともドボンですね……。

 

 こういう過熱気味の雰囲気は、そう長く続くはずがないので、じっとガマンすることにします。

 そのうち、裁判員裁判が珍しくなくなる時期が来るでしょうから。

 

 明日の午後から判決公判。

 いつもの裁判官3名の横に、裁判員が6名座っている違いはあるものの、やっぱり判決ですからね。

 コレばかりは今までどおり、裁判長の独壇場な気がします。

 もしかしたら、判決公判で意外なハプニングが起きるかもしれませんけどね。

 ……って、ハプニング待ちかよ。

 明日は、書きモノの仕事に専念したい気持ちがありますので、パスして、来週の「裁判員裁判第2号」に、くじ運を賭けようと思います。

 
 
 

 それでは、今日も裁判員制度にツッコミを入れ続けるマラソン企画をお送りします。
 今回は21~25個目です。

 
 

 ◇◆◇◆◇

 
 

【 21 】
 連続開廷での審理は、考え直してほしいです。

 今朝、裁判員を務めていた方が1人、3日目にして体調不良を訴えて途中辞退することになり、補充裁判員と交替になりました。

 裁判審理の過酷さとの因果関係はわかりません。

 ただ、裁判所に通って審理にあたるという、慣れない営みが「毎日」続くことは、心身に負担をきたすのは避けられないでしょう。

 また、過酷さは別に置いても、連続開廷は、決してメリットは大きくないと思います。

 職種によるでしょうが、仕事の穴を連続3日空けるより、3週にわたって週1日ずつ空けるほうが助かる社会人は多いと思うのです。

 それに、今回の第1号裁判員裁判を例にとっても、「月曜に初公判で、木曜に判決」というのは、「結論を出すのを急ぎすぎ」だと見られても仕方がないところです。

 司法のイメージがダウンこそすれ、アップするとは思えません。

 審理の間隔をギリギリまで詰めて「家族や友人に相談させず、裁判員本人の考えで決めてほしい」という意図もあるのでしょう。

 それでも、裁判員が周囲の人に意見を求めるのは、司法への市民参加制度において、あらかじめ想定の範囲内でしょう。

 守秘義務違反のペナルティも科していますから、裁判員だって何でもかんでもペラペラしゃべろうとはせず、自重します。

 それに、守秘義務違反で直ちに実害が発生するようなケースは少ないと考えられますし、プライベートのしゃべりをあまり縛るのはよろしくない。 ちょっとは裁判員の皆さんを信頼してほしいものです。

 相談する相手も「市民」なわけですし、その市民から受けたアドバイスのうち、裁判員本人がどれを拾い上げるかも、その本人の判断に含めて尊重すべきだと思います。

 
 
 

【 22 】
 だから、「週末開廷」を真剣に考えてほしいです

 これから毎年11月ごろに行われるという、「裁判員候補者名簿への登録」の際、

 

「もし、あなたが裁判員として召集されたら、土曜や日曜の参加を希望しますか? それとも、平日での参加でも構いませんか?」と、アンケートをとっておいて、その希望に叶うような選任をするほうが、世間の理解を得やすいと考えます。

 それで、あえて平日参加を受け入れた裁判員へは、支払う日当を上乗せすればいいでしょう。

 休日参加の場合は、サラリーマンやOLを中心に、比較的参加しやすいでしょうから、日当は据え置きにします。

 そのぶん、裁判官に休日出勤の手当てを支給すればいいと思います。

 
 

【 23 】
 まず、裁判員だけで話し合って、その後で裁判官と話し合うようにしてください。

 いくら、食事時間や休廷時間などで、プロ裁判官と一般裁判員が世間話などをして、互いに打ち解けたとしても、やはり評議の場では、法律知識や裁判経験の面で、力関係が違いすぎるでしょう。

 せめて、評議の前半は、立場が対等な裁判員6人だけで話し合って、どんなに初歩的な疑問でも遠慮なく意見を言い合い、勘違いや思い込みなどを修正し合いながら、裁判員だけで意見をある程度固められるように配慮してほしいです。

 そのあとで、プロ裁判官と討論を戦わせれば、より有意義な話し合いになると考えます。

 いきなり裁判官と話し合うのでは、裁判員の意見がプロに誘導される可能性が拭いきれないと危惧します。

 もちろん、裁判員制度の趣旨を理解して、意識の高い裁判官は、裁判員の意見を誘導しそうになる自分を戒めながら、うまく多様な意見を受け入れて評議を進めるでしょう。

 しかし、最終判断に至るまでの、素人のムダな思考回路や脱線など(のように見えてしまう話し合い)にガマンならない裁判官は、話し合いが面倒になって、さっさとケリをつけようと、自らの考える結論へ誘導するおそれがあります。 残念ですが。

 法廷ですら、客観性を欠いて、検察側に有利な立場を前提に質問するなど、流れを誘導する裁判官が散見されます。

 ましてや、非公開の評議室をや。 ……ということなのです。

 
 
 

【 24 】
 「裁判員+裁判官」の意見と、「裁判官のみ」の意見を、両方公開してください

 

 先ほど、「裁判員のみでの評議を前半に」と申し上げました。

 その間に、裁判官3名でも従来どおりの合議を行い、従来の基準で結論を導き出しておくのです。

 そして、判決では、裁判員と裁判官が話し合った結果と、裁判官のみの合議結果を、両方示してほしいと思います。

 

 「主文  被告人を懲役15年に処す。 (なお、職業裁判官3名の合議の結果は、懲役18年でした) 以下、理由を述べます……」

 

 ……というような、判決言い渡しイメージです。

 「導入前」「導入後」を比較する材料がないと、裁判員制度が本当に正しいものなのかどうか検証することが困難になります。

 本当に、現在の裁判員制度システムに自信があるなら、この程度の情報公開はできるはずですし、「なぜ、私たちが裁判員として参加しなければならないか」世間の理解も得やすくなると考えます。

 「導入前」「導入後」の判決内容を比較するのは、裁判員制度推進派にとってもメリットがあるといえるでしょう。

 
 
 

【 25 】
 被告人による「選択制」にしてもいいかも?

 
 

 【24】の意見を前提にして、

 判決言い渡しの前に、被告人に、「裁判員裁判で導いた主文を受け入れるか? それとも、裁判官のみで導いた主文を呑むか?」を選ばせ、被告人が選んだほうの主文に、正式な法的強制力を持たせる……という方法も考えてみました。

 裁判員制度への反対論者にも、ある程度配慮する折衷案といえるかもしれません。

 被告人の気持ちとしても、「仕方がない」と、判決を受け入れやすくなりそうです。

 ただし、この「選択制」だと、裁判員裁判がムダになるおそれがあります。

 この選択を初公判の前にさせればば、裁判官のみの裁判を被告人が選択した場合、裁判員候補者を集める必要はなくなって、ムダも解消されます。

 しかし、今度は裁判員裁判と従来の裁判での、量刑比較ができなくなり、【24】のメリットが失われます。

 難しいですね。

 また、「裁判がゲームっぽくなって、厳粛さが削がれる」という違和感から、このアイデアに反対する立場もありえます。

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2009年8月 4日 (火)

裁判員制度を輝かす 100の改善案 〔No.16-20〕

 裁判員裁判2日目、またしても見事にクジ引きを外しました。

 きのうの傍聴希望者が約2300人でしたが、今朝は9時からの抽選で小雨もパラついていたからか、だいたい1400人ぐらいでしたね。

 若干落ち着きを取り戻しつつありますが、ホンネを言えば、もうちょっと脱落者がたくさん出てきていただきたいものです。

 パラパラ小雨なんて遠慮せず、もっと派手に!

 カミナリと暴風雨で、霞が関大洪水!なんて感じになったら、さすがに傍聴希望者は激減するでしょうが、……私まで脱落してしまいそうです。

 

 ◇◆◇◆◇ 

 

【 16 】
  裁判員の使命感を醸成させるような指名方法は?

 

 単なるクジ引きで選ばれるのでは、「なぜ私が裁判員としての職務を果たなきゃいかんのか」、なかなか使命感が湧き起こりづらいように思います。

 「他の誰かでなく、この私がどうして?」と。

 クジ引きよりも手間はかかりますが、たとえば、介護疲れで母親をつい殺害してしまったという事件の場合は「被告人と同じく、親の介護をしているから」という理由で、何名かスカウトしてもいいでしょうし、
 危険運転致死の場合は「被告人と同じ車種のクルマに乗っているから」などの理由で、市民代表を選んでもいいかもしれません。

 そうなれば、自分の意見をプロの裁判官の前で述べる理由が明確になり、裁判員制度への協力を求めやすくなると思います。

 
 

【 17 】
  日当は5万円ぐらいあげていいかも?

 

 裁判員の日当は最高で1万円らしいですね。これを20倍(月間の平日日数)すれば、新人の裁判官と月額報酬と、ほぼ同じ水準になるそうです。

 ただ、忙しいところを臨時で裁判所まで呼びつけるのですから、もう少しあげてもいいでしょう。

 それが難しければ、「現金に限らない裁判員への謝礼」というかたちを考えてもよさそうです。たとえば「来年度の住民税の控除」とか「将来の年金の上乗せ」とか。

 
 

【 18 】
  あとで冤罪が判明したときは?

 
 裁判員が関わった一審段階で有罪を言いわたしたが、高裁や最高裁、あるいは再審で逆転無罪となった場合、どうするのでしょう。

 有罪を言いわたしてしまった裁判員経験者のなかには、ひとりの人生に取り返しの付かない影響を及ぼしてしまい、良心の呵責にさいなまれる方も多いだろうと思います。

 裁判所において、そのフォローはどうするつもりなのでしょうか。

 「全員で裁くのだから、必要以上に不安に思う必要はない」と、司法は裁判員制度への理解を求めていますが、
 実際に冤罪を引き起こしたとき、「裁判員は悪くない。プロの裁判官であるわれわれだけが悪かった」と、記者会見で謝罪できるわけではないでしょう。

 
 

【 19 】
  行政裁判にも、裁判員を入れてください

 

 刑事裁判だけでなく、国や地方自治体(都道府県や市町村)の政策に関する「行政裁判」も、一般庶民の関心は高く、裁判官とともに審理することも理にかなっています。

 たしかに、一般庶民の判断は、庶民に不利な政策、公金のムダ遣い政策にNoを突きつける方向に強く作用しがちで、バランスがよくないかもしれません。

 しかし、現在の行政裁判じたい、住民側の敗訴率が95%を超えていて、バランスを失しているのです。だから、それぐらい判断を逆方向へ引っぱる力が司法に入り込んでも、決してバチは当たらないと考えます。

 
 

【 20 】
  再審開始決定にも裁判員を入れてください

 
 再審開始決定は、最高裁などが言いわたして確定したはずの判決を蒸し返す「やりなおし裁判」をスタートさせる決定です。

 裁判官の先輩が導いた結論に、後輩の裁判官がNoを突きつける決定なわけで、再審開始決定にゴーサインが出ることは、なかなかないのが現状です。

 よって、この再審開始の判断にも、裁判官の間のしがらみがない一般人を関与させたほうが、事がフェアに進むのではないかと考えるのです。

 ただ、大量の証拠書類を読みこむ必要があるでしょうから、その職務に耐えられ、自分から望んで参加する庶民を、精鋭部隊として裁判員に任命する「志願制」にしてもいいでしょう。

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2009年8月 3日 (月)

誕生日プレゼントは傍聴券?

 
 今日は、史上初の裁判員裁判が行われる日 兼 私の34歳の誕生日ということで、自分への誕生日プレゼントとして、「初公判の傍聴券」を自力でゲットすべく、東京地裁へ。

 すると……!

 

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 ご覧のとおりの大行列です。

 マスコミ取材陣や、裁判員制度反対運動の皆さんもゴチャゴチャ入り乱れて、正門前はゴッタ煮状態。

 ツレにも一緒に並んでもらって、クジ引き当選確率の向上を狙ったのですが……、

 30分行列に並んで、見事にボウズ!!

 あーあ。

 やっぱり誕生日プレゼントは、素直に友人らからもらおうと思います。

 

 そんなドジに引き替え、記者クラブ所属の大マスコミの皆さんや、彼らとコネがある人物は、自動的にしっかりと傍聴券をキープしていますからね。

 最初から傍聴席に座れる確約がある代わりに、書ける内容の自由度や分量は限られるでしょうが、そんな制約に負けず、彼らが責任感をもって伝えてくださる傍聴レポートに期待しています。

 やっぱり「裁判員裁判第1号」というニュース性や話題性は大事で、テレビや新聞としては採り上げないわけにはいかないネタですからね。

 目の色を変えて、たくさんの傍聴席をかっさらっていく。 それは仕方ありません。 「社会の公器」として当然の行動です。

 その点、私にとっては、初めて一般人が法壇にあがる「裁判員裁判第1号」だって、数ある刑事法廷のうちのひとつでしかありませんしね。

 だから、一般のジャーナリストや社会部記者の皆さんとは、やっぱり意気込みの熱さが違うんです。

 正直いって、殺人など凄惨な事件の裁判より、万引きや置き引きの裁判のほうが、人間味があって見応えありますし。

 ただ、司法ライターとして、裁判員裁判を一度でもナマで観ていたほうが、世間様へ向けて裁判員制度についてコメントしやすくなるだろう。 だから、できるだけ早い時期に裁判員法廷に居合わせておきたい。
 ……その程度のことは考えていますが、私にとって今回の裁判、あいにくそれ以上にもそれ以下にも位置づけていません。

 なので、ソコソコのレベルの意気込みで、明日も明後日も行列に並び続けます。

 何十倍もの倍率を乗り越え、自分の持つ「運」だけで引き当てた傍聴券の「味」を、いちおう知っていますから。

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2009年8月 1日 (土)

それは穴埋めクイズか? 検察の“こすい?作戦”その2

>>> 起訴罪名の一部隠し発表 「名誉を配慮」と長野地検

 長野地検は24日、長野県飯田市の民家で女性にナイフを突きつけ金を奪ったとして、強盗などの疑いで逮捕された男の同地検松本支部による起訴を公表した際、起訴罪名について裁判員裁判対象事件とした上で「住居侵入、強盗■■」と2文字を黒塗りにして隠した。
 該当する罪名は強盗強姦(ごうかん)、強盗殺人などの可能性があるが、地検は説明を拒み、理由について「関係者のプライバシーと名誉」として具体的には明らかにしなかった。
 被害者名を伏せ犯行日時も「平成21年」、場所は「長野県」以下が黒塗り。犯行の中身や状況の大半も黒塗りとなり、被告がどこで何をしたことを罪に問うのか、公には不明確なままとなった。[※以降略] (2009/07/24 共同通信)

 

 いやぁ、意味不明な処理です。

 いったい何をどう保護しようとしているのか。

 裁判員対象事件だということは公表しているわけですから、「強盗未遂」とか「強盗予備」などの比較的軽い罪ではないはず。 記事にもあるとおり、強盗強姦か強盗殺人、あるいは強盗傷害などだと、おのずと絞り込めるわけです。

 しかも、被害者を匿名で保護すべきだという要請が作用するとなると、やはり性犯罪の可能性は高いですね。おそらくは強盗強姦だろうと考えるのが自然です。

 犯行日時は、今年だということだけが特定され、何月何日かは不明。犯行場所は「長野県」ということだけ特定され、市町村レベルは公表されていないそうですね。

 さらに、犯行内容については「被害者宅に侵入してナイフを顔に押しつけ金を要求し、現金12万円とキャッシュカードを奪った」という強盗部分だけ明らかにして、■■に関する犯行は明らかにされていません。

 仮に性犯罪だとして、その被害の様子を具体的に描写する必要はないですし、「被害者と泣く検察」を標榜する機関としては、それはそれでプライバシーや名誉を保護する判断としてありえます。

 そこまでは理解できるとしても、はたして、正確な罪名まで隠す必要性はあったのでしょうか。

 「被害者保護」の要請は大切ですが、こうした長野地検の扱いは、いささか過剰反応のような気がします。

 

 山下隆志次席検事は、裁判は公開であり公判が始まれば罪名も明らかになるとの記者の指摘に「検察が罪名を出すと事件が分かり、事件が分かると中身が分かる。中身が分かると関係者が保護されない」と主張した。 (2009/07/24 共同通信)

 

 保護されるべきだと検察が主張する「関係者」が、具体的に何を指しているのかも、よくわかりませんね。

 被害者やその家族を保護すべきなら、そう言えばいいはずであり、あえて「関係者」とぼかす必要もなかろうと思います。

 一方で、被告人については、住所と職業(無職)、氏名まで具体的に公表しているので、保護する気はないということがわかります。 だったら、なぜ「関係者」というアイマイな表現にしたのか。

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