もし、クローン人間が誕生したら?
バタバタしていたスケジュールも、先週いっぱいの集中攻勢により、とりあえず一段落。
きのうは友人と、カンニング竹山さんのライブ『放送禁止2009』を鑑賞。 9月の頭にチケットを取ったので、前から3列目という、業界関係者並みのイイ席をゲット。
今年は、所属事務所サンミュージックがらみで、重大な不祥事があったものの、舞台の上の竹山さんは「アノ件」を、様々な角度からイジリ倒していまして、
痛々しいのですが、言っている本人が腹をくくっているので、遠慮なく笑わせてもらいました。
しかし、それ以上に自分自身の不甲斐なさなどを、執拗なまでにさらけ出し、完全に開き直ってネタに仕上げて……。
たしかに、絶対に放送できませんね。
この人にとっては、「格好つける」という選択肢が格好悪いものとして把握されているのかも。 それが竹山さんの人望の厚さとなって現れているのでしょう。
でも、竹山さんは台本どおりの展開より、テレビでのアドリブ的な瞬発力で繰り出す発言のほうが、魅力を感じますけどねぇ。
……と書いたら、あのライブの存在意義、全否定になっちゃいますが。
今、私の中で検証したいテーマに、「クローン人間をめぐっての法律問題」があります。
世間の話題として、まったく熱くなっておらず、また冷めてもいないテーマ。
つまり、無関心・無風のテーマですが、一時期、「ラエリアン」なる集団の言動によって、クローン人間の問題がクローズアップされたことがあります。
もし今後、「クローン人間」という話題がホットになってしまった場合に、慌てて考えるのも、なんとも泥縄的でミジメですので、今のうちに少しずつ考えておきたいと思います。
クローン技術を人間に応用することは、犯罪として禁じられています。
ただ、「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金」(併科あり)という罰則は、たとえば著作権法違反(映像・音楽作品の海賊版DVD販売や無断ネット配信など)と同等でして、決して重いものではないのです。
まぁ、最高刑を極刑並みに重くしたとしても、「絶対」はありえません。
人クローンが誕生して、自律的に生きられる状態に至った場合、社会的にどう手当てするのかを考えるのは、ムダなことではなかろうと思います。
差別の禁止など、基本的人権を享有させるのは当然だとして、
今までの民法は、「産んだ女性が当然に母親になり、その女性と結婚している男性は父親になる。 結婚していない男性なら、認知をなして父親になる」という大原則がありました。
体細胞クローンが人間に応用された場合は、男女の遺伝子の交わりが不要で赤ん坊が誕生することになります。
今まで、「子孫繁栄に関わらない」という事情もあって差別されてきた同性愛者も、子孫を残すことが可能になると……
たとえば男性2人の遺伝子を引き継いだ子どもは、誰の親になるのか?
母親なし、父親が2人という家族もありえます。(それはそれでアリかも)
特に、人クローン規制法3条は「胎内に移植してはならない」という規制の仕方をしているため、そこに引っかかるのを避けるため、母胎以外のなんらかの装置、SF的な言い回しでは「人工子宮」のような装置を使ってクローン人間を誕生させる動機も十分です。
人工子宮で誕生したクローン人間は、法律上誰が保護者になるのか不明になります。
事実上、その人工子宮を管理していた科学者が世話をするのでしょうが、法律的な義務はないので、なんらかの制度構築は必要かもしれませんね。
また、現在の法律の解釈で、胎児が人になるのは、「母体から身体が露出したか否か」が基準になります。
民法の世界だと「全部露出」を、刑法の世界だと「一部露出」を、人として認めるキッカケとするのが通説です。
人工子宮だと、母体そのものが関係なくなるので、基準の修正が求められるでしょうね。 もっとも、「全部露出」「一部露出」は条文に書いてあるわけではなく、あくまで解釈の学説ですから、修正は比較的柔軟に行われそうな印象。
こう書きながら考えてみたら、人工子宮とクローン人間は、必ずしもセットで問題になるわけではありませんし、以上は人工子宮に固有の法律問題ともいえそうです。
なんだか、頭がこんがらがりそうなので、とりあえず今日は問題提起だけにさせてください。
| 固定リンク
「クローン人間が誕生したときの法律問題」カテゴリの記事
- もし、クローン人間が誕生したら?(2009.11.23)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
お疲れ~。
ホントによかライブやった!
とっても勉強になったばい。
非常に考えさせられるライブぞ、あれは…。
次もよろしく~。
投稿: SH | 2009年11月23日 (月) 21:45
>SH様
ハイハイ、どうも。
「面白かった」「笑えた」という感想が無いのがチョイ気になるが、気にせんでいいかね?
来週は髭男爵でヨロシク。
投稿: みそしる | 2009年11月25日 (水) 11:24
そんなの書くだけ野暮やん(笑)。
我々だけぞ知る、オモロ~なんやけん。
おう!よろしく!
投稿: SH | 2009年11月25日 (水) 19:47