朝寝坊で遅刻した裁判長
>>> 裁判長寝坊で待ちぼうけ 裁判員裁判、35分遅れ開廷:大阪地裁
殺人未遂罪などを審理する大阪地裁の裁判員裁判で8日、裁判長の寝坊で開廷が約35分遅れた。待ちぼうけを食わされた裁判員は待合室で待機。裁判長は法廷で「個人的な事情」と説明し「今後こういうことがないようにしたい」と平謝りだった。
開廷予定時刻の午前10時。検察官と弁護人が所定の位置に着席しても裁判官や裁判員らは姿を現さない。地裁職員から「30分ほど遅れます」と案内があり、傍聴人らはいったん退廷。
裁判員らが入廷し、開廷したのは午前10時35分ごろ。水島和男(みずしま・かずお)裁判長は着席すると気まずそうに「開廷が遅れましたが、わたしの個人的な事情です。今後はこういうことがないようにしたいと思います」と陳謝。地裁によると理由は「寝過ごしたため」という。
審理そのものは順調に進行。水島裁判長は途中の休廷時にも「すみませんでした」と謝罪を繰り返し、証拠調べを進めた検察側に「もしかして急いでやってくれました?」と声をかけていた。 (提供:共同通信社 2009/12/08)
まぁ、決して褒められたことではありませんが、裁判長が朝寝坊なんて珍しいですよ。
弁護人が交通渋滞で20分遅れたり、前の裁判が長引いて裁判官が15分遅れたりした場面には、傍聴席で居合わせたことありますけど。
水島裁判長、殺人未遂という重大な裁判員裁判に臨むにあたって、夜遅くまで訴訟記録を読みこんでおられたんでしょう。
水島判事は、けっこういかつい感じの裁判長ですが、自分のチョンボをきっちり謝罪して、ちゃんと一般常識のある方といえます。
裁判員裁判で、一般人の厳しい目が特に注がれていますので、知らん顔できる雰囲気ではなかったのかもしれませんが……。
もっとも、「朝寝坊」が遅刻の理由だと開けっぴろげにせず、「個人的な事情」というふうにボカした点には、ベテラン裁判長のプライドが見え隠れします。
また、その日は被告人へ、
「ちゃんと反省してますか?」「悪いことをした自覚はありますか?」と、厳格に質問を投げかけたとしても、
水島裁判長だけは説得力が失われるのは仕方ないでしょう……。 残念。
でも、遅刻した日って、そのミスを取り戻そうとして、仕事の効率とか熱意が上がったりすることもありますしね。
一番いけないのは、こういう寝坊を繰り返して懲りないこと。
◆ 刑事訴訟法 第282条
1 公判期日における取調は、公判廷でこれを行う。
2 公判廷は、裁判官及び裁判所書記が列席し、且つ検察官が出席してこれを開く。
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※ 今月10日付け、東京新聞の記事「全国(珍)条例白書」のなかで取り上げていただきました。
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