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2010年3月31日 (水)

全国で唯一、「コンドーム販売規制」を続ける長崎県

◆ 長崎県 少年保護育成条例 第9条 (自動販売機等による販売等の自主規制)
2 避妊用品自動販売機業者及び避妊用品に係る自動販売機管理責任者(以下「避妊用品自動販売機業者等」という。)並びに自動販売機によらず避妊用品を販売することを業とする者は、避妊用品を少年に販売し、又は贈与しないように努めるものとする

◆ 長崎県 少年保護育成条例 第10条 (自動販売機等による販売等の制限)
3 避妊用品自動販売機業者等は、当該自動販売機を常時監視できる屋内に設置し、かつ、屋外から購入できないような措置をとらなければならない。ただし、自動販売機が法令により少年の立入りが禁止されている場所に設置されている場合又は少年が自動販売機から購入することができない措置が講じられている場合は、この限りでない。

 9条2項のほうは、コンドームなどを18歳に満たない子どもに販売しないよう努めるという「自主規制」を定めています。

 10条3項では、コンドームなどの自販機を屋外に置いちゃいけないと定めています。
 こちらは、違反した業者に最高30万円の罰金刑も。

 

 それにしても、

 「明るい家族計画」って何だろう?

 ……と、小学生のうちは誰しも疑問に思うものです。

 私も小学校低学年のときに、テレビCMを観ながら

 「ロリエって、どうやって使うと?」

 ……と母親に尋ねて、「なんて説明すればよかっちゃろね~~」と困らせた記憶があります。

 

 その後、耳年増となる思春期にいろんな情報を仕入れるうち、ふとしたタイミングで、あらゆる記憶がつながり、全ての真相に気づく。

 そうしてみんな大人になっていくのでしょう。

 

 この程度の違和感については、みな各自で勝手に真相を学びながら、折り合いを付けていけるのです。

 「明るい家族計画」の自販機が、青少年の健全育成の観点から、何の問題があるというのか。

 むしろ、避妊するだけマトモじゃないのか?

 本当に愛し合っている男女なら。

 いや、仮に愛し合ってなくてもだ。(←語弊あり?)

 

 婚前交渉を連想させる避妊具を青少年に買わせるなど言語道断、という教育委員会の発想が背後にあるとすれば、その発想自体、すでに時代に沿うものではなくなっています。

 むしろ、HIVなどに代表される性感染症の心配もありますしね。 むしろ「やるなら付けろ」と推奨するのがスジです。

 

 ホントに長崎だけは、コンドームの自販機が道ばたに置いてないんですかね。 今度、気にしながら街を歩いてみようかな。

 私は長崎県の出身で、本籍地も長崎県内。 親戚も多い地ですが、3歳からは親の転勤で熊本県へ引っ越しているので、あんまり深い想い出がないんですよね。長崎に。

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2010年3月30日 (火)

理屈っぽいと、裁判員になれない?

>>> 「理屈っぽそうな人除外」 弁護人、5人不選任請求

 昨年7月、ゴム袋に入れた覚せい剤をのみ込み営利目的で密輸したとして、覚せい剤取締法違反などの罪に問われ、裁判員裁判となった運転手柏倉進(かしわくら・すすむ)被告(40)の弁護人が、裁判員の選任手続きで理由を示さずに特定の候補者5人を選ばないよう東京地裁に請求し、認められていたことが19日、分かった。
 弁護人が明らかにした。選任手続きは17日で、弁護人は「候補者の雰囲気や外見から判断し、理屈っぽいような人を外し、情に厚そうな人は残した」と話している。 [後略]  (共同通信 2010/03/19)



 

◆ 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第36条(理由を示さない不選任の請求)
1 検察官及び被告人は、裁判員候補者について、それぞれ、4人[中略]を限度として理由を示さずに不選任の決定の請求(以下「理由を示さない不選任の請求」という。)をすることができる。
2 前項の規定にかかわらず、補充裁判員を置くときは、検察官及び被告人が理由を示さない不選任の請求をすることができる員数は、それぞれ、同項の員数にその選任すべき補充裁判員の員数が1人又は2人のときは1人、3人又は4人のときは2人、5人又は6人のときは3人を加えた員数とする。
3 理由を示さない不選任の請求があったときは、裁判所は、当該理由を示さない不選任の請求に係る裁判員候補者について不選任の決定をする。
4 刑事訴訟法第21条第2項の規定は、理由を示さない不選任の請求について準用する。

 
 
 

 現在の裁判員裁判では、裁判員6名に加えて補充裁判員を1~2人任命する運用が多いでしょうから、裁判員法36条2項で、理由なし不選任を弁護人・検察官で5人ずつ行うことができます。

 このニュースの件でも、同じく、裁判員の候補者の中からランダムに選ぶ前に、弁護人と検察官で最大5人ずつ、いわば門前払いで外すことができることになっています。

 「理由なし不選任なのに、理由を発表してどないすんねん??」と思うわけですが、導入されたばかりの裁判員制度に対する理解を求めるため、透明化を図ろうとしているんでしょうかね。

 それにしても、理由なし不選任を、わずかな時間内に見た目やフィーリングで選別するしかないという、まるで初対面同士の集団婚活パーティーのような現状では、こうした情報公開はかえって逆効果に繋がるような気も。

 パッと見で「理屈っぽそう」「情に厚そう」と決めつけて、ムリヤリ選別するぐらいなら、初めから理由なし不選任の権利を放棄したほうがいいのでは? 弁護人さん。

 情に厚い人を残した結果、求刑:懲役8年、罰金300万円に対し……

 判決:懲役6年、罰金150万円となったそうですが、

 これは、刑の減軽を図りたい弁護方針にとって、功を奏したのかどうか……?

 放っておいても大差ない結果になったんじゃないの?

 なかなか因果関係の判断は微妙なところです。

 

 せっかく仕事や家事を休んで裁判所までやってきた候補者を、雰囲気やフィーリングを根拠に帰らせる「理由なし不選任」については、いろいろと懸念されている部分があるようです。

 もちろん、裁判の公平性を保つために、有効な使い方をすることはできます。

 たとえば、なんらかの宗教の教祖が被告人になっているとして、同宗教の信者が裁判員を務めることは、さすがに問題です。 (もっとも、その宗教独特の服装や印を付けていないと、見た目で区別できないでしょうが)

 裁判員を務めるにあたって、いろいろと介助や通訳が必要となると想像される身体障害者などについて、「作業負担を減らすため」あらかじめ検事が候補から外してしまうのではないか? など、心配される材料も尽きません。

 大阪では実際に、「富裕層っぽい候補者は、温情が得られないと考えて不選任にした」と発表した弁護人もいるようですし……

 ものすごい偏見です。 そんなもん、人によるわ。

 どこまで法律家の自律的裁量に任せるべきか、そろそろ考える時期に来ているのかもしれませんよ。

 理屈っぽそうな候補者を弁護人が外した後、それに対抗して、被告人に同情しそうな候補者を検察官が外していたら、制度の存在意義がようわからんようになりますし。

 

 理由なし不選任については、欧米の陪審制でも、同様の仕組みがあるようです。

 ハリウッド映画の法廷モノで、たまに取り上げられる「陪審コーディネーター」という職業。 陪審員の候補者の出身地や人種、家族構成や趣味嗜好などのデータを徹底的に調べあげて、被告人にとって有利な陣営で固める裏工作をするようですが、

 映画の話なので、どこまで演出が含まれているか定かではありません。

 ただ、そこは訴訟大国。 実際に陪審コーディネーターみたいな人が、かなり踏み込んだところまで噛んでいて、陪審評議に影響を及ぼしている可能性は否定できません。

 
 

 そういえば昨日、建設中の新東京タワー(東京スカイツリー)が、日本一の高さに達したと報道されました。

 今日、たまたま新橋方面で仕事があったので、ビルの谷間にかろうじて顔を出す、元祖東京タワーを撮影。

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 まるで、縦横無尽に走る電線に、窮屈そうに絡まっているがごとし。

 まぁ、撮影のやり方次第なのですが。

 1958年生まれ、51歳の東京タワー。

 ちょっぴり哀愁を感じます。

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2010年3月27日 (土)

おめでとうございます、菅家さん (足利事件 再審無罪)

 まぁ、本来は遭わずに済んだ出来事からの生還だというわけですから、祝辞は変なのですが、あえて言わせてください。 おめでとうございます、と。

 

 もう、通い慣れてしまった、宇都宮地裁への道。

 いつもの倍以上の傍聴希望者が殺到していて、整理券配布が時間オーバーになったほどでしたが、とあるルートを使わせてもらって、どうにかこうにか傍聴券を確保。

 
 

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 沿道の声援に対してお礼を言いながら、裁判所の正門から敷地内へ入る菅家さんと弁護団。

 その姿をしかと確かめ、金属探知のボディチェックを経て、開廷時刻の10時ギリギリで法廷の中へ。

 判決理由を読み上げた後の、佐藤裁判長のお言葉、そして起立しての謝罪。 同じ空間に居合わせ、目と耳で確認してまいりましたよ。

 ま、本来は組織を代表して、最高裁の長官(竹﨑氏)が謝意を表明すべきかとは思います。

 組織を代表するという抽象的な意味合いだけでなく、実際に最高裁は10年前、弁護団によるDNA再鑑定の要請を蹴っているわけですから。

 

 

 主文については、皆さんもご存知のとおりの結果ですが、

 

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 宇都宮地裁の正門前は、ものすごい人だかりで、沿道には栃木県警のパトカーまで出動しています。

 

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 「完全無」?

 惜しい、あと一文字……。

 

 まぁ、いちおう想像は出来ますが。

 まさか、
 「完全無欠」とか「完全無視」とかの文字を、デカデカと掲げているワケないですし。

 

 それにしても、

 前にいる報道陣や支援者たちに向けて「ジャマだ!」「どけ!」「座れ」などと、命令口調でドヤしつける“プロ”カメラマンたちの怒号にウンザリ。

 もちろん全員じゃなく、一部のカメラマンですけどね。 ただ、ひとりでなく何人かいました。

 粗野な言葉づかいで他人に当たるのが、真剣に仕事をする男の職人気質だとでも思っているのでしょうか。

 それとも、局に帰って上司にドヤされるのがイヤなので、必死に形を残そうとしているのかも。 それはそれでカワイソウ。

 オレだって、そのカメラマンに「どけ」の二文字を言いかったわ~。

 どけ!

 オイコラ、どけ!

 そうそう、オマエだよ、どけ!!
 

 まぁ、ケンカしてもしょうがないんですが。 裁判所の真ん前、しかも警官がいる横で。

 

 

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 人垣が高すぎて、どうしても一部が欠けたものしか写ってくれません。

 ま、こういう現場の状況だったということをお伝えできれば十分かと。

 ジャケットのポッケに入れていた、せっかくの歴史的な日の傍聴券も、すっかりモミクチャです。

 

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 それにしても「被告人は、無罪。」の響きを聞くのは、久しぶり。

 じつに4年ぶり2度目です。

 今さらの感想だけども、これだけ無罪判決が希少だというのは何なのか。

 

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 裁判所の隅で、報道陣の取材に答える菅家さん。 こんなに注目されて、お疲れさまです。

 「有名になろうと望んで、なった方ではない」ということで、今まで遠慮していたのですが、この判決公判の日、初めて菅家さんにデジカメのレンズを向けさせていただきました。 

 向かって右にいらっしゃる女性は、十数年にわたり、当初からずっと菅家さんを支える活動を続けてこられた西巻さん。 人呼んで「栃木のジャンヌダルク」。


chick プチニュース chick 

■ 「ひとこと裁判官」のなかでも、判断者としてのオーラがプンプンの横浜地裁・村上博信裁判官(『爆笑お言葉集』204ページ)が、このたび長崎地裁の所長に就任されます。

 法廷の現場からいったん離れるのは残念ですが、私の生まれ故郷でバリトンボイスを響かせながら、司法行政に尽力していただけることでしょう。

■ 来月から、新たな最高裁の判事に、慶応大の民法学者、岡部喜代子氏が就任なさいます。 女性としては歴代4人目。 ただし、過去の3名はいずれも行政官出身者でしたので、広い意味での法律家(法曹)出身者としては、初めての女性就任です。

■ 次の著書の企画。 その出版社のお偉いさんが集まる最高段階の出版会議にまでこぎつけましたが、結果としてボツになったと連絡がありました。 くっそー。

 担当編集の方が相当闘ってくださったらしく、非常に感謝しています。 残念ですが、仕方ありません。 かえって燃えてきちゃいました。 また次に、どえらいタマ(企画)をぶちこんでやるわ!!punchannoy

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2010年3月17日 (水)

「わいせつ」アレコレ

>>> スーダンでズボン着用女性に罰金刑、むち打ちは免除

 スーダンの裁判所は7日、ズボン着用が「わいせつ」だとして逮捕された女性に対し、500スーダンポンド(約1万9000円)の罰金を命じる有罪判決を下した。
 国連事務所の記者をしていたルブナ・フセインさんは7月、ハルツームで開かれたパーティーにズボン姿で出席し、12人の女性と共に逮捕された。そのうち10人の女性は7月にむち打ち刑を受けており、今回の裁判には世界中から抗議の声が寄せられていた。

 最高で40回のむち打ち刑を言い渡される可能性もあったフセインさんは、罰金の支払いを拒否したため、1カ月間収監されるという。
 裁判所の前では、フセインさんを支持するために集まった女性グループと、厳しい刑を求めるイスラム教徒らがもみ合い、治安当局が出動する事態となった。フセイン被告の弁護士は、控訴を計画している。(ロイター)2009.9.9 08:47

 

 だいぶ前の報道ですけど、ズボンを穿くことが「わいせつ」扱い、犯罪になるとは、なかなかすごい国ですね。

 下半身のラインが出やすいからですかね。

 たしかに、ジーンズのお尻から妙に色気を醸し出しながら街中を歩いてらっしゃる女性もいらっしゃいますし(私の視線に問題があるという説も有力ですが)。

 け、けしからん!!

 そうした、けしからんほど色っぽいジーンズのお尻を盗撮する行為が「公衆の場所での卑わいな言動」として有罪判決が確定した例もあります。

 まぁ、エロティックだというのは認めますけどね。

 でも、法律で禁止しちゃいけません。

 禁止しちゃあ、もったいない、

 じゃなくて、いかなる文化的・宗教的背景があろうとも、服装の選択に対する統制は、国家刑罰権の乱用だと非難されても仕方ありません。

 スーダンといえば内紛ですが、こうした血で血を洗うような体当たりの争いを経ながら、人々の暮らしは、国家による厳しい法的干渉から少しずつ解放されていくのでしょうか。

 
 
 

>>> 女性が全裸で木に縛り付けられていたが…

[米ワシントン州タコマ 3日 AP]
 タコマのポイントデフィアンス公園で女性が裸で木に縛り付けられているとの911番緊急通報を受けて、警察官が数人、現場に駆けつけた。警察広報によると、警察官が女性とその場にいた男性から話を聴いたところ、それは「合意の上の行為」であることが判明したという。
 この件に関連して、逮捕者は出ていない。 (APエキサイトニュース 2010年3月5日)


 自由の国アメリカ。

 合意の上で縛りつけられとるんなら、別に構いませんけど、

 なにも公園でやらんでも、と思いません?

 この点、たとえ互いに合意があろうと、女性自ら望んでいようと関係ありません。 日本の法律なら、普通に公然わいせつ罪(刑法175条)に該当するはずです。

 が、この件で逮捕者が出ていないということは、本件のような、公共の場所におけるプレイはお咎め無し(微罪処分)だってコトですかねぇ。

 いくら自由の国とはいえ、自由に歯止めがなさすぎですねぇ。

 ワシントン州に、公然わいせつ罪に相当する規定がないとは思えませんが……、

 屋外でAV女優を撮りたければ、篠山紀信氏は日本国内でなくワシントンへ飛んでみることも検討すべきかもしれませんね。

 それとも、このカップル、後々になって在宅起訴されてしまうのか?

 もし、刑罰を受けることまで含めてのSMプレイだとしたら画期的ですけど、捜査機関や裁判所にとっては迷惑な話。

 

 あ、そうそう、

 すべて丸く収めるんなら、むしろ、こっちの女性にムチ打ちの刑を……(以下、自主規制)

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2010年3月12日 (金)

はじめての特許審判傍聴

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 虎ノ門のJTビル!

 ひたすらタバコを売り続けて、これだけ立派な塔を建てられれば大したもんだと思うわけですが、ここには、なぜか特許庁の審判部が入っています。

 JTビルの斜向かいに、特許庁そのものの庁舎がありますけれども、どうやら知的財産がらみのトラブルに関しては、ここへ審理機能が移されているようです。

 審判廷は、16階にあるとのこと。

 今日は14時から、アースvs金鳥、因縁の対決。

 両者は、家庭用殺虫剤の国内シェアで、それぞれ1位と2位。 熾烈な争いです。

 

 特許の審判。 初めて覗きますよ。 ドキドキ。

 まぁ、まだ今年の確定申告を終えてないので、こんなところで傍聴取材なんてしとる場合じゃないのですが……。

 今週ようやく重い腰をあげて、会計ソフトに触り始め、これでもけっこう頑張ったので、残すは領収書(現金払いの経費)の入力作業のみ。

 明日じゅうには、ひととおり申告書類はできあがるだろうと目論んでおります。 だから、まぁいいかと。

 細かいお金の計算が大の苦手で、延ばしに延ばしたあげく、相変わらず最終日の3月15日(月)に申告せんとする、かなりガキっぽく恥ずかしい私ですが、

 それでも、いちおう申告するだけ、どこぞの脳科学者さんよかマシやろうと、自分をなぐさめています。

 

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 地震が来たら、ワイヤーが切れて2,3本落っこちてきそうな、不思議なオブジェをくぐって、ビル内部へGO。

 玄関脇には、「携帯灰皿博物館」なんてモノが……。

 珍ミュージアムに興味が湧きつつある昨今の私ですが、ここは単なる灰皿の売店のようにも見えます。

 エレベーターで、まったく人気のない16階に上がると、ドアの前に控える警備員に手荷物検査を求められました。

 もっとも、カバンのファスナーを開けて一瞥される程度ですが。

 さらに、受付の女性に氏名と所属と用件を尋ねられます。

 「審判の傍聴です」と答えると、傍聴人待合所というところで、いすに座って待機するように言われました。

 所属に関しては、正直に「フリーランスです」と答えても、何の問題もなく。

 ただ、開廷の5分前まで審判廷には入れてもらえません。 暇つぶしが大変。

 公正取引委員会の場合、建物に入る前に身分証明書の提示を求められるものの、いったん中に入ってしまえば、裁判所と同じく、けっこう自由に17階の審判廷へ出入りできます。

 なので、特許庁の対応には、いささかの戸惑いが。

 審判廷には傍聴席が24席。 傍聴席と審判の場を区切る柵は存在しません。

 ほかに傍聴人も10名ほどいましたが、私以外は全員、アースか金鳥の関係者のようです。

 午後2時、審判官の3名が入廷し、場にいた全員が起立・礼。

 まずは中央の審判長が名を名乗り、さらに陪席審判員と書記の女性の名前も紹介していました。 ここは、裁判所と大きく違う点。

 ただ、いったん審理に入ると、両者は何のことを話しているのやら、さっぱりわかりません。

 なぜなら肝心な内容は、双方が審判官に提出した書面にすべて書かれているからです。

 このへんのもどかしさ、モヤモヤ感は、民事裁判を傍聴しているときに似ています。

 

 1時間ぐらい、じっくりやりとりを聞きながら話を総合して、

 「アース側が、金鳥の特許の無効を申し立てていること」

 「金鳥の特許は、どうやら液体蚊取り器の装置の材質にあるらしいこと」

 ……が、ようやく、なんとなく読み取れました。

 殺虫有効成分が染みこまない材質のプラスチックを使って、装置のケースを作っているっぽい話をしているので、そのへんに金鳥の特許が認められたのでしょう。

 それに対して、アースは「そのプラスチックは既存のモノだし、大して試行錯誤せずに選んでいるだろう」と言いたげです。

 数年前には、アースが持っていた「電池で殺虫成分を空気中に拡散させる」という、電池式蚊取りの特許を、金鳥が侵害したとして訴訟になり、話題になりましたが、東京地裁は、金鳥の主張を一部認めて、最終的にアースの特許を無効だと判断しました。

 それを苦々しく思ったアースが、今度は金鳥の持つ特許を無効だと訴えて反撃に打って出たのかもしれません。

 

 ……今回は推測が多くて、歯切れが悪く、すみません。

 だって、手元に何の資料もないんですし。

 かえって、刑事裁判のやりとりの親切さ(?)が身に浸みました。

 帰りがけ、受付のお姉さんに「ありがとうございました」とお礼をいわれた私。

 なんとなく嬉しいけれども、不思議な感覚の残る特許審判傍聴でした。

 
 
 

( おしらせ )

 おかげさまで、新たな連載が決まりそうです。

 『会社法務A2Z』(第一法規)という月刊誌に書かせていただきます。

 「堅い話題の“箸休め”になりそうな内容」という方針は明確なのですが、具体的に何について書くかは、まだカッチリ固まっていません。 いずれ改めてお知らせしますね。

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2010年3月11日 (木)

竹富島の文化景勝 vs リゾート界のカリスマ

 先日、沖縄の竹富島出身の司法試験(旧)受験生と知り合いました。

 本試験は5月なのに、こんな時期に酒飲んでて大丈夫なのかい?

 と、初対面ながら余計な心配をしましたが、そんな些細なことより、彼には力強く訴えたいことがありました。

 地元住民が自主的に観光事業に力を入れてきた竹富島が、ここにきて、大規模なリゾート開発の波に呑み込まれようとしているのだと!

 なのに、開発者サイドは、質問状を何度も送っているにもかかわらず、返答すらない。

 なんと不埒な悪行三昧。

 リゾート開発は是か非か、住民投票を実施し、民意を問うべきだ!

 そう言って、彼は、数十枚にわたるリポートを私に手渡してくれました。

 

 20100311005202

 

 熱心だなぁ。 いつも持ち歩いてるんでしょうかね。

 その竹富島のリゾート開発予定地を管理運営しようとしているのが、いろんなドキュメント番組でおなじみ、星野リゾートだそうです。

 今話題のゴールデンウィーク分散化法案に賛同したり、喫煙者は従業員として採用されなかったり……
 その程度しか私にはイメージが湧かない企業ですが、この星野リゾートが大金にモノを言わせて、われわれが後生に伝え継ぐべき文化景勝を破壊しようとしている! というのです。

 星野リゾートは、開発者ではなく、リゾート地が完成した後の運営担当事業者ですから、今の段階で何らかのアクションを起こされても困るのかもしれませんが……。

 何もやましいことがないなら、星野リゾート側も一方的な説明会を開くだけでなく、双方向の意思疎通が前提の話し合いに応じてもいいですよね。

 

 ↓ 竹富島のリゾート開発に警鐘を鳴らしているサイト
 Photo

 

 住民票ひとつ取るにも、船に乗って石垣島まで行かなければならない、不便極まりない竹富島。

 しかし、彼はその竹富島を心から愛しているのです。

 私だって田舎モノの九州人。

 とはいえ、故郷の熊本や福岡すら、現在、子どもの頃に見た街の風景なんか、ほとんど消えてなくなっています。 激変しています。

 あのドブ川、埋め立てられたんかなぁ……。

 小5のとき、初めて500円を貯金した郵便局が移転したなぁ。

 ウワ、こんなトコにホームセンターができとる……。 電器屋も。

 そうした変化も期待半分(違和感半分)で受け入れ、それなりに便利さに慣れ親しんだ私だと、「新しいリゾート地が新しい観光客を呼んでくれるんなら、それを狡猾に利用してやればいいじゃないか」と単純に考えてしまいますが、

 それでも、竹富の民には「島はかけがえのない遺産だ」「我々が守るのだ」という誇りがあるようです。

 もっとも、竹富島は「西表石垣国立公園」の中に含まれるということですしね。 熊本平野みたいなありふれた場所とは違います。

 司法試験に最終合格して、法律家として具体的な力を掌握したほうが、愛する故郷のためにも動きやすいと思いますので、彼にはぜひ頑張っていただきたいと願います。

 
 

【 おしらせ 】

 よみうりテレビ 『 かんさい情報ネット ten! 』 の、本日の放送分で、拙著『47都道府県 これマジ!?条例集』(幻冬舎新書)を紹介していただける運びとなりました。

 残念ながら私は視聴できませんが、可視聴エリア(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)←結構広いですね…! にお住まいの方は、ぜひ両眼の網膜に焼き付けてください。

 17時25分から5分間ぐらいだそうですよ。

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2010年3月 3日 (水)

妻を抱きしめるイベントが中止 (群馬・嬬恋村)

>>> 「愛妻ハグ」参加ゼロで中止 「寒さ嫌われた?」しょげる嬬恋村

 「つまごい」と読む村名にちなみ「愛妻」をテーマに地域おこしに取り組んでいる群馬県嬬恋村の冬の新イベント「愛妻の丘でハグしよう 極寒星空ハグ」が中止に追い込まれた。理由は、参加カップルの申し込みがゼロだったため。高原地帯で冬は気温が氷点下に下がるため、村観光商工課は「ハグするためだけに寒い所には来ないのかも」としょげている。

 「愛妻の日」の31日にハグにちなんで午後8時9分に抱擁する趣向で、村は「普段見られない景色や星空に囲まれてハグできる」とアピールしたが、問い合わせが約10件あっただけ。

 村は平成18年から毎年9月、普段言いにくい妻への気持ちを思い切り叫ぶ「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ」(通称・キャベチュー)を開催、人気を集めている。村は「ハグが恥ずかしかったわけではないはず。これからも“愛妻の聖地”としてPRしていきたい」とめげない。(2010.1.23 08:04 MSN産経ニュース)

 

 嬬恋村の発想は、決して悪くないと思うんですけどね。

 やっぱり時期が悪いようです。

 真冬の山奥なんですから。

 1月31日は、「あいさい」のゴロ合わせでしょうし、さらにハグのゴロ合わせで「午後8時9分」……と。

 イヤラシイ私は、その時期の嬬恋村がどれだけ寒いのか、気象庁の過去の気象データ検索で探してみましたよ。

 嬬恋村ズバリのデータ(アメダス)は無いようですので、近いところを見繕って、草津を。

 

 2010年1月31日、午後8時10分の草津。

 気温はマイナス1.0度。
 西南西の風、0.9メートル。

 ……そんな凍えそうな夜は、おとなしくコタツで丸くなっていたいもの。

 

いくらアツアツカップルであろうと、物理的な体表温度の冷たさには打ち勝てませんよ。

 

 たぶんですけど、

 ゴロ合わせが逆なんじゃないでしょうか。

 

 1月31日の 8時9分

 でなく、

 8月9日の、1時31分

 ……ってコトにしたら、すべてが丸く収まるのでは?

 真夏なら、屋外にいても大丈夫でしょう。 ただし、ヤブ蚊に注意。

 

 ま、午前1時31分に、野外で男女が抱き合ってチチクリ合っていたら、さすがに地元の町内会長かPTA会長とかが黙っていなさそうですが、

 午後1時31分なら?

 暑苦しいかな?

 

 2009年8月9日、午後1時30分、草津。

 気象庁のアメダス過去データによると、

 気温 22.3度
 南東の風1.5メートル

 

 !!!

 めちゃくちゃイイ感じじゃないですか。 さすが避暑地!

 嬬恋村のハグ担当の方、ぜひご一考を。

 

 そういえば、「愛妻」に対応するような、“愛する夫”を指し示す言葉(日本語)って、あんまり思い当たらないですねぇ。

 ジェンダー学的には、ドーナノ?

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2010年3月 1日 (月)

お金の半分は、優しさでできている

>>> さい銭1万円盗んだ小学生? 10年後、3万円入り手紙で謝罪

 「約10年前にさい銭箱から1万円盗んで申し訳ありません」-。宇都宮市下岡本町の山神社のさい銭箱から、過去の盗みを謝罪する手紙と3万円入り封筒が見つかった。
(中略)

 「山神社御中」で書き始められた便せんには、「社会人になってからお金を稼ぐ大変さを実感した時に、おさい銭を盗んだことを思い出しました」と経緯を説明。「神様のお金を盗むことは言語道断であります」とつづられている。

 さらに「1万円を入れた方はどんな願いをこめて入れたのだろうと思うのです」と参拝者の気持ちを推し量った上で、「盗んだ1万円を含む、10年間の歳月が流れてしまったことをふまえて、合計3万円を納めさせていただきます」と書かれている。

 山神社は自治会が管理している。神社責任役員の須永さんは「今の若い人はいろいろ言われるけど、真っすぐな心を忘れないでよかった」。岡本さんも「誤字脱字がない文章。読んで涙が出た」と話した。 (下野新聞 2010年3月1日 05:00)


 
 

 小さいころに親から「100円稼ぐのが、どれだけ大変か」と、口を酸っぱくして言われたものですが、たしかに子どものころには「大変さ」を実感しにくいものです。

 特にウチは、「手伝いをしたからお駄賃」というシステムが無かったので(家の手伝いをするのは、対価を得てやるものでなく、当たり前だとされていた)、なおさらかも。

 

 ただ単に1万円を返すだけでなく、「賽銭として1万円を投げる人の覚悟」にまで思いを馳せているところ、そして3倍返しをしているところにも、彼(彼女)の真摯さが感じられます。

 1万円を盗んでしまったことを久々にハッと思い出したとき、彼(彼女)の背筋を冷たい電撃が走ったことでしょう。

 

 

 たとえば、スリや万引きは、他人の目を盗んでモノを盗む、犯行そのもののスリルが快感だとされていますので、お金に余裕があってもやってしまう人は少なくありません。

 それに比べて賽銭泥棒っては、野ざらしで現金が入っている箱を狙うわけですから、犯行そのものの難易度は低いでしょうね。

 最大のハードルは、浄財をくすねる「天罰」「良心の呵責」というわけで。

 真に切羽詰まった状況か、良心が痛まない鈍感な者によって敢行されるのかなと。

 今回の若者(たぶん)は、幼すぎて「手に届くところに1万円札が転がっている」という物理的な面しか見えなかったのでしょうが、幸い、成長して「1万円札の奥に込められた、人々の願いや営み」を感じ取ることができたようです。

 

 裁判傍聴をしていると、たびたび賽銭泥棒が窃盗などの罪に問われ、裁きを受けている場面に出くわします。

 その大半は、(刑務所を出たばかりで、身寄りがなくて、仕事を辞めさせられ)『お金が無かった』という動機で犯行に及んでいます。

 たしかに、賽銭泥棒にも同情すべき余地のみられる事例はあるのでしょうが……

 

 お金というものは、単なる経済的な交換価値だけでなく、「ありがとう」という人々の気持ちが乗っかっている。

 そのことに、どれだけ早めに気づけるか。

 誰かから「ありがとう」と言ってもらえるほどの、優しくも激しい努力をしなければ、お金は手に入らないのだと。

 当たり前だけど、意外と忘れがちな事実。

 それに気づかない間は、『お金が無いなら、形だけ繕えればいい』として、他人のお金を盗んだり、デイトレードみたいな数字の操作でお茶を濁そうとする発想が生じてしまうのも仕方ないかもしれません。

 勤め人なら「雇い主の目を盗んで、どれだけうまく仕事をサボるか」も、重要なスキルになるでしょうね。

 効率よく雇い主に「ありがとう」と言えるだけの努力をし、濃密な時間の使い方をしていれば、余った時間を明日の英気を養う休憩に使ったとしても、神様のバチは当たらないでしょう。

 そう考えれば、仕事をサボるのは高等テクニックだとわかります。

 最後は全然違う話になっちゃいましたけど。

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