竹富島の文化景勝 vs リゾート界のカリスマ
先日、沖縄の竹富島出身の司法試験(旧)受験生と知り合いました。
本試験は5月なのに、こんな時期に酒飲んでて大丈夫なのかい?
と、初対面ながら余計な心配をしましたが、そんな些細なことより、彼には力強く訴えたいことがありました。
地元住民が自主的に観光事業に力を入れてきた竹富島が、ここにきて、大規模なリゾート開発の波に呑み込まれようとしているのだと!
なのに、開発者サイドは、質問状を何度も送っているにもかかわらず、返答すらない。
なんと不埒な悪行三昧。
リゾート開発は是か非か、住民投票を実施し、民意を問うべきだ!
そう言って、彼は、数十枚にわたるリポートを私に手渡してくれました。
熱心だなぁ。 いつも持ち歩いてるんでしょうかね。
その竹富島のリゾート開発予定地を管理運営しようとしているのが、いろんなドキュメント番組でおなじみ、星野リゾートだそうです。
今話題のゴールデンウィーク分散化法案に賛同したり、喫煙者は従業員として採用されなかったり……
その程度しか私にはイメージが湧かない企業ですが、この星野リゾートが大金にモノを言わせて、われわれが後生に伝え継ぐべき文化景勝を破壊しようとしている! というのです。
星野リゾートは、開発者ではなく、リゾート地が完成した後の運営担当事業者ですから、今の段階で何らかのアクションを起こされても困るのかもしれませんが……。
何もやましいことがないなら、星野リゾート側も一方的な説明会を開くだけでなく、双方向の意思疎通が前提の話し合いに応じてもいいですよね。
住民票ひとつ取るにも、船に乗って石垣島まで行かなければならない、不便極まりない竹富島。
しかし、彼はその竹富島を心から愛しているのです。
私だって田舎モノの九州人。
とはいえ、故郷の熊本や福岡すら、現在、子どもの頃に見た街の風景なんか、ほとんど消えてなくなっています。 激変しています。
あのドブ川、埋め立てられたんかなぁ……。
小5のとき、初めて500円を貯金した郵便局が移転したなぁ。
ウワ、こんなトコにホームセンターができとる……。 電器屋も。
そうした変化も期待半分(違和感半分)で受け入れ、それなりに便利さに慣れ親しんだ私だと、「新しいリゾート地が新しい観光客を呼んでくれるんなら、それを狡猾に利用してやればいいじゃないか」と単純に考えてしまいますが、
それでも、竹富の民には「島はかけがえのない遺産だ」「我々が守るのだ」という誇りがあるようです。
もっとも、竹富島は「西表石垣国立公園」の中に含まれるということですしね。 熊本平野みたいなありふれた場所とは違います。
司法試験に最終合格して、法律家として具体的な力を掌握したほうが、愛する故郷のためにも動きやすいと思いますので、彼にはぜひ頑張っていただきたいと願います。
【 おしらせ 】
よみうりテレビ 『 かんさい情報ネット ten! 』 の、本日の放送分で、拙著『47都道府県 これマジ!?条例集』(幻冬舎新書)を紹介していただける運びとなりました。
残念ながら私は視聴できませんが、可視聴エリア(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)←結構広いですね…! にお住まいの方は、ぜひ両眼の網膜に焼き付けてください。
17時25分から5分間ぐらいだそうですよ。
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