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2010年6月10日 (木)

公判前整理が長引いて、いまだに裁判が始まらない著名事件リスト

>>> 全国所長会同:「裁判員裁判、迅速に」最高裁長官が要望

 全国の裁判所トップが集まって司法行政の課題を議論する「高裁長官、地・家裁所長会同」が9日、最高裁で始まった。竹崎博允(ひろのぶ)・最高裁長官は、裁判員対象事件の公判が始まるまでに時間がかかりすぎている問題について「被告に迅速な裁判を保障するため、公判前整理手続きの機能を高め、速やかな審理を実現することが望まれる」と述べた。 (2010年6月9日 毎日.jp)



 「刑事裁判のスピードアップ」が狙いのひとつだったはずの裁判員制度。

 最新の統計によると、昨年度(2009年5月21日~2010年3月31日)に起訴された事件のうち、判決が出たのは全体の約28%にとどまるそうです。

 もちろん、1月とか2月とか、年度末まぎわに起訴された事件で、まだ判決が出ていないというのなら理解できますよ。

 そのへんの事情を差し引いて考えてたとしても、決して無視できない「渋滞」っぷりです。

 オウム事件や毒カレー事件なんかの審理がずいぶん長引いたので、「裁判って何十年もかかるんだ」という漠然としたイメージが先行してますが、ああいうのは例外なんです。

 もともと刑事裁判って、平均すると3~4カ月ほどで終了するので、早く済むほうで、むしろ、国や地方自治体を相手取る行政裁判のほうが長びきがちです。

 しかも、現在の行政裁判の結論は、国や自治体サイドの勝訴に偏っている印象がありますし。

 本気で司法判断に民意を反映させたいのなら、公害などの利害調整や税金の使い道など、(強盗殺人や覚せい剤密輸などより)よっぽど住民にとってイメージしやすい問題を審理する行政裁判に、裁判員制度を導入したほうが、はるかに筋が通っています。

 もっとも、行政裁判に一般市民を参加させたとしたら、別の問題がたくさん噴出するでしょうが……。 あくまで「筋を通すなら」という話です。

 

 それはともかく、裁判員制度推進派の竹崎さんも、現状にずいぶん焦っているようですね。

 毎年恒例になった憲法記念日の記者会見でも、竹崎長官は同様に「裁判員裁判の公判前整理が長引きすぎている。裁判が始まってからの審理や評議でツジツマを合わせようったってダメ」と発言しています。

 では、公判前整理が長引いて、未だに初公判が始まっていない事件には、どういうものがあるのか?

 調べるのが意外と大変なので、とりあえず、故意に人を死亡させた事件だけに絞ってみました。

 

※ 「ほかにもあるよ」「この事件は、もう判決出てるよ」などの追加情報もお待ちしています。



 

■ 京都・舞鶴市 女子高校生殺害・死体遺棄事件

2008年5月7日(事件発覚)
2009年4月7日(逮捕)
2009年4月29日(起訴)
 ⇒ 被告人は犯行否認中
 起訴のタイミングが裁判員法施行前なので、裁判員裁判の対象ではないが、公判前整理の回数は12回(今年5月現在)を数える。
(被告人名:中勝美)

 

■ タイ・バンコク内 岐阜県出身の日本人監禁・強盗殺人事件

2008年8月21日(事件発覚)
2009年8月4日(逮捕)
2009年8月24日(起訴)
 ⇒ 被告人らは犯行を一部否認
(被告人名:浦上剛志、森宏年)

 

■ 東京・中央大学教授殺害事件

2009年1月14日(事件)
2009年5月21日(逮捕)
 被告人を簡易精神鑑定するため、約3カ月半の留置
2009年10月2日(起訴)
(被告人名:山本竜太)

 

■ 大阪・枚方市 家族3人(妻・長女・次女)殺害事件

2009年4月17日(事件)
2009年5月8日(逮捕)
 被告人を簡易精神鑑定するため、約1カ月半の留置
2009年7月23日(起訴)
(被告人名:岡田浩幸)

 

■ 滋賀・米原市 同僚女性殺害・汚泥タンク内への遺棄事件

2009年6月12日(事件発覚)
2009年6月19日(逮捕)
2009年7月9日(起訴)
 ⇒ 被告人は犯行否認
(被告人名:森田繁成)

 

■ 東京・秋葉原 耳かき専門店女性従業員とその祖母の殺害事件

2009年8月3日(事件・逮捕)
2009年8月24日(起訴)
 ⇒ 2010年5月6日 被告人の精神鑑定実施が決定
 ⇒ 「関係者によると、初公判は早くても今年秋以降になる見通し」(読売新聞報道)
(被告人名:林貢二)

 
 
 

 起訴から初公判までのスパンが長期化している理由には、どうやら、おもに「公訴事実の否認」と「精神鑑定の実施」の2つがあるようですね。

 また、ほのかに覚えていらっしゃる方も多いでしょうが、2006年に発生した「シンドラーエレベーター」の死亡事故。

 あれも、シンドラー社やエレベーター保守会社の幹部社員らが、業務上過失致死の疑いで、昨年になって起訴され、目下、公判前整理中のようです。 知らんかった……。

 
 

■ お知らせ ■

 警視庁捜査2課は9日、振り込め詐欺の現金引き出し役「出し子」として画像を公開していた東京都小金井市東町、無職の長嶺修介容疑者(52)ら2人を詐欺容疑で逮捕した。(日本経済新聞 - 2009年6月9日)

 

 とっ……父さんがっ!! (うそ)

 

 それにしても、振り込め詐欺の「業界」も、分業化・システム化が進んでいるようですね。 ふざけたもんです。

 監視カメラに面が割れるリスクを覚悟で、だまし取った現金をATMで引き出す専門メンバーが「出し子」。

 偽造(あるいは他人名義)の身分証を使って身元を隠し、携帯電話を契約する「道具屋」。

 電話口で相手と顔を合わせずにだます、卑怯な詐欺実行犯のことは、たしか「ナキコ(鳴き子?)」とか言うらしいですね。 こないだ傍聴した振り込め詐欺の公判で、被告人が言ってました。

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