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2010年12月15日 (水)

取調べ可視化推進キャラ「カシカシカ」に、彼女ができた!?

((参考過去記事))
 京都弁護士会が生んだ、「地デジカ」の対抗キャラ

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 おぉ、よかったねぇ。 カシカシカ! クリスマスも寂しくなかろうて。

 可視化推進、女の子キャラの名は、「ビジカシカ」だそうです。

 「ビジュアル」とか「美人」「美女」に引っかけたんでしょうかね??

 二人ともカメラを持っていますが、クリスマスの夜はお互いの姿を撮影するんでしょうか。 楽しそうですね。

 それは公に可視化などせずに、二人だけの思い出にしていただきたいと思います。

 

 

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 きのう、京都市内で開かれた「国選弁護シンポジウム」に行ってきました。

 国選弁護人に対する報酬が少なすぎて、ヘタすれば時給換算でコンビニバイト以下になりかねないことが問題になっているのは知っていましたが、シンポジウムでは、報酬体系が複雑かつ多岐にわたっていて、わかりにくい点も紹介されていました。

 司法試験に受かった頭脳の持ち主ですら「ややこしい」と言うんですから、相当です。

 また、被告人と接見(面談)を重ねても報酬があまり加算されなかったり、保釈に成功した場合の報酬がたった1万円だったり、無罪を勝ち取った場合の成功報酬はあっても死刑回避の報酬が無かったり、さまざまな科学的鑑定の実費支給に上限額があったりと……、充実した弁護活動を進めようとする弁護士のモチベーションを削ぎ、かえってやる気をなくさせるような報酬体系も問題視されていました。

 さらに興味深かったのは、「被疑者国選弁護人」と「当番弁護士」の使い分けですね。

 かつて、私が司法試験の受験をしてたぐらいの時代まで、国選弁護人ってのは、検察に起訴されて初めて付けることができるもの(逮捕から約23日後が目安)、つまり被告人段階でしか付けられないものでした。

 その前に弁護人を付けたきゃ、自分たちの費用負担で法律事務所に連絡して依頼しろよ、という話だったのです。

 それが2006年から、勾留(逮捕から約48時間後が目安)された被疑者にも国選弁護人を付けることができるようになりました。

 
 

◆ 刑事訴訟法 第37条の2
1 死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件について被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。
2 前項の請求は、同項に規定する事件について勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。

◆ 刑事訴訟法 第37条の3
1 前条第1項の請求をするには、資力申告書を提出しなければならない。

 
 

 一方で、当番弁護士というのは、いわば「お試しサンプル」(失礼)みたいなもので、1回だけ弁護士が無料で駆けつけて、被疑者の話を聞いてくれるという仕組みです。 その弁護士が気に入ったら、2回目からは私選で弁護人に就いてもらって、接見に来てもらえればいいわけです。

 弁護士会のボランティアで運営されていますから、税金は投入されていません。法律上の根拠も特にありませんが、憲法で保障された弁護人依頼権を、より手厚く保障するシステムだといえます。

 そして、国の制度である国選弁護人が就くまでの時間的な空白を埋めるために、フレキシブルに弁護士会が対応できる当番弁護士を活用すればいい、という話は新鮮でしたね。

 法律の縛りがある国選弁護人と違って、弁護士会が自主的に運営している当番弁護士システムは「いつ以降でなければ受け付けない」という時間的制約がないのです。

 逮捕から48時間以内でも構いませんし、たしか逮捕されていない段階(任意同行での取り調べ)でも当番弁護士は呼べたはずです。

 

 もっとも、被疑者の求めに応じて、当番弁護士がすぐに来てくれなければ、この時間的空白は埋められませんけどね。 特に地方部では、当番弁護士が即座に駆けつける体勢づくりが難しくなっているとも聞きます。

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コメント

弁護士が駆けつけられない地方部の被疑者にはインターネットのテレビ電話を活用すれば問題はある程度解決できるような気がします。
 国選弁護の報酬はかなり低く不明朗なのはよくわかりますが弁護士サイドで報酬設定させたらかなり高くなるのではないかと思います。刑事弁護で腕を磨いて知名度を上げつつ営業努力をして民事関連の仕事を自ら見つけるようなバランス感覚を養わないと生き残れない時代になりつつあると思います。

投稿: きたひろさとう | 2010年12月26日 (日) 08:09

ご指摘ありがとうございます。

テレビ電話での接見を実現させるためには、拘置所や警察署の理解が必要でしょうね。

特に警察署は、あんまり頻繁に弁護士の接見が入ると、自白獲得のために自分たちのペースで進めていた取り調べを中断しなきゃいけないので、嫌がりそうですね。そこはある程度、被疑者の利益に譲歩してほしいです。

弁護士サイドも、お手盛り的に自分たちの報酬を設定できるわけではなく、法務省へ法律改正の希望を出すことしかできないと思いますので、あまり裁量は無いのかなと思います。

たしかに、刑事を手弁当でやり、資金の不足分を一般民事で稼いで補う、熱心な弁護士さんもいらっしゃいますね。

ただ、稼ごうとするあまり、民事案件での不正活動を指摘されている刑事弁護士さんもいらっしゃいますが…… これは個々のモラルや日弁連での自浄作用に任せるのがスジなのでしょう。

投稿: みそしる | 2010年12月28日 (火) 22:42

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