« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »

2011年2月25日 (金)

このスピード時代に、民事裁判は付いてこられるか? …「民事審判」という試み

 気づいてみたら、すっかり金曜日になってしまいましたが、日曜に大阪で開かれた「日本裁判官ネットワーク」シンポジウムの模様をお送りします。

 テーマは「民事紛争解決の新しい試みに向けて」。
 
 この新しい試みとは、主に民間人同士の法律的トラブルを、この高度情報化・ビジネス化時代に即して、いかに“スピーディー”に解決へと導くか、そういう方向への取り組みのようですね。

 民事訴訟法での争点整理と集中審理方式が形骸化していると危惧し、民事裁判の真の集中審理を目指して、京都で積極的な実践に取り組んでいる井垣敏生弁護士(元高裁裁判官)の話もありましたが、それ以降、メモを残しているところを重点的にお送りしたいと思います。
 
 細かいニュアンスの面で、元の発言と違っている可能性がありますが、ご容赦ください。

 
 

■ 中本和洋弁護士 (日弁連 立法対策センター副委員長)

 数年前にできた新しい制度「労働審判」は、労働事件を専門に扱う制度であるが、平均七十数日で、ほとんどが解決している。迅速な紛争処理に貢献し、実際に成功しているといえる。
 これをもとにして、「民事審判」というものを創設したい。

 「民事審判」で想定しているのは、それほど複雑な事案解決がいらないものを類型化して取り上げるようにしたい。あまり専門的な知識がいらないのではないか。
 それほど多額でない紛争。私は1000万円程度まで、という想定をしている。そうすれば3ヶ月ぐらいの間で解決できるのではないか。
 そこで力をつけた弁護士が、ゆくゆくは何千万、何億という「重装備」の民事紛争の解決に乗り出して欲しい。

 「一審の審理は2年以内で終わらせる」という法律ができて、裁判官は忠実に守り、迅速化が図られている。

 そもそも裁判というものは、時間とお金がかかる。8割の国民がそう思っているというアンケート結果もあるようだ。
 
 訴額1億円の訴訟に要する印紙代(訴訟費用)は、一審・32万円、二審・48万円、最高裁・64万円。他の先進国と比べて、あまりにも高すぎる。そのわりに認められる賠償金が少ないというアンバランス。
 民事扶助制度という、国が訴訟費用を立て替える制度もある。だが、生活保護受給者以外は償還制となっている。

 収入が低くて、民事訴訟を提起したくても訴訟費用を負担できず、思いとどまっている人のために、裁判保険制度を創設したい。日本ではせいぜい交通事故処理の場面で、自動車保険が活用されているのみ。「権利保護保険」という案もあるが、ネーミングが良くない。「弁護士費用保険」がいい。
 
 ドイツは離婚裁判などにまで広く保険が適用されているようだ。

 日本の民事裁判、約23万件のうち、14万件が過払い関係。一般事件はむしろ減っている。景気は回復しない、正義は実現されない、では、裁判に対する世間の期待が減退してしまうのもムリはない。

 

(会場からの質問)

●私は民事提訴をしたことがあるが、弁護士運が悪い。代理人の行動が間違っている場合には、どれだけ依頼人は修正できるのか。

 ⇒ 一般論としては裁判に臨む権利はある。その場で発言を修正することもできる。ただし、その場でしかできない。自分の名前で追加で証拠を出すこともできる。
 
●録音申請、昔と違って誰にも迷惑をかけない。弁護士は誰も申請しない。弁論の更新は、裁判官が自分の名前を名乗ることすらしない。裁判官は突然結審しようとする。行政訴訟では、被告の国を、思っても見なかった理由で裁判官が勝たせる。これは暗黒裁判。裁判所のコピー代も高すぎる。

 ⇒ 次回期日が2ヶ月後とか、非常に審理の間隔が開きすぎると思う。日本の民事裁判官が忙しすぎることも原因。二回試験で上位100人、のような優秀な人は、昔は渉外事務所へ行っていたが、今は不景気ゆえ裁判官になる。
 突然結審することについて、大阪はマシだが、東京では1回で結審させて和解期日を入れる傾向。

●訴額1000万円の裁判は、すでに高額だと思う。これを迅速化することに国民は納得するだろうか。保険があるためにムダな上訴がなされるのではないか。誰が負担するのか。

 ⇒ 訴額の話は感覚的なもの。60万以下は本人でできる。140万以下は簡裁の管轄。ほとんど代理人は就かない。1000万だと、1年ぐらいかけたら合わないと考える国民が多いのではないか。

 ⇒ 保険は、安い弁護士を保険会社が探して契約する。弁護士費用が低く抑えられるのは、業界にとって弊害かもしれないが、乱訴のおそれというのは、諸外国で意外に例がない。訴訟やること自体が負担。今は訴訟数をボトムアップさせる時期だと思う。
 
●陳述書を「陳述します」と言うだけで裁判が終わってしまう。 傍聴人には何をやっているのかわからない。

 ⇒ 刑事の公判前整理の参考にして、事前に準備をしている。傍聴人に理解できるようにするために、弁論の書面を読み上げることは時間の無駄だと思っている。
 
●日本でも弁護士強制主義を採用してはどうか。

 ⇒ ドイツなど、個人の負担なく弁護士報酬をきっちり確保できるところでないと難しい。日本では国民の理解が得られないと思っている。簡裁代理司法書士については、現状のままでいいと思っている。しかし、士業それぞれの業務は一部重なるところが多いので、いずれ弁護士資格に包含されるのではないかと思っている。

 
 

■ 浅見宣義裁判官 (神戸地裁伊丹支部長)

 
 労働審判手続きで採用されている「L方式」。私はこれを知り、裁判官として非常に感動した。日本人が作った「宝物」であると。これは民事手続きに広く導入したい。
 
 札幌と福岡では、すでに近いものが進めてられている。
 3回の審理で本当に終わるのか危ぶまれていたが、だいたい2回で終わっている。
 
 労働審判は、審理の迅速化により利用者が増え、今まで埋もれていた紛争の「掘り起こし機能」を果たしている。
 平均74.6日間で終わっている。調停委員会方式を採用
 交通事故・不動産取引などで、ある程度主張が予想できるので、計画的に審理でき、迅速化が図られると考えられる。
 証拠書類の「一括提出主義」について、立法者は「迅速化の秘密兵器」だと語っているが、そういう部分もあると思う。

 17条決定では、柔軟な和解的な解決を図れる。
 A類型(ほとんど2回以内で解決) B類型(難しい争点がありそうなもの、訴訟手続きも混じる)
 労働審判の経験者は、「早く導入しましょう」という声が多い。

 
 
 
■ 井土正明さん (元高裁判事→簡裁判事(退官))

 民事調停には2つある。訴訟を進めていた事件を調停に移す場合と、簡裁が調停申し立てを受けて、最初から調停の場に付する場合がある。
 
 民事調停は、容易・安価・柔軟・非強制・当事者尊重など、非常に優れた点がある。しかし、相手が協力的に応じなければ進まない難点もあり、充分に活用されていない。
 
 調停を活用するためには、広報に頼るだけでなく、調停委員の経験や意見をくみ入れて、国民が利用しやすいものになるよう、裁判官が工夫の努力をしていく必要もある。
 
 調停官(パートタイム裁判官)制度、これは非常に成功している。
 
 訴訟上の和解に似ているが、和解の場合、もし成立しなかったら判決へ進むことになる。一方で調停は成立しなければそれまで。強制的要素が少ない。
 
 特に弁護士資格のある調停委員は、まず先に調停室に入って冷暖房をつけて、電気つけて、それから当事者を迎え入れるような態度をとるべきだ。「さぁ、行きましょうか」と、当事者を連れて行くのは、紛争解決を担当する立場としてどうだろう。
 
 人間同士の紛争解決は、芋を洗うようなもの。芋同士をこすりあって、転がして、泥や皮をはがしていくように、当事者主導で進めなければならない。お上が解決を指示するようではいけない。

 

(会場からの質問)

● 新たな迅速紛争解決手続きを日弁連でも「民事審判」と名付けて推進している。3回以内で審理を終える。交通事故・貸し金・売買代金・金利紛争など、訴訟の内容を類型化できるものを想定している。審理手続きも定型化できるし、不意打ち主張防止の手続き保障にも資する。浅見さんに質問だが、もしL方式が導入され成功すれば、われわれが検討している民事審判は必要ないのではないか。調停委員を活用するのがL方式の特色だが、福岡の例では活用が想定されていない。また、B類型で訴訟からL方式に移行するのなら、最初からそのまま和解に進めばいいのではないか。
 
 ⇒ なるほどなと思いました。B類型について、迅速化ということを重視すれば、裁判官がやればいいが、法曹とは違う知恵も入れるのであれば調停委員の活用が有効だと思う。しかし、二者択一という問題ではないので、札幌や福岡の事例も尊重されるべきだ。(浅見氏)

● 「このへんで折り合わんか」と案を出すなどして、当事者をリードした何十年か前の調停委員と違って、今の調停委員は自分の意見というものを持たない。まるで、双方の意見を2で割るような解決策しか出せない。調停委員は、良識的で穏和な人というだけでは足りず、専門的な知識も求められるので、裁判官の経験者に任せたい。また、本人訴訟の経験者だが、あれは勝てないようになっているのか。裁判官は、相手方弁護士の顔をつぶさないように、弁護士の就いている側を勝たせているのでは?

 ⇒ そういう批判があることは承知している。裁判所が決めた期日は変えないと言うことで私は徹底している。弁護士が期日変更の申し立てをすれば、不公平と思われるのが不本意(井土氏)
 
 ⇒ 弁護士不足の「ゼロワン地域」問題、少なくとも本州ではすべて解消された。なのに、最近は大都会で本人訴訟が増えている。みんな、本人訴訟のマニュアル本を読んでやっている。なるべく弁護士を活用して欲しい。弁護士人口は増えているので。(中本氏)
 
 ⇒ 調停に臨む裁判官が、多忙ゆえに減っている。調停委員がどれだけ案を出せるか、限界があると思う。家事調停でも、最後どうなるのかと見極めた上で案を出すとなると難しい。とんちんかんな案は出せないので裁判官のサポートがいる。L方式や調停とよく似たADRとの棲み分けも問題。法律家が解決案を出して関与する点が差別化だと思ってる。(浅見氏)
 
 合意の斡旋をするのが今の調停委員のやり方。すぐには結論がでない。
 
 
● L方式は優先すべきなのか、それとも次善の策か。裁判官が介入することで、チャッチャと進められてしまう危険があるのではないかと思う。

 ⇒ 正直まだきちんと考えてはいない。そうなる危険は肝に銘じているところ。当事者に対し、何か消極的な意見を言いたいときは、時間をかけてタイミングを計ってアドバイスするようにしている。それを権力者の介入と言われるかも知れないが、そうしている。(浅見氏)
 
● レジュメに書いてある「調停官と調停委員の関係が大きな課題」とはどういう意味か。

 ⇒ いずれも民間活力を導入することを念頭に置いていて、非常に優れた制度。しかし調停官が主導して前へ前へ出すぎると、調停委員の活躍する場面が無くなる。そういう意味だ。(井土氏)

● 私は、民事調停やL方式に若干の懸念がある。裁判官は判決も出す存在。調停も判決も行い、証拠の一括提出、3回解決など、事前に積極的に踏み込めば、予断を生んで公正さをそぐ可能性があるのではないか。“重装備”の民事訴訟だけでは柔軟に対応できないというのはわかるが、判決を出す裁判官が調停にも出るのは疑問。別の裁判官(非常勤)が調停に臨むのではどうか。

 ⇒ 労働審判にも同じ問題があって、当事者や代理人から異議が出されたこともある。効率の面からは、同じ裁判官がやったほうがいい。一方で予断排除を重視し、おっしゃるとおり公正さから別の裁判官に、という意見もある。扱いとしては両方あるのではないか。全体としては、どちらかというと公正さ重視の方向に傾いているのではないか。私は伊丹支部で調停官がおらず、調停は自分ひとりでやっているが、重要な視点だと思う。(浅見氏)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 5日 (土)

小沢一郎法廷の裁判長について、今のうちに知っておきたい

>>> 小沢氏公判の裁判長決まる 公判は早ければ9月ごろ

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反の罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告(68)の公判は、東京地裁刑事11部の大善文男裁判長が担当することが4日、分かった。大善裁判長ら裁判官3人の合議で審理する。決定は3日付。

 公判前整理手続きは半年以上かかるとみられ、公判は早ければ9月ごろから始まる見通し。

 大善裁判長は1986年任官。司法研修所教官、高松高裁事務局長などを経て昨年4月から東京地裁の部総括判事となった。高知県出身。

 起訴状によると、小沢元代表は、元私設秘書の衆院議員石川知裕被告(37)らと共謀し、陸山会に貸し付けた4億円を2004年分の報告書に記載しなかったほか、04年分に載せるべき土地購入費約3億5千万円(手数料など含む)を05年分に記入した、などとしている。

 小沢元代表は、東京第5検察審査会が昨年9月、起訴すべきだと議決したのに基づき1月31日に強制起訴された。

2011/02/04 11:44   【共同通信】

 
 

 東京地裁の大善文男裁判長か……。あんまり私の印象に残ってないということは、いかにも裁判官っぽいオーソドックスな審理をする方だってことだろうか。これから傍聴へ行くときは、もっと意識してみることにします。

 最近、裁判傍聴へ出かけるときは、傍聴人が少なくて快適な千葉地裁に行くことが増えたので、よくないな、もっと幅広く動かなきゃいけないなと反省。

 
 

 大善文男(だいぜん・ふみお)
 昭和34(1959)年11月3日生、51歳
 高知県出身 早稲田大学卒、司法修習38期

 昭和61(1986) 任官。東京地裁に赴任
 昭和63(1988) 名古屋地裁
 平成3(1991) 高知地裁
 平成6(1994) 東京地裁
 平成9(1997) 広島高裁(高裁職務代行)
 平成13(2001) <司法研修所教官>
 平成17(2005) 東京地裁
 平成18(2006) <高松高裁事務局長>
 平成22(2010) 東京地裁(刑事11部総括判事)
 
 (参考文献:公人社「全裁判官経歴総覧」、e-hoki「裁判官検索」)

 

 大善さんは、任官していきなり東京に赴任してますし、それ以降も東京地裁の法廷でご活躍の期間が長いですね。

 また、< >で囲った役職は、裁判官でありながら “法廷以外” の場で活躍した期間です。 大善さんの場合は、司法研修所教官と高裁事務局長。

 大都市圏での勤務が長いこと、
 法廷外の役職を何度か任されていること、
 これらは、全国の裁判官の異動を決定する最高裁人事局からの評価が高い、つまり「エリート裁判官」と呼べる有力な指標だと位置づけても過言ではありません。

 今回引用した共同通信の記事でも、< >(法廷外役職)の紹介に重点を置いていることがわかります。

 特に、最高裁判事に指名されるような裁判官のキャリアを見ると、法廷で事件を裁いた期間よりも、むしろ、<  >の期間の方が長かったりします。

 ちなみに、「高裁職務代行」とは、地裁に籍を置きつつ、高裁が多忙を極めて人手が足りない場合に、臨時で呼ばれて応援に行くこと…… だと私は理解しています。(ニュアンスが違っていたらすみません。ご指摘をください)

 司法の序列としてワンランク上の高裁で仕事を任せられるような人材を、地裁から選ぶわけですから、裁判官なら誰だっていい、というわけにはいきません。

 高裁職務代行を任されたということは、やはり大善さんは最高裁人事局からの評価が高いと考えていいと思います。

 

◆ 裁判所法 第19条(裁判官の職務の代行)
1 高等裁判所は、裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
2 前項の規定により当該高等裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、他の高等裁判所又はその管轄区域内の地方裁判所若しくは家庭裁判所の判事に当該高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。

 

 

 また、大善裁判官に関しては「すでにベテランの域なのに、過去に無罪判決を出した経験が無い」という噂がネット上で流れているみたいですね。 そのあたりも継続的に調べてみたいと思います。

 さらに、印象的な発言などが見つかればご紹介しますね。 よって、このテーマは今後も続きます。

 

         ◇

 

 このブログでも去年書きましたし、先日ツイッターでもつぶやきましたが、小沢さんが強制起訴されたというのは、「これから刑事裁判を開く」というだけの話で、意味はそれ以上でも以下でもありません。

 もちろん、被告人として裁判に臨む小沢さんの身辺には、事実上、有形無形の影響が及ぶでしょうが、今後、有罪判決が確定するまでの間は、私たちは小沢さんを何らかの色メガネを通して見てはならないと思います。

 つまり、偏見はダメよ、ってこと。 現時点で偏見を抱くのは、単なる司法軽視の態度です。

 そして、もし無罪判決が出たなら、小沢さんの身にできるだけ「何も起こらなかった」ものとして取り扱うべきだと思います。

 もちろん、完全に何もなかったことにできる、などと、お気楽なことは考えてませんが、できるだけ、なるだけ、ね。

 私は小沢さんシンパではありませんけど、「憲法裁判所の創設」「記者クラブ撤廃」という持論や、現行の憲法9条を保持しつつも自衛隊の役割を明記する条項を付け加える、という発想は、わりと好みですね。

 なんらかの疑惑があるのなら、刑事法廷で最高の証拠を突きつけ合って、白黒ハッキリつけてほしいです。

 
 ちょうど、来週(月曜)には、元秘書3人に関する初公判が行われるという、まるで図ったようなタイミング(冗談)です。 注目したいと思います。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2011年2月 1日 (火)

みんなが忘れたころに「タイガーマスク」登場

>>> 無効票に「タイガーマスク」 知事選と甲府市長開票

 30日投開票された知事選と甲府市長選で、複数の市町村選管の開票作業で「タイガーマスク」やタイガーマスクの主人公「伊達直人」と書かれた無効票が複数あったことが、同日分かった。全国各地の児童養護施設などにランドセルなどの贈り物が届いた「タイガーマスク現象」に共感した有権者の行動との見方もある。(2011年01月31日(月) 山梨日日新聞)

 ((参考記事))
 私の知らない 疑問票の世界 (2006/11/13)
  
 

 一時期はすごい勢いで全国に広がっていった「タイガーマスク運動」ですが、あまりに広がりすぎて、毎日ありふれた出来事になってしまうと、ニュース価値が無くなる。マスメディアが取り上げなくなる。運動そのものも下火になる…… という悪循環におちいってしまうのが残念です。

 経済的に余裕のある人、情に篤い人が寄付をすることを、責めたてる筋合いは誰にもありません。なのに、身銭を切って寄付をすると、「偽善」だの「売名行為」だの「ええかっこしい」だの、心無いことを言われてしまう世の中です。

 そこで勇気を出して、身寄りのない子供たちへの手助けに一歩踏み出す「覆面」として、世の篤志家たちは、タイガーマスク・伊達直人の名を借りるのでしょう。

 ただ、投票用紙に「タイガーマスク」「伊達直人」と書くのは……?

 いや、熱い思いが託されているのは、わかりますよ。

 それはわかるんですが、熱い思いの方向性が、いまいちよくわかりません。 「誰でもいいから、山梨を救う正義の味方、出て来いや!」ってなことでしょうか。

 
 

◆ 公職選挙法 第68条(無効投票)
 衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙の投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする。
  2. 公職の候補者でない者[※中略]の氏名を記載したもの

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »