出版業界への影響は甚大で…… 日本製紙 石巻工場の今
本日、仙台地裁の「石巻支部」へ初めて向かったのですが、裁判の数が少なく、民事の尋問が午後2時半から、ということなので、午前中は大津波の被災地域へ足を運ぶことにしました。
裁判所から、わずか10分ほど歩いただけで、信じられない驚愕の光景が広がっていました。
写真を通しては、私が受けた衝撃のうち、わずかしか伝わらないと思います。 なにしろ、360度、見渡す限りムチャクチャになっているのですから。
なぜこの街が完膚なきまで破壊されなければならないのか。 運命とは理不尽ですが、地盤が非常に不安定な国に住む以上、この運命は次にどこかが引き受けなければならないのは確実なのです。
日本製紙 石巻工場は、9月の操業開始が予定されていても、大津波の傷跡は、まだまだ手付かずの部分がたくさん残っていることを思い知らされます。
出版業界に携わる者として、数年後の完全復興まで見届けなければ、バチが当たるに違いない、とすら思いました。
石巻工場の周辺を撮影したものを一部掲載いたします。
看板の水平方向に、わずかに3本線が付着しています。 この高さまで津波の水面が押し寄せてきた事実を物語っているのでしょうか。
工場の中には、紙製品や原材料を運ぶための鉄道が通っていたようなのですが。
もはや、絶句するしかありません。
しかし、わずかずつですが確実に復興は進んでいます。
近日中にも、工場の周辺にある住宅地だった被災地の写真を掲載いたします。 率直に申し上げて、これ以上にやるせない光景でした。 津波は、この世の悪魔です。
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コメント
石巻のレポートありがとうございます。
日本製紙、無惨ですよね。
少し前まであの近くに津波でメチャクチャに押しつぶされたファミリーマートがあったのですが、いつのまにかなくなってしまいました。
これからも少しづつですが、着実に復興を遂げていく被災地を追っていただければ幸いです。
投稿: 木坂尚文 | 2011年6月17日 (金) 00:31
どうもありがとうございます。悲惨という言葉も空しくなる被災地の最前線へ足を踏み入れることに、ためらいや悩みがあることも確かですが、宮城で活動なさっている方にそう言っていただけると心強いです。
投稿: みそしる | 2011年6月18日 (土) 06:35
県内で印刷関連会社に勤務していた者です。
(震災の影響で職をなくしてしまった訳ですが)
現状は社内で聞いていたのですが、改めて工場の周りの風景を拝見すると、完全な復興は決して簡単な事ではないと改めて感じました。
他の製紙会社も被害に遭われたと聞きました。
しばらくは、印刷業界・出版業界にも影響が出るのでしょうか。
東北の経済や被害に遭われた方々の生活を思うと、長い道のりになると思いますが一日も早い復興を祈るばかりです。
投稿: | 2011年6月29日 (水) 00:11
コメント有難うございます。
震災で失職されたとのこと。お察しいたします。
被災地の裁判所をまわり、法廷を傍聴し続けていますが、被告人やその家族が「震災で職を失った」というケースがあまりにも多いことに心痛の思いです。
新たな職場が一日も早く見つかることを、心より願っています。
印刷業界にお世話になっている職業柄、石巻工場の復興を見届けていこうと思います。
投稿: みそしる | 2011年7月 1日 (金) 23:47