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2012年8月11日 (土)

「ニッポンのザル法」ランキング?

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フリー素材屋Hoshino

 

 

 いやー、ザルそばが美味しい季節ですね。

 「会社法務A2Z」(第一法規)の次号で、オリンパスの内部通報報復人事に対する最高裁判決(6月のやつ)を受け、

 「公益通報者保護法は、ザル法じゃねえのか?」というところを採りあげようとしています。

 それで思ったんですが、この日本に数多ある法律のうち、抜け穴だらけのザル法って、どれくらいあるのかなと。

 法律の条文構成が中途半端なために、システム的な面でザルになってる場合もあれば、

 一般道の速度規制のように、標識に書いてある数字よりも気持ち上乗せで事実上の流れができちゃってるような、結果的形成タイプ・赤信号みんなで渡れば型のザルもあるでしょう。

 憲法9条みたいに、その人の人生観や価値観で、ザル状態が許せるか許せないか、評価が変わってくる場合もありそうです(個人的には、歩み寄りが前提とならない議論が面倒くさいので、脇に置いておきたいですが)。

 目の細かいザル法、荒いザル法、いろいろあるのかもしれません。

 抜け穴の大小や多少・放置期間などをポイント換算にして、ザル法ランキング・ザル法カタログのようなものをつくるのも、面白いかもしれませんね。
ただ、人間の作ったものは完璧ではありえないという前提に立てば、人工物たる法律のごときは、全てザル法だといえるかもしれません。

 それはともかく、皆さんがオススメの、美味しいザル法を募集します! 重たい話も、面白いネタも欲しいです。どうぞ宜しくお願いしま~す。

 

 今週は仙台地裁に行っておりました。 街中の商店街は七夕一色でしたね。 日銀の仙台支店にも七夕飾りが付いてましたから。 チラッと外から見ただけですが。

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 仙台市内、特に都心部に関しては、東日本大震災の傷跡をだいぶ克服しているように見えます。 人々の心の中までは窺い知れないので、あくまで街の様子から感じた限りですけどね。

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法と実態の矛盾」カテゴリの記事

コメント

未だコメントがついていないようですので、美味しいかどうかは判りませんが(否、使用者には美味しいでしょう、きっと…)下記の法条が該当しているでしょうか。

その1)「地方公務員法22条2項と5項」…多くの自治体では、臨時の職では無いのに臨時的任用職員を充てています。さらに、何回も更新を繰り返していて長い人では15年(知り合いに居ります)も臨時職員として同一の職に充てられております。あと、非常勤も所謂パートさんのようにシフト制で任用されております。

その2)「地方自治法244条2の3項」…公の施設の一部(しかも設管条例もちゃんとあるのに)では、自治法の改正で管理委託が出来ない(直営か指定管理者に限る)のに、シルバーや民間会社に管理委託しているものが存在します。また、使用申請の受理や許可も委託者に行わせていることがあります。勿論市長や教育委員会の公印を使って。権限が無いので有印公文書偽造の構成要件に該当するかもしれません。

その3)「労働基準法」特に9条と32条と36条…事業場によって違反の程度は異なりますが、9条については、個人請負人を自ら雇用する労働者と同視して時間的拘束をしたり、業務の依頼(一応“発注”と称していますが)時点で日時の約束だけをして、労務提供内容は出勤させてから命令しているパターン。極めつけは、何処かの牛丼や産の店長が自給900円ではたらく個人事業主だったそうな。
32条と36条については、特に中小企業ですけど、法定労働時間を遵守せず(というより把握すらしていない場合が多いのですが)尚且つ時間外手当も支給せず、尚且つ36協定も締結していないことの多いこと。ああそれから36時協定については使用者が偽造することもあるようです。居酒屋の“ワ●ミ”さん、とか。

その4)またも地方公務員法ですが「58条5項」…自治体事業場では現業事業場を除き、人事委員会、置かない場合は長が労働基準監督機関の職権を行使することになっていますが、任用権者(使用者)としてはかなり厳しく振舞ってはいますが、労働条件の法令に違反している使用者の地位にあるものに対して当該職権の行使は殆ど無いでしょう(特に、時間外手当の不支給や安全衛生法違反が多いようです)。ドロボーがドロボーを捕まえられないという典型だと思います。

とりあえず、報告させていただきます。

投稿: endou | 2012年8月20日 (月) 23:53

連投失礼します。
先の投稿ですが、書かせていただいた4つのうち始めの3つは抜け穴が用意されている法律だという意味でのザル法ではないのですが、無視されていることが多い(制限速度のように)という意味で「ザル法」にあたると思います。言うなれば不真正ザル法でしょうか)。
4つ目はまるで大きな穴が開いているという意味で真正ザル法です。

あと、誤字が多くてすみません!。

で、定義として・・・
不真正ザル法…一見穴は開いていないが運用がなっていない、若しくは違法が放置されている状態(“放置国家”??です)。
真正ザル法…そもそも立法意思として、上手く立ち回りさえすれば合法的に脱法が出来る仕組み。若しくは、最初から守れない場合があることが明らかな法律(制度管轄者が不在とか)。
・・・ということで如何でしょう。

投稿: endou | 2012年8月21日 (火) 01:24

>endouさん

素晴らしい! 本当にありがとうございます。

真正ザルと不真正ザル。確かに、最初からザルとしてつくられたザルと、みんなが使っているうちに穴が開いて結果的にザルとしての使い道が生じた場合がありそうです。

法定労働時間は明らかなザルですし、その他のご指摘も、私があまり知らない分野なだけに、非常に勉強になります。

私は最近、法律ネタに飽きつつある どうしようもない法律ライターですが(笑)、新たな切り口で、なんだか面白くなってきました。

投稿: みそしる | 2012年8月21日 (火) 23:21

お世辞だとわかっていても誉められると頭(図?)に乗るタイプなので…
以下、ワルノリさせていただきます。

その5)労働者派遣法の禁止規定である4条1項・5条1項・15条(罰則59条各項)、それに16条1項(罰則60条1項)…労働者派遣法違反は、派遣元(労働者派遣した者)と派遣先(派遣労働者を受け入れて使用した者)の共犯関係により、構成要件が充足されると考えられます。
これは、丁度、贈収賄罪と同じ構図です(「必要的共犯関係」でしょうか)。
これと似たような共犯関係では、同じ労働法カテゴリーで職業安定法44条違反があり、これは供給元の罪と供給先の罪との二罪が規定(当に贈収賄罪と同じ共犯関係)されております。しかし、労働者派遣法では、完全な必要的共犯であるにもかかわらず、派遣元に処罰規定があるのみです。
実例を幾つか見てみましたが、例えば自治体の委託業務なんかだと、労働者の人数に応じた単価を支払うような「仕様書」を作って入札するなど、どう考えても派遣先が話しを持ちかけているわけです。贈収賄で言えば、収賄側が持ちかけているという構図です。にも拘らず、この労働者派遣法には、派遣先の罪の規定が無いという“立法超ザル状態”なのです。必要的共犯関係なのに、です。

これ、極めつけの「“超”真正ザル法」ではないかと。

投稿: endou | 2012年8月27日 (月) 23:25

さらなる新情報、有難うございます。

派遣元のみを罰して派遣先を罰しないというのは、何か特別な立法趣旨でもあるんでしょうかね。

大資本家によるロビー活動の成果?(笑)というわけでもないんでしょうね。派遣社員を活用するのは大企業だけとも限らないでしょうし。

投稿: みそしる | 2012年8月29日 (水) 00:48

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