2007年3月22日 (木)

2ちゃんねる「司法試験板」を初めて見てきました

明日の花道 弟子入り劇場(weban)

 フジテレビ「とくダネ」にも出演されている落語家 立川談笑さんも、もともとは法曹志望でいらっしゃったと。 しかし、在学中に司法試験を1回受けてみての感想が、じつに冷静です。

 

 合格までにあと数年かかりそうだという感触を得て、「気がついたら引っ込みがつかない司法浪人」になるよりも、「今しかできないこと」をやってみて、また挑戦したくなったら受験するので遅くはない、と思い至った。

 

 司法試験を受けはじめのときは、まさか自分が「自習室のヌシ」と呼ばれるベテラン受験生になるとは、私が昔使っていた言い回しだと「浪人をこじらせる」事態になるなんて、誰も本気で想像しちゃいませんよ。 

 大学4年次から受験勉強をはじめた私も「卒業3年目」までにケリをつけるつもりでやっていました。 心理的な盛り上がりというか、ある種の大きな勘違いがないと、あんな試験に魂を売る気にゃならんのです。

 それで結局「卒7で撤退」という憂き目にあうわけですな。 卒7の司法浪人は、初学者から見たら「浪人こじらせた」立派なベテランですしね。

 再就職が利くのも、せいぜい卒5前後までだといいます。 早い段階で自分の適性を厳しく見極めないと、どうにもならない恐ろしいことになりますよ。

 と、私がいくら書いても、司法浪人は「オレのことじゃないやろ」「自分はなんとかなる」と、聞く耳もたないんですよね。 卑屈なクセに自信家。 私も4,5年前はそうだったので、よくわかります。
 
 民主党の小沢一郎代表も、日本経団連の御手洗冨士夫会長も、伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長も、もともとは「司法試験崩れ」だったとのこと。 

 でも、法曹という職にこだわらず、早めに見切りをつけることに成功したため、現在のやんごとなき地位に君臨しておられるわけです。

 

 私は先日初めて、匿名巨大掲示板「2ちゃんねる」の、司法浪人用スレッドを覗きに行きました。 検索でひっかかったことなら何回かありますけど、自分から能動的に見に行ったことは、これまでありませんでした。

 あの世界とキッチリ決別して、気持ちに整理がついている今ならいいですがねぇ……。 あの「司法試験板」を、もし司法浪人時代に読んでいたとしたら、ある意味で危なかったかもしれません。

 司法浪人という立場を「恥ずかしい」と思う気持ちが、薄れていってしまう可能性が高いと思うからです。

 「自分と似た境遇の浪人が、ここにもいる」ということを相互確認する。 もしくは「もっと取り返しのつかない事態に陥っている人間がいるぞ」ということを匿名で自虐的に告白する。 ……その繰り返しによって、大きな安心感を増幅させていく雰囲気がありますね。

 

 でも、かなり面白い書きこみをしている浪人も、結構いるのでねぇ。 なかなかバカにはできません。

 誰や? 芦部先生は生きている!』なんて題名のスレッド立てたヤツ。 くっそー、笑わされてしまった。

 イエスキリストの復活祭みたいな。 だとすれば「芦部信者」の司法浪人ですか。 カルトやなぁ。

 

 
 こういうセンスを持っている受験生って、条文・定義や論証パターンの暗唱・再現に、相当苦労させられているのではないですか?

 論文試験の「掟」や「縛り」で息が詰まる日々…… どれだけ訓練しても、他人と同じような答案を書けない…… そんな哀しい業を背負った人たち。 もちろん、勉強不足で書けないのは論外ですけどね。

 そんな悩める司法浪人の皆さんも、ひょっとしたら「物書きの女神」が救ってくれるかもしれませんよ。

 まぁ、そう言う私もまだ救われてませんけど。

 物書きの女神さま……

 私の中では、森高千里似の、ちょいえろ女神です。

 

 他人のカミさんつかまえて「ちょいえろ」とは、どういう了見だか。

 

 

>>>>>>> みそしるオススメ本

 野心に燃える大学病院のエリート医師・財前(山口智子さんのダンナ)と、愚直なまでに一人ひとりの患者に向かい合う医師・里見(森高千里さんのダンナ)の生き方の対比が魅せる物語「白い巨塔」。

 私は、より広く、多くの患者に手を差し伸べようと、最先端のガン治療センター建設を計画し、そのためにムキになって立身出世を急いだ財前の気持ちもわかります。 志半ばで病にむしばまれ、ドラマの最終回で「死ぬのは怖くないが無念だ」とつぶやいた彼の涙にも共感できますね。

 でも、世間的には里見のような「Dr.コトー」タイプの医師が求められるはずです。 私も、ああいう弁護士になりたいと思ってお勉強してましたし。 なので、両方の生き方を応援したくなります。

 
 出身大学にかかわらず医師を受け入れるも、その内部には独自の論理や掟が渦巻いている、大学病院の「医局」という不思議な存在。

 患者の安全が保てないとして批判が殺到する「研修医アルバイト制度」。

 などなど。

 しかし、医療改革の名目で、これらの「問題」システムを解体することによって、また新たな不幸が生じるのだとしたら……

 「平成の白い巨塔」と呼ばれる小説「破裂」を描いた著者が送る、渾身のノンフィクション。
 

大学病院のウラは墓場 ― 医学部が患者を殺す
大学病院のウラは墓場 ― 医学部が患者を殺す 久坂部 羊

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starsここから医療ジャーナリズムが始まる!それだけの破壊力と想像力のある書。
stars著者の戦略?
starsタイトルが内容にまったく一致しませんがむしろ良かったです。
stars「病院」である以上、病院としての機能を果たすべきだ。
starsそのうちどこの病院のうらも墓場になる

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2006年1月20日 (金)

インターネットウミウシ

 きのうの「TVチャンピオン」クイズ作家王選手権で優勝した田中健一さんは、司法浪人からクイズ作家に転身なさったのだとのこと。それで、ゴールデンタイムの番組にクイズを提供できるって、すごいよなぁ。

 実際、田中さんが即興でつくったクイズも面白かったです。 これもすごいな、誰が名付けたんだか。インターネットウミウシ。(笑)

 どうすればなれるんだろう、クイズ作家。やっぱり「ウルトラクイズ優勝」という実績がモノをいう世界なのでしょうか。

 それでも、優勝時のコメントは「仕事ください」とのことでしたので、やっぱり生活が大変なんでしょうか。でも、どうせ苦労するなら、好きなことで苦労したいものです。

<<<<<<<<<<<< みそしるオススメ本 >>>>>>>>>>>>

 東京地裁の2つの食堂を比較したり、傍聴人の「ドレスコード」を図解したり……。近日中の裁判スケジュールを知る方法も公開! ここまで露骨に実用に徹した“裁判傍聴ガイド”があっただろうか。

 平日の昼間にもかかわらず、なぜか自由が利いてしまう、すべてのワケあり人間に捧ぐ。


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2005年7月 2日 (土)

27歳でIT業界へ

「自分戦略研究所」転職者インタビュー(JOB@IT) 

 法学部卒業後に司法試験に挑戦し、27歳で撤退。そこから新入社員として、未経験の孫請け情報システム企業に就職なさった男性です。ここに「ITバブル」という表現がありますが、今から5,6年前なら、27歳の未経験者も受け入れる余裕があったのかもしれません。 今だと、多少なりとも専門知識が無いと厳しいのでしょうか。

 ただ、当時でも新入社員に対してSEとしての専門技術について手取り足取り教えるような風土ではなかったようです。それでも、責任感と努力で急速に高度なスキルを身につけ、会社には無くてはならない存在に成長。そこから、単なるプログラマで終わるだけでなく、依頼企業とのコミュニケーション能力も鍛えたいという意欲が湧いてきたのだそうです。しかし、孫請け・曾孫受けの仕事ばかりでは、依頼者との直接のコミュニケーションもなかなかかなわなかったようで、そこに物足りなさを感じていらっしゃったのかもしれません。

 そして、現在は、個人や企業にIT技術を指導する講師の職に就いておられます。転職の第一志望は、もっとシステムの上流工程で仕事をしたいということでしたが、この『教育コンサルティング』の業務にもやり甲斐を感じているとのこと。自分の話をうなずきながら聞いてくれる人がいるとうれしい、という気持ちは、私も学習塾講師経験者ですからわかります。

 「疑似恋愛で乗り切る受験」のラストにも書きましたが、第一志望から外れていくこと、つまり「不本意」が積み重なっていくほど、かえってその人の可能性を掘り起こしてくれる契機にもなりうるんですよね。何事も順風満帆にいく人生も結構ですけれども、また違う幅や深みが生まれていきそうです。


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2005年6月13日 (月)

司法試験挫折後…… 「人生再建」あれこれ

 司法試験の世界では、すでに「2008年問題」「2009年問題」ということが囁かれています。

 弁護士・裁判官・検察官になりたいと、うかつにも夢見てしまった者たちに、現在は2つの方法が与えられています。今までの司法試験を受験する方法と、法科大学院という特殊機関に通って修士号をとり、来年から新しく実施される司法試験を受ける方法です。
 法学部出身である、生粋の「法律漬け」院生は2年、他学部から来た人は3年で法科大学院を修了することになっていますから、首尾良くいけば、各大学院の1期生は、それぞれ、2006年、2007年から新司法試験の受験資格をゲットすることになります。

 受験センスがある人の立場で見たら、大学に2年間通って単位を揃えれば誰でも受験可能な従来の司法試験は、合格することで、一気に「社会的ステイタス」と「高収入」と「先生呼ばわり」を同時に獲得できるステップとなりえます。しかし、司法試験は、何回受けても受けても受けいれられず、先の見えない不安と同じことの繰り返しで、不器用な者たちの精神を傷めてしまいかねない暗黒面も持ち合わせています。良く言えば粘り強く、悪く言えば往生際の悪い者たちを、ずっと底なし沼にハメてきたのが、今までの司法試験です。

 そこで、新しい司法試験は、『5年間で3回』という受験制限を設けました。これからは、司法試験の年間合格者数が3000人に増やされます。それで3回受けてもダメな受験生は、法曹界にとって粗悪な人材なのだから要らん。言うことを素直に聞いてくれるお利口さんだけを純粋に選別しよう、という小賢しくも真っ当な方針です。
 受験制限に『5年間で3回』という、若干の幅が設けられているとはいえ、早く法律屋になって現場に出たいと願う受験生なら、よほどの事情がない限り3年連続で挑戦します。すると、受験3年目にあたる2008年や2009年以降、司法試験の受験制限を切らしてしまった浪人たちが、日本中に溢れることになります。それが、2008年ないし2009年問題と呼ばれるものです。

 最終合格者は当然、蝶よ花よと大切に育てられ、各方面の有力者たちがこぞって、エリートへの『王道』を連続的に指し示してくれることでしょう。しかし、相対評価の抽選から漏れた者は、あきらめて民間企業に就職するなどして、それぞれの『人生の再建』を求められるわけです。たしかに、予備試験合格などで再度司法試験の受験資格を得るという選択肢もありますが、そこは鬼の棲む熾烈な競争地獄。ヘタすれば現行司法浪人以上の泥沼に陥るであろうことは目に見えています。
 当然ですが、司法試験委員会は、ダメな受験生に不合格を言い渡しても、再就職の世話までしてくれるほどお人好しではありません。おじいちゃんたちは、毎年の問題づくりと採点でお忙しいんですから。これ以上仕事を増やしたら、お身体に障ります。

 法曹資格を得るために多額の投資をしながら、結局は志半ばに撤退を余儀なくされてしまう。われわれにとって、いったん外れたレールにまた乗っかろうとするのも、レールに見切りを付けて新しい道を求めるのも、まるっきり自己責任です。なぜなら、司法試験は公営ギャンブルだからです。ハイリスク・ハイリターンを公認する国家政策なのは、法律屋を目指す前の段階で、誰もが大なり小なり覚悟していますから、これはやむを得ません。

 長年ダラダラと司法浪人を続けたあげく、結局『王道』を踏み外した世間知らずのアナタを、再就職の面接で嘲笑する面接官もいるでしょう。めでたく企業法務のイスにありつけても、法の理論面しか学習していないアナタを『けっ、使い物にならん』と、苦虫を噛みつぶしたような顔で小バカにする年下の上司もいるはずです。

 そこで、そんな現状を憂う私は、一般企業の方々に向けて、どうか司法試験挫折者を邪魔者扱いしないでいただきたいと、声を大にして訴えていきたいのです。2008年に間に合うように。

 別に温かく迎えなくてもいい。ただ、せめて理解だけはしていただきたいと願い、このブログで、いろんな挫折者の生き方を随時ご紹介していきます。私も、これからネット上や書籍・雑誌で探していきますし、皆さまからの自薦・他薦も大歓迎です。

 なにも、合格者だけにデカい顔をさせておくことは無いんです。司法試験に魂を売ってしまった暗い経歴を引きずっている、司法試験挫折者たちだって、『あぁ、あのとき落とされて助かったわぁ』と、もっと胸を張っていいはずなんです。

 おそらく、有名人や成功者と呼ばれている人たちの中にも、過去に司法試験で失敗した方がたくさん埋もれていると私は見込んでいます。そこを発掘して、お一人おひとりに勝手なスポットライトを当てていければと考えております。

 もちろん、会社に収まるだけでなく、たとえば、文章を書くのが3度の飯より好きだという挫折者は、私のようにライターへの道を模索するのも結構でしょう。この私も、まだまだ見苦しくもがいている最中ですが、少しでも『未来の挫折者たち』にヒントを分けていけるようなもがき方をしたいものです。




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