2011年3月16日 (水)

この際「義援金詐欺」について考えてみる

 
 このたびの被災地に義援金を送るに際しては、2つの心配があります。
 
 ひとつは、最初からだますつもりの変な団体に義援金を託して、全部持って行かれるんじゃないかという心配。
 
 もうひとつは、いちおう被災地に義援金は送るんだけども、その団体が事前にかなりの金額を人件費や手数料などの名目で「中抜き」してしまい、被災者へ渡るお金が目減りするのではないか、という心配です。

 

■ 1.最初から送る気がない「ニセ募金団体」パターン

 
 こういう“純粋”な義援金詐欺団体は、数が少なくて規模も小さいので、向こうから積極的に仕掛けてくる傾向があります。

 あるときは、街頭で募金を呼びかけたり、あるときは、キャッチセールスのような要領で、あるいは民家に直接訪問してみたりすることもあるでしょう。

 もちろん、郵便や電話、電子メール、ツイッターなどで、義援金を振り込むよう頼んでくる「振り込め詐欺」の形態で近寄ってくることも十分に考えられます。

 接触してきた人物が、いくら魅力的な異性であろうと、「私も東日本震災の被災者(の家族)なんです」などと泣き落としで攻めてこようと、決して惑わされないように気をつけて下さい。
 

 
 こうした詐欺に引っかからないためには、自分が義援金送付を託したい団体を“自分で決める”という心がけをすれば十分かと思います。

 
 
 特に募金という手法で義援金詐欺をはかってくる手口についてお話ししたいのですが、募金活動を始めるのに公的な機関による審査などはありません。

 歩道の構造や通行に影響があるような看板や幕など設置するやり方なら、警察署に「道路使用許可」を届け出る必要があります。
 しかし、歩道のジャマにならないかどうかの審査なので、その募金団体が本物かニセモノかまで、警察でいちいちチェックすることはないわけです。

 
 
 
◆ 道路法 第32条(道路の占用の許可)
1 道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。
  一  電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物
  二  水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件
  三  鉄道、軌道その他これらに類する施設
  四  歩廊、雪よけその他これらに類する施設
  五  地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設
  六  露店、商品置場その他これらに類する施設
  七  前各号に掲げるものを除く外、道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物、物件又は施設で政令で定めるもの

 
◆ 道路法施行令 第7条(道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある工作物等)

 法第32条第1項第七号 の政令で定める工作物、物件又は施設は、次に掲げるものとする。
   一  看板、標識、旗ざお、パーキング・メーター、及びアーチ
   二  工事用板囲、足場、詰所その他の工事用施設
   三  土石、竹木、瓦その他の工事用材料
 [※以下略]

 

 
 その募金活動が詐欺かどうか、前もって点検してほしい、と思う人もいるでしょう。

 アメリカでは、過去に、募金活動の事前チェックをする規制があったようなのですが、1980年にその規制が憲法違反・無効とされたこともあるようです。
 
 募金の大半を手数料として得る意図で、慈善団体の代行として募金活動をし、寄付金を集めた「テレマーケティング社事件」について、2003年、アメリカ連邦最高裁は、詐欺罪の成立を認めたものの、募金活動を国などが事前チェックすることについては、やはり認めなかったといいます。

 それは、どうしてなのか。

 募金活動は、広い意味で「言論の自由・表現の自由」の一環として支えられていると考えられます。日本国憲法でいえば21条1項ですね。

 この自由は、数ある基本的人権の中でも、民主国家で人が人として生きるために非常に重要なものだと位置づけられています。

 
 

◆ 日本国憲法 第21条
1  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

◆ 日本国憲法 第11条
 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

  

 いくら、募金詐欺を防ぐためとはいえ、国家がこうした表現の自由に基づく活動を前もって規制することをいったん許せば、そのような規制が別の言論領域へも拡散してしまい、私たちの自由な活動が萎縮してしまうのでは、という心配があります。
 そのため、少なくとも日本やアメリカでは募金の事前チェックは認められていないようです。 他の国ではわかりませんが、ほぼ同様に認められないでしょう。

 このように、募金活動が規制されない実情を逆手にとり、おおっぴらなニセ募金活動が大阪で行われたことがありました。

 彼らは日本で初めて詐欺罪で検挙されたニセ募金団体となっています。

 主犯格である被告人は、まず「喫茶店でのケーキ作りの手伝い募集」「玩具店でのクリスマス用おもちゃの在庫管理」「パン屋でのパン作りの手伝い」といったアルバイト募集広告も出し、100人ぐらいの若者を集め、彼らを街頭に立たせて「難病で苦しむ子供たちのために、募金をお願いします」と言わせたとされます。
 しかし、「募集内容と違う仕事をさせられた」という当たり前の苦情が求人誌の出版社に寄せられ、本件が発覚しました。 

 

>>> ニセ街頭募金 詐欺罪成立 個別被害の特定不要/最高裁
 難病の子供を支援する街頭募金を装い現金をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われたチラシ配布員横井清一被告(39)の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は被告の上告を棄却する決定をした。決定は17日付。懲役5年、罰金200万円の実刑とした1、2審判決が確定する。
 同小法廷は決定で、街頭募金詐欺のように、多数の人から幅広く金をだまし取る事件では、個別の被害者と被害金額を特定しなくても、被害総額などを示せれば、全体として詐欺罪が認定できるとの初判断を示した。
 詐欺罪は被害者を欺いて財物を交付させる犯罪のため、本来、被害者とその被害金額などを特定する必要がある。しかし、今回の事件は通行人から募金を受けてだまし取る手口のため、被害者を特定するのは難しく、検察側は「2004年10~12月に大阪市や京都市などで不特定多数から総額約2500万円をだまし取った」と主張。弁護側は「被害者ごとの被害金額を特定する必要がある」と反論していた。(2010.3.20 読売新聞)
 
< 最高裁判決全文 >

 
 ちなみに、一審の担当が、「大阪の名物判事」と名高い杉田宗久裁判長。「難病支援という美名の下に私腹を肥やそうとするなど言語道断。社会的影響は非常に大きい」(時事通信) と厳しく断じたそうです。

 
 

■ 2.義援金の一部を「中抜き」するパターン

 義援金詐欺は、もってのほかですが、義援金を受け付ける企業や団体が、その一部を手数料や人件費などの名目で「中抜き」している実態もあると聞きます。
 
 さきほどご紹介した、アメリカの「テレマーケティング社事件」では、集めた寄付金のうち、なんと85%を手数料として受け取り、慈善団体の手元には、残り15%しか渡らなかったといいます。

 これはあまりにもひどい高率の手数料ですし、しかも最初から仕組んで、募金に応じた人々に事実を隠していたことから、詐欺罪の成立が認められました。
 
 もちろん、義援金を被災地の人々に手渡すプロセスで現実にかかる、ある程度の実費はやむを得ない。しかし、預かった義援金から実費以上のお金を着服することになれば、業務上横領罪にだってなりかねないと思うのです。

 義援金を渡した被災者に領収書を発行してもらうわけにもいかないし、「中抜き」の実態はブラックボックスですよね。そのあたり、法規制は無いんでしょうか。

 振り込んだお金が100%義援金として被災者に渡されるとは思わないほうがいいようです。これこそ悲しいほどの自己責任。

 ニュージーランド地震で日本政府が現地へ義援金を送った際には、日本赤十字社に委託したようです。 ほかにも赤い羽根の中央共同募金などもありますね。

 ただ、これらの組織によって、義援金が一部中抜きされてないのかどうか、こればっかりは何ともいえません。

 信じたいのはやまやまですが、手元に客観的データや証拠がまるでありませんもん。
 
 なので、皆さんが各自で、心から信用できる企業や組織に託すしかないようです。
 
 

 
 ……こんなもん、もはや法律論でも何でもないな。

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2010年7月10日 (土)

友人が詐欺被害に!

 タイトル通りですが、つい先日、私のある友人が詐欺の被害に遭ってしまいました。

 ミクシィで知らない人から声を掛けられて、マイミク登録したそうなのですが、そいつから「私は、ある有名芸能人のマネージャー『山田智子』と申します。 現在、その担当芸能人が精神的に参っている。 ついては芸能人の相談相手になってほしい」と頼まれたそう。

 そのうえで「他人にばれるとスキャンダルになるので、誰にも言わないでほしい」「協力してくれたら謝礼を支払う」とクギを刺され、怪しげな有料SNSに誘導され、登録させられてしまいます。

 そうして、芸能人を名乗る謎の人物とのメッセージのやりとりを頻繁に行っているうちに、数日で通信費がものすごいことになってしまった(数万円単位)とのこと。

 「だまされてるんじゃないか。 そもそも『お金を払えば、お金がもらえる』って話だし、おかしいと思わんのか?」と私が問いただして、その友人は初めて「山田智子 詐欺」のキーワードでネット検索をかけました。

 すると、同じような詐欺被害に大勢の人が遭っていることを知り、警察と消費生活センターに被害を届けるに至ったのです。

 以下のようなサイトにも、同種の被害状況が報告されています。

 ・ http://www.deai-fraud.com/datebase/12559/
 ・ http://ex.xlopp.net/comment.php?id=40950
 ・ http://aku.ooxyz.net/pc/detail/1033/

 近ごろ広まっているみたいですね。

 

 こうした報告だけ読んだら、子供だましみたいなレベルの低い詐欺で、疑り深い私から見れば「どうしてだまされるんかね?」「ツッコミどころ満載じゃないか」と思えてしまいます。

 (※ たとえ他人にだまされない自信があると豪語する理屈バカでも、数万円入りの財布を落として、失くしたりするようなドジな性格なら、結局は同じことなんですが……。 い、イッツミー!)

 ただし、ネットに載っている情報は、あくまで最大公約数的なものであり、だましの全貌、特に個別事情が十分に反映されているとは限りません。

 友人の名誉のために、もう少し補足しておきます。

 詐欺グループの連中は、どうやら事前に、友人のミクシィ日記を読み込んでいた様子で、芸能人と名乗る人物が、友人と似たような辛い境遇に置かれているキャラ設定にし、そうした要素も、だましメッセージの中に盛り込んでいるのです。

 人間の柔らかい、デリケートな部分を執拗に突いてくる点では、非常に悪質といえるでしょう。

 友人は私に「誰か弁護士を紹介してほしい」と言ってましたが、犯人グループがまだ捕まっていませんし……。

 裁判の相手方が不明な以上、現時点では民事裁判で被害を回復できるわけでもなく、捜査の進展を待つしかありません。

 

 特に、ミクシィやグリーなど、SNSを利用している皆さんは、くれぐれもお気をつけください。

 知らない人物、知り合ったばかりの人間からの頼み事には、迂闊に応じないことです。

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2010年3月 1日 (月)

お金の半分は、優しさでできている

>>> さい銭1万円盗んだ小学生? 10年後、3万円入り手紙で謝罪

 「約10年前にさい銭箱から1万円盗んで申し訳ありません」-。宇都宮市下岡本町の山神社のさい銭箱から、過去の盗みを謝罪する手紙と3万円入り封筒が見つかった。
(中略)

 「山神社御中」で書き始められた便せんには、「社会人になってからお金を稼ぐ大変さを実感した時に、おさい銭を盗んだことを思い出しました」と経緯を説明。「神様のお金を盗むことは言語道断であります」とつづられている。

 さらに「1万円を入れた方はどんな願いをこめて入れたのだろうと思うのです」と参拝者の気持ちを推し量った上で、「盗んだ1万円を含む、10年間の歳月が流れてしまったことをふまえて、合計3万円を納めさせていただきます」と書かれている。

 山神社は自治会が管理している。神社責任役員の須永さんは「今の若い人はいろいろ言われるけど、真っすぐな心を忘れないでよかった」。岡本さんも「誤字脱字がない文章。読んで涙が出た」と話した。 (下野新聞 2010年3月1日 05:00)


 
 

 小さいころに親から「100円稼ぐのが、どれだけ大変か」と、口を酸っぱくして言われたものですが、たしかに子どものころには「大変さ」を実感しにくいものです。

 特にウチは、「手伝いをしたからお駄賃」というシステムが無かったので(家の手伝いをするのは、対価を得てやるものでなく、当たり前だとされていた)、なおさらかも。

 

 ただ単に1万円を返すだけでなく、「賽銭として1万円を投げる人の覚悟」にまで思いを馳せているところ、そして3倍返しをしているところにも、彼(彼女)の真摯さが感じられます。

 1万円を盗んでしまったことを久々にハッと思い出したとき、彼(彼女)の背筋を冷たい電撃が走ったことでしょう。

 

 

 たとえば、スリや万引きは、他人の目を盗んでモノを盗む、犯行そのもののスリルが快感だとされていますので、お金に余裕があってもやってしまう人は少なくありません。

 それに比べて賽銭泥棒っては、野ざらしで現金が入っている箱を狙うわけですから、犯行そのものの難易度は低いでしょうね。

 最大のハードルは、浄財をくすねる「天罰」「良心の呵責」というわけで。

 真に切羽詰まった状況か、良心が痛まない鈍感な者によって敢行されるのかなと。

 今回の若者(たぶん)は、幼すぎて「手に届くところに1万円札が転がっている」という物理的な面しか見えなかったのでしょうが、幸い、成長して「1万円札の奥に込められた、人々の願いや営み」を感じ取ることができたようです。

 

 裁判傍聴をしていると、たびたび賽銭泥棒が窃盗などの罪に問われ、裁きを受けている場面に出くわします。

 その大半は、(刑務所を出たばかりで、身寄りがなくて、仕事を辞めさせられ)『お金が無かった』という動機で犯行に及んでいます。

 たしかに、賽銭泥棒にも同情すべき余地のみられる事例はあるのでしょうが……

 

 お金というものは、単なる経済的な交換価値だけでなく、「ありがとう」という人々の気持ちが乗っかっている。

 そのことに、どれだけ早めに気づけるか。

 誰かから「ありがとう」と言ってもらえるほどの、優しくも激しい努力をしなければ、お金は手に入らないのだと。

 当たり前だけど、意外と忘れがちな事実。

 それに気づかない間は、『お金が無いなら、形だけ繕えればいい』として、他人のお金を盗んだり、デイトレードみたいな数字の操作でお茶を濁そうとする発想が生じてしまうのも仕方ないかもしれません。

 勤め人なら「雇い主の目を盗んで、どれだけうまく仕事をサボるか」も、重要なスキルになるでしょうね。

 効率よく雇い主に「ありがとう」と言えるだけの努力をし、濃密な時間の使い方をしていれば、余った時間を明日の英気を養う休憩に使ったとしても、神様のバチは当たらないでしょう。

 そう考えれば、仕事をサボるのは高等テクニックだとわかります。

 最後は全然違う話になっちゃいましたけど。

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2009年7月 2日 (木)

腹が減っては、強盗できぬ?

>>> 牛丼特盛り食べて「金を出せ」 吉野家“強盗”男を逮捕

 神奈川県警厚木署は1日、強盗容疑で、住所不定の無職、青木朝容疑者(31)を逮捕した。

 同署の調べによると、青木容疑者は6月30日午前3時25分ごろ、厚木市妻田東の牛丼チェーン「吉野家」に押し入り、牛丼特盛とみそ汁(計680円)を食べた後、店員の男性(21)に包丁を突きつけ「金を出せ」と脅迫。レジにあった現金約9万円を奪って逃走した疑いが持たれている。

 同署によると、青木容疑者は静岡から歩いて東京に仕事を探しに行く途中だった。青木容疑者は「お金もなくなってお腹が減って強盗に入った」と供述しているという。盗んだ金はパチンコで使い果たし、1日に警視庁新宿署の交番に出頭した。(産経Web 2009.7.1)



 午前3時半というド深夜なのに、レジに9万円も入れている時点で、けっこう不用心ですけれども、もちろん、無計画にお金を盗っちゃうほうが何十倍も悪いわけですよね。

 最初から「腹ごしらえをした後に強盗」と計画していたのかもしれません。

 が、店には入ってみたものの、犯行に躊躇して(ほかに客がいたりして?)、いったん牛丼を頼んでしまったのかもしれませんね。

 

 ちなみに、本件は2件の強盗罪が組み合わさっています。

 店から9万円を強奪した点は、通常の強盗罪(1項強盗)になりますが、注文した特盛り牛丼と味噌汁の代金を踏み倒した点は、利益強盗罪(2項強盗)になります。

 もっとも、1項強盗の被害額のほうがずっと大きいので、2項強盗をやったことが即、量刑の重さに影響することは考えにくいでしょうが。

 

◆ 刑法 第236条(強盗)
1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


 

 で、9万円を増やすために、パチンコ遊びをするも、負けてパーになったので、交番で「私がやりました」と。

 ムシのいい話です。勝ってたら逃げてたんでしょうけど、交番に出張するタイミングが何日か延びていただけかもしれません。

 先日、タクシー強盗の裁判を傍聴しました。

 その被告人は、パチンコ遊びに依存しすぎて、仕事が手につかなくなって解雇され、妻からは離婚を言いわたされ、仕事を見つけるために170万円持って実家を出たそうです。

 サウナなどを渡り歩いて過ごすも、自分が身を崩す原因となったパチンコをやりつづけて、2カ月で手持ち金が底をつき、その日から路上生活をするのが怖くなって、100円ショップで包丁を買い込み、タクシー運転手を襲ったという、極めて短絡的な事件でした。

 パチンコって、そんなに魅力的なモノなんでしょうかねぇ。

 私はギャンブルは一切やりませんが(ある意味で、今の仕事はギャンブルに近いので)、競馬や競輪などは、選手や競走馬に物語性が含まれていそうですし、ハマる人の気持ちは少し理解できるような気がします。

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2009年6月 7日 (日)

セクキャバも顔負けのスナック

>>> 胸の谷間に焼酎グラス…歌舞伎町の昏睡強盗でロシア人ホステスら逮捕

 東京都新宿区歌舞伎町の複数の深夜飲食店をはしごさせて酔わせ、カードを奪った昏睡(こんすい)強盗事件で、警視庁組織犯罪対策2課などは昏睡強盗と窃盗の疑いで新宿区歌舞伎町、韓国籍の飲食店経営、崔(チエ)錫萬(ソマン)被告(61)=昏睡強盗などの罪で起訴=ら6人を再逮捕。同容疑で墨田区向島、タスコバ・オルガ・アナトリブナ容疑者(44)らロシア人ホステス2人を逮捕した。

 (中略)

 同課によると、タスコバ容疑者らは、崔容疑者が経営する歌舞伎町の別のスナックのホステスで、入店した男性に酒を飲ませた後、「もう1軒飲もう」などと店外でのデートを持ちかけ、エンジェルスに誘った。タスコバ容疑者は別のホステスらとともに、胸の谷間に焼酎グラスを挟んで、男性に飲酒を勧めていたという。 (2009.6.5 12:09 MSN産経)


 

 度を超したサービスやな~。 ホントにスナックかぁ?

 キャバクラ通り越して、セクキャバのレベルに達しとるかなと思うんですが。

 まぁ、タスコバさんは容疑を否認しているようなので、このようなサービス(犯行)を行ったと、あまり断言的に書いてもいけません。

 ちなみに、昏睡強盗は、強盗と同じく、懲役5~20年が法定刑です。

 

 そういえば、前回のTBS深夜番組「ざっくりマンデー」で、キャバクラとスナックの違いというものを説明していました。

 今までじっくり考えたこともなかったですが、

 キャバクラは、女性が客の横に座って話し、スナックは、女性が客とカウンター越しに話すもの、なんですってよ。奥さま。

 なるほどね。

 ただ、風俗営業法の上では、キャバクラとスナックは、同じ「2号営業」というものに分類されます。

 

◆ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条(用語の意義)
1 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。

  二  待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)


 
 

 キャバクラやスナックは、客に対する「接待」が共通点で、この「接待」が、バーや喫茶店など一般飲食店との決定的な違いとなるのです。

 この「接待」とは、どういう意味か?  2条の3号で定義されています。


 
 

◆ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条(用語の意義)
3  この法律において「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。


 

 歓楽的雰囲気を醸し出す? ……想像が難しいですが、客に水割りを作ったり、タバコに火をつけたりすることはもちろん、楽しい雰囲気で会話を交わすことすら「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とされ、この「接待」に含まれる決まりになっています。

 なので、今流行の、ステキな女の子がカクテルを作ってくれる「ガールズバー」なんかは、風俗営業かどうかギリギリの線なのです。実際、摘発されているガールズバーもあるみたいですしね。女の子が、ついつい客と楽しげに会話しちゃったのかもしれません。

 うーむ、けしからん!!

 あぁ~、現地取材してえ……! (←ひとりごと)

 そういえば、やはり風俗営業まがいのことをやっていたとして、指導を受けたメイド喫茶もありましたよね。博多だったかな。

 

 そして、先ほどの2号営業の条文でいう「カフエー」、

 おしゃれに珈琲が飲める“カフェ”というより、これは昔、女の子目当てに男が通うような場だったようです。今でいう高級クラブでしょうか。

 戦前の判例ですが、客の男が女の子に向かって、「独立資金を出すよ」と、具体的な金額(400円?)を出して気を惹こうとしたのですが、女の子のほうが真に受けて、その大金を男性に請求するため、裁判所に民事訴訟を起こした事件がありました。

 判決は「そんなもん、冗談だって察しろよ。空気ヨメヨ」と、女の子の請求を退けるものでした。

 その名も、「カフェー丸玉事件」。 民法を勉強していると出てくる有名な判例です。

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2009年5月18日 (月)

郵便切手の消印を消す方法

>>> 使用済み切手を「未使用」とうそ 詐欺未遂容疑で男逮捕 大阪

 消印を消すなどした使用済みの郵便切手を郵便局に持ち込み、未使用切手と交換しようとしたとして福島署は15日、詐欺未遂容疑で豊中市柴原町のリサイクルショップ社員、橋元正太容疑者(29)を逮捕した。

 逮捕容疑は15日、大阪市福島区の大阪海老江郵便局で、消しゴムなどで消印を消した使用済み切手五百数十枚(約5万円分)を、未使用切手に交換するよう求めたとしている。一部の切手を不審に思った局員の通報を受け、同署員が事情を聴いたところ、容疑を認めたという。

 同署によると、橋元容疑者は、今月7日にも同郵便局で未使用を装った使用済み切手398枚(約3万円分)を交換していたという。 (2009.5.16 産経Web)

 

 いくらリサイクルショップ店員でも、そういう切手のリサイクルはマズかったですね。

 トータル1000枚近くの切手の消印を、1枚ずつ消しゴムで地道に消していったんですかね~?

 裏側には糊も付けなきゃ、局員はだませないと思います。

 その「労働」と引き替えに何万円か得られるのは、作業効率がいいのか悪いのか?

 ただ、まさか、切手の消印が消しゴムで消せるなんて…… 私は中学生まで切手収集マニアでしたが、今まで考えたことすらなかった。

 そんなことを試そうと思った被疑者って、意外と柔軟な発想力の持ち主かも。

 でも、よいこはマネしちゃダメheart01

 だいたい、消しゴムで消せるようなインクを、平気で消印として使っている郵便局にも、責任の一端はあるような気がします。

 ちなみに、キレイな記念切手(特に戦前)だと、買っても誰も使いたがらないので、使用済みのほうが価値が高いような種類も、ごく稀にありますよ。

 

 この男は詐欺容疑で逮捕されているみたいですが、使う目的で、使用済み郵便切手の消印を取り除くのは、郵便法違反の罪にも該当します。

 というより、本件には郵便法を適用したほうが、むしろ端的でしょう。

 まぁ、詐欺罪でも郵便法違反でも、どっちみち、法定刑は同じなんですけど。 いずれも未遂犯が罰せられます。 だから、どっちでもイイっちゃイイわけです。

 

  
◆ 刑法 第246条(詐欺)
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

◆ 郵便法 第85条(切手類を偽造する等の罪)
1 行使の目的をもつて会社又は外国の郵便切手その他郵便に関する料金を表す証票又は郵便料金計器(郵便に関する料金の支払のために使用する計器であつて、郵便物又は郵便物にはり付けることができる物に郵便に関する料金を表す印影を生じさせるものをいう。以下この項において同じ。)の印影その他郵便に関する料金を表す印影を偽造し、若しくは変造し、又はその使用の跡を除去した者は、これを10年以下の懲役に処する。偽造し、変造し、若しくは使用の跡を除去した郵便切手その他郵便に関する料金を表す証票若しくは郵便料金計器の印影その他郵便に関する料金を表す印影を行使し、又は行使の目的をもつて他人し、他人に交付し、若しくはその交付を受けた者も、同様とする。

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2009年2月25日 (水)

「ありがとう」は、ステキな言葉

 

>>> コンビニ強盗が「ありがとう」…大阪、5万5000円奪い徒歩で逃走

 「ありがとう」強盗が大阪に現れた。23日午前1時30分ごろ、大阪市西成区のコンビニ「ファミリーマート山王店」で男が、男性アルバイト2人にハサミを突きつけ「金を出せ」と脅迫。現金約5万5000円を奪うと「ありがとう」と言い残して徒歩で逃げ去った。 (2009年2月24日 スポーツ報知)


 

 大阪だからといって、お礼は「おおきに!」じゃないのか。

 まあ、ファミリーマートで、「サンクス!」と言うのも変だし。


 でも、素晴らしいですね。

 「ありがとう」と言えちゃうコンビニ強盗。

 このすさんだご時世に、「ありがとう」と素直にお礼を言えるだけで、情状酌量で刑期を1~2カ月ぐらい差し引いてもいいぐらいです。

 

 コンビニ店員ですら「ありがとうございました」の一言が言えないヤツがいますからね。

 少しは強盗を見習えよ。

 

 嗚呼、「ありがとう強盗」よ!

 夢と感動をありがとう!

 でも、金は返してやれ。

 

 記事によると、お札だけでなく小銭まで、レジの釣り銭を1円残らず持ち去ったんだそうです。

 なんだか律儀!

 

 この人に向いている真っ当な職業が、なにか必ずあるはずです。

 「ありがとう」 → 接客業

 「細かい性格」 → 事務・経理

 したがって、銀行員をオススメ…… できないか。

 そうなると、次は「ありがとう銀行強盗」が誕生しそうですからね。

 

◆ 刑法 第236条(強盗)
 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

 

◆ 銃砲刀剣類所持等取締法 第31条の18(罰則)
 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
  三  第22条の規定に違反した者

 

◆ 銃砲刀剣類所持等取締法 第22条(刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)
 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

 

◆ 銃砲刀剣類所持等取締法施行令 第9条(刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物で携帯が禁止されないもの)
 法第22条ただし書の政令で定める種類又は形状の刃物は、次の各号に掲げるものとする。
  一  刃体の先端部が著しく鋭く、かつ、刃が鋭利なはさみ以外のはさみ

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2009年2月 2日 (月)

強引! キーロガー空き巣

 ついつい飲み会で盛り上がりすぎ、終電を逃して、仕方なくネットカフェやマンガ喫茶で寝泊まり……という経験をしたことがある方もいらっしゃるでしょう。

 そんな皆さんのなかで、ネットカフェ等のパソコンでメールチェックしたり、ネットオークションで商品を落札したり、ネットバンクでお金を振り込んだりした経験のある方はいませんか? 

 そりゃあ、か~な~り~キケンですよ!

 これらの遠隔サービスは、自分のIDやパスワードを入力して利用しますよね。ただし、ネットカフェなどに置かれている不特定多数の顧客が共有するパソコンには、誰が「キーロガー」を仕込んでいるかわかりません。

 キーロガーとは、キーボードから入力された文字をすべて記録するシステムのこと。 わが子が妙なことをネット掲示板に書き込んでいないか監視するような、教育ママ向けのマシーンとしても使われることがあるそうです。

 それを悪用して、IDやパスワードらしきアルファベットの羅列を抽出し、不正アクセスに利用する輩が、ここにきて増えているんですよ。

 

 (※ なお、どうしてもネットカフェのパソコンでIDやパスワードを入力せざるをえない場合は、こんなサイトを利用すれば、キーボードに触らず文字を入力できます。 ただ、完全な安全性は保障できません。 マウス操作すら把握するキーロガーが存在しないとも限りませんので)


 

 キーロガーは、ソフトウェア型とハードウェア型があるそう。 ソフトウェア型は目に見えない形でパソコン内に仕込まれ、ネット回線を通じて密かにパスワード等を盗み取るわけです。

 ただし、ウイルス検出やファイヤーウォールのソフトも、そのパソコンに入っていれば、パスワード情報の流出を「不審な通信」として見つけてくれることがあります。

 最近は、ネット回線を経由してパスワードを盗み取るのも、ネットサービス業者や同接続業者の努力によって相当難しくなっている模様。

 そこで、よからぬことを企む輩はどうするかというと、なんと、ターゲットの家に侵入して、直接パソコンにキーロガーを入れ、ウイルス検出ソフトを外してしまうのです。

 そうして何日か経過し、持ち主がある程度パソを使用したのを見計らい、また侵入してキーロガーに記録されたデータを回収するとのこと。

 こういう身もフタもないムリヤリな感じは、先日にお送りした「振り込め空き巣」に似ていますかね。

 クールでデジタルな犯行も、行き着くところまで行けば、強引な身体行動を伴うアナログな攻撃になっちゃうのでしょうか。 そうした間違ったアクティブさは、カンベンしていただきたいものです。

 

 キーロガーのハードウェア型は、パソコンに物理的な形でつなげてしまう装置です。

 ウイルス検出ソフトでは見つかりませんが、人間の目で見つかってしまう可能性がありますから、こうしたキーロガー空き巣の手口で使うと、持ち主にすぐ気づかれてしまうでしょうね。

 ただ、なんでもないパソコン部品や周辺機器のように見せかけるものも出回っています。たとえば、単なるUSBコードにしか見えない中に、キーロガーの精細な機械が仕込まれたりしていたらマズいですよね。コードが1本増えただけでは、いくら自分のパソコンでも、さすがに気づけませんもん。

 まるで色とりどりのスパゲッティのごとく、パソ裏におびただしい本数のコードを散らばらせているような方々(私も含む)は、不審な部品と区別が付くよう、まとめて束ねて整理したほうが賢明かもしれませんね。

 

 キーロガー空き巣は、他人の物品を盗まないので、窃盗罪に該当しません。また、ID・パスワードのような情報を盗むだけでは、罪には問われません。

 ただし、他人のID・パスワードを別の第三者に教えるような行為は不正アクセス禁止法違反(不正アクセス助長罪)ですし、他人のパスワードを使ってサイトにログインする行為も同法違反(不正アクセス罪)になります。

 さらに、他人のネット銀行口座から自分の口座への振り込みを指令すれば、電子計算機使用詐欺罪になると考えられます。

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2009年1月29日 (木)

斬新!? 「振り込め空き巣」という珍手口

 出版取次のトーハンが運営するオンライン書店「e-hon」 28日付の総合売り上げランキングにおきまして……

 「裁判官の人情お言葉集」が3位、「裁判官の爆笑お言葉集」が17位に入っております(ともに幻冬舎新書)。

 ありがたい! どうもありがとうございます!

 裁判員制度のシステムを解説する本は、近年たくさん出版されています。 一方で、このお言葉集シリーズを読んでいただいたからといって、同制度の全貌がわかるようになるわけではありません。

 しかし、法律や裁判のことが何もわからない方でも、「人が人を裁く」という営みについて、いま一度深く考える機会にしていただける本になっていると自負しています。

 裁判官の法廷における具体的な発言例を、コミカルかつシリアスに採り上げているからです。

 題材が題材だけに、「コミカル」のサジ加減には苦心しましたが…。

 読者層の男女比が、ほぼ同じか、むしろ女性のほうが多いといわれているのも、このシリーズの特徴です。

 第2弾の「人情お言葉集」は、第1弾の「爆笑お言葉集」の弱かった要素を補強してお送りしています。

 書店の棚の前で「こんな本は立ち読みで十分」と判断なさった皆さんも、一度は「人情」にも触れてみてくださいね。

 

 さて、以下、だいぶ古いネタですので、ご存知の方も少なくないでしょうが、空気を読まずに引用してみます。



>>> 「振り込め」新手口 誘い出しそのすきに空き巣 埼玉

  埼玉県警は16日、振り込め詐欺の手口で高齢者に電話で現金を用意させて呼び出し、そのすきに空き巣に入る、新手の窃盗事件が県内で14日に2件相次いだ、と発表した。県警で警戒を呼びかけている。

 県警捜査3課によると、14日午前10時半~午後7時、蕨市の無職男性(80)と川口市の無職男性(81)にそれぞれ、「携帯電話番号が変わった」と、息子を名乗る男からの電話が数回入った。「息子」は「金が必要だ」などと現金200万円を用意するよう要求、その上で駅などで待ち合わせの約束をして、2人を外出させたという。

 待ち合わせ場所に「息子」が現れないため2人が帰宅したところ、蕨市の男性方からは現金255万円や貴金属が入った金庫2個、川口市の男性方からは商品券や指輪など約6万8千円相当が盗まれていた。いずれも窓ガラスが工具で割られ、室内が荒らされていたという。 (2009年1月17日 asahi.com)


 

 振り込め詐欺の手口の一部が、まだ「オレオレ詐欺」と呼ばれていた時代(仮に「振り込め第1世代」とします)、詐欺グループの連中は、どうやってターゲットを絞っていたかといえば、「タウンページから、お年寄りっぽい氏名を探し、そこに片っ端から電話をかける」という、じつに粗雑で素朴なマネでした。

 しかし、犯行グループにとっては、何の事前準備も行動も必要なく、密室で実行でき、それで完結しうる「メリット」があったといえます。

 電話口で「オレオレ」と言ってみても、面識なき相手には、孫娘しか、いや、孫すらいないかもしれません。都合が悪くなったら、黙って一方的に電話を切ればいいのです。対人コミュニケーションが苦手なオレオレ詐欺師にとっては、この「気軽さ」もメリットになりえました。

 第1世代の手口がマスメディア等を通じて世間に浸透していくにつれ、やがて、「交通事故にあったから示談金相当額を振り込んで」という言い訳で、同じ電話に警官役や弁護士役まで登場させる「劇場型」オレオレ詐欺(第2世代)が出現します。

 この段階になると、相手が息子や孫だと思い込んでいる本人にも、事前に無言電話を何度もかけ、携帯の電源を切らせておく詐欺グループが散見されました。

 これは、相手がお金を振り込むにあたって、いま一度本人へ確認の電話をかけた場合、本人にその電話をとらせないようにするためです。

 こうした詐欺グループは、第1代のようにアトランダムに電話をかけるのではなく、携帯ナンバーなど、「オレオレ」の隠れ蓑にする本人の個人情報をも、ある程度掌握していたのです。

 そして、ATMの警備などがますます強化された昨年の後半あたりからは、振り込みを避け、郵便局の「エクスパック500」など、荷物追跡サービスのある配達手段で現金を送らせる「振り込ませない詐欺」が一部に現れました。

 (※もちろん、「エクスパックで現金は送れない。現金書留でしかダメ」というのが、日本郵便の公式見解です)

 

 では、今回の犯行は何なのでしょう。 「振り込め第4世代」なのでしょうか?

 おそらく、まったく違います。

 「お宅のお爺さん、交通事故に遭ったんですってね」などとウソを言い、家人を外出させ、そのすきに空き巣を働くような手口は、わりと古典的に伝わっています。

 そういった、外出させるための用事をこじつける口実が「ATMでの現金振り込み」に代わっただけのことでしょう。もちろん、その口実が「振り込み」でなければならぬ必要性など皆無です。

 多額の現金をおろすために、通帳や印鑑などの貴重品も持って出歩くでしょうから、むしろ空き巣をやるには不利な条件ではないかと、余計な心配をしてしまいます。

 振り込め詐欺を警戒した川口市の被害者夫婦は、「現金の手渡しならいい」と応じたのですが、犯行グループは「危ないから待ち合わせ場所には持ってこないで」と仕向けた模様です。

 このやりとりからして、かなり怪しげ。 犯行グループが用意していた想定問答の範囲外の答えが返ってきて、焦ったのかもしれませんね。

 しかし被害者の側も、「息子」と名乗る男が真実の息子である、わずかな可能性を考え、気の毒にも出かけざるを得なかったのでしょう。

 それにしても、振り込め詐欺と違って、この「振り込み空き巣」は密室だけで完結しません。 ターゲットの自宅住所や資産状況などの個人情報を調べ、付近まで赴いて、被害者が外出するまで待ち伏せまでしなければなりません。

 これは非常に面倒ですし、被害者と鉢合わせするリスク、怪しまれて通報される危険すら負っています。

 彼らはいったい何がしたかったんでしょう。

 空き巣グループが、“流行り”の振り込め詐欺に憧れたんでしょうか?

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2008年2月 1日 (金)

オーストラリアの大地が育んだ、トホホな強盗 (裁判官のお言葉つき)

 えー、恥ずかしながら、わたくしは先日、朝日新聞の記者の方から、最高裁の本に関連してインタビュー取材を受けまして、その記事を、あさって2月3日(日曜日)の読書面『著者に会いたい』のコーナーに載せていただく運びとなりました。

 なんと、担当してくださった記者の方は熊本出身で、出身高校が同じ。 20年先輩でした。

 ゆるゆるフリーライターの分際で、かっちりスーツ姿で肖像写真を撮っていただきましたので、ナガミネの魅せるそういうパターンを見たいぞ、というマニアの方は、ぜひご覧ください。

 自慢じゃありませんが、スーツは、それ1着しか持ってないんですよ。

 

>>> 強盗が盗んだ「現金袋」、中身はパンの山 豪州

 オーストラリア南部メルボルン市内の飲食店に昨年4月1日、銃を持った2人組の強盗が押し入り、店にあった袋を奪って逃走した。

 ベンジャミン・ジョルゲンセン被告(38)とドンナ・ヘイズ被告(36)は、袋の中身が3万オーストラリアドル(約270万円)の現金だと思い込んでいた。しかし犯行後に袋を開けてみたところ、中には大量のロールパンが詰まっていた。

 事件の公判は22日にビクトリアン郡裁判所で開かれ、被告2人は罪状を認めた。ジョルゲンセン被告が犯行の最中、誤ってヘイズ被告のでん部を銃撃したことも明るみになった。(メルボルン発AP 2008/01/22)


 

 す、すごすぎる……! 超一流のオッチョコチョイが、ここにいました。 さすがに世界は広いぜ。

 さらに、オーストラリアのAAP通信が伝えたところによると、彼らは犯行後、逃走用に準備していた車とは別の車両に乗り込んだといいます。 慌てすぎですよ。

 いやぁ、そんじょそこらのドジ野郎とはワケが違いますね。 まさしく、プロ仕様のドジ。

 犯行において首尾一貫して、自らの性格を存分に発露させるという、ドジ界におけるプロフェッショナルの流儀を見せつけられ、私たちは寒気がします。

 彼らが問われた罪は、オーストラリア刑法の「武装強盗罪」。

 そして、特にジョルゲンゼン被告については、相棒・ヘイズ被告のお尻に全治1カ月の重傷を負わせたことに関して「過失傷害罪」でも起訴されている模様です。

 ……もう、あんまり笑わせないでくれますかね。

 

 ジョルゲンセン被告には実刑8年、ヘイズ被告には実刑7年が言い渡された。判事は事件がエイプリルフールに発生したことにちなみ、被告2人を「フール(愚か者)と呼んではばらからなかった。 (同上)

 

 惜しいなぁ~。 この判事のお名前がわかってたら、次回のお言葉集に収録させていただきたいのに、いくら調べても出てきません。 無念。

 ところで、エイプリルフールって、バカを実行する日でしたっけ?

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