2006年7月 3日 (月)

注目の判決スケジュール 【7月第2・3週】

  ※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

  ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【7月4日(火)/広島地裁】
 ■刑事 殺人、強制わいせつ致死、死体遺棄など

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 <広島 小1女児殺害事件>
 2004年4月、偽のパスポートで日本に入国した被告人は、2005年11月、広島市安芸区の自宅アパートやその付近で、7歳の女児の首を絞めて殺害。遺体を段ボール箱に入れて近くの空き地に放置した疑い。

 (検察側 冒頭陳述)
 小学校の通学路沿いの自宅アパート前で、一人で下校中の女児に「オーラ!」(やあ!)とスペイン語で声を掛け、次は日本語で「あなたのお名前は?」と尋ね、持っていた携帯電話の画面を見せて女児の気を引き自室に連れ込んだ。部屋に入る前に殺害を決意。自室では女児の首を数分間絞めて殺害、衣服を脱がせるなど、わいせつな行為をした。

 なお、審理の中で、弁護側が犯行場所を「屋外」と強調してきたことから、検察側は公訴事実に書かれた犯行場所を「被告人のアパート自室」から「アパートおよびその付近」へと訴因変更している。
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 (被告人)ペルー国籍の男(34) ※無罪主張 「殺意なし、心神喪失or耗弱状態」
 (求刑)死刑 「人間性のかけらなく、矯正困難。最初からわいせつ目的あった」
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 (裁判長)岩倉広修
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  [備考] 公判前整理手続きを適用して、わずか1ヶ月弱で結審。
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【7月7日(金)/神戸地裁】
 ■刑事 業務上過失致死

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 <人工海浜の陥没死亡事故>
 兵庫県明石市の人工海浜・大蔵海岸で2001年12月、東京都中野区の金月美帆ちゃん=当時(5つ)=が陥没した砂浜に生き埋めとなり、5ヶ月後に死亡した事故。
 起訴状によると、大蔵海岸では2001年1月ごろから砂防板の破損で砂が海に流出し、砂浜一帯で陥没が発生。被告らは原因や発生範囲が確定するまでの間、砂浜の一部をバリケード封鎖しただけで、全面立ち入り禁止にするなどの安全対策を怠ったとしている。
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 (被告人)国土交通省 姫路河川国道事務所 元 第一課長(62) ※無罪主張
      国土交通省 姫路河川国道事務所 東播海岸出張所長(58) ※無罪主張
      明石市 元 土木部参事(61) ※無罪主張
      明石市 元 海岸・治水課長(54) ※無罪主張
 (求刑)全員に禁固1年「4被告とも責任は同列で、遺族から見れば泥仕合」
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 (裁判長)佐野哲生
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 [民事] 国と明石市が約8840万円を支払うことで和解成立(2005/08)
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http://www.city.akashi.hyogo.jp/seisaku/kouhou_ka/b_interview/040311.html
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【7月7日(金)/東京地裁】
 ●行政 国家賠償請求

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 <トンネル工事じん肺訴訟(東京第1次)>
 原告らは、国が発注したトンネル建設工事で作業した結果、じん肺になった。原告は、「国は発注者として、労働安全衛生法に基づいて安全に配慮する義務があった」と主張。
 厚生労働省によると、療養を必要とするじん肺患者は1979年から2001年までに約3万4千人。このうちトンネルと鉱山で働いた人たちが4分の1ずつを占めているという。
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 (原告)じん肺患者46名
  ↓
  ↓請求額:一人あたり約330万円
  ↓
 (被告)国
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 (裁判長)佐久間邦夫
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 [和解] 大手ゼネコンなど私企業側とは、すでに和解が成立。
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 [全国の同種判決予定] 熊本地裁(第1次):7月中旬
            仙台地裁(第1次):9月までに
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 [東京第2次提訴] 元作業員計60人が、新たに国とゼネコン74社に、総額約19億8000万円の損害賠償を求めて。(2006/06/08)
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【7月10日(月)/神戸地裁 姫路支部】
 ●民事 損害賠償等

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 <私立高校の寮内集団暴行事件>
 原告は、被告高校(岡山県津山市)に入学後まもない1991年5~7月、同校の男子寮で連日、先輩ら他の寮生から殴る、ける、腕をねじるなど集団暴行を受けた。このために、左ひじが曲がったまま動かせなくなる後遺症のほか、今も悪夢を見たり眠れないなどPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状に悩まされていると主張。

【原告側主張】
 事件について反省せず、利益優先型の経営を続けている。 寮の運営をスタッフに丸投げした結果、生徒への暴行が常習的に行われた。
【被告側反論】
 暴行の一部は認める。 しかし、恒常的ないじめはなかった。 原告への暴行を予見、回避することはできなかった。また、後遺症やPTSDと暴行との因果関係はない。
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 (原告)元 生徒の大学院生(30・兵庫県姫路市)
  ↓請求額:約5600万円
 (被告)学校法人 作陽学園
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 (裁判長)田中澄夫
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http://www.sakuyo-h.ed.jp/
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【7月14日(金)/最高裁 第2小法廷】
 ●行政 条例の無効確認、値上げ分の返還

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 <別荘を対象にした水道料金の急激な値上げ>
 旧 高根町(山梨県)は98年4月に簡易水道事業給水条例を改正し、月額基本料金を町の一般家庭は100円上げて1400円に、別荘所有者は2000円上げて5000円とした。この結果、年間の基本料金は、一般家庭が1万6800円に対し、別荘所有者は6万円と大幅な格差が生じた。
 原告は、「憲法14条(法の下の平等)などに違反する」として、町を相手取り給水条例の無効などを求める訴訟を起こした。
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 (原告)清里高原の別荘所有者111名(提訴当時142名)
  ↓
 (被告)旧 高根町(現 北杜市)
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 (裁判長)滝井繁男
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 [甲府地裁] 原告敗訴「料金格差は合理的範囲内で不当な差別には当たらない」
 [東京高裁] 原告勝訴「値上げ幅に20倍の格差があり、法の下の平等を定めた憲法などに違反する」
 [最高裁口頭弁論] 2006/06/17 … 原告勝訴の原審判決が見直される見とおし。
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2006年6月19日 (月)

注目の判決スケジュール 【6月第4週】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。

  また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

  ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

 
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【6月20日(火)/最高裁 第3小法廷】
 ■刑事 殺人罪など

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 <山口・光市 母子殺害事件 *上告審*
 1999年4月14日午後2時半ごろ、被告人が、母子が在宅していた被害者ら方を訪問した。姦淫の目的を遂げようとするも、母親(当時23)から激しい抵抗にあったことから、同女を殺害したうえで目的を遂げようと決意し、首を両手で強く絞め、窒息死させて殺害、乱暴した。
 その後、当時11ヶ月の長女が激しく泣き続けたため、泣きやまない長女の殺害をも決意し、居間で長女を床にたたきつけるなどしたうえ、首に紐を巻いて強く引っ張って締め付け、窒息死させた。
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 (被告人)元 会社員(26・事件当時19)
 (第一審求刑)死刑 
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 [第一審:山口地裁 2000/03/22] 無期懲役…… 犯行態様は極めて冷酷かつ残忍で、犯行後の情状も極めて悪い。しかし、計画性は無く、犯行当時は未成年で未熟、母親の自殺など、生育環境に同情の余地あり、なお、人間性の一端がうかがえる、と指摘した。
 [控訴審:広島高裁 2002/03/14] 無期懲役 一審判決を支持
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【6月21日(水)/大阪地裁】
 ●行政 国家賠償請求等

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 <薬害C型肝炎・関西訴訟>
 原告は、C型肝炎ウイルスで汚染された血液製剤フィブリノゲンなどを投与されて、同ウイルスに感染。
 国側は「1977年の米国でのフィブリノゲン承認取り消しは、製剤の有用性を否定したのではなく、別の製剤による治療が可能と判断したため」とし、「1987年以前は、肝炎発生報告は極めて少なかった」と反論。
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 (原告)近畿・中国・四国地方の被害患者29名
  ↓  (※うち13名につき、2006/02/20に結審)
  ↓請求総額:約7億5900万円(※結審分のみ)
 (被告)国、ミドリ十字(現:三菱ウェルファーマ)
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 (裁判長)中本敏嗣
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http://hcv.jp/
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【6月23日(金)/最高裁 第3小法廷】
 ●民事 損害賠償請求など

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 <小泉首相・靖国参拝訴訟 *上告審*
 就任以来、毎年行われている、小泉純一郎内閣総理大臣による靖国神社(東京都・九段下)参拝は、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定める憲法20条3項に違反するとして、原告が、その違憲確認と、今後の内閣総理大臣としての靖国神社参拝の差し止め、靖国神社の内閣総理大臣としての参拝受け入れ拒否を求めた訴訟。
 加えて「宗教的人格権」「宗教的自己決定権」「平和的生存権」の侵害によって精神的苦痛を受けたことを理由に、被告に損害賠償を求めている。
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 (原告)日本人戦没者遺族44名、韓国人戦没者遺族119名、遺族以外の人476名
  ↓請求額:原告1人あたり1万円
 (被告)国、小泉純一郎首相、宗教法人 靖国神社
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 (裁判長)今井 功
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 [原審・大阪高裁(大出晃之裁判長)2005/07/26] 原告の主張する権利は法律上の根拠がないとして損害賠償を認めず。憲法判断や参拝の職務行為性についても言及せず。
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 (備考) 現職内閣総理大臣の靖国神社参拝に関して、最高裁まで上告されたのは史上初めて。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%96%E5%9B%BD%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E5%8F%82%E6%8B%9D%E5%95%8F%E9%A1%8C
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2006年5月28日 (日)

注目の判決スケジュール 【6月第2週まで】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。
   また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

  ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【5月30日(火)/東京地裁】
 ■刑事 威力業務妨害

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 <都立高校教諭「君が代」斉唱拒否>
  2004年3月の都立高校卒業式で、生徒入場の前に、被告人が校長などの制止にかかわらず、いわゆる「日の丸 君が代問題」を特集した週刊誌記事のコピー200枚を保護者席に配布し、「この卒業式は異常」などと叫びながら式場から出ていったとされる。
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 (被告人)元 都立高校教諭(64)
       ※無罪・公訴棄却を主張 「言論弾圧目的だ」
 (求刑)懲役8月
     
 「卒業式の厳粛な雰囲気を乱した。計画的な犯行」
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 (裁判長)村瀬 均
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【6月2日(金)/横浜地裁】
 ■刑事 強盗殺人

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 <米兵ひったくり 強盗殺人事件>
  今年1月3日午前6時半ごろ、横須賀市 米が浜通で、被告人は通りがかった被害者女性(56)のバッグを奪おうとしたが、抵抗されたため、被害者をビルの通路に引きずり込んで暴力をふるい、内臓破裂で出血死させ、現金1万5000円を奪った疑い。
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 (被告人)米空母「キティホーク」1等航空兵(21)
        ※殺意なかったと主張
 (求刑)無期懲役
      
 「浪費を重ねた末の遊興費欲しさの身勝手な犯行。非力な被害者に一方的で執拗な攻撃を加え、人間性のかけらもない」
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 (裁判長)小倉正三
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 (備考)公訴事実を一部争っているが、審理2回で結審。
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【6月7日(水)/東京地裁】
 ●行政 国家賠償請求

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 <ドミニカ移民訴訟>
  日本政府は、今から45年前(1955[昭和31]年から1959[昭和35]年にかけて)、「カリブ海の楽園」での大農場経営と銘打ち、ドミニカ共和国(中央アメリカ)への移民を企画・立案・推進した。
  移住者には、豊かで広大な農地が無償譲渡されるという約束だったが、実際は耕作に適さない土地で、土地の所有権も認められなかった。原告らは劣悪な環境下で生活を強いられたと主張している。
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 (原告)中米のドミニカ共和国へ移住した日本人とその遺族177名
  ↓請求総額:約32億円
 (被告)国
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 (裁判長)金井康雄
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 http://www.dominica.jp/2suit_sosho.html
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【6月9日(金)/最高裁 第2小法廷】
 ■刑事 殺人

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 <女性2人 ドラム缶焼殺事件 *上告審*
  被告人らは2000年4月、金銭トラブルから喫茶店経営者らを名古屋市内で襲撃。
 経営者の妻=当時(64)=とその妹=同(59)=を拉致し、ドラム缶に入れて
 焼き殺した上、現金などを奪った。 
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 (被告人)中古車販売業の男(42)、同手伝いの男(36)
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 (裁判長)今井 功
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 [第一審・控訴審] ともに死刑
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【6月9日(金)/仙台地裁】
 ■刑事 身代金目的誘拐・要求

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 <新年初旬の新生児略取事件>
 被告人(夫)は、今年1月6日午前3時40分ごろ、「光ケ丘スペルマン病院」(仙台市宮城野区)3階病室から、母親(23)の横で寝ていた生後11日の男児を誘拐し、同院の院長に身代金6150万円を要求した。以上の犯行は、夫ひとりで計画したという。
 被告人(妻)は、自宅で男児の世話をしていた。男児は事件から約50時間ぶりに無事保護された。
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 (被告人・求刑)衣料品販売業の男(55) ←懲役10年
          その妻(35) ←懲役5年 ※無罪主張
        「身代金の受け渡し場所を何度も変更するなど、推理小説まがいの方法で捜査をかく乱した犯行は悪質」
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 (裁判長)卯木 誠
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 [分離公判] 犯行後から行動をともにしていた男(32・被告人である男の長女の元夫)の公判も、別で進行中
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 人の記憶って、思い込みによって簡単に変わるものです。 目撃者の証言だって、目撃した後に得た情報のインパクトによって、いくらでも捻じ曲がってしまう。

 これを専門用語で『誤誘導情報効果』なんていうらしいです。
  

 過去の事実関係を、今知るために、頼るべきは目撃証言しかないとします。 しかし、証言は決して、過去の再現ではないのです。

 本人は決してウソを付こうとしていないのに、後から知った情報と矛盾しないよう、無意識に体験していないことを言ったりします。 誘導尋問とまではいかなくとも、法廷での質問によって、証言内容が変わることもありえます。
 また、幼児や高齢者の証言というのは、どこまで「使える」のでしょうか。

 事実認定が真正面から争われる刑事裁判は、実際は珍しいほうの部類に入りますが、そこでは、いかなる「真実」が裁判官に認定されるかで、犯罪の名前が変わったり、ときにはシロかクロかまで塗り変わってしまいます。

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2006年5月13日 (土)

注目の判決スケジュール 【5月第3週】

 ※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

 ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)
 

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【5月15日(月)/大津地裁】
 ●民事 慰謝料請求

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 <いじめリンチ「殺人」>
 2001年3月31日(※厳罰化で話題となった改正少年法の施行前日)、中学3年時に交通事故に遭い、下半身不随となった少年を、「障害者のくせに生意気だ」と叫び、笑い声をあげながら、バックドロップでコンクリートの地面に頭部を3回叩きつけ、死亡させた事件。
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 (原告)被害少年(当時16)の母親
  ↓請求額:約3000万円
 (被告)事件の見張り役、傍観者となった少年3人(当時15)、その両親
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 (裁判長)稲葉重子
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 [実行犯への少年審判](2001/05・大津家裁・村地勉裁判官)傷害致死容疑で、中等少年院送致の決定
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http://www.mercury.sannet.ne.jp/kazuyo_aoki/
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【5月16日(火)/松江地裁】
 ■刑事 殺人、殺人未遂

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 <キャッチボール親子殺傷事件> 
 2005年7月28日午前7時ごろ、島根県浜田市の被告人宅前の路上で、キャッチボールをしていた消防士の男性(当時36歳)の長男(11)を、背後から軽乗用車ではね、息子のもとに駆け寄った男性の腹などを、持っていた包丁で刺して殺害。 長男は幸い、かすり傷程度で済んだ。
 互いに1軒をはさんだ近所同士で、かねてから被告人は、被害家族の飼っているハスキー犬の鳴き声などがうるさく、嫌がらせを受けていると感じていたと供述。 しかし、公判の中で「被害妄想だったと思う」とも述べている。
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 (被告人)無職の男(54)
 (求刑) 懲役20年 「被害者に落ち度はなく、被告人の邪推による犯行」
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 (裁判長)飯島健太郎
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【5月17日(水)/長野地裁】
 ■刑事 強盗殺人など

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 <長野・愛知両県にまたがる連続強盗殺人>
  2004年1月から9月にかけて、長野県飯田市と高森町、愛知県春日井市で、ひとり暮らしのお年寄りら男女4人を殺害し、合わせておよそ30万円を奪ったとされる事件。 被告人は、消費者金融からの借金があり「金が欲しかった」と供述。
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 (被告人)住所不定・無職の男(29)
       ※弁護人は自首の成立を主張
       ※自身は「死をもって償いたい」と陳述
 (求刑) 死刑 「まれに見る凶悪重大事件で、最大級の非難に値する」
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 (裁判長)土屋靖之
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【5月19日(金)/東京地裁 八王子支部】
 ■刑事 脅迫、強要未遂

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 <“一夫多妻男” 女性勧誘同居事件>
 被告人は、1999年ごろから、占い師を装って就職情報誌に女性アシスタントを募集する求人広告を出し、応募した女性らと自宅で同居を始めた。 同居女性に知人らを勧誘させ、女性11人と集団生活をしていた。
 
 公訴事実は、2005年10月20日、自宅で女性(当時20)に対し、「君の体はミンチにされる。助けられるのは私だけだ。そのためにはここにいなければならない」などと脅迫。 また、同年8月21、22の両日には別の女性(当時25)を脅迫し、集団生活をさせようとしたが、女性が応じなかったとするもの。
 逮捕直前に報道陣に対し、「モテる呪文を唱えたら女性が集まってきた。ハゲ、デブのおっさんがモテるわけが無い」「結婚するなら、5人以上集めると家庭が安定しますよ」などと話し、一時耳目を集めた。
──────────────────────────
 (被告人)無職 渋谷博仁(58)
       ※容疑認め、集団生活の解消を誓約
 (求刑) 懲役1年6月 「原因となった一夫多妻生活は反倫理的」
──────────────────────────
 (裁判長)小原春夫
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 なんだかなぁ…… 殺人ばっかで気がめいりますね。

 しかし、裁判員制度が始まってしまったら、のんきに気をめいらせてる場合じゃなくなります。 地元の人間が責任を持って裁かなきゃいけなくなりますからね。 無罪の可能性まで念頭に置きながら。
 

 

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2006年5月 8日 (月)

注目の判決スケジュール 【5月第2週】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

 

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【5月10日(水)/長野地裁 松本支部】
 ●行政 国家賠償請求

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 <小谷村の土石流災害>
 1996年12月、小谷村と新潟県糸魚川市の県境にある「蒲原沢砂防ダム災害関連緊急工事」の災害復旧工事中に作業員14人が死亡、9人が重軽傷を負った事故。
 土石流は幅約100メートル、高さ約20メートル。 95年7月の大雨のため、同所で起きた土砂災害で流れ出した土砂を食い止めるための工事だった。
 土石流が発生した蒲原沢は、姫川本流に流れ込むV字形をした切り立った沢で、現地の地形を知る担当者は「滑り台のような急な沢」と話している。この沢をまたぐ国界橋付近で幅約40メートル、橋までの高さは約30メートルという。
 ・ 土石流の発見が予見できたか。
 ・ 安全対策の指導を怠っていたか。
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 (原告)作業員3名の遺族 計10名
  ↓請求総額:約1億1600万円
 (被告)国、長野県
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 (裁判長)田中 治
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http://landslide.dpri.kyoto-u.ac.jp/otari.html
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【5月11日(木)/東京地裁】
 ■刑事 覚せい剤取締法違反

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 <元「ドリカム」キーボード担当メンバー 薬物再犯>
 被告人は今年2月19日、渋谷のクラブで1袋6万円の覚せい剤を購入し、都内のホテルでライターの火であぶって吸引。同25日に覚せい剤0・671グラムを所持していたところ、現行犯逮捕された。
 かつて被告人は、2002年10月に義姉への暴行容疑で逮捕された後、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで再逮捕。同年12月に懲役1年6ヶ月・執行猶予3年の有罪判決を受けていた。本件は、その執行猶予期間が満了した直後の犯行
──────────────────────────
 (被告人)ディスクジョッキー 西川隆宏(41)
 (求刑) 懲役2年 「覚せい剤への親和性が顕著に見られる。徹底矯正を」
──────────────────────────
 (裁判官)宮田祥次
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5月12日(金)/京都地裁】
 ■刑事 強盗殺人など

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 <いわゆる「遺体なき強盗殺人」>
 2002年10月末、宇治市の会社員(当時52歳)が殺され、キャッシュカードなどが奪われたとされる事件。しかし、その被害者の遺体すら見つかっておらず話題に。
 弁護人が3月の最終弁論で「事件性そのものが疑問、会社員の死亡そのものが不明で、被告人を犯人と積極的に推認する証拠も全くない」と、真っ向から無罪を主張して結審。

<検察官が提示した情況証拠と、弁護側の反論>

 ・ ろっ骨の一部が見つかった。
    ↑
   被害者のものと断定できない。

 ・ 室内・車内で見つかった獣毛が、被告人の飼い犬の毛とDNAが一致。
    ↑
   被告人は、被害者宅のリフォームをしており、あってもおかしくない。

 ・ ATMの防犯カメラに映った人物を、服装の特徴から被告人とする鑑定結果。
    ↑
   信用できない。

 ・ 被告人が出したゴミを持ち去ったり、ビデオ撮影したりする捜査手法。
    ↑
   違法に収集された証拠である。

──────────────────────────
 (被告人)住宅リフォーム業の男性(50)※無罪主張 「身に覚えありません」
 (求刑) 無期懲役
──────────────────────────
 (裁判長)上垣 猛
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2006年4月23日 (日)

注目の判決スケジュール 【4月第5週】

 ※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

 ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

 ※ 前号でご紹介した、4月19日の「住基ネット 東京統一訴訟」は、判決期日が延期されていたようです。失礼しました。 6月22日に結審。 判決期日は現時点で未定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4月25日(火)/横浜地裁】
 ●行政 国家賠償請求

──────────────────────────
 <保土ヶ谷事件>
 1997年7月、横浜市保土ケ谷区の路上。フロントガラスにひびが入った乗用車の中で、男性(当時54)が倒れているのが見つかり、当時の神奈川県警 保土ケ谷署員は、車を移動させそのまま放置。 その後、男性は死亡し、監察医は死因を「心筋梗塞」とする死体検案書を作った。
 2004年、横浜地検は筑波大学に再鑑定を依頼。監察医が提出した男性の保存臓器は「女性の臓器」であり、血液型も異なるという鑑定結果。
 ・ 男性の死亡は、事故後に警察官が適切に保護しなかったのが原因ではないのか。
 ・ 監察医も司法解剖せずに検案書を作成したのではないか。 
──────────────────────────
 (原告)男性の遺族
  ↓請求額:約1億6000万円
 (被告)神奈川県、担当の監察医(74)
──────────────────────────
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/update/director/20020209_010.html
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【4月25日(火)/高松地裁】
 ■刑事 収賄罪、贈賄罪

──────────────────────────
 <香川・特養ホーム贈収賄事件>
 2002年11月、被告人宮武は、当時建設中だった高松市の特別養護老人ホーム「高松さんさん荘」が、国の補助金対象に選ばれるように、市の審査会で便宜を図ってもらおうと、審査会副会長だった被告人井竿に現金200万円を渡したが、井竿被告は2日後に返した。さらに翌03年3月末ごろ、同荘が補助金対象となった見返りに現金300万円を渡し、井竿被告が受け取った疑い。
 「高松さんさん荘」は、国と高松市から、計約5億9000万円の補助金を受け、2004年4月に開所した。
──────────────────────────
 (被告人・求刑)高松市 前助役 井竿辰夫(71)
           ↑ 懲役2年 追徴金300万円
          高松市議会議員 宮武登司雄(68)
            ↑ 懲役1年6ヶ月
          「行政への信頼を著しく失墜させた。高齢者福祉を食い物にしており悪質」
──────────────────────────
 (裁判長)増田耕児
──────────────────────────
 [小比賀剛一(74)・前 社会福祉法人"燦々会"理事長]
 贈賄容疑で別個に公判中。 被告人が体調不良を訴え、少し長引いている。
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【4月25日(火)/金沢地裁】
 ■刑事 強要未遂、詐欺

──────────────────────────
 <警察官の脅し>
 2004年7月、コンビニエンスストアで、職務中に入手した金沢市内の20代男性の運転免許証のコピーを使い、不正にプリペイド式携帯電話を購入。また、2005年11月から2回にわたり、石川県野々市町に住む主婦宅に「連絡しないと辱めるぞ」などと書いた文書を届けて、携帯電話への連絡を強要した。
──────────────────────────
 (被告人)元 石川県警巡査、槙野直人(27)
 (求刑) 懲役2年6ヶ月 「被害者を恐怖のどん底に陥れ、警察への信頼を著しく損なわせた」
──────────────────────────
 (裁判長)堀内 満
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【4月26日(水)/富山地裁】
 ●行政 国家賠償請求

──────────────────────────
 <北アルプス遭難事故死>
 2000年3月、文部科学省 登山研修所が主催した研修登山において、大日岳頂上付近で学生ら27人が休憩していた雪庇が崩落。 11人が巻き込まれ、東京都立大2年の学生(当時22・横浜市)と、神戸大2年の学生(当時20・兵庫県尼崎市)が遭難死した事故。
 ・ 同行した研修所講師に、雪崩を回避する注意義務の違反があったかどうかが争点。
──────────────────────────
 (原告)遺族
  ↓請求額:約2億円
 (被告)国
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 [刑事] 主任講師と引率講師につき、業務上過失致死罪では不起訴処分。
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http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/02/houkoku/index.htm
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 裁判をいくら傍聴しても、見えないものがある。 法廷が「表」だとすると、その背後には、じつに大きな「ウラ側」があるといいます。

  裁判が始まる前から、すでに判決の原稿はできている?

  酒の席で「私の起訴状は無罪にしないでください」と裁判官に絡む検察官。

  裁判長・右陪席・左陪席 … 3人の裁判官による「合議」の正体。

 

 司法試験という競争を勝ち抜いた修習生が、司法実務の現場をとりまく「驚きの実態」を内部告発!  それぞれが実名を挙げられないほど、深くえぐってくださってます。

 53期ですから6,7年前ぐらいの話ですか。 ここに書かれている内容が、今は少しでも改善されていることを祈りつつ。

司法修習生が見た裁判のウラ側―修習生もびっくり!司法の現場から

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司法の現実に驚いた53期修習生の会

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stars司法に不信感を抱くような内容が満載。
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2006年4月16日 (日)

注目の判決スケジュール 【4月第4週】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。
  また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

  ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【4月18日(火)/東京地裁】
 ●民事 損害賠償請求、国家賠償請求

──────────────────────────
 <三菱車・タイヤ脱落事故>
 2002年1月、横浜市瀬谷区で走行中の大型トレーラーの左前輪が外れ、歩道上で直径1メートル、重さ約140キロのタイヤの直撃を受けた主婦=当時(29)=が死亡、長男と二男が負傷した。
 タイヤと車軸を連結する部品「ハブ」の破損が原因。ブレーキドラムごと脱落した可能性が高い。
 三菱自動車製の大型車では1992年から母子死傷事故を含め、これまでに57件のハブ破損が発生している。
──────────────────────────
 (原告)亡くなった主婦の母親
  ↓請求総額:“制裁的慰謝料”含め、約1億6500万円(当初500万円)
 (被告)三菱自動車(現在は三菱ふそうトラック・バスに分社)、国
──────────────────────────
 [和解不成立 2004/04]  制裁的慰謝料の支払いをめぐり、交渉は平行線に。
 [逮捕 2004/05/06] 三菱ふそうトラック・バスの前会長(宇佐美隆)ら、当時の三菱自幹部7人(業務上過失致死・国への虚偽報告容疑)
──────────────────────────
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/index.html
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【4月18日(火)/金沢地裁】
 ■刑事 窃盗

──────────────────────────
 <自衛官の窃盗事件>
  昨年12月31日、石川県 小松基地内の寮で、被告人が同僚の私物であるノートパソコンや付属品一式(12万円相当)を盗むなどした疑い。
──────────────────────────
 (被告人)元航空自衛官、重並秀多佳(30)
 (求刑) 懲役1年6ヶ月
       「自衛隊に対する一般市民の信頼も損ねた」
──────────────────────────
 (裁判官)田中智子
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【4月19日(水)/東京地裁】
 ●行政 個人情報の不提供、デジタル記録からの削除等

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 <住基ネット差し止め・東京統一訴訟>
──────────────────────────
 (原告)448名(※全国13裁判所あわせて)
  ↓差し止め請求+ひとり11万円の慰謝料請求も
 (被告)東京都、地方自治情報センター
──────────────────────────
 [金沢地裁 2005/05/30]違憲(離脱を希望する原告らに限り、プライバシー侵害)
 [名古屋地裁2005/05/31]合憲(権利侵害を容易に引き起こすシステムではない)
 [福岡地裁 2005/10/14]合憲
 [大阪地裁 2006/02/09]合憲
 [千葉地裁 2006/03/20]合憲
 [東京地裁 2006/04/07]合憲 ※ジャーナリスト 斎藤貴男氏の提訴分
──────────────────────────
http://www005.upp.so-net.ne.jp/jukisosho/
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【4月19日(木)/鳥取地裁】
 ■刑事 殺人、死体遺棄など

──────────────────────────
 <夫婦げんかがエスカレートか 妻を殺害>
  今年1月28─29日、被告人の妻(当時34歳)が、同居人だった知人の男=死体遺棄罪の共犯で、懲役1年の判決=と浮気していると思い込み、自宅で妻と男を模造刀で殴った。その後、浮気を認めるようしつこく追及し、両腕で妻の首を5分以上絞めて殺害。その遺体を、近くに駐車した軽乗用車の中へ、男と運びそのまま遺棄した。
──────────────────────────
 (被告人)造園業、谷口賀保(45)
 (求刑) 懲役12年
       「殺害行為を目撃した息子に『誰にも言うな』などと言い、犯行の発覚をまぬかれるために死体を隠したのは身勝手」
──────────────────────────
 (裁判官)松尾昭彦
──────────────────────────
 (備考)公判前整理手続きを採用し、1回の公判で結審。
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【4月21日(金)/奈良地裁】
 ■刑事 傷害罪、暴行罪

──────────────────────────
 <奈良「騒音おばさん」事件>
 被告人は、2002年11月から2005年4月の逮捕までの間、自宅の勝手口付近に置いたラジカセから連日、大音量の音楽を流し続けた。近隣に住む女性は、高血圧・頭痛・睡眠障害・めまいで通院治療を受けた。
 起訴状記載の期間以前から、平群町役場の職員が、約10年にわたり100回以上「静かにしなさい」と口頭で注意していたが、やめさせる法的根拠がなかった。
──────────────────────────
 (被告人)無職女性(奈良県平群町・58)
       ※無罪主張 症状との因果関係を否定
 (求刑) 懲役3年
      「長期間、大音量を流しつづけた犯行は執拗で陰湿」
──────────────────────────
 (裁判長)奥田哲也
──────────────────────────
 (備考)今年2月、ラジカセ没収権限など、今回のような事件に対応する実効的な強制執行権などを付与した「新法」の制定を、平群町が国会議員に要望する考えを表明。
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【4月21日(金)/横浜地裁】
 ■刑事 業務上過失致死

──────────────────────────
 <トンネル死亡事故・役人の対策怠慢責任>
 横浜・戸塚区の市道トンネル入口には、高さ制限(2・8メートル)を示す鉄骨棒が斜めに設置され、車や積み荷が接触すれば車体や積載物が転落して歩行者に危険を及ぼす恐れがあった。2003年に相次いで接触事故が続き、被告人は住民から改善の陳情2件を受けていたが、1年以上にわたり放置していた。
 2004年11月、トンネルを通っていたトラックの上部が鉄骨棒に接触、荷台からショベルカーが落下し、歩行中の男性(当時65歳)がその下敷きとなり死亡する事故が発生した。
──────────────────────────
 (被告人)横浜市 戸塚土木事務所道路係 木ノ内伸一(51)
 (求刑) 禁固8ヶ月
       「上司・同僚へ報告・相談すらせず、過失責任は明らか」
──────────────────────────
 (裁判長)松尾昭一
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2006年4月 8日 (土)

注目の判決スケジュール 【4月第3週】

 ※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。

   また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

   ([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【4月10日(月)/東京地裁】
 ■刑事 殺人、窃盗

──────────────────────────
 <時効直前の逮捕・6日間でスピード結審>
 起訴状によると、被告人は1990年11月12日未明、東京都足立区の路上で、靴加工手伝いの男性(当時56)の腹などをナイフで刺し、瀕死の状態で放置、車にはねさせて殺害したとされる。
 事件当時の時効(15年)完成直前であった2005年10月に逮捕・起訴。裁判所は、裁判員制度に備えるために新設された「公判前整理手続き」を適用。争点を絞り込んだ上で、土日を除く6日間連続で開廷し、集中審理をしたことでも話題に。
 また、被告人は、別に埼玉県内で焼酎などを万引きした疑いでも起訴されている。
──────────────────────────
 (被告人)無職の男性(56) ※殺人につき無罪主張 「やってません」
 (求刑) 殺人につき懲役15年、別の窃盗につき懲役1年6ヶ月
──────────────────────────
 (裁判長)川口政明
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【4月11日(火)/最高裁 第三小法廷】
 ●民事 保険金請求権の確認

──────────────────────────
 <団体生命保険金訴訟>
  企業が自社を受取人にして従業員に生命保険をかける「団体定期生命保険」の保険金を、その契約の存在を聞かされていなかった従業員の遺族も受け取ることはできないのか。
──────────────────────────
 (原告)住友軽金属工業 元従業員の遺族(2件)
  ↓請求総額:約6680万円
 (被告)住友軽金属工業(東京都港区・アルミ製品大手)、保険会社9社
──────────────────────────
 [第一審:名古屋地裁(2001/02)] 一部認容 1740万円の支払命令
 [控訴審:名古屋高裁(2002/04)] 1件は請求認容、もう1件は請求棄却
──────────────────────────
 (裁判長)藤田宙靖
──────────────────────────
 http://www.sumitomo-lm.co.jp/
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【4月12日(水)/宇都宮地裁】
 ●民事 慰謝料・損害賠償請求

──────────────────────────
 <少年リンチ監禁殺人事件・民事訴訟>
 某乗用車メーカーの会社員(当時19歳)が、同僚の少年など4人にリンチを受けた果てに殺害された事件。 「まじめでおとなしそう」な被害者に、消費者金融に限度額まで金を借りさせ、その後、監禁すること2ヶ月間。 焼酎を一気飲みさせて泥酔状態に陥らせ、最高温度の熱湯シャワーを浴びせたり、可燃性スプレーの噴霧に火をつけて向けたり、食事を無理矢理口へ詰めこむなど、狂気の発露としか言いようのない、凄惨で理不尽なリンチがひたすら続けられた。 行方不明の息子を心配した両親による、再三の捜査依頼にもかかわらず、警察は動かなかったという。
 ・ 捜索願を受けた栃木県警が、事件性を認識していたか。
 ・ 捜査の怠慢が、被害者の死を招いたのかどうか。
──────────────────────────
 (原告)被害者遺族
  ↓請求総額:約1億5353万円
 (被告)加害者の親、栃木県
──────────────────────────
http://www.akuroki.jp/tochigi_01.html
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【4月12日(水)/奈良地裁】
 ■刑事 詐欺、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)

──────────────────────────
 <ワンクリック詐欺>
 直接の逮捕容疑は、携帯電話のアダルトサイトを閲覧した沖縄県の高校生から、契約が成立していないのに利用料金をだまし取ったとされる点。
 容疑者のサイトの画面には、接続してきた携帯電話の電波を送受信している基地局、携帯の「個体識別番号」として、電話会社名や機種名を表示させるプログラムが施されていた。 この情報を容疑者自身が知ることはできないが、個人情報が業者に伝わったと思い込んで、アダルトサイトを見た負い目で請求額を振り込む閲覧者が続出。
 さらに、「料金が払えない」と問い合わせの電子メールを送ってきた閲覧者に対し、携帯のカメラで身分証明書を撮影してメール送信するよう指示。 支払い遅れの担保にしていたという。
 被告人の母親も、犯行に使われた銀行口座を買い受けたとして、盗品等有償譲り受け容疑で逮捕されている。
──────────────────────────
 (被告人)「情報配信会社」社長(21)
 (求刑) 懲役3年、罰金100万円
      「不特定多数に対する無差別的犯行で悪質」
──────────────────────────
 (裁判官)奥田哲也
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栃木リンチ殺人事件 ― 殺害を決意させた警察の怠慢と企業の保身
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2006年3月31日 (金)

注目の判決スケジュール 【4月第2週】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。

 また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、私自身がフォローできていない場合もございますので、その点はご了承ください。

([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【4月6日(木)/東京地裁】
 ●民事 慰謝料・損害賠償請求

──────────────────────────
 <東京駅 コンビニ店長刺殺事件・民事訴訟>
  2002年7月、パンやおにぎり550円相当を万引きして逃走した男が、追ってきた店長の脇腹を刺して死亡させた事件。当時、男は別の窃盗事件で、刑の執行猶予中だった。
──────────────────────────
 (原告)犠牲者の両親
  ↓請求総額:約8770万円
 (被告)加害者(37)
──────────────────────────
 [刑事公判] 無期懲役 (2004/02/23最高裁) 現在、服役中。
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【4月7日(金)/東京地裁】
 ●民事/行政 国家賠償請求

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 <青森・奥入瀬 落枝事故訴訟>
  2003年8月、十和田八幡平国立公園の渓流休憩所近くの遊歩道沿いで、昼食をとっていた茨城県の女性(40)の上に、地上約10mの高さから全長約7m、直径約20cmのブナの枯れ枝が落下。女性は下半身不随の重症で、現在リハビリ中。
・ 原告主張
 被告は枝の落下を予見できたと主張。青森県は奥入瀬渓流に誘客を図りながら、安全配慮義務を果たしていなかった。
 また「ブナは公の営造物に当たる」として、木の所有者である国の安全配慮義務違反も挙げた。
 さらに、国は県に土地を貸したと「誤信」して十分な管理をせず、責任の所在を不明確にしたとも主張。
・ 被告反論
 事故の予見可能性を全面否定。現場の管理責任について、県は国からの貸し付け区域外であり、権限はないとした。国も「ブナは自然に自生したもので、公の営造物には当たらない」とし、管理責任はないと主張。
──────────────────────────
 (原告)被害者とその夫
  ↓請求総額:約2億3600万円
 (被告)国、青森県
──────────────────────────
 (裁判長)佐村浩之
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 (備考) 国立公園内での倒木・落枝事故をめぐる訴訟は、全国的にも珍しい。
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【4月7日(金)/大阪高裁】
 ■刑事 殺人未遂、銃刀法違反、建造物侵入

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 <宇治小学校事件 *控訴審*
  2003年12月、正午ごろ、被告人は宇治小校舎に包丁(刃渡り約17.5センチ)を持って侵入。1年生の教室で男児2人を殺害しようとして頭に切りつけ、約10日間のけがをさせるなどした。
 検察側は、被告人には責任能力があるとして控訴していた。
──────────────────────────
 (被告人)無職の男(47)
──────────────────────────
 [第一審:京都地裁(2005/08)] 懲役3年 (※心神耗弱を認めて、刑を減軽)
──────────────────────────
 (裁判長)陶山博生
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◆ 刑法 第39条(心神喪失及び心神耗弱)
1 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

 逮捕当時は、「最高裁での死刑確定まで30年かかる」といわれていた、オウム真理教の「欲張り尊師」ですが、思いがけず一審の死刑判決が確定しようとしています。 結局、なにが「真理」だったのかわからぬまま。

 法廷でブツブツつぶやいていたのも、いきなりカタコトの英語でしゃべりだしたのも、「責任能力なし」として極刑を回避しようとした「演技」「詐病」だったのか……。
 尊師は演技がヘタだったからよかったものの、じゃあ、裁判官や精神科医が見破れないほど卓越した演技力の持ち主が法廷に出てきたら、どうなる……?

 いったい責任能力って、誰の何を守るためにあるんだろう。 精神鑑定って、誰の何をどんなふうに鑑定してるんだろう。 事件当時にさかのぼって精神状態を診ることなんか、本当に可能なんだろうか。 刑法総論の教科書をいったん脇に置いて、この機会に考えてみませんか?

 この問題、正直ここまで多彩な意見があるとは想像していませんでした。

刑法三九条は削除せよ!是か非か
刑法三九条は削除せよ!是か非か 呉 智英 佐藤 幹夫

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stars私の印象では、削除反対派が優勢みたいなんだけど…
stars深くは無いがバランスのいい本。
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stars削除の正当性と、反対論者の支離滅裂ぶりが明らかに
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2006年3月26日 (日)

注目の判決スケジュール 【3月第5週】

※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。

([ ]は、原審の結果や、関連する別件の裁判です)

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【3月27日(月)/名古屋地裁】
 ■刑事 補助金適正化法違反、関税法違反など
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 <BSE補助金の不正受給・輸入豚肉の差額関税を脱税>
  2000年当時、被告人の事業で借り入れ総額は500億円を超えていた。そこに翌年のBSE騒動で牛肉価格が急落し、大打撃を受ける。
  同年10月にBSE全頭検査が実施されることになり、すでに解体処理されていた国産牛肉が市場に出回るのを防ぐため、食肉業者が買い上げて保管し(保管事業)、その牛肉を焼却処分することになった(処分事業)。これらの事業には、国から補助金が出されることが決定した。
  被告人らは輸入牛肉を国産牛肉用の段ボールに詰め替え、それでも割り当て枠に足りないぶんを、空の段ボールを組み立てるなどで偽装し、虚偽の在庫証明書を提出することによって10億円あまりの補助金を不当に利得した疑い。
──────────────────────────
 (被告人)大手食肉卸業「フジチク」 元社長 藤村芳治(63)
 (求刑) 懲役13年
──────────────────────────
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E6%9D%91%E8%8A%B3%E6%B2%BB
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【3月27日(月)/東京地裁】
 ■刑事 証券取引法違反(有価証券報告書 虚偽記載)
──────────────────────────
 <カネボウ粉飾決算事件>
 両被告人は、中央青山監査法人に所属していた公認会計士3人と共謀し、カネボウの2002、03年3月期の連結決算で、最大で約829億円を粉飾した有価証券報告書を関東財務局に提出した疑い。
 検察側は、同社の粉飾が1960年代後半から続いていたとも主張。
──────────────────────────
 (被告人・求刑)元 社長  帆足隆(70)←懲役2年
          元 副社長 宮原卓(64)←懲役1年6ヶ月
    ……「証券市場の信頼を著しく失墜させた」と検察側
──────────────────────────
 (裁判長)渡辺英敬
──────────────────────────
 (備考) 30日(木)には、同監査法人の4人の公認会計士につき、初公判が東京地裁で。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3月28日(火)/東京地裁】
 ■刑事/医療 業務上過失致死罪

──────────────────────────
 <割りばし死亡事故>
 1999年、保育園児(当時4つ)が、綿アメの割りばしを誤ってのどに突き刺して死亡した事故。
 ・ 脳の損傷を予見できたか。
 ・ 救命の可能性がどれだけあったか。
──────────────────────────
 (被告人)私立大学付属病院 元医師(37) ※無罪主張
 (求刑) 禁錮1年
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【3月28日(火)/東京地裁】
 ■刑事 詐欺罪

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 <NHK不祥事> 
 被告人は、複数の企画会社と共謀し、そのスタッフらが放送作家として、「紅白歌合戦」や「ポップジャム」などNHKの番組の構成にかかわったように偽装し、委託料名目で金銭をNHKから詐取させ、被告人へその金銭の多くを還流させていた疑い。被害総額は約1億円。
 被告人はその詐取金を、交際していた愛人との海外旅行などで費消していた。
──────────────────────────
 (被告人)元NHKチーフプロデューサー 磯野克巳(49)
 (求刑) 懲役8年  「国民の受信料から出ている経費を詐取した悪質な犯行」
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【3月28日(火)/那覇地裁】
 ●民事 人格権侵害に基づく差し止め請求

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 <西表島リゾート開発>
 河口付近でのリゾートホテルの建設は、歴史的、文化的聖地の侵害であり、生物の多様性も損なわれると主張。
──────────────────────────
 (原告)住民ら463名
  ↓差し止め請求
 (被告)リゾート開発業者
──────────────────────────
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2032/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3月29日(水)/長野地裁 松本支部】
 ●行政 国家賠償請求

──────────────────────────
 <小谷村の土石流災害> 
 1996年12月、小谷村と新潟県糸魚川市の県境にある「蒲原沢砂防ダム災害関連緊急工事」の災害復旧工事中に作業員14人が死亡、9人が重軽傷を負った事故。
 土石流は幅約100メートル、高さ約20メートル。95年7月の大雨のため、同所で起きた土砂災害で流れ出した土砂を食い止めるための工事だった。
 土石流が発生した蒲原沢は、姫川本流に流れ込むV字形をした切り立った沢で、現地の地形を知る担当者は「滑り台のような急な沢」と話している。この沢をまたぐ国界橋付近で幅約40メートル、橋までの高さは約30メートルという。
 ・ 土石流の発見が予見できたか。
 ・ 安全対策の指導を怠っていたか。
──────────────────────────
 (原告)作業員3名の遺族
  ↓請求総額:約1億2000万円
 (被告)国、長野県
──────────────────────────
http://landslide.dpri.kyoto-u.ac.jp/otari.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3月30日(木)/東京地裁】
 ■刑事 政治資金規正法違反(収支報告書 不記載)

──────────────────────────
 <1億円政治献金隠し>
 2002年3月13日に10分間だけ行われたという、平成研究会(当時の“橋本派”)幹部会で、『日本歯科医師連盟からの献金(2001年7月、赤坂の料亭で、日歯連 前会長・臼田貞夫から橋本元首相に1億円の小切手を渡された件)に関しては、領収書を出さない』ということにつき共謀があったのかどうか。
  同派閥の会計責任者 滝川俊行は、小切手受領直後の段階で、被告人と野中広務 元自民党幹事長(当時・同派閥の事務総長)に報告していた。 しかし野中氏については、本件で起訴猶予処分。
 被告人は、同派閥の会長代理という地位にありながら、小泉内閣を支持する姿勢を見せ、野中氏から「ポスト欲しさに毒まんじゅうを食った」と揶揄されたこともあったが、結局は小泉内閣のポストに就くことは無かった。 2003年総選挙で落選し、政界からの引退を表明。
──────────────────────────
 (被告人)元内閣官房長官 村岡兼造(74) ※否認・無罪主張
 (求刑) 禁錮1年
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 [会計責任者 滝川俊行] 禁固10ヶ月 執行猶予4年 (2004/12/03)
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E5%B2%A1%E5%85%BC%E9%80%A0
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%90%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A
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【3月31日(金)/さいたま地裁】
 ●民事 慰謝料・損害賠償請求

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 <桶川ストーカー殺人事件・民事訴訟>
 1999年10月、JR桶川駅前で、女子大生(当時21)が元交際相手とその兄が雇った男に殺害された事件。事前に女子大生を中傷するビラも撒かれていた。
 ・ 実行犯とされる元交際相手(当時27 - 翌年1月に北海道で自殺)に、殺意があったのかが争点。
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 (原告)殺害された女子大生の両親
  ↓請求総額:約1億1463万円
 (被告)元交際相手の兄である首謀の男(39・元消防士)、その両親、男の共犯者
     (※17人いた被告のうち、すでに5人と和解、8人に計1億円賠償命令)
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 [刑事公判] 首謀の男 : 一審、控訴審ともに無期懲役。最高裁に上告中。
         実行犯3名 : 懲役18年-15年。服役中?
 [国家賠償訴訟] 警察の責任 : 一審、控訴審ともに550万円(中傷ビラでの捜査怠慢のみ認定し、怠慢と殺害発生の関連性は否定)。最高裁に上告中。
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http://okegawa-support.web.infoseek.co.jp/page7.htm
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 芸術はバクハツだっっ! 太陽の塔につづく、原爆モチーフ二部作の完結編「明日の神話」が修復を終え、7月に東京で公開予定! 太郎からの挑戦に、私も受けて立つことにします。

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