2008年3月12日 (水)

いまごろオトナの階段のぼる (?) ヒゲヅラ32歳

 確定申告を終えました。

 私は今まで「面白いモノを書きたい」とか「だれも読んだことのない本を出したい」とか、大それたことを考えながら、チンタラやってきたわけです。

 ただ、こういう「おカネ」の世界の枠組みに落とし込むと、この仕事というのは、原稿を出版社に売って対価をいただくという「取引」なのだと、あらためて実感させられます。 「事業所得」以外のナニモノでもないわけです。

 その自覚は足りなかったかも。 しかも、個人事業主の開業届というのを出し忘れてましたし。 どんだけ成り行きまかせかと。

 ほかにも、知らずにソンしてた事柄がモロモロいろいろあって、その容赦なく襲いかかる疎外感には圧倒されますなぁ。

 

 昨晩、幻冬舎の編集の方とお食事しました。 まぁ、ひとことでいえば、私にとって頭が上がらない人です。

 ガラにもない高級イタリア~ンに舌づつみを打って、トレビアぁ~~ン ご満悦。

 いろいろ話をさせていただいたなかで、その編集の方のお口から、こんなお言葉が。

 

 「本だけ書いて収入を確保するのはリスクが高すぎますので、週刊誌の編集者に働きかけてみては? 私と関わってても、雑誌には書けませんよ」

 「この世界は、編集者が著者を大事にしないんですよ。 便利に使い捨てにする人もいます」

 

 その瞬間、全身に鳥肌が立って、何もしゃべれなくなってましたけど……。 あまりにも痛いところを突かれたので shock プスプス crying ツンツンと

 いろいろと、いまわしい思い出が、脳裏にフラッシュバックされていきます。「あぁ、オレ、今ナメられてるなぁ」と思わされるような、某編集者の過去の言動などなど。

 ますます、豪華なイタリア料理に目線を落としたまま黙り込む私。

 いちおうは、ベストセラーの目安とされる「10万部ライン」を超える本を出せた私ですが、それをマグレだとみなして見下そうと思えば見下せるんですよね。 文章というのは基本的に、誰だって書けるものですから。

 確定申告の準備を進めていると、「変動所得」という概念に行き当たります。 自分のチカラではどうしようもない要素によって、年々大きく動いてしまう所得のことで、物書きや作曲家など、印税収入を得ている人や、農業・漁業の従事者にみられる所得です。

 一見すると互いに大きな隔たりがあるように思える、農業・漁業と物書きという職種が、同じカテゴリーにくくられるのが面白いなと思いました。

 もしかしたら、物書きやイラストレーター、カメラマンなどといった商売は、サービス業のなかでも、第一次産業(生産業)にかなり近いのかもしれません。

 何もない、茶色い土だけが広がる地平から、大きな実りを得ようと試行錯誤する人たち。 白紙のうえに、言葉をどうにか社会的に意味のある形で並べようとする人たち。

 現代社会で、第一次産業と親和性(?)のあるライターが軽視されるというのは、まぁ、ありがちな傾向かなと。

 

 だから、読者を惹きつける文章を書く(著述)より、出版社をいろんな意味で魅了する(営業)ことのできるライターのほうが、実際は強いですよね。

 何をいかに書くか、わからないことをどうやって調べるか、という悩みは二の次にまわして、この職業を食いぶちを確保するための手段だと割り切り、多くの編集者と幅広く親しくなることに重きを置くほうが、生き残り戦略としては賢いのです。

 

 わからないことがあれば、誰かに聞いてメモすればいい。 それらしい文言を聞きかじりして並べてあるほうが、むしろ発注者には安心感をもたれて評価される。

 ……なんだか、デジャブな感じだなー。 司法浪人時代の。

 

 そういう人たちって、チカラを持つ人に狙いを付けてアクティブに立ち振る舞っていますので、一見すると積極的な活動を行っているように見えますけど、裏を返せばガッチガチに防御本能でご自分を固めてるんでしょうね。

 ドラクエをやってれば、まず間違いなく、ヨロイや楯からレベルアップさせるような人たちだと決めつけてイイと思います。 これは手堅い。 ゲームですら遊びが無い人たちですから、そりゃ短期的に見れば強靱ですよ。

 こないだ、見知らぬ雑誌ライターから「裁判官を批判して資質を問うような特集をやるのだが、どういう企画の方向性がありうるのか、お話をうかがいたい。 どういう法律の専門家にインタビューすればいいのか」などという「教えてメール」が来たんですが……

 どんな義理や筋合いがあって、あんたトコの企画わざわざ練らにゃいかんのよ? 私がしゃべったことを載せるわけでもなく、単なる便利な「人脈仲介屋」でしょ。 そんなもんにエネルギー使って、おれに何のメリットがあるの?

 その程度の想像がおよばないままメールを寄こしてるわけがありませんから、こやつも完全にナメてますよね。

 若い人の仕業なら、気にせずスルーできたんでしょうが、どうやら私など問題にならないくらい、けっこうキャリアがある人のようで、それで仕事を続けてこられた事実がショッキングです。

 まぁ、もうチョイ面白そうな企画なら協力もしたんですが、どうして最初から「裁判官の批判」という着地点ありきで進めようとしてるのか。 方向性すら迷ってる最中の分際で……(おそらく「批判しっぱなし」の記事を読んで、心がスカッとする読者が一定数いて、その潜在需要に貢献する企画ということなんでしょうが)

 タイトなスケジュールがあるんでしょうから、全部自分で調べろとはいいませんが、インタビュー取材とは、原則として「迷惑行為」だという意識が、彼らは麻痺してるんだと思います。 こういうライターにインタビューされる法律家も気の毒ですね。

 

 自分の生活費を稼ぐ目的で並べた文字を、公の場に発表しておられる方々に、面白いモノ、書き残すべきモノを書く動機など求めても仕方ありません。

 第一義の顧客を、読者でなく出版社だと位置づけているわけですから(もちろん、本人に尋ねれば『読む側のことも考えてる』と模範的に答えるでしょうけど、口先では何とでも言えます)、そんなライターを編集者がいくら重宝しても、出版という業界全体が盛り上がるとはとても思えないんですが、まぁいいです。

 出版社が読者のことを考えてさえいればいいんでしょう。

 そのまま蜜月の契約カンケイを続けてください。 文章を書いて食っていくなどというヤクザ者は冷たくあしらわれて当然。 その障壁を乗り越え、せっかく手に入れた編集者からの寵愛を手放すわけにはいかないでしょうから。

 私にも、そういう量産型ライターの立ち振る舞いを見習わなきゃいけない部分があります。

 上京したてのころは、バイトと並行して苦手な営業も断続的にしてましたけど、「肩書きがないから、今から行政書士ぐらい取ったりできないの?」だ の、「本という形式にこだわりすぎじゃないの?」とか、「国立大学出てるから、柔軟性がないんだな」だの、言われたい放題言われて(※すべて違う編集者にです)、営業に対する苦手意識がますます根深くなりました。

 編集者のストレス解消の標的にさせられてるのかと、チョイ思いましたが。

 でも、自分を売り込む根拠がなにもなかった当時と違って、まがりなりにもベストセラーだとおだてられる本を昨年出せたし、少しは状況も変わってきてるかなぁと、淡い期待して…… いいのかね?

 ま、取り巻く環境が変わっても、私自身はまったく相変わらずですが。

 だって、このブログを更新してるのは、大阪のホテルですもん。 営業する気ナッシングです。

 今ある注文に応えておかないと気持ち悪いんです。 ナンカ。

 さて、またまた空振りが続くであろう裁判所取材を再開するぞぉー。

 編集者へのごあいさつも、いずれ始めますよ。 書くことや調べることに専念できるような環境は、どうやら物書きにとって贅沢品のようですので。

 ただ、あいまいな契約で出版社とつながる相互利用カンケイは他人様に任せて、私は、多少の驚きをご提供しながら、アイデアや企みみたいなモンでつながりたいなと。

 世の中を、なんとなくつまらないと思って毎日を過ごしている人たちに、「そうでもないよ」と言えるだけの価値をご提供して、この社会に少しでも貢献していきたいのです。

 もちろん、ある程度の売り上げをビジネスの結果として出さないと、次を続けられなくなりますから、お金のことも、世の中をおもしろくする「手段」としては、いちおう考えています。

 きゃー、理想論! (恥)  きもちわるい! (笑)

 

 あ、営業を得意とする人が、雑誌掲載交渉のエージェントをやってくれたりとか、そういうの無いんかいな…… ますますゼータクやわ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年12月27日 (木)

忘れられない年

 ガキのころは漫画家になりたかった人間が、紆余曲折いろいろあって、20年後、結局は物書きという似たような職業に就くことができました。

 デビュー作を全国各地の大勢の皆さんに読んでいただき、幅広くご意見をうかがうことができました。

 テレビ番組にも出させてもらいましたし、裁判官の皆さんの前で講演なんてやっちゃいました。

 今まで縁など持てなかったはずの人々と、たくさん知り合うことができました。

 都心のマンションにも引っ越せて、霞が関の東京地裁へ出かけるにも、隼町の最高裁へ向かうにも、地方へ取材に飛ぶにも、本当に便利な立ち位置につくことができました。

 幸せ者ですね。

 去年と変わらないのは、彼女がいないことぐらいです。 ハイ、引きずり過ぎです。

 私にとって、2007年というのは、一生忘れられない年になりました。支持してくださる方も、ご批判をくださる方も、本当にありがとうございます。

 まー、「忘れられない年」とかナントカ言いながら、たった今、「忘年会」に呼ばれて帰ってきたところなんですけどね。

 司法試験受験生を支援するベンチャー企業「MORE SELECTIONS」の飲み会にお招きいただきました。 ワケあって、私が到着したのは1次会も終わりに近づいたころだったんですが、ちゃっかり本の宣伝もさせてもらいまして、2次会ではガッツリ参加させてもらいました。

 1次会が済んだら、女性の参加者が全員帰ってしまって、そこはちょっと(かなり?)ガッカリでしたが、沖縄料理の店において、男同士でかなり有意義な話ができましたね。

 これからの弁護士は、法律だけ知っていてもダメなんですね。ちゃんと実社会のリアルな動きを肌で感じた人でないと任せられないと思います。

 法学部を出た人間の悪いクセで、「お金のことが、考えから抜け落ちがち」という弱点があります。

 もちろん、社会的立場が弱い人々の味方をしようとする熱い気持ちも大切ですし、「親方日の丸」で権力の担い手になるのも結構なんですが……

 たとえば、経済・経営の流れを踏まえて、どういうふうに弁護士活動を継続・拡大させていくかという視点がないと、せっかくの気持ちが空回りしてしまう懸念はあるでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月25日 (火)

「M-1グランプリ」と「司法試験」と「お見合いパーティー」の共通点

 今年のイブは振替休日かぁ。

 クリスマスイブの夕方に出歩いても、みじめじゃない方法! 実施完了!

 ちゃんとスーツを着て、手提げカバンを持ちつつ、胸張って風を切るように街を闊歩するのです。 休日出勤帰りの「デキる」ビジネスマンのフリして周ればいいんですね。 

 もっとも、私の場合、あんまり胸を張りすぎると腰痛が再発しそうなので、そこは加減が必要です。

 それで、服とかスニーカーとかを買い物していれば、周囲の目に対して「これから、おめかししてデートなのかな」と、雰囲気を偽装表示することが可能となるのです。

 内心におけるみじめさは否めませんが、それは押し殺しましょうね。

 

 司法浪人時代、12月24日は、心の底からズッポリ沈んでましたよ。 よりいっそう寒さが増しましたデスよ。 司法試験予備校の自習室ってのは、福岡のベタな繁華街・天神にありますから。 しかも、夜9時という絶妙な時間帯で閉め出されますしね。

 街に散在する数多の"アッチッチ"を尻目に、「ふーん、なるほどねー」「そっちはそういうパターンねー」「わかったわかった、ハイハイ」「こんな男のドコがイイんだ? オイ」などと、心の中で毒づきながら地下鉄の駅にもぐり、もぐってからも何も見えないフリして、終始テキストや問題集に目を落として家路に就きます。

 「くっそー、日々の努力が地味すぎる。 絶対に合格してやる……。 合格して、肩書きに寄ってくるツマラン女どもを、全員ふってやる」と、当然その目的を果たすためだけに弁護士になろうとしていたんですが、どうやら司法試験考査委員の爺さんたちには、そのいかがわしい動機をすべてお見通しだったようで。 サスガです。

 そのあとに、2年半のワーキングプア期間を経て、いちおうマトモに物書きで仕事をいただける立場になりましたが、32年間生きてますし、どれだけ仕事が楽しくても、恋愛の楽しさはまた別だということも、いちおうそれなりに知っております。

 だから、こだわっちゃうんです。

 

 おとといには、カップリングパーティーに初めて出席してみました。 男女比が15:15。 どうやら、段取りをわかっとらんのは私ぐらいだったみたいで、ほかの人たちは、ほとんど常連さんみたいでした。

 最初に「プロフィールカード」というのを書くんですが…… 何を書けばいいか困りましたね。 とことん思い知らされました。 自分がいかに、仕事以外の楽しみを持ってこなかったかということを。

 
 

趣 味        : 読書 ・ お笑い鑑賞

 

好きな食べ物    : 米

 

好きな音楽     : 奥田民生(ユニコーン)

 

好きな異性のタイプ: 明るい人

 

休日の過ごし方  : 本屋で立ち読み


 

 こういうプロフィールカードを相手と交換して、まず1人あたり2分間のトークを繰り返します。 2分は本当に短い。 「自分はこういうパーティが初めてなんですけど、何がどうなってるんですかねぇ?」という初歩的なシステムの話題だけで、最初の女性とは、あっという間に終わってしまいました。 もったいなかったかも。

 ある人が、私のプロフィールを見て、笑いながら「すごく正直ですね」と言ってくれました。 正直かねぇ。 これでも、趣味の欄から「化石鑑賞」とか「B級ニュース収集」というのを省略してますので、そのくらいの空気は読んでるんですけどね。

 こういう場合、ちょっとは自分の人格を飾りつけたほうがいいんでしょうか。 うーむ、飾ったところで、その飾りを好かれても仕方ないし。

 ということは、他の男性メンバーのプロフィールは、「映画鑑賞」「旅行」など、当たりさわりのない感じなのか、あるいはハッタリ混じりでウンザリなのか。

 

 第一印象では、3人の女性が自分に投票してくださったようです。 私の投票とは惜しくもすれ違っていましたが、うれしかったので、その後のフリータイムは、結局その3人の女性としか話してませんでした。

 

自分 「M-1、誰が優勝すると思う?」
相手 「あたしはキングコングかな」
自分 「うわー、そっち方面かー!」
相手 「そっち方面って何?(笑)」
自分 「意外と、トータルテンボスが抜け出たりするんじゃないかね。 急に去年から面白くなったし」

 

 という、他愛もない話で盛り上がる(しかも今思えば、どっちの予想も、イイ線ついちゃってたが。 キングコングのふたりも、前回とは比べものにならんほど腕を上げているのが伝わりましたし)などしていると、横から別の男性メンバーが割り込み、いきなり落語の話を持ち出してきたりして、けっこう過酷な戦いですね。

 まぁ、結果的に、誰とも両思いにならずに帰ってきました。 選ぶのは女性の側ですからね。

 
 

 「あんな短い時間で判断されてたまるか」という気持ちは残ったものの、それは女性の側も同じでしょうから、お互いさまです。 それは置いといて、まだまだ自分の振る舞いには改善の余地はあったなぁとも思いました。

 与えられた時間の枠内で、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう目指すことが、あの種のパーティーでは実力として求められるのでしょう。 要するに、M-1グランプリや司法試験と、根っこは同じです。

 まぁ、M-1や司法試験みたいに、全国トップクラスの水準を志向して自分を追い込む必要まではないものの、ちょっといろいろ考えてしまいました。 「オレ、何やっとるんだろう」とか。
 
 少なくとも「迷走中」なのは、自分でも感づいてますが、仕事一辺倒というアンバランスな生き方は、かえってモロいような気がすると思い始めました。

 というより、自分だけのために頑張るのが、だんだんしんどくなってきたというか……。 こりゃ、歳のせい?

 
 

 残る課題は、今まで興味があったんだけれども、出不精で未だ最初の一歩を踏み出せてない場へ、これからキッチリ出て行くことか。 まず、気軽に連絡を取れる女の子の友達ぐらいいないと、何も始まらないので。

 たとえば料理教室とか? ……料理しながらなら、話すネタには困りません。 別に独身女性に限らず、お世話好きの主婦の皆さんに混じって「だれかイイ人紹介してくださいよー」なんて会話するのも、それはそれで楽しそうですし。 旦那さまのグチも聞かされそうで怖くもありますが。

 社交ダンス(特にサルサ)にも関心があります。 腰の不安が解消されたら、門をたたいてみようかと。

 運動神経はブチ切れてますが、踊るのは嫌いじゃないんですよ。 元応援団員ですし、広い意味では元ダンサーでしょ? 「おまえは演舞を覚えるのは早いが、忘れるのも早い」と、先輩にイヤミ言われてました。

 あとは、博物館や美術館をめぐったりもしたいなーと。 ぜひ行きたいと願ってたはずの「岡本太郎美術館」と「目黒寄生虫館」と「ブレーキ博物館」には、未だに行けてませんし。 何かのついでに立ち寄れば済むことはわかってるんですけど、なかなか。

 ごちゃごちゃ書いてないで、さっさと行動しろっちゅーことなんですが。

 年明け早々、取材旅行で、沖縄や関西・四国方面をまわろうと企んでますが、仕事柄、プライベートの時間をやりくりするのも自分次第ですので、たまには東京に戻って、内向きと外向きのスイッチを交互に切り替えながら楽しんでいきます。 そういう楽しむ感情は、文章にもにじみ出るのかなと思いますし。

 

 まぁ、本来は「友達の紹介」的なかたちで知り合うのがオーソドックスなんでしょうが、既婚の連中に頼んでいても、なかなか紹介がまわってこないのは、私の人望の無さゆえなんですが。

 ある友人は、「オレは学生結婚できてラッキーだった」とか言ってますし……。

 みなさん、どうやって出会ってるんでしょうか。 難しいねぇ。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2007年11月15日 (木)

財布落としたぁあぁぁ!!

 カッコつけて、慣れない長財布なんか新調するんじゃなかった……。 おかげで、わずか4カ月でおさらばとなってしまいました。

 今日は、机や椅子や本棚に引き出しなど、いろんな家具がまとめて自宅に届く日で、しかも到着が未定のものも含め、届く時間帯がバラバラになってしまってたので、朝から夕方まで家にいたんです。

 とりあえず、頼んでいたものが全部届いて、「よし、出かけよう」と、自転車とばして某ショッピングモールへ。 「仕事部屋をつくるには、あと何が要るか」とか「引っ越しの荷物は何から片付けよう」とか「お待たせしてる諸々の出版企画は、どこから手をつけよう」とかとか、途中でグチャグチャ考えてたのがマズかったんでしょう。

 はっ!  買い物来たのに、財布がない!

 チャリに乗るときは、確実にカバンのなかへ入れておくべきでしたね。 コンビニやスーパーに行くときのくせで、ズボンの尻ポケットに長財布を突っ込んでました。 坂道を上るときにでも落としたのかと思いましたが、探してみても見あたりませんし。 アホだ。

 幸いなことに、免許証は財布と別にしていたので助かりました。 身分証明書の紛失は面倒ですからね。

 ただ、現金を数万円入れてましたよ。 警察に届けて、カードも止めましたけど、仮に財布が見つかったとして、現金が戻ってくるとは、あんまり期待しないほうがいいでしょうね。

 数万円を得るためには、いったい何人の方に本を買っていただかなきゃいかんのか……と考えたら、気が滅入ります。 あとは、国会図書館の入館カードと、ビックカメラのポイントカードと、おまもりと……。

 経堂駅ホームの待合室に財布を置き忘れたとき、「ある女性が拾って届けてくださった。東京砂漠はヨイトコだねぇ」と、お気楽なことを以前メールマガジンに書きましたけど、今回はどうなることやら。

 見つかるんかなぁ~。 そういえば来月から遺失物法の改正で、落とし物に関する情報が広くネットで公開されるようになるというが……。

 だからねぇ、来月に落とせばよかったね。

 あぁ、力が抜けるわ。 こういうときに、愛しのスイートハートでもいれば、いくらか精神的に救われるのでしょう。

 むろん、そんな人はおりゃせんので、かつて録画していた、菅野美穂がインドに行ってヨガをやってた番組を見返して、「やっぱカワイイなぁ~、オイ。 あーあ、なんとかならんのかなぁ……(←何が?)」と思っているうちに、だいぶ気分が楽になり、おかげさまで、新しい本棚の組み立てに臨めるまでに回復いたしました。 安い男です。

 ヘコみ気分を完全に振り払うべく、引っ越す前の家の駐輪場にいた、生まれたて子猫たちのカワイラシイぴんぼけ写真を載せることとしましょう。

 われながら、意図がよくわかりませんが。

002

 明日から、次回作「最高裁」の校正作業に入ります。 のんきにヘコんでる場合じゃないのだよ、ワトソン君。

 財布を落とすと、いっしょに「厄」も落とされるというが…… これからまた、なにかラッキーなことが待っているのだろうか。

 

(( 続報 ))

 財布を拾って警察署へ届けてくださった方がいらっしゃいました! 中身もそのまんまで。

 ありがたい! あぁよかった。 正直者の国、日本に生まれてよかった。

 皆さんも、おでかけのときは、財布を今一度ご確認をば! (2007/11/16)

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2007年11月 5日 (月)

今朝、街かどで見かけたもの

 街のあちこちに、民主党のポスターが貼ってありますけど、そんな民主党の小沢さんが出ているポスターの前に、花屋でもないのに、なぜか「菊の花の鉢植え」がたくさん置いてあって、思わずニヤニヤしながら通り過ぎてしまいました。

 「それにしても、なんちゅうタイミング!」

 ちょっと考えて引き返し、いちおうブラックなオモシロ写真は撮れたんですが…… うちのブログがおかしな注目のされ方をするのはイヤなもんで、ネットに上げるのは遠慮しておくことにしました。

 インパクトが強すぎる問題画像ゆえ、皆様のご想像にお任せします。 ここは、ネタのご報告だけで失礼いたします。 まぁ、友だちには見せるけど。

 短い間でしたが、おつかれさまでした、小沢さん。

 

 民主党の小沢党首、辞任の意向固める (ロイター通信) 2007.11.04

 

(( 続報 ))
 
小沢代表が「もう一度がんばりたい」と、辞意撤回 (ロイター通信) 2007.11.06 

 なるほどー。 それならそれでがんばってください、小沢さん。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月22日 (月)

ついに受けたぜ! 自由業(フリーランス)の洗礼

 やっと! やっと、デビュー2作目「最高裁判所」の原稿を、光文社さんへ入れることができました。 いやー、ホッとしましたよー。 あんまりホッとしたので、昼の1時半から風呂に入っちゃいました。
 別に私、風呂が特別好きなわけでもなく、むしろ風呂なんかに時間をかけたくないぐらいの性格ですが、やっぱり風呂つきのマンションはイイなぁと思います。

 不肖わたくしめ、ついに! ついに東京地裁まで、歩いてもわずか30分の距離にマンションの部屋を借りることができました。ありがとうございます。「裁判官の爆笑お言葉集」を、お財布のなかの756円と引き換えてくださった、すべての皆さんに感謝いたします。

 テレビと寝床を、仕事場とは別のところに置くのが夢だったので、新居の間取りは1DKです。自分にはもったいないぐらい素晴らしい。洗面台の存在に感動しましたね。今まで台所でカオ洗って歯ぁ磨いてましたので。

 引っ越しは、まだ済んでません。本が多くて荷づくりが大変ですし、部屋が狭くて、段ボール箱をたくさん置いておくスペースすらありませんので、新居に来るたび、旅行用バッグに本を運べるだけ入れて持ってきたりしてます。
 さらに、今までテレビや家電など、最低限の生活用品すら所有してませんでしたので、ガラガラの新居に少しずつ買い足していってます。テレビとDVDレコーダーだけが、めちゃくちゃ贅沢なヤツで、あとは中古で揃えてます。

 まだ契約が切れてませんし、住民票の住所も移してませんが、私の旧居は、限りなく埼玉県に近い東京都板橋区、いわゆるゲストハウスと呼ばれるところです。 本来は、日本に短期滞在する外国人のための宿泊施設という位置づけのはずですが、現在では日本人が居住できるところも多いんですね。

 私は、もう3年住んでいます。3年住んでて「ゲスト」もないもんです。

 テレビや冷蔵庫、ベッドや冷暖房、衣装ケースとカラーボックス3つは備えつけで、敷金や礼金はナシ。保証金が数万円と、1か月分の家賃、あとは任意で布団と枕代(1,000円)を払えば、即入居できました。

 上京したてのころ、その点はすごく助かったのですが、トイレとシャワーと洗濯機・乾燥機が共用。 しかも元社員寮で、耐震構造が心配になるぐらい、直截簡明にいえば「ボロい」わけです。 それでも今月から家賃を値上げすると言ってきとるし。

 最近、あちこちリフォームが進められているのですが、焼け石に水にも見えます。先月の台風では廊下の天井が一部抜け落ち、雨漏りで床がビショビショに。 一時期は電話回線の混雑で、夕方から翌朝まで、インターネットにまったくつなげなかった日が続きました。
 ここには書けませんが、ご近所さんに関する騒動も今までいろいろありました。

 「本を1冊出したい」という目標に向けて突っ走っているときは、欠点もそれほど気になりませんでしたよ。 むしろ、30過ぎてもワーキングプアで、まともに社会に適合できない者にとっては、もったいないぐらいの設備だと思っていましたね。

 でも、もう「そろそろいいかな」と。 人間とは勝手なものです。 なまじっか毎月の生活費に余裕が出てきてしまったがために、無茶をするエネルギーが低下してきてます。 物書きだってねぇ、それなりに落ち着きたいんですよ。 それなりに。

 そこで、お部屋探しをすることにしました。 裁判傍聴に通うには、なるべく裁判所に近いほうが便利です。 終日傍聴しつづけても、誰かに伝えたくなる(伝えるべき)「ネタ」なんて、そうそう収集できるものではありません。

 ナマで観たら面白いものの、文章に起こしても面白さが劣化しないほどの素晴らしい「ネタ」というのは、全裁判の1%以下でしょう。

 当然です。 裁判所は、私たちに面白さを提供するために裁判をしているわけではなく、願うべくもありません。 なのに、収穫がない可能性も高いところへ、往復1時間半以上かけて通うのは、生来の怠け者の身には、だんだんと厳しくなってまいりました。

 だから、空いた時間に思い立ったら、チャッと裁判所へ行って、チャッと帰ってこれるぐらいのところに拠点が欲しかったんです。

 今の部屋に入居する前に、私は別のマンションと契約しようとして、そこの大家さんに断られています。 給与所得がなく、将来の支払い能力に信用をおけないので、今後2年間の収入を証明できる文書を出せということでした。

 仲介業者の方が、「なにか著作があれば、大家さんに読んでもらって判断してもらいましょう」とアドバイスしてくださったので、ヤラシイことに「話題のベストセラー!」と大きく帯に書かれたお言葉集をお送りしたんです。

 でも、大家さんの回答は同じでした。

 ならば「契約期間である2年分の家賃を前払いする」という条件ならいかがでしょう、と、再度詰め寄ってみることに。2年分も前払いしたら、私だって経済的に相当追いつめられますけど、そこの大家さんが固辞し続けている根拠が「お金の問題」なのかどうかを確かめてみたかったのです。

 ……ダメでしたねぇ。やはり、お金の問題じゃなく、こっちの身分を見ていたようでした。もちろん「フリーランスは社会的に信用されない、誰が何を保障してくれるわけでもない、昼間から風呂に入れる やくざな商売だ」というのは、頭ではわかっていました。

 ただ「物書きとしては、いちおう結果出せてるし(実感ゼロだけど)、預金もあるから、まぁ大丈夫じゃないかね」という淡い希望的観測もありました。

 完全に甘かったですね。

 でも、私は今の部屋に大満足です。 こないだ、さっそく友人3人を呼んで、「最高裁判所」の未完成原稿を読んでもらい、「おもしろい」との好感触を得て、そのままなし崩し的に飲み会をやっちゃいました。

 仲介業者「不動産バンク」の熊谷さん、いろいろと丁寧にきめ細かく対応してくださいまして、どうもありがとうございました。1軒目の大家さんに契約を断られて、ヘコみ気味だった私に対し、お言葉集を評価するお言葉をくださるなど、なにかと気を遣わせてしまいました。

 皆さん、東京地裁のお膝元に住みたくなったら、ぜひ「不動産バンク」へ!

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007年9月27日 (木)

「裁判員」制度は、もう始まっている!

 裁判員制度が、いよいよ再来年から始まりますねぇ?

 ……って、いえいえ、何をおっしゃいますやら。

 もう始まってますよ。 裁判員の制度なら。

 

 裁判官を裁く「弾劾裁判所」ってありますよね。 裁判官が何か不祥事を起こしても、裁判官という職業には手厚い身分保障がありますから、裁判所の内部で懲戒免職を決めることは許されません。

 代わりに14人の国会議員が、この裁判官を強制的に辞めさせるべきか判断するのです。 そして、

 
 

◆ 裁判官弾劾法 第16条(裁判員・予備員)
1 裁判員の員数は、衆議院議員及び参議院議員各7人とし、その予備員の員数は、衆議院議員及び参議院議員各4人とする。

 
 

 弾劾裁判所で、裁判官を裁く国会議員のことを「裁判員」と呼ぶそうです。 だから、とっくの昔に裁判員制度はスタート…… あぁ、あっ! 痛い痛い! 殴らないでください! せめてグーでなく平手でぇ!

 

 ……えー、この小ネタは、ただいま書いている「最高裁判所」の本(年内刊行予定)の原稿で、追加の調べものをしている際に見つけました。ちょっと嬉しかったです。

 いい加減に原稿を仕上げないといけませんけどねー。光文社の担当編集者さんが「面白い」と褒めてくださったので、今までにない司法系の本になる手ごたえはありますが…… 書けども書けども書き終わる気がしねぇ。

 次回作は国民審査に関する本でもありますので、福田政権が10月とか11月にいきなり衆議院解散なんか決めたら、リリースのタイミングを思いっきり外してしまいます。国民審査の時期は、解散総選挙と運命共同体ですからね。

 なので、ちょっとビクビクしながら政治ニュースを監視している、今日このごろでございます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月24日 (土)

いよいよ、新書業界の荒波へ……

 まだ幻冬舎新書の公式サイトには発表されてませんが、3月のラインナップ(30日発売)は、「裁判官の爆笑お言葉集」を含めて、なんと10冊も出てしまいます。

 こんなの他社はマネできませんよ。 恐ろしいことです。

 このたびのラインナップの中には、あの今をときめく「みのもんた」師匠の著書が! いやぁ、この強力ネームはありがたいです。

 あっしは、もんたの破壊力にペッタリ付いていきますよ。 どこまでも。

 「お言葉集」の原稿を書きあげた時点で、私の楽しみは8割がた終わってるんですが、やっぱりビジネスとしてある程度は売れてくれないと、次回作(なんじゃこりゃ条例)以降の物書き計画に響いてしまいます。

 お金が足りなくて、「おっぱい都市宣言」の取材旅行が日帰りだなんて、悲し過ぎますよ。 なにもできやしない。 やっぱり、魅惑のおっぱいシティーで、なまめかしい夜を過ごしたいじゃありませんか。 

 

 もんたさんの新作「義理と人情」に惹かれて、幻冬舎新書の陳列台の前に立つと、ふと視野に、とぼけたタイトルの新書も……

 その際には、ぜひ一度、もんたさんの著書をお買い上げになるついでに、「お言葉集」もお手にとってご覧くださいませ。

 よろしくお願いしますよ、お嬢さん。 今日はどこから来たの? エジプト?

 

 来月には、この新書業界に、あの「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」で、140万部超のスマッシュヒットを叩き出した、山田真哉さんの新作が満を持して投入される、との情報を先ごろ入手いたしました……。

 これは本気で怖いですよ。

 なぜ、よりにもよって、この時期なのか?

 うちのカワイイ「お言葉集」ちゃんなんか、軽く食い殺されてしまうんじゃないですか。 「100万部超えたら、あとは惰性で売れますよ」という、氏の冷静すぎるコメントが、さらに怖さを増幅させます。

 くっそー、山口県光市に、ひと晩でも長く滞在したいっ!

 オラ、ぜってぇ負けねぇ!

 
 して、気になります「さおだけ屋」の続編のタイトルは……

 なになに?

 「食い逃げされてもバイトは雇うな」 ?

 

 いやいや、 バイトは雇ってよ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月 1日 (木)

裁判官の 爆笑お言葉集

Dsc00040
 

 えー、私のデビュー作が、今月末に幻冬舎新書として出ます。 ありがとうございます。 ありがとうございます。

 して、そのタイトル…… なんと「裁判官の 爆笑お言葉集」に決まったそうです。

 なんでも、社内で一番タイトル付けのお上手な方が命名してくださったとのこと。

 もうねぇ…… 最初それを見たときは、原稿が書きあがって嬉しい気持ちとか、ホッとした感情とか、すべて消し飛んで、みるみる全身から力が抜けていきました。

 「『爆笑』だけはやめてください!」と先方に泣きつきましたが、けんもほろろでしたね。 幻冬舎の皆さんには、本当に感謝していますが、タイトルだけが残念です。 たしかにインパクトは抜群だけども、笑えるもんも笑えなくなるでしょう。
 

 もう、自分の手から離れちゃったんだなぁ、と実感しましたね。

 せめて、ここで釈明させてください。

 私は、「ひとこと裁判官」の説諭や補充質問などを、「面白くて魅力的!」だと思ったから、皆さんにご紹介しようと思い立ったわけで、笑い飛ばしていただこうという目的で書いたつもりは、まるで無いんです。

 私は収録した裁判官の言葉で、読者の爆笑をとらなきゃいかんのですか。 そんな大それたミッションは、インポッシブルですよ。 どえらいプレッシャーがのしかかったもんです。

 人が大勢亡くなって、傷ついているような事件も収録したというのに、いいのかね。これで。

 プロ野球の珍プレー集とかあるじゃないですか。 真剣に戦っている人を、安全圏から指さして笑う感覚が、私には1ナノメートルも理解できません。 法壇の上からひとことを発する裁判官だって、同じように真剣なんですよ。

 スーパーの青果コーナーから105円のバナナを脅し取った強盗とか、盗んだタケノコを自宅でゆでてる最中に緊急逮捕された竹やぶ泥棒とかね、そういうのなら、私だってさんざんネタにしてますよ。

 ネタにした上で、「なぜそんなことになったのか」いろいろ調べたり深読みしたりして、ドロボーさんにとっての「精神的な逃げ道」も少し確保しながらですけど。
 

 
 親や友人らには「まだタイトル決まっとらんのよねー」って、もったいぶって言い続けてきたけど、いざタイトルを教えるとなると、こりゃかなり恥ずかしいぞ。 どの口が言うかね。 少なくとも、しらふじゃ不可能だな。

 「おっぱい都市宣言」なら、しらふでも連呼できるのに。

 「『爆笑お言葉集』って、じつに恥ずかしげもなく思い切ったタイトルですが」

 「どういう気持ちで、どんな顔しながら名づけたんですか?」

 「ひょっとして、裁判官がキラいなんですかぁ?」

 「『爆笑』っていわれてもなぁ、つまらんかったよ」
 

 ……だとか、ニヤニヤ誰かに訊かれるんだとしたら、うっとうしいなぁ。 「知らんよ」って、そんなの。
 

 誰よりも、命名の「真犯人」であるかのように見えるのは、他でもない著者の私で、きっとツッコミ集中放火の矢面に立たされるんでしょうが、断固として容疑を否認しつづけたいもん。 「それでもボクはやってない!」って。

 それとも、このツッコミはオイシイのかね。 自分のボケじゃないけども。 

 「そんなふうに、皆さんから一斉にツッコミを入れていただけるよう、いわば『ツッコミじろ』を組みこんだタイトルにしてみました」 「ボケ役の物書きとしての本能がそうさせました」とか答えておきましょうか。

 こんなもん、完全にウソ回答ですけど、いつの間にか「ウソから出たまこと」になってたりして。

 「新書は装丁がどれも同じ。 しかも著者は、どこの馬の骨とも知れん無名ライター。 したがって、客はタイトルを見て判断するしかない」 「また、おおげさなタイトルや帯文に惹かれて新書を買う人が増えている」というマーケティング結果が出ているのかもしれません。

 ただ、売り文句に「ウソ・おおげさ・まぎらわしい」記載がある本を、間違えて掴まされてしまったら、私は立ち読みでも後悔します。 そんな本は買いませんから。 読者の皆さんにも、そんな思いをしてほしくはありません。

 繰り返しますが、裁判官の言ったことや書いたことにツッコミを入れて、笑ってやりましょ ワッハッハ、というテーマの本ではないのです。 そうするならそうするで、他に説諭や判決理由のストックがありましたし、別の書き方もできました。

 弱ったなぁ~。 こんなことになるなら、オレもパオロ・マッツァリーノさんみたいに「ナゾの男」として執筆するんだった。 智恵が無いなぁ。

 そういえばパオロさん、こないだのTBSラジオ「ストリーム」に出てられましたね。ビックリしましたよ。 ケンドーコバヤシ氏ばりの重低音ボイスで「参議院なんか早くつぶして、健康ランドにすればいい」とおっしゃってました。 あいかわらずお元気そうで何よりです。

 初版を何部刷ってくれるのかわかりませんが、幻冬舎さんは、私の原稿を新書にするために、数百万円(もっとかも)注ぎ込んでくださるはずです。 それを考えると、そのぶん、著者の裁量、自由度が低くなるのはムリもない…… のでしょう。 さすがに。

 
 今回の件のおかげで、かえって「よぉし、絶対に裁判官語録の第2弾を出してやろう」と強く思えるようになりましたね。

 『爆笑』の2文字は、株式会社 幻冬舎から私にかけられた、いい意味での「呪術」だと思うことにしました。 これは乗り越えないといけないものでしょう。

 また「本来は小難しいジャンルである、法律や裁判に関する本を、一般の人々の手に取ってもらう」という私の目的を実現するためには、この『爆笑』という強力な呪術を、本屋のお客さんに向けてもかけていくことが、どうしても必要なのだと今は思います。 それで、世間さまから求められるなら、いつの日か第2弾をと。

 でも、しばらくの間は「語録」から離れてみるつもりです。 「ニッポンなんじゃこりゃ条例」とか「正義の法律用語辞典」とか「あんぽんたんニュースJAPAN」とか「あなたの知らない疑問票の世界」とか、他に温めている企画はありますから。

 正義の法律用語辞典は、受験生時代に少しずつ項目を付け加えていて、万一、何かの間違いで司法試験に受かった暁には本にしようと思っていたものです。 いちおう、今も発展途上なんですけどね。

 ただ、売りこんでもなかなか受けつけてもらえないんですよねぇ。 ちゃんと詳しい解説を入れたら、一般の人でも楽しめると思うのに。 「毒」が強すぎるのかね。

 ある編集者には「弁護士になれなかったひがみが出てる」とか言われたり……。 そんなつもりありませんって。 でも、そういうふうに読めるということは、まだまだ改善の余地ありなのか。

 ここだけの話、小学5・6年生ぐらいでもわかるような、物語仕立ての「刑事手続き解説本」の構成も、骨組みだけは出来ています。 裁判員制度の開始を見越して。

 「裁判官語録」の第2弾を出すタイミングとしては、やはり裁判員制度が始まる2009年に狙いを定めています。 まぁ、どこかの出版社がGOサインを出してくれなければ、こんなのは単なる寝言ですが。

 「うわー、あいつ、絵に描いたモチ食ってるよ。ヤギかあいつ」((C)伊集院光)みたいな話ですから。

 再来年、今度こそ必ず、自前で付けたタイトルを正式に通せるように精進するぞぉぉ…… と言っていながら、いざ第2弾が書きあがったとき、自分で「爆泣!裁判官語録」とか名づけてたら悲しいですけどね。

 だいたい、なんて読むんだ、その2文字。

 「ばっきゅう」か?
 

 そう考えたら、「爆笑問題」のおふたりって、すごいですよね。 どうしようもないほど重たいものを背負いながら、テレビ芸の道をひた走っておられます。 その意味では「キングオブコメディ」のおふたりもですけど。

 自分は…… 原稿を書きながら、そこまでの覚悟はしてなかったですね。

 このブログやメールマガジン等にしても「法律や裁判について書いているわりには、ちょびっと、おもしろおかしいやろ?」ぐらいのスタンスで、かろうじて成立してましたから。 でも、これから本格的にプロとして動き出すことになる以上、そんなぬるい姿勢じゃ通用しませんよね。

 たぶん、岡本太郎さんなら「他人になんか期待するな。 望むところだ、と。 他人から求められたとおりに爆笑させてやればいいじゃないか。誤解されたっていいじゃないか」と励ましてくださるんでしょうか。

 「出る釘になれ」と。 太郎さんほど、強くなれないっすよ。……あたしゃ。
 

 というわけで、「裁判官は、しゃべり好き」……じゃなかった「裁判官の 爆笑お言葉集」 どうかよろしくお願いします。 黄色い表紙の幻冬舎新書、3月のラインナップに混じって店頭に並ぶそうですので。

 1月のラインナップは、27日に私は店頭で見かけましたから、今回も末日よりは早まるのかも。

 幻冬舎さんの本を「食わず嫌い」されている方こそ、「爆笑」という色気のある誘いにだまされたと思って、一度お手に取ってみてくださいね。

| | コメント (10) | トラックバック (3)

2007年2月 8日 (木)

はじめまして。 『法Wiki』です。

 
あーら奥さま、ごぶさた。

ところでさ、Wikiってご存知?

 

え?

グッドモーニング、ミスタートクミツ?

 

そりゃ、ズームイン朝のウィッキーさんでしょ。

いきなり歴史上の人物を持ち出すんじゃないわよ。

ウィキよ。ウィキ。

みんなで内容を書きこんだり修正したりしていけるホームページのことよ。

 

そうねぇ。 冷蔵庫にかかってる伝言板のホワイトボードみたいなものかしら。ご主人やお子さん向けの。

それが世界中に向けて開かれてる、みたいな……

え? お宅では伝言を、冷蔵庫のドアにマジックで直接書きこんでらっしゃるの?

 

あらまぁ、あいかわらずワイルドねぇ。 奥さま。

白い冷蔵庫を買ったはずなのに、今は真っ黒なのよって。

そりゃそうよ。
 

あ、ごめんなさいね。 お急ぎのところ呼びとめちゃって。

それじゃあねー。 ハバナイスデー!

 
 

 ……さて、私がバイトを3日間休んで立ち上げた問題作

 『法Wiki』を、ここに公開いたします。

 じつは、去年の夏に「Wikiつくりた~い!」と思い立ちまして、専門書も買ったんですが、設置の段階で断念しちゃったんです。 けっこう難しいんですよね。

 それでこのたび、あらためて時間をとって再挑戦。 原因不明のエラーや文字化けもなんとか克服し(ごまかし)、立ち上げに成功しました。

 最初は様子を見るために、私だけが記事の内容を修正できる設定にしたかったのです。イタズラされたら面倒なので。

 ですが、そういったログイン機能は標準で付いておりません。 後から部品みたいなプログラムを付け加える必要があるんです。

 ただ、ダウンロードで付いてきた、説明書にあたるテキストを読んでも意味不明。それで、ネット中を探しまわって、説明どおりにやってみたんですが…… 全然ダメ!

 そもそも書いてあることが、ワケわかめ!(※昨年の流行語大賞より)

 これでもパソコン歴15年のはずなんですが、前世紀の知識なんか使い物になりません。コンピュータ界は日進月歩ならぬ「秒進分歩」なんですなぁ。 と、言い訳。

 仕方なく、編集機能をつかさどるCGIプログラムの属性を『000』にすることに決定。 何人たりとも、このプログラムには触らせねぇ。 「実行」も「呼出」も「書込」もさせねぇ! という男前な設定です。

 その代わり……

 私にも記事を編集できなくなってるんですが!

 まぁ、読むだけなら問題ないみたいなので、とりあえずイイんです。

 まるで、戸締まりをしたいんだけど、鍵の使い方がわからないので、とりあえず、ドアをコンクリートで塗り固めました、みたいな話ですわ。

 私の手にかかれば、せっかくのウェブ2.0も「ウェブ0.2」ぐらいに格下げですね。

 

 
 今のところ『法Wiki』の主力記事は、国民審査向けの「忘れられた一票 200X」です。

 おととしの夏、国民審査の判断資料をアップしたときに、「個人の手で作られた資料だけを基礎に判断するのは不安だ」といった声が聞かれましたので、その種の不安を克服するのは、訪問者みんなが書きこめるWikiに違いないだろうと。

 また、法曹関係のデータもヒマがある限り集めて『法Wiki』にあげていきます。 現役でご活躍の弁護士さん等に関しての書きこみは、業務妨害や名誉毀損の問題など、いろいろとリアルな支障がありそうですので、まずは引退後の人物を中心にデータを作成して、様子をうかがってみようかと考えています。

 有名なWikipediaにも、法律系の記事はあるんですが、学者や法務大臣についての記述の充実ぶりに比べて、裁判官や弁護士など、法律実務家に関してはあんまり無いんですね。なので、こっちでつくってみます。

 私が、そういったデータをWikipediaに書きこめば済む問題でもありますけど、基準がいろいろ厳しそうですし、何か書くからには文章に責任を持ちたいので。

 いつか、心ある方が大勢集まって、何の足しにもならない『法Wiki』プロジェクトに参加してくださる。 そんな日が来ることを願っています。

 ただ、今の段階ではご参加できません。皆さんのご意見・ご感想・素朴な疑問などは、このエントリにコメントという形で書いていただければと。

 
 

>>>>>  わかりにくさは、罪である!
>>>>>  パオロさん第3弾「つっこみ力」刊行記念
 

 「デビュー作が面白すぎて損してる」という声も、なんのその。

 あいもかわらず、道なき道を突き進む勇者。パオロさんの最新作が今週リリースされました。

 今作はなかなかイイですよ。 デビュー作「反社会学講座」の、データを使って縦横無尽に遊ぶ無邪気な雰囲気(をあくまで演じている雰囲気)が戻ってきている印象です。

 私も、新書というメディアを使って、思うぞんぶん遊べる書き手になれるよう、精進したいと思います。(半分本気)

つっこみ力
つっこみ力 パオロ・マッツァリーノ

筑摩書房 2007-02-06
売り上げランキング : 162

おすすめ平均 star
star写真に写っている人物はマ○オに見える・・・。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 

反社会学の不埒な研究報告
反社会学の不埒な研究報告 パオロ・マッツァリーノ

二見書房 2005-11
売り上げランキング : 4436

おすすめ平均 star
star社会学なんて怖くない?
star日経新聞の記事2006年9月27日
star最近のお笑いはコント決まり!である。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 

反社会学講座

反社会学講座 パオロ・マッツァリーノ

イースト・プレス 2004-06-20
売り上げランキング : 30988

おすすめ平均 star
star反社会学講座
starまさに社会学
star「分析学に対する皮肉」という洒落が分かる人に。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月24日 (水)

良質のホラー映画「それでもボクはやってない」

 観てます? 日曜9時のTBSドラマ「華麗なる一族」。なかなかイイですね。

 ひさびさに「留守録してでも観たい」と思わせてくれる、しっかりしたテレビドラマが出てきました。うれしいです。

 ま、私はドラマを観ているというより、ハセキョーを観ているのですが。

 
 相変わらず美しい長谷川京子さんは、「裁判員制度の女神」の座を仲間由紀恵さんに奪われるという悲しみを乗り越え、気丈に振る舞ってられますね。

 いや、それとも余計なお荷物から解放されてセイセイしているのか。 あるいは、彼女のキャリアの黒歴史として完全に忘れ去っているのか。

 ……これ以上は言わないことにしましょう。 切なくなりますので。

 
 それにしても、西田敏行は料亭シーンが似合いますねぇ。一瞬「白い巨塔」のデジャヴかと思いましたよ。

 

 さて、裁判員制度が動き出すのも、いよいよ再来年に迫り、しかもチマタは空前の「裁判傍聴ブーム」だといいます。

 マニアの皆さんは、じつに熱心に裁判所へ通われてますよね。 感心いたします。 傍聴マニアのブログを「傍聴」するのが趣味のマニアもいるようで。

 私は近ごろ、週2回行ければイイほうですよ。 他人様の人生を傍観する前に、まずは自分の人生の建て直しを優先させにゃならんところですので。

 これだけ「裁判」というものが注目される中で、あの映画「Shall we ダンス?」で著名の周防正行監督・脚本の最新作「それでもボクはやってない」が封切られました。

 「このジャンルの映画料金なら、司法ライターとしての経費になるはず」という、個人的なセコさもあって、行ってまいりましたよ。 バイトが終わった後にレイトショーで。

 映画館へ映画を観に行くのは、ひさしぶりです。 司法浪人の最後の年に「ゼブラーマン」を観て、どんなに傷ついても何度も何度も空を飛ぶ特訓を繰り返すゼブラーマンの姿に涙して以来でしょうか。(赤恥)

 
 電車のドアにスーツがはさまってしまい、それを抜き取ろうとモゾモゾしていただけなのに、近くの女子中学生から「チカン」と誤解されてしまう男。 容疑をずっと否認しつづけていると、逮捕→勾留→起訴と、みるみる泥沼にはまっていきます。

 しかし、公判担当の裁判官は「疑わしきは罰せず」という鉄則を忠実に守り、否認事件では無罪判決を多く出すことで有名な方。 主人公に一縷の望みが出てきます……。

 日本の「決めつけ司法(命名:みそしる)」の問題点を見事にあぶりだした作品です。 その「決めつけ司法」という巨大な敵に敢然と立ち向かい、あきらめずに闘う弁護人や支援者の努力や苦悩がストレートに胸を打ちます。

 私も観ていて、………なんだか、弁護士になりたくなっちゃいました。

 

 冗談はさておき、出色の完成度なのは法廷シーンです。 東京地裁の傍聴マニアならビックリすると思います。 実際の法廷と違いがまったくわかりませんから。

 私はツッコミどころを探そうと、意地悪く細かく注目していきましたが、法壇の材質や寸法、マイク、傍聴席の柵やイス、それぞれの器材の距離関係、被告人や裁判官が出てくる扉の奥の雰囲気、壁の時計、果ては女子中学生が法廷で証言する場面での遮蔽スクリーンまで……。

 おんなじですねぇ。

 まさか東京地裁がロケに協力したってことはないでしょうし。

 唯一、壁の色が違って、新しい壁紙に見えるぐらいですか。 やっぱり撮影用のセットをつくったんでしょうね。 それにしては、よくできてます。

 ツッコミどころを探せば探すほど感心のしどおしで、一般に非公開である留置場や取り調べのシーンは、逆に「へぇ~」と、発見の連続でした。 法廷をあそこまで忠実に再現なさるぐらいですから、こちらも質量ともに尋常でない取材を重ねて、実際の様子と遜色なく描かれているのでしょう。 私のライターとしての活動が、いかに底の浅いものか思い知らされます。

 撮影セットの見た目だけでなく、ウソをつこうとしていないのに証言が現実の出来事と食い違っていくさまもリアルですし、主人公に当番弁護士を頼まれたときの警官の反応や、弁護人の「しかるべく」「差しつかえです」などのお決まりのセリフがおかしいですね。

 現実の法廷では「異議あぁぁりっ!」なんて派手に叫んだりしていません。 というより、争いのある刑事事件そのものが稀少ですし。

 時系列をぐちゃぐちゃに入れ替えて魅せるような演出に凝る映画が多い中、本作は、事件当時の回想シーンを除いて、物語が時間の進み方に素直に展開していきます。 とても見やすくできているうえに、まったく退屈しません。

 この作品は、じつはホラー映画に分類されるべきかもしれません。 一般的なホラー映画だと、突拍子もない展開につい笑ってしまう私ですが、こればかりは本気で怖かったです。 何の誇張も飾りもなく、司法の現実が淡々と描かれていますから。

 容疑者逮捕のメディア報道をもって「事件は解決した」と思いこみがちな、法律学の予備知識がない一般の皆さんにも、私が感じた怖さがわかってもらえるはずです。

 「誤認逮捕は決して他人事ではない」と痛いほど気づき、「『疑わしきは罰せず』の鉄則が守られない恐ろしさ」を理解していただけるかと思います。 そのへんを説教くさくなく仕上げているところに、人気映画監督らしい仕事の跡が見て取れます。

 そして、周防監督ご自身もおっしゃっていますが、この映画は現職の裁判官にこそ目を見開いて観ていただきたいものです。 というより、裁判官に観せるためにつくったとしか思えないのですがね。

 ラストに近づくにつれて、現実の司法を鋭くえぐるセリフの数々が飛び出します。 監督自身のお考えを、ストレートに登場人物に代弁させているのでしょう。

 ひさしぶりに映画館に行って、楽しかったです。1回分の映画代金があれば2,3日暮らせますから、ついつい私はケチってしまいますが、今度は話題沸騰、「愛ルケ」のハセキョー濡れ場でも拝見しますか?

 

 ……ただ、テレビならまだしも、カネを出してまで逢いに行く気にならない私。ハセキョーへの惜しみない愛も、それまでか。

 いっそのこと「ハセキョーライター」を名乗ったら、愛ルケ代も必要経費で…… とりあえず黙って「贅沢日和」でも飲んどこ。
 
 
 冗談はともかく、「鶴橋康夫監督作品」という要素は気になるなぁ。かつてのドラマ「リミット」や「砦なき者」が実に素晴らしかったので。

 

>>>>>>> エントリ関連書籍 <<<<<<<

それでもボクはやってない ― 日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり!
それでもボクはやってない ― 日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり! 周防 正行

幻冬舎 2007-01
売り上げランキング : 1222


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
お父さんはやってない
お父さんはやってない 矢田部 孝司+あつ子

おすすめ平均
stars身につまされます
stars冤罪によって翻弄された人間模様を描いた渾身のドキュメント
stars非常に複雑・・・。
stars疑わしきは罰する現実
stars「疑わしきは罰せず」

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
彼女は嘘をついている
彼女は嘘をついている 小泉 知樹

おすすめ平均
stars裁判で負けたとしても…
stars真摯に伝えようとする文章がこころを打ちます

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
 

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2006年12月 7日 (木)