2009年6月12日 (金)

無罪主張のチカン裁判 & 司法浪人ジョーク集

 今日は、被告人の男性が、一貫して無罪を主張しているチカン容疑の裁判を傍聴。

 「満員電車内での人違い」を主張していて、まさに映画『それでもボクはやってない』を地でいく内容です。

 一説には、チカンの8割以上は、手慣れた常習犯によるしわざだといわれます。 もし、本当に人違いで、常習犯が関係ない乗客に犯行をなすりつけたとしたら、極めて憎らしい話です。

 

 証言のために法廷へやってきた女子高校生。

 満員電車で、自分の左前に立って、たびたび前腕部を胸に押しつけてきたという男が、その直後、スカートの中に手を入れてきた犯人と同一人物に違いないと考えて、彼の腕などをつかみ、チカンの犯人だと申告したそうです。

 でも、法廷にいる限り、その状況は客観的にはわからない。 彼女から当時の状況について、話を聞きながら、想像で把握するしか有効な方法はありません。

 いくら真実の解明のためとはいえ、検察官や弁護人からの質問により、「パンツ」「陰部」などの言葉を、法廷でたくさん繰り返し言わされて、正直かわいそう。

 それに、なんと去年の5月に起こったチカン事件とのことで、被害者の女子高校生も、記憶が相当薄れている模様です。

 ところどころ断言的に証言した内容が、事件直後の供述と矛盾していたりして、証言をすればするほど、彼女も自信を失いつつあるように感じましたね。

 「たぶん、そのときに魔が差してしまったのだと思うので、普通の処罰でいいです」と、遠慮がちに処罰感情を話していました。

 

 いかがなものかと思ったのは、弁護人からの質問。

 「あなたは自分で、チカンに遭いやすいタイプだと思いますか?」とか「どんな制服を着ていましたか?」など、明らかに不要でセクハラまがいとも取れる質問をしていて、裁判官から厳しく注意を受けていました。

 被害者の女性は、過去にもチカンに遭った経験があり、そのときは「わざとやっているのか確信が持てなかった」として、泣き寝入りしたのだそうです。

 そのせいで、「今度こそ、チカンを捕まえてやる!」という気負いや焦りのようなものを潜在的に持っていたとしたら、本件の被害を受けている最中「チカンはイヤだ」「絶対に捕まえる」ということに気を取られて、「本当にその人が犯人なのか」という認知が二の次になった可能性がある。

 ……きっと、弁護人は、そういう点を確認したかったのではないか、と、私は傍聴席で思いました。

 

 完全否認事件ということで、担当裁判官は、とても慎重に審理を進めている印象を受けましたが、ああいった発言で、被告人サイドの心証が悪くなってしまった可能性があります。

 まだ審理の最中ですので、詳しい裁判傍聴録の公開は、また別の機会に。

 

 

弁護士ジョーク

 初めのほうに載っている「リスと弁護士の違い」という小話は、わりと知られている感じですかね。

 いくら何でも、弁護士が気の毒すぎです。

 とにかくアメリカで、弁護士(ローヤー)という職業人は「守銭奴」「詐欺師」まがいの、尋常でない嫌われ方をしているということがわかります。

 一方で、アメリカ大統領は、ほとんどが弁護士資格者(ロースクール出身者)ですから、弁護士であることは、社会的評価を構成する必要条件のひとつだともいえそうです。

 ただ、日本人に、アメリカの弁護士ジョークはピンと来ません。

 国内で弁護士という職業は、なんだかんだでまだまだ、難しい国家試験を突破しているスーパーエリートの代表格とみなされており、多かれ少なかれ一目置かれる存在だからです。

 裏を返せば、弁護士という職業に対して、良くも悪くも、特定の強烈なイメージが世間で共有されていないんですね。

 

 むしろ「司法浪人ジョーク集」という類のものなら、作りやすいかもしれません。

 「平日の昼間にウロウロして怪しい」「人生泥沼」「人と向き合うより、紙と向き合うほうが気楽」など、いろいろと、病的な要素が目白押しなので。

 「司法浪人の爆笑ジョーク集」を、もし作ったら、世間で読んでいただけるものなんでしょうかね?

 

 司法浪人、哀愁の一句!

 

 勉強を してもニートと 紙一重

 

 本当は 受験が苦手な 塾講師

 

 今日もまた 曜日の感覚 見失い

 

 プライドと 模試の得点 反比例

 

 恋人を 待たせ愛想を 尽かされて

 

 母の日に 落ちる浪人 親不孝
 (※第一関門であるマークシート試験は、毎年5月第2日曜に行われてます)

 

 予備校の 講義と幻聴 聞こえるね

 

 冬の夜 パソコン裏の ぬくもりよ

 

 おめでとう 今年も後輩 受かったね

 

 青春を つぶした代償 就職難

 

 ……いやぁ、いくらでも書けちゃいます。 スラスラ書けすぎて、パソコンの文字が涙で見えなくなりそうです。

 司法浪人なら、友人の友人や、遠い親戚に思い当たる人物がいたりする厄介者ですから、なんとなくのイメージは持てるかなと思います。

 

 法曹関係者や挫折経験者だけに絞ったら、対象が狭すぎますが、

 「夢を持ち続けることの、素晴らしさと見苦しさ」「司法試験と就職活動の板ばさみ」「好きな道で頑張っているはずなのに、毎日胃が痛い」など、ほかのジャンルで頑張ったり悩んだりしている方にも、広く人生の示唆に富む(ホントか?)内容だと思うんですよね。

 ただ、これからの主流である新司法試験では、「5年以内に3回落ちたらアウト」というルールなので、長年ひどく浪人をこじらせる事態は絶滅してしまいますけどね。

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2007年5月14日 (月)

新企画! 司法浪人いろはガルタ 【き】

  今日もまた
 

  曜日の感覚
 

  見うしない

  
 
 
070514karutaki

 

【評】

 ベテラン浪人が世間から取り残されていくさまを捉え、すくいあげた一句です。

 「予備校の自習室ばっかりじゃアレだから、たまには気分転換するかなー」と、図書館の学習室に赴くも、その行く手を阻むは、「休館」との非情な2文字が記された看板。

 出鼻をくじかれ、結局引き返すことになるのです。 そして、いつもの予備校自習室へ吸いこまれていく司法浪人。

 嗚呼、幸多かれ。

 

 答案練習会(答練)や模試を毎週同じ曜日に受けつづけている時期ならば、まだマシなのです。

 どちらかといえば、答練の「オフシーズン」に陥りがちなワナだといえましょう。 もっと毎日に緊張感を持ちたいものです。
 

 本日より始まりました、司法浪人の悲哀をうたうカルタのご紹介。 50音をコンプリートするか、私が飽きるまで続きます。

 

>>>>>>> おすすめサイト
 

 コンピュータのプリンタでは出せぬ、味わい深さ。 伝統の活版印刷で刻印された文字は、ひとつひとつが息づいているように感じられます。

 そして、本格的に手漉き和紙で用意された名刺台紙は、他を圧倒する種類を誇ります。 

 このたび私は「竹紙」を試してみました。 いわゆる和紙っぽい名刺なら、他にもたくさんありますが、こちらは仕事にごまかしがありません。 これが「本物」ということなのでしょう。

 デジタルの恩恵に慣れすぎた私たち。 その便利さ、合理性から、たまには距離を置いてみてはイカガ?
 

 メイシ五分間さま (広島市より)

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